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ニコン・キヤノン・ソニーのF4標準ズーム徹底比較 Vol.5 歪曲収差編

キヤノン「RF24-105mm F4L IS USM」、ニコン「NIKKOR Z 24-120mm f/4 S」、ソニー「FE 24-105mm F4 G OSS」の比較テスト第五弾。今回はレンズの光学的な歪曲収差についてチェックしています。

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はじめに

歪曲収差とは?

簡潔に説明すると、直線に写るはずが直線とならずに歪んでしまうことを「歪曲収差」と呼ぶ。特に直線が多い人工物や水平線が見えるような場合に目立ちやすい。主に魚眼効果と似た形状の「樽型歪曲(広角レンズに多い)」と中央がしぼんで見えてしまう「糸巻き型歪曲(望遠レンズに多い)」に分かれる。

参考:Wikipedia 歪曲収差

比較的補正が簡単な収差だが、「陣笠状」など特殊な歪みかたをする歪曲は手動での補正が難しい。この場合はレンズに合わせた補正用プロファイルが必要となる。また、強めの歪曲収差を補正する過程で、フレーム隅の画質が低下する可能性もある。

ミラーレスで歪曲収差はデジタル補正が一般的

一眼レフ全盛の時代はレンズの光学性能がファインダー像に直接影響するので歪曲収差は光学的に補正する必要があった。しかし、ミラーレスはイメージセンサーが受け取った情報をファインダーに表示するため、歪曲収差をソフトウェアで補正して表示する隙間がある。

歪曲収差のソフトウェア補正を活用することで、色収差など他の収差に対応する余裕ができたり、光学系の小型化、低価格化を実現することが可能となる。これはミラーレス用レンズでは一般的なことであり、基本的にはソフトウェア補正とセットで使うことが前提となっている。

何が言いたいのか?
今回は敢えて光学的な歪曲収差に焦点を当てて比較しているので、当然ながら普段は目にしないショッキングな歪曲収差を目の当たりにすることになる。しかし驚かないで欲しい。これはミラーレス用レンズでは非常に一般的な歪曲収差である。

歪曲収差の比較

現像環境

NIKKOR Zは歪曲収差の補正プロファイルがRAWに埋め込まれており、いつも使用しているAdobe Lightroom Classic CCで現像すると強制的に補正が適用されてしまう。このため、補正プロファイルが適用されない「RAW therapee」を使用して現像している。ソニーも同じ現像方法を採用。
ただし、キヤノンEOS R5の「.CR3」はRAWTherapeeで直接現像することが出来ない。このため、キヤノンのみAdobe Lightroom Classic CCを使用し、補正を抜いた状態で現像している(キヤノンはプロファイルが強制的に適用されることがない)。
このため、今回は歪曲収差のみに注目し、色味やシャープネスには言及しない。

24mm

どのレンズも樽型の歪曲収差が発生している。特にソニーとニコンは強めの収差が発生しているのでソフトウェアによる補正が必須だ。特にニコンの歪曲収差が強めに見える。比較してキヤノンは光学的に歪曲収差を補正しており、RAWのままでも実用的に見える。
歪曲収差が小さいキヤノンよりも、補正前のソニーやニコンの画角が少し広い。これは歪曲収差を補正する際に隅を引き伸ばすことで「24mm」相当の画角に近づけるためだ。

35mm

どのレンズも糸巻き型の歪曲収差へと変化している。大きな差は見られないが、敢えて言えばキヤノンの歪曲収差が最も小さい。

50mm

35mmと同じく、全てのレンズが糸巻き型の歪曲収差だが、ニコンの歪曲収差が少し強め。

70mm

35mmと50mmの傾向は85mmでも同様だ。光学的な歪曲収差の補正はキヤノンが最も良好でニコンが最も悪い。興味深いことにライブビューで画角を揃えて(JPEGではほぼ同じ画角)撮影したところ、キヤノンとソニーのEXIFがほぼ同じ焦点距離(70mm)となり、ニコンのEXIFが少し短い焦点距離(65mm)となった。これはレンズの実効焦点距離に対して歪曲収差の補正で画角を少しクロップしていることを意味している。

105mm

引き続きニコンの歪曲収差が少し強めで、キヤノンが良好な補正状態である。当然ながら補正量が多く、多少のトリミングを前提としているためか焦点距離が少し短くなる。(105mm:100mm)

今回のまとめ

ポイント

NIKKOR Z 24-120mm f/4 S

  • 全体的に歪曲収差は強め

RF24-105mm F4L IS USM

  • 全体的にまずまずの補正状態

FE 24-105mm F4 G OSS

  • 全体的に歪曲収差がやや強め

光学的に歪曲収差を最も補正しているのはキヤノン、最も補正していないのがニコンだ。そして中間がソニーとなる。キヤノンはレンズから撮影センサーまでを自社開発・製造していることを考えると、ソフトウェア補正を柔軟に活用したレンズの開発も可能だと思うが、意外にも光学的にしっかりと補正している。歪曲収差はゼロと言えないものの、影響は最小限に抑えられている。ただし、全てのRFレンズが同様のコンセプトではなく、RF16mmやRF24-240mmのように低価格の非Lシリーズのレンズは多くが歪曲収差の補正をソフトウェアに依存している。
(追記:RF24-105mm F4はEOS Rシステムが産声をあげた2018年に登場したレンズだ。もしかしたら、光学設計の理念はEFレンズのそれを踏襲していたのかもしれない)

ニコンとソニーの広角側は明らかにソフトウェア補正が前提となっているので、何か特別な意図が無い限りはソフトウェア補正を適用した状態で現像したい。もちろん、補正時に隅が引き伸ばされるため、多少の画質低下は覚悟しなければならないだろう。特にニコンは望遠側の糸巻き型歪曲が強めに発生しており、S-Lineのレンズとしては割り切った光学設計のように見える。

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