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RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM レンズレビューVol.3 近距離解像編

キヤノン「RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM」のレビュー第三弾を公開。今回は恒例の解像力チャートを使い、EOS R7と組み合わせた際の近距離解像性能をチェックしています。

RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STMのレビュー一覧

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:EOS R7
  • 交換レンズ:RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 100 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

10mm

予想していたよりもはるかに良好な結果。広角レンズはテスト時に定型チャートにかなり近寄る必要があり、近接時の収差変動で特に周辺部や隅の性能が低下する傾向があります。このレンズはF4.5の絞り開放から全体的に良好な結果が得られ、周辺部や隅も中央に近い性能。手ごろな価格の小型軽量なAPS-C用ズームレンズとしては驚異的な性能。

中央

数値通り、絞り開放からピークの結果が得られています。絞りによる画質が向上する余地はほとんどなく、絞り過ぎると回折により画質の低下が発生。F8を超えると急速に性能が低下します。

周辺

フレーム周辺部もF4.5から中央に近い結果。絞りによる改善の余地はほとんどありません。

四隅

中央や周辺部と比べると細部の解像性能が低下するものの、収差が良く抑えられ、非常に安定した描写に見えます。ただし歪曲収差が強いため、補正時に画質が低下する可能性あり。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F4.5 3834 4145 3130
F5.6 4087 3898 3463
F8.0 3720 3912 3797
F11 3283 3348 3167
F16 2616 2722 2722
F22 2202

実写確認

12mm

10mmと同じく非常に良好。隅のパフォーマンスも改善し、フレーム全体で絞り開放から優れた結果を得ることができます。少なくとも3000万画素のEOS R7では絞りによる改善の余地はほとんど無いように見えます。

中央

開放からとても良好であり、これと言って書くことがありません。

周辺

中央と同じく非常に良好。

四隅

フレーム隅ですら中央や周辺部と同程度の結果を得ることができます。やはり歪曲収差が強めのため、補正時に画質がいくらか低下する可能性あり。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F5.0 3734 3752 3761
F5.6 3712 4187 3822
F8.0 3622 3779 3455
F11 3363 3480 3242
F16 3375 2664 2573
F22 2656 1794 1685
F25 2049

実写確認

14mm

12mmと同じくフレーム全体が絞り開放から非常に良好。絞っても画質が向上することはなく、F5.6からピークの性能と言えるでしょう。絞りは被写界深度の調整で使えばよいと思いますが、回折の影響を受けやすい点に注意する必要があります。
(これと言って書くことが無いので中央・周辺・隅の詳細は省略)

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F5.6 3795 3773 3669
F8.0 3659 4032 3641
F11 3341 3100 3089
F16 2795 2815 2526
F22 2136 1980 1857
F29 1735 1535

実写確認

16mm

望遠側でも良好なパフォーマンスを維持しています。小型軽量なズームレンズながら、ここまで弱点が見当たらないとは予想していませんでした。ただし、開放F値がF6.3と大きいため、絞ると性能が急速に低下する点には注意が必要です。
(これと言って書くことが無いので中央・周辺・隅の詳細は省略)

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F6.3 3773 4072 3670
F8.0 3614 3693 3764
F11 3218 3105 2923
F16 2656 2605 2636
F22 2114 2156 2053
F32 1582

実写確認

18mm

14mmや16mmほどではありませんが、中央や周辺部は非常に良好な性能を維持しています。隅の画質低下も驚くほどのものではなく、わずかな低下に抑えられているように見えます。
(これと言って書くことが無いので中央・周辺・隅の詳細は省略)

中央

周辺

四隅

数値確認

中央 周辺部 四隅
F6.3 4068 3886 3451
F8.0 3577 3992 3221
F11 3273 3270 3204
F16 2682 2798 2480
F22 2114 1963 1841
F32 1477

実写確認

まとめ

他社を含めてAPS-Cミラーレスの中では最小クラスで、さらに最も手ごろな価格の広角ズームレンズ。しかしながら、解像性能はとても良好であり、3000万画素のEOS R7と組み合わせても全く問題の無いパフォーマンスを発揮。ズームレンジが狭く、開放F値が大きいので柔軟性には欠けるものの、エントリー広角ズームレンズとしては十分過ぎる性能と言えるでしょう。注意すべきは10mmや12mmにおける強い歪曲収差。歪曲収差が気にならないのであれば(使える範囲内で)優れた結果が得られます。しかし、収差を補正する場合は四隅に強い修正が入り、引き延ばされるために画質が低下する可能性あり。小型軽量で低価格ながら高性能ですが、その代償はソフトウェアによる補正に丸投げした歪曲収差と言えそうです。

購入早見表

作例

オリジナルデータはFlickrにて掲載

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