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銘匠光学 TTArtisan 25mm F2 C 徹底レビュー 完全版

このページでは銘匠光学「TTArtisan 25mm F2 C」のレビューを掲載しています。

TTArtisan 25mm F2 Cのレビュー一覧

管理人の評価

評価:

MFレンズの入門モデル

小型軽量ながら口径がF2と大きく、準広角でボケも楽しめるレンズ。価格は1万円を切っているので、気軽に購入できるのも強みの一つ。光学性能はダブルガウスタイプらしい特徴を持ち、フレーム隅以外は絞ることで良好な解像度を得ることが可能。接写時はボケも綺麗で、色収差や歪曲収差もまずまず良好に補正されています。電子接点がないのでフルマニュアル操作が必須ではあるものの、初めてのMFレンズとしては面白い選択肢となるはず。

ポイント 評価 コメント
価格 1万円以下
サイズ とても小さい
重量 とても軽い
操作性 最低限だが良好
AF性能 MF限定
解像性能 隅以外は良好
ボケ 接写時は滑らか
色収差 まずまず良好
歪曲収差 良好
コマ収差・非点収差 かなり絞る必要あり
周辺減光 許容は範囲内
逆光耐性 絞れば改善可能
満足度 携帯性重視でアリな選択肢

被写体の適正

被写体 適正 備考
人物 この距離ではボケが騒がしい
子供・動物 MFでは難しい被写体
風景 絞ればまずまず良好
星景・夜景 点像再現性はよくない
旅行 携帯性は魅力的
マクロ 撮影倍率は高くないがボケは綺麗
建築物 補正ファイルがないので綺麗に補正が難しい

まえがき

数多くのMFレンズを手掛けている銘匠光学のAPS-Cミラーレス用の手ごろな価格でコンパクトな標準単焦点レンズ。

概要
レンズの仕様
マウント E/X/M43/EOS M/RF/Z/L 最短撮影距離 0.25m
フォーマット APS-C 最大撮影倍率 不明
焦点距離 25mm フィルター径 43mm
レンズ構成 5群7枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F2 テレコン -
最小絞り F16 コーティング 不明
絞り羽根 7枚
サイズ・重量など
サイズ φ63×28mm 防塵防滴 -
重量 166-189g AF MF
その他
付属品
レンズキャップ

開放F値が「F2」となる中口径の準広角レンズとしては小型軽量で、コンパクトなAPS-Cミラーレスカメラと相性の良いレンズに仕上がっています。特にレンズ全長が28mmと短いので、カメラバッグのちょっとした隙間などにレンズごとカメラを詰め込める携帯性の良さが強みとなります。

レンズ構成は5群7枚のダブルガウスタイプに見える光学設計を採用。手ごろな価格のコンパクトなレンズとしては安定感のあるMTFを実現しており、チャートを見る限りでは大部分で安定感のある描写を期待できそう。ただし、フレーム端に向かって急落しているので、周辺部ではコマ収差などが目立つ可能性あり。

価格のチェック

海外では55ドルと驚くほど安く、円安が続く国内でも1万円未満で入手可能。同じような焦点距離をカバーするF1.8~F2レンズがカメラメーカー純正品で3~5万円することを考えると手ごろな価格設定ですね。

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レンズレビュー

外観・操作性

箱・付属品

グレーを基調としたシンプルながら個性的なデザインの箱。表面にはファブリック調のカバーが張り付けられており、高級感があふれ出ているわけではないものの、1万円前後の手ごろな価格設定を考えると立派な作りに見えます。高級感が有るわけでは無いけど、雰囲気作りには成功しているのかなと。

箱を開けてみると、レンズは分厚い緩衝材に囲まれて梱包されています。同梱品は説明書のみとシンプルながら、低価格なレンズとしてはしっかりとした内装。

外観

TTArtisanらしく鏡筒は総金属製のしっかりとした作り。多くのMFレンズメーカーが総金属製の鏡筒であることを考えると、TTArtisanのビルドクオリティが強みになると一概には言えませんが、少なくとも欠点とは感じません。鏡筒表面のピント距離や絞り値の表示は全てプリントで、エッチングなどの加工は施されていません。

