銘匠光学 TTArtisan 25mm F2 C 徹底レビュー Vol.6 周辺減光・逆光編

銘匠光学「TTArtisan 25mm F2 C」のレビュー第六弾を公開。今回はピント位置による周辺減光の影響や光源の配置で逆光耐性がどのように変化するのかチェックしています。

TTArtisan 25mm F2 Cのレビュー一覧

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周辺減光とは読んで字のごとく。フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ちを指す。中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となる傾向。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生する。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象だが、露出不足を後処理の補正（増感）でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景で高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

F2の絞り開放でわずかな周辺減光が発生。このような小型軽量な準広角レンズとしては、減光がよく抑えられているように見えます。1段絞るととほぼ解消し、2段絞ると手動補正も必要なくなります。

最短撮影距離と比べると隅の減光が強くなります。フラットなシーンでは少し目立つので、絞るか後処理で補正したいところ。幸いにも絞ると徐々に改善するので、F8などを使う風景シーンでは特に問題ありません。

TTArtisanのレンズと言えば逆光耐性が低く、ほんのわずかな光にも過敏に反応してフレアが発生しやすい印象があります。このレンズも例外ではなく、強い光源であれば全体像に強い影響を及ぼすフレアが発生します。ただし、絞ればまずまず安定するので、気になる場合は2段ほど絞ってみるといいかもしれません。

光源を隅に配置した場合もF2やF2.8では目立つフレアが発生します。やはり絞ると安定するので、フレアを抑えたい場合はF4以降を使うのがおすすめ。絞るとゴーストが発生する場合もありますが、レンズ構成枚数が少ないので間面反射が少なく、目立つシーンは少ないように見えます。

初期は分散する光条ですが、F8~F16ではシャープな光条が得られます。このような手ごろな価格のレンズとしては非常にきれいな光条となるので、工場などの撮影では面白い結果が得られるかもしれません。（ただし、逆光耐性が低いのでゴーストが発生する可能性を否定できませんが…）

小型軽量なレンズサイズを考慮すると周辺減光はよく抑えられているように見えます。特に至近距離の撮影では減光が少なく、気になるシーンは少ないはず。

風景シーンでは絞る場合が多いと思われ、F8以降であれば周辺減光は光学的によく抑えられています。レンズプロファイルが無いので自動補正に対応していませんが、特に不便と感じたことはありません。解像性能なども考慮するとF8以降まで絞る場合が多く、自然と減光も抑えられています。

問題はTTArtisanらしい逆光耐性。強い光源以外でもフレアが発生することがあり、曇天シーンの屋内から撮影した写真にもフレアが映り込むことがあります。想像を超える逆光耐性の低さで、むしろこれが楽しいとすら感じることもありますが、フレアを許容できない人にとっては厳しいレンズとなりそう。