このページではキヤノンのフルサイズミラーレス「EOS R」用交換レンズ「RF24-105mm F4L IS USM」のレビューを掲載しています。
Index
RF24-105mm F4L IS USM
仕様の確認
RF | EF USM | EF STM | |
レンズ構成 | 14群18枚 | 12群17枚 | 13群17枚 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) | 10枚 | 7枚 |
最小絞り | 22 | 22 | 22-36 |
最短撮影距離 | 0.45m | 0.45m | 0.4m |
最大撮影倍率 | 0.24倍 | 0.24倍 | 0.3倍 |
フィルター径 | 77mm | 77mm | 77mm |
最大径×長さ | φ83.5×107.3mm | φ83.5mm×118mm | φ83.4×104mm |
質量 | 700g | 795g | 525g |
手ブレ補正 | 5段分 | 約4段分 | 4.0段分 |
AF | ナノUSM | USM | STM |
防塵防滴 | 対応 | 対応 | ー |
フッ素コート | 前後 | 前後 | ー |
ミラーレス専用設計で軽量化と小型化を実現しつつ、手振れ補正の効果を高めているようです。
ただ、ボディの小型軽量化と比べ、そこまで小さくなっていないたので「相対的にレンズが大きく見える」と感じるかもしれません。
絞り羽根は従来の偶数羽根から奇数羽根にチェンジ。光条の形状は大きく変わっているので気になる人は要注意。
外観
サイズ・外装
φ83.5×107.3mm・700g。
一眼レフ用よりも小さくなったとは言え、レンズの最大直径が変わらないので「小さくなった」とは感じ辛いかも。
材質はEFレンズと同じくプラスチックが主に使われている。同時に手に入れたニコンミラーレスの標準ズームと比べ質感は若干劣る。しかし、堅牢性と言う意味で特に心配する部分は見当たらない。
ズーム
24mmから105mmへズームすると約5センチほど内筒が前方へ伸びる。内筒はニコンのように2段式では無く、1段式となっているので見た目はスッキリ。
ズームリングの回転角は24mmから105mmまで90度を少し下回る。素早く操作でき、動作は滑らかなので画角の微調整は容易。
ロック機構は24mm時にスイッチで対応。ロックしなくても自重落下することは無いがカメラバッグから取り出す際などに(フードが引っかかって)伸びてしまうことがあるので収納時はロック推奨。
レンズフード
プラスチック製で着脱用ロックボタンあり。
内側は植毛されていない。
前玉・後玉
前玉
前玉は77mmフィルターを備え、フッ素コーティングあり。フラットな形状のためメンテナンスはしやすいはず。
レンズマウント
マウントは防塵防滴仕様の金属製。
後玉
後玉は前玉と同じくフッ素コーティングが施されているので他社と比べてメンテナンスが容易。できれば触りたくないものの、いざという時に気負いしなくて済む。
ズーミングすることで後玉は前方へ移動する。キヤノンは「フランジバックじゃなく、バックフォーカスが重要だ」と述べているが、センサー面に最終レンズを寄せているRF35mm F1.8 Macro IS STMと比べて少し頼りない。ニコン24-70mm F4 Sもズーミングで後玉が移動するが、比較的イメージセンサー寄りに配置されている。(光学性能に関しては後述)
内部には反射を防止するためのマットな黒塗装が全体的に施されている。
EOS Rとの組み合わせ
どちらも一眼レフと比べて小型化されているものの、ボディと比べてレンズの小型化はあまり進んでいない。
一眼レフからペンタプリズムやミラーを取り除くことが出来たミラーレスと比べて、レンズの小型化はそこまで簡単なことではないらしい。
ただ、EOS Rはグリップがしっかりとしているため、この組み合わせで長時間の手持ち撮影が苦になることは無かった。
機能性
マニュアルフォーカス
EF USMと違い電子制御式のフォーカス機構。
操作性はEF STMに近いが、EOS Rのフォーカスガイドやピーキング、ピント距離表示などを活用することで遥かに簡単なマニュアルフォーカス操作が可能。
手振れ補正
シフトブレや回転ブレに対応していないので過信は禁物。このあたりはボディ内手振れ補正やシフトブレ対応の光学手振れ補正に劣っている。
フォーカス
従来のフルサイズ用標準ズームと比べると軽快で高速。ボディ側のオートフォーカス性能に問題が無ければとても高速で快適なオートフォーカスが可能。