外装はややマットなブラックの塗装で、マウント付近は無塗装のアルミニウム合金に見えます。

前玉・後玉

前玉にフッ素コーティングが施されている記述は見当たりません。防塵防滴にも対応していないのでフッ素コーティングは期待しないほうが良いでしょう。レンズ保護に役立つフードもないので、前玉の汚れや傷を心配するのであればプロテクトフィルターや社外製レンズフードがおススメ。前玉周辺にはレンズ名などが白文字がプリントされているため、撮影環境によっては白文字が反射してフィルターに写りこむ可能性は否定できません。

レンズマウントは金属製。マウントは特殊な形状のビス3本で固定されています。後玉付近は反射防止のためにマットブラックの塗装が施されているものの、実際に使った印象では反射対策が不十分。フォーカスは全群繰り出し式となっているので最短撮影距離側で全群が前方へと移動します。

フォーカスリング

10mm幅の金属製フォーカスリングは適度な滑らかに回転。ストロークは0.25m~無限遠で約135°。最短撮影距離が0.25mのレンズとしては程よいストロークで、無限遠側でも微調整しやすい。手ごろな価格のMFレンズとしては十分な操作性。

絞りリング

2mm幅程度の非常に小さな金属製絞りリングを搭載。F2からF2.8は1/2段刻みでクリックストップがあり、F4からF16までは1段刻み。微調整用のクリックは少ないものの、中途半端な位置で絞りを止めることも可能。フォーカスリングとの間隔が狭いので、絞り操作時に必然的にフォーカスリングにも触れてしまうのが悩ましいところ。ただし、適度なトルク配分で思ったよりも誤操作は少ない。

装着例

X-S10に装着。
「25mm F2」のレンズとしては非常にコンパクトで、「XF23mmF2 R WR」と比べると差は歴然(AFや防塵防滴には非対応ですが)。ミニマムなAPS-C 準広角システムを携帯したいのであれば面白い選択肢となることでしょう。グリップの無いX-E4やX-T30のような小型カメラとの相性がより良いと思います。

対応するレンズフードが無いので、ステップアップリング(43mm→52mm)でF-Fotoの円形メタルフードを装着。全長は2倍に長くなってしまうものの、逆光時のフレアや前玉の保護性を心配するのであれば装着するのも一つの手。F-Fotoのフードは前側が52mmねじ込み式フィルターにも対応しているのでおススメ。

MF

ブリージング

ブリージングとはピント位置によって画角が変化することを指す。画角の変化が大きいと、フォーカシングで画角が広がったり狭くなったりするので気が散ったり、AFが不安定化する原因となる。出来ればフォーカシングブリージングは無い方が良い。
今回はブリージングの影響を確認するために、レンズを最小絞りまで絞り、最短撮影距離と無限遠で撮影した結果が以下の通り。

スライドショーには JavaScript が必要です。

ご覧のように、ピント位置により画角が大きく変化します。動画撮影時のピント移動ではズームしているような感覚となるかもしれません。

精度

ストロークは0.25m~無限遠で約135°。少し緩いかな?と感じることはあるものの、滑らかに回転するフォーカスリングは近距離~中距離で十分な精度でマニュアルフォーカスを利用可能。ただし、遠景におけるストロークは極僅かで、近距離と比べると繊細な操作が求められます。とは言え、苦痛と感じるほどではありません。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:FUJIFILM X-S10
  • 交換レンズ:TTArtisan 25mm F2 C
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • RAW出力
  • ISO 160 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

テスト結果

絞り開放から全体的にまずまず良好な結果が得られました。絞るとコントラストが大きく改善するものの、中央の解像性能に大きな変化は無し。周辺部や隅はF4まで絞ると中央に近い結果を得ることができ、隅まで均質性の高い解像性能となります。1万円未満の単焦点レンズとしては十分な解像性能と言えるでしょう。

