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DXOMARKが 50mm F1.4 DG DN を「均質性に優れたバランスの良いレンズ」と評価

DXOMARKがシグマ「50mm F1.4 DG DN」のレビューを公開。小型化による妥協点を指摘しつつも、均質性の高い解像性能や優れた透過率が強みになると評価しています。

2023年2月発売のミラーレス用標準大口径レンズ。DG DNシリーズとしては5本目となるF1.4レンズで、多くの人が待ち望んでいたと思われる「50mm」の画角をカバー。レンズサイズは85mm F1.4 DG DNよりもやや大きめで、35mm F1.4 DG DNと同程度。ソニーの「FE 50mm F1.4 GM」と比べて大きく重いものの、「Planar T* FE 50mm F1.4 ZA」と同程度。比較して手ごろな価格を実現しており、ミドルレンジで高級感のある大口径レンズに仕上がっています。気になる光学性能はDXOMARKが以下のようにレビューしています。

DXOMARK:Sigma 50mm F1.4 DG DN Art Sony Lens test

50mm F1.4 DG DN Artは、6000万画素のソニーα7R IVでテストされ、DXOMARKスコア55を達成した。最新の複雑な設計のレンズと同様、絞り開放から高画質に最適化されており、F5.6に近づいてもシャープネスの向上はわずかである。絞り開放から優れた均一性と、規定値よりわずか0.2EV低いT1.5で測定された優れた透過率だ。

やや珍しいことに、このレンズはかなり目立つ糸巻き型歪曲(-0.5%)を持ち、周辺減光は最新の設計としてはかなり高く、絞り開放で四隅が-2.3EVまである。わずかに倍率色収差があるが、これは低収差(3μm)で後処理で簡単に補正できる。全体として、50mm F1.4 DG DN Artは素晴らしい画質を実現している。

シャープネス

  • 多くの最新設計のレンズと同様、シグマ DG DNは絞り開放のシャープネスに特に注意が払われている。
  • 中心部のシャープネスが高いだけでなく、隅々まで均一である。
  • シャープネスはF5.6まで絞り込むごとにわずかに改善し、回折の影響がわずかに現れ始める。さらに絞り込むと回折の影響でシャープネスレベルが低下するが、元々レベルは高い。シャープネスはF8でまだ優れているが、F11とF16では顕著に低下する。しかし、重要なのは、フィールド全体の優れた均一性が維持されていることだ。
  • 一眼レフ用のシグマ DG HSMやさらに古いソニー製ツァイス(FE ZA)と比較すると、設計がどのように変化したかがよく分かる。2つの古いレンズはF1.4で高い中心部のシャープネスを持っているが、周辺部の性能は最新の設計に遅れをとっており、特に3つのレンズの中で最も古いソニーツァイスで顕著である。
  • FE ZAはピークのシャープネスが最も高いが、このレンズとシグマDG HSMはわずかに非点収差がある。しかし、絞り込み性能は見事で、3本ともF2.8から同様のシャープネスを発揮する。

色収差

  • カラーフリンジは新レンズでは驚くほど少なく、最も顕著なF1.4での幅は2μm以下だ。
  • プロファイルはほぼリニアなので、カメラ内でもポストでも簡単に補正できる。最高レベルの測定値はピークで約3μmであり、これは非常に低い。
  • 一眼レフ用DG HSMは、最高レベルが9μmに達するが、絞り範囲を通してかなり安定しており、プロファイルは予測可能で、極端な四隅で顕著になる。
  • ソニー製ツァイスも良好なパフォーマンスで、フリンジは主に隅で最大7μmだ。

歪曲収差

  • 50mm F1.4 DG Artは、小型化された分、糸巻き型歪曲があるように見える。
  • このタイプの歪曲は通常、長焦点距離で見られ、樽型歪曲の反対の効果を持つ。
  • 測定値は-0.5%で、レベルは高くないが、この焦点距離ではやや珍しい。
  • シグマ DG HSMにも若干あるが、-0.1%と無視できるレベルであり、ソニーツァイスレンズにも同じレベルの樽型歪曲(+0.1%)がある。

ケラレ(周辺減光)

  • このような大口径レンズは一般的に中口径レンズよりもケラレが大きいが、最新の設計ではこの領域で進歩が見られる。
  • シグマ DG HSMは我々が期待するよりもわずかに高いレベルを示しているが、小型であることを考えると、これも譲歩なのかもしれない。
  • 周辺減光は開放から四隅の端で-2.3EVとなり、中央の明るい芯が通常より小さいため視覚効果は悪化する。周辺減光は絞ると徐々に減少し、完全に消えることはない。
  • 多くの点で、ソニー製ツァイスも似たような性能だが、シグマ DG HSMは元々レベルが低く、その影響はF2.8で完全に緩和される。

透過率

  • DG DNは今回の比較で(3本のF1.4レンズ)最も小さいレンズだが、明るさの点では最も良好だ。
  • この新しいレンズは我々のラボでT1.5を測定した。これはF1.4と謳われている開放値よりわずか-0.3EV低いだけだ。
  • 旧型の50mm F1.4 DG HSMとソニーPlanar T* FE 50mm F1.4 ZAは、どちらもT1.8を測定し、開放値やF値から-0.7EVほど離れており、これはかなり大きい。

結論

シグマがデジタル一眼レフカメラ用にArtシリーズを発売したことは、比較的小さなレンズメーカーであったシグマの地位の変化を告げるものであり、このシリーズは市場、ひいてはカメラメーカーの製品に大きな影響を与えたと言っても過言ではない。

今回発売されたミラーレス用レンズ「50mm F1.4 DG DN Art」シリーズは、初代Artシリーズの優れた光学性能をさらに高めたものだ。このレンズは描写性能のバランスに優れている。均一性に優れた高いシャープネスレベルを持ち、比較的小さなパッケージで実質的な譲歩はほとんどない。価格競争力も高い。ソニーFEマウント用の50mmレンズが数多くある中で、新しいシグマ50mm F1.4 DG DN Artシリーズは非常に魅力的な選択肢に見える。

とのこと。
他のレビューサイトと同じくF1.4から良好なパフォーマンスを評価。他のサイトで主な欠点として挙げられている軸上色収差は特に指摘されていません。G Masterとの比較はないものの、FE 50mm F1.4 ZAと比べると、特に絞り開放付近における周辺部の性能が優れているようです。ただし、歪曲収差はやや目立つので、補正が必要かもしれません。

私も発売日にこのレンズを入手。大口径レンズとしては周辺部まで安定した解像性能が得られ、絞ると全体的に改善。個人的には、状況によって軸上色収差が欠点になるのかなと感じました。接写時は問題ないものの、遠景撮影時にF1.4を利用すると、ピント面前後にやや強めの色づきが発生します。また、絞り開放は細部のコントラストが低下。F2くらいまで絞ると全体的に改善しますが、F1.4のの性能が必要であれば注意が必要かなと思います。

シグマ 50mm F1.4 DG DN 最新情報まとめ

レンズの仕様

レンズの仕様
発売日 2023年2月23日 初値 152,900円
マウント E / L 最短撮影距離 0.45m
フォーマット フルサイズ 最大撮影倍率 1:6.8
焦点距離 50mm フィルター径 72mm
レンズ構成 11群14枚 手ぶれ補正 -
開放絞り F1.4 テレコン -
最小絞り F16 コーティング F
絞り羽根 11枚
サイズ・重量など
サイズ φ78.2×109.5mm 防塵防滴 対応
重量 670g AF HLA
その他 絞りリング
付属品
レンズフード・ケース

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