「VILTROX AF 16mm F1.8」のレビュー第六弾を公開。今回はピント位置による周辺減光の影響や光源の配置で逆光耐性がどのように変化するのかチェックしています。
VILTROX AF 16mm F1.8のレビュー一覧
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビュー 完全版
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビューVol.6 周辺減光・逆光編
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビューVol.5 ボケ編
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビューVol.4 諸収差編
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビューVol.3 近距離解像チャート編
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビューVol.2 遠景解像 編
- VILTROX AF 16mm F1.8 レンズレビューVol.1 外観・操作・AF編
周辺減光
周辺減光とは?
フレーム周辺部で発生する不自然な光量落ち。
中央領域と比べて光量が少なく、フレーム四隅で露出不足となります。主に大口径レンズや広角レンズで強めの減光が発生。
ソフトウェアで簡単に補正できる現象ですが、露出不足を後処理の補正(増感)でカバーするため、ノイズ発生の原因となる点には注意が必要。特に夜景や星空の撮影などで高感度を使う場合はノイズが強く現れる可能性あり。
最短撮影距離
絞り開放付近で非常に強い減光効果が発生。光学性能がとても良好なレンズですが、この減光効果を修正するためには3段程度の増感が必要。当然ながらノイズ増が伴うので画質低下は避けられません。
F4程度まで絞ると改善しますが、それでも周辺部に薄っすらと影響が残る。F4以降は絞ってもほとんど改善しないため、手動補正や補正プロファイルで修正することになります。
無限遠
無限遠でも最短撮影距離とほぼ同程度の影響。やはり絞り開放付近は光量の低下が目立つため、背景がフラットなシーンでは修正が必要と感じるかもしれません。
逆光耐性・光条
中央
超広角レンズとしては良好な逆光耐性。絞り開放付近ではフレア・ゴーストが目立たず、絞っても最小限。複雑な光学設計から絞った際のゴーストは避けられませんが、悪目立ちする大きなゴーストは良く抑えられているように見えます。
周辺
斜めからの強い光にもよく耐えている印象。絞っても極端な悪影響はありません。
光条
F8付近からシャープな光条を得ることができます。F16付近まで絞ると先細りする綺麗な描写へと変化。
まとめ
手ごろなサイズの大口径な超広角レンズらしく、周辺減光はかなり目立ちます。F4まで絞ることで緩和することができるものの、F1.8を使った撮影では修正必須となるシーンもあることでしょう。特に高ISO感度を使用するような夜間の撮影ではノイズ増の原因となる可能性がある点に注意が必要です。顕著な周辺減光はアスペクト比を変更してみたり、APS-Cクロップを利用することで回避可能。3:2の全域を使う場合、Lightroomなどは専用の補正用プロファイルを利用することが出来ます。一般的な撮影では大きな問題とならない可能性あり。逆光耐性は思っていたよりも良好で、VILTROX初期のAPS-Cレンズと比べるとかなり良くなっています。コーティングが変わったのか、光学設計が良いのか、理由は不明。画角の広いレンズは強い光源がフレームに入る可能性が高いものの、快適に利用することが出来ました。