遠景解像
24mm
中央
F4-F16まで画質変化が少なく安定した描写性能。F22のみ回折の影響が強い。
四隅
24mmの四隅としてはなかなか良好。ただし、これはボディ内デジタルレンズオプティマイザを適用しているため。
RAWでは四隅の残存する倍率色収差を確認することができ、Lightroomなどで現像するとEOS Rのボディ現像よりもやや甘い結果となる。
50mm
中央
絞り値全域で良好。
四隅
24mm時のような倍率色収差の甘さは感じられない。絞り開放から立派なパフォーマンス。
85mm
中央
絞り値全域で良好。
四隅
50mmと同じく倍率色収差が少なく安定した描写。
105mm
中央
絞り値全域で良好。
四隅
24mmと同じく倍率色収差はやや目立つが、しっかりとした解像性能。F8まで絞ると少しキレが増す。
接写解像
サンプル数が多くなってしまうので24mmと105mmのフレーム端のみピックアップ
24mm
(あまり寄れるレンズでは無いということもあってか)開放からまずまず良好だが、F5.6-F8まで絞るとベスト。
105mm
絞り開放付近で少し甘いかな?と感じる場合は2段絞るとスッキリする。
ボケ
24mm
24mmとしてはまずまず良好。24-105mmズームレンズと考えると健闘しているのではないかなと。
ボケのアウトラインが少し強調される傾向にあるため、場合によっては少し騒がしいと感じるかもしれない。
50mm
24mmと同様。
70mm
広角~中間域と比べて少し綺麗なボケ質。特に指摘する部分は無く、ボケ量が問題なければ積極的に使っていきたい。
105mm
70mmよりも滑らか。良いと思います。
周辺減光
24mm
*ミニスタジオを使っているため背景が完璧にフラットではありません。フレーム右側の暗部は減光ではなくライトの不備です。
F4で少し強めの減光が発生、F5.6でも僅かに残存するが、F8で解消している。
50mm
F4で僅かに減光を感じるものの、全ての絞り値で問題無し。
105mm
中間域と比べると減光はやや大きいが、24mmほど広範囲ではない。F8まで絞ると解消する。
逆光耐性
極端に悪くないものの、そこまで良くもない。
逆光シーンではフレアこそ発生しないものの、ゴーストは飛びやすい印象。
光条とコマ収差
サンプル
全体
クロップ
光条
9枚絞り羽根のため光条はウニウニっとした形状。
F8あたりから徐々に浮き上がり始め、F11でシャープな光条となる。
コマ収差
24mmではやや目立つ上に、像高6割以上で変形が確認できる。
F8まで絞るとほぼ収束し、F11で完璧。
まとめ
良いレンズなのは間違いないけど、他のミラーレス用レンズと比べると感動が少ない。もし一眼レフ用標準ズームを持っているのであれば、「AF速度」「より良好な画質」を重視しない限り無理して買う必要は無さそう。
とは言え、替えが効くレンズを持っていなければ無難な選択肢。逆光に気を付けてボディ内か純正ソフトでDLO現像するのであれば粗は目立たず使いやすいレンズとなってくれるはず。
Points
- ボディほど小型軽量化されていないがEOS Rとのバランスは良好
- 防塵防滴・プラスチック製鏡筒・金属マウント
- 高速で軽快なオートフォーカス
- ズームレンジ全域で良好な解像性能
- 24mmと105mmの四隅で倍率色収差が少し目立つ
- ミラーレス用レンズとしては接写性能が平凡
- 中間域以降でまずまず良好なボケ質
- 24mmと105mmで周辺減光がやや目立つ
- 逆光耐性は平凡
- 四隅のコマ収差が目立つ
- ボディ内DLO対応
使用機材
レンズ仕様
画角(水平・垂直・対角線) | 74°?19°20'・53°?13°・84°?23°20' |
---|---|
レンズ構成 | 14群18枚 |
絞り羽根枚数 | 9枚(円形絞り) |
最小絞り | 22 |
最短撮影距離 | 0.45m |
最大撮影倍率 | 0.24倍 |
フィルター径 | 77mm |
最大径×長さ | φ83.5×107.3mm |
質量 | 700g |
サイト案内情報
キヤノン関連ページ
- キヤノントップページ
- キヤノン一眼カメラボディ一覧
- キヤノンEFマウント交換レンズ一覧表 広角レンズ/標準レンズ/望遠レンズ
- EOS Mシリーズ一覧
- キヤノンFDレンズ一覧
- キヤノン関連記事
- キヤノン公式サイト
Facebookで最新情報やカメラ・レンズのレビューを発信しています。
「いいね!」を押すとFacebookの最新情報が届きます。