銘匠光学「TTArtisan AF 56mm F1.8」富士フイルムXマウント用のレビュー第二弾を公開。周辺は伸び悩むものの、中央はF1.8から良好な結果が得られる模様。
TTArtisan AF 56mm F1.8のレビュー一覧
Index
おことわり
解像力チャート
撮影環境
テスト環境
- カメラボディ:X-T30
- 交換レンズ:TTArtisan AF 56mm F1.8 X-mount
- パール光学工業株式会社
「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)」 - オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
- 屋内で照明環境が一定
- 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
- RAW出力
- ISO 64 固定
- Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
・シャープネス オフ
・ノイズリダクション オフ
・色収差補正オフ - 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
(像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェック) - 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)
補足
今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性あり。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。
テスト結果
中央はF1.8から非常に良好ですが、周辺や隅はワンランク・ツーランク低下。絞りにより改善が期待できるものの、均質性を高める場合はF5.6-8まで絞る必要があります。悪くない結果がですが立ち上がりが遅く、4000万画素のX-H2やX-T5には力不足と感じる可能性あり。
中央
F1.8の絞り開放からシャープ。色収差や球面収差によるコントラスト低下も少なく、満足のいく結果が得られています。価格を考慮するとコストパフォーマンス良好。
周辺
中央と比べるとソフトな画質で、絞ることで徐々に改善。ベストを尽くすならF8まで絞りたいところ。
四隅
周辺から隅にかけて急激に落ち込みはありません。もちろんソフトな画質ですが、F8まで絞ると良好な結果を期待できます。
数値確認
中央 | 周辺部 | 四隅 | |
F1.8 | 3630 | 2513 | 1698 |
F2.0 | 3782 | 2515 | 1755 |
F2.8 | 3706 | 2972 | 2032 |
F4.0 | 3706 | 3040 | 2267 |
F5.6 | 3646 | 3339 | 2828 |
F8.0 | 3415 | 3175 | 2908 |
F11 | 3175 | 3073 | 2834 |
F16 | 2851 | 2615 | 2488 |
実写確認
VILTROX AF 56mm F1.4 との比較
テスト機の解像性能が若干異なるので参考までに。そのあたりを考慮しても、周辺や隅の性能はVILTROX AF 56mm F1.4のほうが良好。絞り開放から安定した結果を得ることができます。
SIGMA 56mm F1.4 DC DN との比較
VILTROXと同じ傾向。TTArtisanよりも周辺や隅の性能が良好です。
まとめ
決してベストな選択肢とは言えないものの、2万円台の56mm F1.8としては悪くない性能だと思います。中央は絞り開放からシャープで、良好な結果を期待できます。ただし、周辺や隅まで均質性を求める場合はかなり絞る必要あり。夜景などでF1.8を使った無限遠の撮影には不向きと感じるかもしれません。(遠景では隅の画質低下がさらに顕著)フレーム端や隅の画質が気にならない場合、被写体が中央か中央付近にある場合が多いなら、このレンズは手頃な価格ながら高性能と感じるかもしれません。間違いない選択肢はシグマ56mmですが、価格を抑えて56mmを使ってみたいのなら、悪くないレンズだと思います。
購入早見表
作例
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