中央

絞り開放は残存する球面収差や軸上色収差の影響でコントラストが低下しているものの、1段絞るとスッキリと解消してコントラストが大幅に改善します。ただし、2600万画素のX-S10と組み合わせた限りでは絞っても解像性能はほとんど向上しません。センサー側の限界と言えそうです。パフォーマンスはF2からF16までほとんど一定で、被写界深度や露出に応じてF値を調整すると良いでしょう。

周辺

中央と比べると非点収差かコマ収差のようなソフトさの残る描写ですが、絞ると徐々に改善します。F2.8ではまだ少しソフトですが、F4まで絞ると良好となり、F5.6でさらに少し改善しているように見えます。絞りで周辺部がしっかりと改善するのはダブルガウスらしい傾向ですね。

四隅

隅も像面湾曲や非点収差が良く抑えられており、安定感のある描写を得ることが可能。1万円未満のMFレンズとしては十分なパフォーマンスと言えるでしょう。さすがのダブルガウスと言ったところでしょうか。倍率色収差の影響もありますが、F4付近から周辺部と比べても遜色のない結果を得ることができます。

数値確認

中央 周辺部 四隅
F2.0 3208 2537 2312
F2.8 3661 2611 2415
F4.0 3336 2940 2968
F5.6 3267 3006 2994
F8.0 3243 3264 2753
F16 3163 2840 2493

実写確認

遠景解像力

テスト環境

  • 撮影日:2022-09-15:晴れ(大気の状態は悪い)
  • カメラ:FUJIFILM X-S10
  • 三脚:Leofoto LS-365C
  • 雲台:Leofoto HB-70
  • 露出:ISO 160 絞り優先 AE
  • RAW:Adobe Lightroom Classic CC
    ・シャープネスオフ
    ・レンズ補正オフ

テスト結果

絞り開放F2はフレアの影響もあってかコントラストが少し低く、隅に向かって性能が低下しやすいので(パンフォーカスの解像性能を重視する)風景撮影で使うのは厳しい。1段絞るとフレームの大部分でまずまず良好な結果となりますが、隅まで改善しようと思ったらF11~F16まで絞る必要あり。

 

中央

絞り開放から良好な解像性能ですが、F2の場合は逆光やコントラスト低下の影響が強い。安定感のある結果を得たいのであればF2.8くらいまで絞ったほうが良いでしょう。以降に大きな改善は見られず、パフォーマンスはF8くらいまで続きます。

周辺

F2は中央と比べるとややソフトですが、絞ると徐々に改善します。F5.6くらいまでは目に見えて改善するので、絞れるのであれば絞ったほうが良い結果を期待できます。

四隅

中央や周辺部と比べると、隅は画質が著しく悪化します。コマ収差によるコントラスト低下や、そもそも論として解像性能が低いなど。絞ると急速に改善しますが、隅の端だけは絞ってもソフトさが残ります。キヤノンAPS-Cや1.28倍クロップなどでトリミングしてしまうのも一つの手。

接写

最短撮影距離は0.25m。撮影倍率はそこまで高くないように見えますが、「XF27mmF2.8 R WR」と比べると接写性能が高く、小さな被写体を大きく撮影する場合により適しています。

像面湾曲

像面湾曲とは?

ピント面が分かりやすいように加工しています。

中央から四隅かけて、ピントが合う撮影距離が異なることを指す。例えば、1mの撮影距離において、中央にピントが合っていたとしてもフレームの端では1mの前後に移動している場合に像面湾曲の影響が考えられる。

最近のレンズで目立つ像面湾曲を残したレンズは少ないものの、近距離では収差が増大して目立つ場合もある。ただし、近距離でフラットな被写体を撮影する機会は少ないと思われ、像面湾曲が残っていたとしても心配する必要は無い。

無限遠でも影響が見られる場合は注意が必要。風景など、パンフォーカスを狙いたい場合に、意図せずピンボケが発生してしまう可能性あり。この収差は改善する方法が無いため、F値を大きくして被写界深度を広げるしか問題の回避手段がない。

参考:Wikipedia 像面湾曲

実写で確認

中央・隅どちらにピントを合わせてもフォーカス位置に大きな変化はありません。多少の変化はありますが、細かい差を気にするよりもコマ収差による画質低下のほうが目立ちます。フレーム全体の結果を気にする場合はF8~F16くらいまで絞ったほうが良いでしょう。

倍率色収差

倍率色収差とは?

