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銘匠光学 TTArtisan 25mm F2 C 徹底レビュー Vol.5 諸収差編

銘匠光学「TTArtisan 25mm F2 C」のレビュー第五弾を公開。今回は色収差や歪曲収差など各収差を恒例のテスト環境でチェックしています。

TTArtisan 25mm F2 Cのレビュー一覧

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指す。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の影響が考えられる。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合もある。ただし、近距離でフラットな被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要は無い。

無限遠でも影響が見られる場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がない。

参考:Wikipedia 像面湾曲

実写で確認

中央・隅どちらにピントを合わせてもフォーカス位置に大きな変化はありません。多少の変化はありますが、細かい差を気にするよりもコマ収差による画質低下のほうが目立ちます。フレーム全体の結果を気にする場合はF8~F16くらいまで絞ったほうが良いでしょう。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレーム四隅に現れる色ずれを指す。絞り値による改善効果が小さいため、この問題を解決するにはカメラボディでのソフトウェア補正が必要。ただしボディ側の補正機能で比較的簡単に修正できるので、残存していたとして大問題となる可能性は低い。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向がある。

参考:Wikipedia 色収差

実写で確認

完璧な補正状態ではありませんが、極端に目立つ収差が残っているわけでも無く、低リスクで簡単に修正することが可能な状態に見えます。倍率色収差に関して心配する必要は無いでしょう。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれを指す。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられる。簡単な後処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えて欲しいところだが、大口径レンズでは完璧に補正できていないことが多い。

軸上色収差を完璧に補正しているレンズはピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できる。

参考:Wikipedia 色収差

実写で確認

低価格の明るいF2レンズながら、軸上色収差を良好に補正しています。状況によっては少し色づく場合もありますが、基本的には様々なシーンでF2から問題なく使うことができます。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうことを指す。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすい。主に魚眼効果と似た形状の「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれる。

参考:Wikipedia 歪曲収差

比較的補正が簡単な収差だが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となる。

実写で確認

僅かな樽型の歪曲収差が発生していますが、直線をフレーム周辺部に配置しなければ問題ない程度に抑えられています。レンズプロファイルはありませんが、手動での補正も簡単なので特に問題と感じるシーンは少ないはず。

スライドショーには JavaScript が必要です。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないことを指す。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要がある。

参考:Wikipedia コマ収差

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる。

実写で確認

遠景解像のテストでも指摘しましたが、このレンズでフレーム周辺部における画質低下の要素がコマ収差。F2の絞り開放で全体像を見ても分かるほど目立ち、F8まで絞ってもまだ残存しているのが分かります。点像の再現性が非常に低いため、イルミネーションや夜景、星空の撮影にはお勧めできません。

球面収差

一見すると大きな変化は無いように見えますが、微ボケの中心部に輝度差があるように見えます。このあたりが後ボケの柔らかさに繋がっているのでしょうか。

まとめ

1万円を切る手ごろな価格の明るい準広角レンズですが、色収差が良好に補正されています。(絞って色収差を抑える必要がないので)F2を使いやすく、被写界深度の浅い、大きなボケが得られる写真を気軽に撮影することができるレンズに仕上がっています。この価格であれば、これだけでも十分に価値のあるレンジに仕上がっているのかなと。

歪曲収差は完璧な補正状態と言えないものの、直線的な人工物を入れても目立たない程度に抑えられています。建築物など人工物の被写体がメインであれば後処理が必要かもしれませんが、基本的には心配する必要はなさそう。

問題はコマ収差。
絞り開放で非常に目立ち、軽く絞ってもほとんど改善しません。点光源をはじめ、木洩れ日などでも点光源の変形に気を付けたほうが良いでしょう。ただし、F8以降ならばぐっと抑えることが出来るので、風景シーンなどで心配する必要はないと思います。基本的にはダブルガウスらしい傾向かなと。

少なくとも接写時は球面収差の影響で後ボケが滲むように滑らかな描写です。価格を考慮するとかなり綺麗なボケが得られるので満足が高いと感じるかもしれません。

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