コシナのマイクロフォーサーズ用交換レンズ「Voigtländer NOKTON 60mm F0.95」を数日前に入手し、少し気になる点があったので記事にしました。どうもF0.95は期待していたほどの光量では無いっぽい。
快晴の屋外で「F0.95」を使った作例がコチラ。撮影モードは「絞り優先AE」でISO感度を固定してシャッタースピードを自動調整しています。
ISO感度はE-M1 Mark IIIのベースとなる「ISO 200」を使用。
これでシャッタースピードはどの程度でしょうか?
結果は「1/10000秒」です。思っていたよりもシャッタースピードが低いなと感じました。「サニー16ルール」がデジタルカメラでそのまま利用できない(実効ISO感度の使い方が様々なので)にしろ、それでもシャッタースピードが遅すぎるように見えます。予想ではE-M1 Mark IIIの最大速度である「1/32000秒」を振り切るか近い数値になると思っていました。
いくつか思い当たる節があったので光量を一定にしたミニスタジオでテストしてみましょう。
ミニスタジオでテスト
光量を一定にしたミニスタジオで「F16・ISO 200・1/5秒」を基準として、1段ごとに絞りを開けてシャッタースピードを速くした作例が以下の通り。カメラの設定を「AWB」にしておいた痛恨のミスがあるので、色を無視して確認してください。
ホワイトバランスの乱れは置いておくとして、F16?F2.8まで安定した露出となり、F2.0・F1.4・F0.95で徐々に光量が低下しているのが分かります。これを「周辺減光」と呼んで良いのか分かりませんが、光量低下が広範囲にわたり影響しているようです。およそ0.5~1EV程度でしょうか?
このため、カメラの自動露出で撮影する場合は光量低下ぶんをシャッタースピードで補うため、予想したほどシャッタースピードが上がらなかった模様。周辺減光の影響が四隅から中央までなだらかとなっているので、自動露出で適正露出を得た場合には影響が分かり辛いかもしれません(露出を上げると周辺減光の影響が見えなくなる)。
念のためにレンズの透過率を見比べたいと思います。焦点距離は異なりますが、「LUMIX G 42.5mm/F1.7 ASPH./POWER O.I.S.」を使用。同じ露出設定を使用して撮り比べたのがコチラ(左がNOKTON、右がLUMIX)。
実写にて
絞り優先AE・ISO 200固定で遠方の建物を撮影したのがコチラ。
- F0.95:1/25600秒
- F1.4:1/20000秒
- F2.0:1/12800秒
- F2.8:1/8000秒
- F4.0:1/4000秒
- F5.6:1/2000秒
- F8.0:1/1000秒
やはりF2?F0.95における光量低下が強いようで、F1.4とF0.95の差は1/3段以下となっています。今回のテストでボケ量について言及することは出来ませんが、少なくとも「F0.95」で低照度性能に過信は禁物のようです。
また、光量低下の影響もあるのかホワイトバランスが不安定となる模様。絞ると安定しますが、絞り開放付近はやや暖色傾向となるので注意が必要です。
期待していたほどの低照度性能が無かったのは残念ですが、マイクロフォーサーズとしては非常に大きなボケを期待できるレンズに違いありません。なかなか面白い使い勝手なので、今後も引き続きレビューしていきたいと思います。
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