主にフレーム四隅に現れる色ずれを指す。絞り値による改善効果が小さいため、この問題を解決するにはカメラボディでのソフトウェア補正が必要。ただしボディ側の補正機能で比較的簡単に修正できるので、残存していたとして大問題となる可能性は低い。特にミラーレスシステムでは後処理に依存する傾向がある。

参考:Wikipedia 色収差

実写で確認

完璧な補正状態ではありませんが、極端に目立つ収差が残っているわけでも無く、低リスクで簡単に修正することが可能な状態に見えます。倍率色収差に関して心配する必要は無いでしょう。

軸上色収差

軸上色収差とは?

軸上色収差とはピント面の前後に発生する色ずれを指す。ピントの手前側は主にパープルフリンジとして、ピントの奥側でボケにグリーンの不自然な色付きがあれば、その主な原因が軸上色収差と考えられる。簡単な後処理が難しく、できれば光学的に収差を抑えて欲しいところだが、大口径レンズでは完璧に補正できていないことが多い。

軸上色収差を完璧に補正しているレンズはピント面のコントラストが高く、パンチのある解像感を期待できる。

参考:Wikipedia 色収差

実写で確認

低価格の明るいF2レンズながら、軸上色収差を良好に補正しています。状況によっては少し色づく場合もありますが、基本的には様々なシーンでF2から問題なく使うことができます。

前後ボケ

綺麗なボケ・騒がしいボケとは?

ボケの評価は主観的となりがち。個人的には「滲むように柔らかくボケる」描写が綺麗と評価し、逆に「急にボケ始めたり、ボケの輪郭が硬い」描写は好ましくないと感じる。ただし、感じ方は人それぞれなので、ひょっとしたら逆のほうが好ましいという人がいてもおかしくない。
参考までに「滲むボケ」「輪郭の硬いボケ」のサンプルを以下に示す。

描写傾向の違いは主に球面収差の補正状態によって変化し、前後どちらかのボケが柔らかい場合はもう片方のボケが硬くなる傾向がある。
特殊な方法として「アポダイゼーション光学素子」などを使って強制的に滑らかなボケ描写を実現しているレンズも存在する。

実写で確認

少なくとも、接写時は明らかに後ボケ寄りのボケ描写であり、滲むように滑らかなボケを得ることができます。ボケが大きくなると輪郭が溶けるように無くなるので、F値以上にボケが大きいと感じる場面もありそう。その一方で前ボケは硬調で、ボケの輪郭が残りやすくなっています。

玉ボケ

口径食・球面収差の影響

ここで言う「口径食」とはレンズ口径がボケへ影響していることを指す。
口径食が強いと、フレーム四隅のボケが楕円状に変形したり、部分的に欠けてしまったりする。この問題を解消するには絞りを閉じるしか方法が無い。しかし、絞ると羽根の形状が見えてしまう場合もあるので状況に応じてF値を変化させる必要あり。

逆に口径食の影響が少ないと、絞り開放から四隅まで円形に近いボケを得ることが出来る。これは玉ボケに限った話ではなく、一般的な四隅のボケ描写の質感にも繋がる。口径食が強いと、ボケが小さく感じたり、場合によってはボケが荒れてしまう場合もある。
できれば口径食の小さいレンズが好ましいが、解消するには根本的にレンズサイズを大きくする必要がある。携帯性やコストとのバランスを取る必要があり、どこかで妥協が必要。

球面収差の補正が完璧では無い場合、前後のボケ描写に差が発生する(前後ボケのレビューで示した通り)。この場合はどちらかが滲みを伴う滑らかな描写になり、反対側で2線ボケのような硬い描写となってしまう。

実写で確認

口径食はやや強めですが、全体的に縁取りが目立たず、色収差の影響はよく抑えられているように見えます。少なくともボケが大きい場合は見栄えの良いボケ質ということができそうです。ただし、口径食を改善しようと絞る場合はボケが急速に角ばるので注意が必要です。

