DReviewが「Z 8」のレビューを公開。大きく重く、いくつか改善を指摘しつつも「あらゆる面でライバル機に引けを取らない。おそらく、これまでテストした中で最も完成度の高いカメラ」と高く評価しています。
DPReview:Nikon Z8 review: a supercharged D850 successor
Z 8は、Z 9のスピードとオートフォーカス機能を、より小型で手頃なボディに搭載し、ほとんどすべての写真撮影をサポートするカメラを実現した。ライバル機より一回り大きいが、あらゆる面でライバル機に引けを取らない。おそらく、これまでテストした中で最も完成度の高いカメラだ。
長所
- 優れた解像度とダイナミックレンジ
- 大部分の被写体に対応する高速でシンプルで効果的なAF
- プロ機に匹敵する連写速度
- EVFが低遅延でブラックアウトフリー
- 洗練されたエルゴノミクス
- ローリングシャッターを抑えた動画撮影
- ビデオグラファー向けのコーデック
- データ転送と電源用にそれぞれのUSBポート
- フルサイズHDMI
短所
- 大きく重い
- EVFが比較的低解像
- コーデックによりフレームレートと解像度が大幅に変化
- 被写体検出モードの有用性にばらつき
- Z 9に近い高価な機種
- 野鳥愛好家は最新ファームウェアを2024年まで待つ必要がある
超強力なD850後継モデル
- ニコンがこれまでに製造したミラーレスカメラの中で最高のカメラ。
- 間違いなくこれまでで最高のカメラ。
- 大きく、重く、高価だが、Z 9を世界最高のプロカメラの1つにしているものをすべて搭載し、それをより多くの人に利用可能としている。
- ほとんどの状況はほとんどのカメラで撮影できるはず。しかし、最高のカメラはやはり物事をより簡単にする(そして、おそらくより楽しくする)。
- Z 8はカメラに求める大部分を備え、あなたを全力でサポートすることを明確に示している。
- 動物検出AFに組み込まれた鳥検出機能は、野鳥撮影では期待するほど効果的ではないという議論が広まっているが、ニコンでは2024年のファームウェアアップデートで対処するとしている。
- 我々が試したあらゆる種類の撮影において、Z 8は自信を抱かせるものだった。
- ファインダーの解像度は同クラスのカメラと比較すると低いが、遅延が最も少ない。もちろん、高解像度と低遅延の両方があればいいのだが、今のところ、これはトレードオフであり、自分の好みを見極める必要がある。
- 予想外に高性能なビデオカメラでもある。高速静止画撮影とオートフォーカス性能は、積層型CMOSセンサーの使用(とコスト)を正当化するのに十分だが、ニコンはさらにビデオグラファーもその能力を利用できるようにするために注力している。
- 8K/60は、超高解像度のスローモーション映像が必要な場合のために、独自のN-Rawフォーマットでのみ利用可能。
- 様々なコーデック、解像度、フレームレートが用意されているため、どのようなワークフローであれ、うまく機能する選択肢が得られるはずだ。波形モニタと信頼性の高いオートフォーカスが提供されることで、作業が少し楽になる。
- 個人的には、これまで使用した中で最高のカメラ。キヤノン EOS R5と互角に戦い、ローリングシャッターを抑えた高速撮影と、より高度な動画機能(波形モニタ、オーバーサンプリング4K/60、8K/60)のおかげで、私にとってはZ 8がトップだ。
- 他社と比較して大きく重い。最近はしばしば高性能なカメラが巨大で重くなることがあるが、それでもZ 8は同クラスのカメラよりかなり大きく重い。
- ほぼすべての性能に優れたカメラだが(そうでない分野での改良も期待できる)、その性能をすべて持ち運ぶのは大変なことであり、例えば旅行などでは最初の選択肢にはならないだろう。
- D850の所有者はすでに重さに慣れており、その性能に唖然とするだろう。画質の実質的な向上はないが、手ぶれ補正とより進化したAFのおかげで成功率は向上するだろう。この重さに耐えることができるのであれば、これ以上のカメラはない。
とのこと。
Z 9と同じセンサー・プロセッサを搭載し、ほぼ同じパフォーマンスで撮影することができる高性能ミラーレスですね。基本性能はZ 9とほぼ同じであり、ファインダーやモニターのスペックも同等。目新しさは無く、他社のように高解像ファインダーやより高解像なイメージセンサーを搭載していると区別化できたのかもしれません。しかし、間違いなく「小さなZ 9」と言えるカメラに仕上がっており、フラッグシップ並みの高性能ボディをより手ごろな価格で楽しめると考えると面白い選択肢と言えそうです。
DPReviewはミラーレスとしてボディサイズが大きいと指摘しているものの、D850と同等の高画質で高速連写や高性能なAFが利用可能になっていると評価。ライブビューがコントラストAFだったD850と比べると、動画撮影が劇的に改善していると感じるかもしれません。DPReviewでは最終的に「GOLD 94%」と高い評価になっています。来る改善ファームウェアでどこまで伸びるのか注目ですねえ。
主な仕様
- イメージセンサー
・タイプ:積層型
・有効画素数:4,570万画素
・除塵ユニット:
・手振れ補正:6段
・ISO:64-25,600
・フッ素コーティング / センサーシールド - 高効率RAW対応
- アンチ高周波フリッカー
- CFexpress Type B + SD UHS-IIカードスロット
- プロセッサ:EXPEED 7
- AFシステム:
・測距点:493点
・測距輝度範囲:-7~19EV f/1.2レンズ使用時
・被写体認識:対応(飛行機モード対応)
・その他: - ドライブ性能:
・メカニカルシャッター:-
・電子シャッター:1/32000~900s
・フラッシュ同調速度:
・撮影速度:20fps(30/120fps JPEG)
・撮影枚数:高効率 1000枚以上 - ファインダー:OLED 0.5型 369万ドット 0.8倍
・リアルビューファインダー
・スターライトビュー - モニター:3.2型 4軸チルト 210万ドット
・赤色画面表示 - 動画:
・8K:~30p / RAW動画 60p
・4K:~120p
・電子IS:対応
・連続撮影時間:125分(4K 60p)・90分(8K 30p)
・N-RAW 12bit / ProRes RAW HQ / ProRes 422 HQ - インターフェース:
・USB:通信専用 / 充電給電専用
・ヘッドホン:あり
・マイク:あり
・HDMI:A
・LAN:-
・シンクロ:-
・Wi-Fi:IEEE802.11b/g/n/a/ac
・Bluetooth:Ver.5.0
・その他:10ピンターミナル - バッテリー
・タイプ:EN-EL15c
・追加:パワーバッテリーパック MB-N12
・撮影可能枚数:
・充電方法:USB-C - サイズ:144×118×83mm
- 重量:910g
- 防塵防滴:対応
- ボディ材質:
・前面:マグネシウム合金
・背面/上面:Sereebo® Pシリーズ炭素繊維複合材料(CFRTP)帝人株式会社製 - ボタンイルミネーション対応
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