撮影距離

絞り開放F2を使用して最短撮影距離から無限遠までピント位置をずらしながら撮影したサンプルが以下の通り。

ピント位置が近側の場合は縁取りが目立たず綺麗な描写ですが、遠側へ移動すると徐々にボケが硬調に変化します。縁取りも強くなり、コントラストが強い背景では悪目立ちする可能性があるので注意が必要です。

ボケ実写

接写

スタジオテストの結果通り、接写時は柔らかい描写で全体的に好ましいボケが得られます。ただし、光環境によってはフレアの影響でコントラストが低下するので少し絞りたくなるのが正直なところ。その場合、F2.8まで絞ると絞り羽根の影響が目立ち、F2と比べると少し騒がしく見えてしまうのが悩ましいところ。

近距離

撮影距離が少し長くなると、周辺部や隅のボケ質が少し騒がしくなり始めます。まだまだ十分に良好な描写ですが、まれに悪目立ちする可能性あり。

中距離

撮影距離が1mほど離れると周辺部から隅にかけて騒がしいボケ質へと変化します。ボケは角ばりますが、騒がしい場合は絞ったほうが描写が安定するので、気になる場合はF2.8~F4まで絞るのがおすすめです。

撮影距離

全高170cmの三脚を人物に見立てて、F2の絞り開放で撮影したのが以下のサンプルです。

全身がフレームに入るまで撮影距離を長くすると、ボケがかなり小さくなるうえ、微ボケの部分が非常に騒がしくなります。このような状況で微妙なボケを得るくらいなら、絞ってパンフォーカスにしたほうが良いかもしれません。膝上・上半身くらいまで近寄るとボケが大きくなり、わずかに背景から分離が可能。やはりボケが騒がしいので、1段くらい絞ったほうが良さそう。バストアップも同上。大部分は許容範囲の描写となるのが顔のクローズアップ。ただし、この場合も四隅のボケが騒がしくなるので、必要に応じて絞りで調整したいところ。

歪曲収差

歪曲収差とは?

歪曲収差とは、平面上で直線的に写るはずが直線とならずに歪んでしまうことを指す。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすい。主に魚眼効果と似た形状の「樽型歪曲」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲」に分かれる。

参考:Wikipedia 歪曲収差

比較的補正が簡単な収差だが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となる。

実写で確認

僅かな樽型の歪曲収差が発生していますが、直線をフレーム周辺部に配置しなければ問題ない程度に抑えられています。レンズプロファイルはありませんが、手動での補正も簡単なので特に問題と感じるシーンは少ないはず。

スライドショーには JavaScript が必要です。

周辺減光

周辺減光とは?

周辺減光とは読んで字のごとく。フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ちを指す。中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となる傾向。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生する。

ソフトウェアで簡単に補正できる現象だが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景で高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。

最短撮影距離

F2の絞り開放でわずかな周辺減光が発生。このような小型軽量な準広角レンズとしては、減光がよく抑えられているように見えます。1段絞るととほぼ解消し、2段絞ると手動補正も必要なくなります。

無限遠

最短撮影距離と比べると隅の減光が強くなります。フラットなシーンでは少し目立つので、絞るか後処理で補正したいところ。幸いにも絞ると徐々に改善するので、F8などを使う風景シーンでは特に問題ありません。

コマ収差

コマ収差・非点収差とは?

コマ収差・非点収差とは主にフレーム四隅で点像が点像として写らないことを指す。例えば、夜景の人工灯や星、イルミネーションなど。日中でも木漏れ日など、明るい点光源で影響を受ける場合あり。この問題は後処理が出来ないため、光学的に補正する必要がある。

参考:Wikipedia コマ収差

絞ることで改善するものの、夜景や天体撮影など、シャッタースピードが重要となる状況では絞ることが出来ず、光学的な補正が重要となる。

実写で確認

遠景解像のテストでも指摘しましたが、このレンズでフレーム周辺部における画質低下の要素がコマ収差。F2の絞り開放で全体像を見ても分かるほど目立ち、F8まで絞ってもまだ残存しているのが分かります。点像の再現性が非常に低いため、イルミネーションや夜景、星空の撮影にはお勧めできません。

逆光耐性・光条

中央

TTArtisanのレンズと言えば逆光耐性が低く、ほんのわずかな光にも過敏に反応してフレアが発生しやすい印象があります。このレンズも例外ではなく、強い光源であれば全体像に強い影響を及ぼすフレアが発生します。ただし、絞ればまずまず安定するので、気になる場合は2段ほど絞ってみるといいかもしれません。

光源を隅に配置した場合もF2やF2.8では目立つフレアが発生します。やはり絞ると安定するので、フレアを抑えたい場合はF4以降を使うのがおすすめ。絞るとゴーストが発生する場合もありますが、レンズ構成枚数が少ないので間面反射が少なく、目立つシーンは少ないように見えます。

光条

初期は分散する光条ですが、F8~F16ではシャープな光条が得られます。このような手ごろな価格のレンズとしては非常にきれいな光条となるので、工場などの撮影では面白い結果が得られるかもしれません。(ただし、逆光耐性が低いのでゴーストが発生する可能性を否定できませんが…)

まとめ

良かったところ

ココがおすすめ

  • 手ごろな価格
  • 小型軽量
  • 総金属製の作り
  • クリック付きの絞りリング
  • 滑らかなフォーカスリング
  • 接写時も大部分は安定感のある解像性能
  • 富士フイルム純正よりも良好な接写性能
  • まずまず良好な色収差補整
  • 接写時に滑らかな後ボケ
  • 接写時に滑らかな玉ボケ
  • 歪曲収差の補正状態
  • 絞った際の光条が綺麗

小型軽量で低価格ながら、安定感のある光学性能はさすがのダブルガウスタイプと言ったところ。サイズと価格を考慮すると色収差や歪曲収差は良好に補正され、絞ればフレームの大部分でシャープな結果を得ることができます。接写時は滑らかなボケを得ることができ、絞れば綺麗な光条を作ることも可能。1万円を切る準広角F2レンズとしては良好パフォーマンスと言えるでしょう。

悪かったところ

ココに注意

  • レンズフードなし
  • フォーカスブリージングが目立つ
  • 絞り開放で隅に向かって急速に画質が低下
  • 絞ると玉ボケが角ばりやすい
  • 撮影距離が長いとボケが騒がしい
  • 絞り開放でコントラストが低下
  • コマ収差がかなり目立つ
  • 逆光時にフレアが発生しやすい

「TTArtisan」「小型軽量」からある程度は予想できる範囲の欠点がいくつか存在します。フレームの大部分は思ったよりも安定感のある描写ですが、隅の領域で急速に画質が低下すること、コマ収差が非常に目立つこと、絞り開放付近でコントラストが低下しやすいことなどは注意が必要です。特に絞り開放のF2はコントラストが低下する場合が多く、F2からヌケのあるクリアな描写を期待していると肩透かしとなる可能性あり。1万円以下のレンズにそのあたりを求めるのは難しいと思います。

総合評価

満足度は80点。
フルサイズ用「TTArtisan 50mm F2」と似たフォルムで、定評のあるダブルガウスタイプの光学系を採用。完璧からは程遠いレンズながら、癖が無く扱いやすい単焦点に仕上がっています。

細かい部分を妥協できるのであれば「開けて良し、絞って良し」の面白いレンズ。F2の開放で撮れば、ふんわり柔らかく、ボケが滑らかで綺麗な写真を撮ることができます(主に近距離で)。絞って撮影すると、フレームの大部分でシャープな結果が得られる風景用のレンズとして使うことも可能。

携帯性を活かした旅のお供として面白い選択肢。フルマニュアルレンズのため動きのある被写体にピントを合わせることは難しいですが、旅先のちょっとした風景やスナップを撮影するには十分な携帯性と光学性能を実現しています。手ごろな価格のレンズなので、多少ラフに扱っても気にならないのもGood。

絞り開放のフレアっぽさが最大の弱点となりうるものの、これはこれでアリ、楽しめる描写と割り切れるのであれば、コストパフォーマンスの高いレンズになるはず。

購入早見表

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作例

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