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VILTROX AF 23mm F1.4 STM XF 交換レンズレビュー

このページではの交換レンズ「VILTROX AF 23mm F1.4 STM」のレビューを掲載しています。

このレビューのポイント

  • 富士フイルムで貴重なサードパーティ製AFレンズ
  • 価格を考慮すると良好な画質
  • 価格を考慮すると優れたビルドクオリティ

コストパフォーマンス良好のサードパーティ製レンズ。

今回はPergearより一か月ほどお借りしたレンズでテスト・試写しています。このレンズをレビューするにあたり広告費などは一切頂いておりません。長所と短所の評価に影響しないよう努めています。

更新情報・目次

  • 2020-07-01:歪曲収差・周辺減光のテスト結果を追加しました。
  • 2020-06-23:撮影倍率・逆光耐性・光条に関する作例とレビューを追加しました。
  • 2020-06-22:本レンズのレビューページを作成しました。ひとまず「外観」「AF」「遠景解像」「解像力チャート」「コマ収差」「玉ボケ」「軸上色収差」の項目を掲載しています。抜けている項目は後日追加予定。

レンズのおさらい

レンズ概要

VILTROX PFU RBMH 85mm F1.8」に次いで2本目となるVILTROX製Xマウント用AFレンズですね。フルサイズで35mmに相当する焦点距離をカバーしてり、「XF23mmF1.4 R」に取って代わる選択肢として2020年5月にVILTROXがリリースしました。
329ドルと非常に手頃な価格ながら、金属外装・AF対応・F1.4の大口径を実現。特に社外製AFレンズが少ない富士フイルムXマウントにとって貴重な存在を言えるでしょう。絞りリングを備えているので純正レンズと同じような使い勝手を実現しています。

オートフォーカスはインナーフォーカスのステッピングモーター駆動です。レンズ繰り出し式のDCコアレスモーター駆動の「XF23mmF1.4 R」と比べると遥かに静音性に優れた駆動方式。マニュアルフォーカス時の滑らかな動作も期待できます。
最短撮影距離や撮影倍率は「XF23mmF1.4 R」と同程度。「XF23mmF2 R WR」と比べると僅かに寄り辛いと感じるかもしれません。

マウント部のUSB端子経由でレンズのファームウェアアップデートに対応しています。既にこのレンズも「V 1.0.6」が公開されています。(ファームウェアアップデートの確認はコチラから)接続には別途Micro B端子のUSBケーブルが必要となるので準備しておくと良いでしょう。(更新方法は焦点工房のPDFが参考となります。)

X-Pro3と物理干渉すると公式からアナウンスされていますので要注意。X-T3などと組み合わせても特に問題は無い模様。

VILTROX AF 23mm F1.4 STM(国内未発表のため簡易検索)
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外観・操作性

箱・付属品

レンズサイズを考えると非常にコンパクトな外箱。しっかりとした作りのかぶせ式となっています。デザインは単純明快。フジ純正ほど高級感はありませんが、必要十分と言えるでしょう。

蓋を開けると中にはレンズ本体とレンズフード、レンズケース、説明書が入っています。説明書はFuji X・Canon EF-M・Sony E共用。今のところ富士フイルムXマウント用のみリリースしていますが、そのうちEF-MやEマウントに対応したモデルが投入されるかもしれませんね。

外観

外装は全体的に金属パーツを多用しています(絞りリングはプラスチック製)。実売3万円台のAFレンズとしてはコストパフォーマンス抜群のビルドクオリティと言えるでしょう。フジ純正XFレンズと見比べても遜色ありません。フォーカスリングの感触などはむしろ純正より良好。
さらに「AF 23/1.4 XF」や「C」のロゴはプリントでは無く、凹凸のあるプレミアムなステッカー。細部のデザインも3万円のレンズとしては上出来です。

前玉・後玉

フィルター径は52mmで「XF23mmF1.4 R」の62mmと比べるとかなり小さいフィルター径を採用しています。当然、コストに直結するので強みと言えるポイント。前面に印字されている「AF 23mm 1:1.4 STM ED IF」を分解すると…

  • AF:オートフォーカス対応
  • 23mm:焦点距離
  • 1:1.4:開放F値
  • STM:ステッピングモーター駆動
  • ED:特殊低分散レンズ
  • IF:インナーフォーカス

を示しているものと思われます。「XF23mmF1.4 R」と異なり非球面レンズを使用しておらず、代わりにEDレンズを2枚採用して色収差を効果的に抑えている模様。
フッ素コーティングは施されておらず、防塵防滴仕様でも無いので悪天候での使用は避けたい。

直径27mmの後玉はレンズマウント付近に固定。内部への隙間が極僅かにありますが粉塵の混入は少ないと思われます。内部はしっかりと黒塗りされ、不必要な反射を極力抑え込んでいます。

レンズマウントは丈夫な金属パーツを使用。ネジ4本で固定、周囲に防塵防滴用のシーリングは施されていません。
USB Micro-B端子を使ってレンズのファームウェアアップデートが可能です。既に「V 1.0.6」となっており、無限遠時のピント精度や一部カメラとの互換性が改良されています。出来ればファームウェアアップデートを適用しておきたいところ。

当然ながら電子接点に対応しています。オートフォーカス、自動絞りはもちろんのこと、EXIF情報にレンズデータを記録することが可能となっています。

レンズフード

金属製の花形レンズフードが付属しています。加工の難しい花形を採用しているのみならず、フード内側には反射防止用の切り込みまでしっかり加工されています。フジ純正もこのくらい力の入った花形レンズフードがあると良いのですけども…。

金属製レンズフードながら装着はバヨネット式(ねじ込み式では無い)。しっかりと固定され、誤操作による脱落の心配はありません。

ハンズオン

  • サイズ:65mm×72mm
  • 重量:260g

APS-C用 F1.4レンズとしては一般的なサイズ。特に大きくなければ、小さくもありません。フルサイズの35mm F1.4と比べれば断然小さく、35mm F2と比べても小さく感じるはず。

フォーカスリング

幅25mm程度の金属製フォーカスリング。動作中は滑らかに動作しますが、動き始めが少し硬く感じます。特に無限遠でのピント微調整時に少し煩わしく感じる重さです。

ストロークは約200度ほど。リニアな動作で回転速度に依存していません。最短撮影距離(MFD)付近のストロークが異様に長く、高精度なピント操作が可能です。
その反面、3m?無限遠のストロークは僅か20度ほどしか無いのでF1.4を使ったピント操作がとても難しくなっています。さらに電子制御のピント移動もやや粗め。

絞りリング

純正XFレンズと同じように「A」ポジションに対応した絞りリングを備えています。ただし、純正レンズのように1/3段ごとのクリックは存在せず、無段階の絞り操作です。
滑り止めがなく、指が少し触れると絞り値が変わってしまうのが泣き所。動画撮影では便利かもしれませんが、静止画ではクリック感のある絞りリングが良かったです。誤操作を嫌うのであれば「A」ポジションを使うのも一つの手。

装着例

X-T20との組み合わせでバランス良好。携帯性・収納性どちらも問題を感じません。レンズ直径がそれほど太くないので地面へカメラをフラットに置くことが出来ます。フォーカスリング・絞りリングの配置は特に問題を感じません。前述したように絞りリングに意図せず指が降れると絞り値が変化しやすい点のみ注意しなければなりません。

AF

爆速とは言えないものの、大口径レンズとしては十分高速で快適なフォーカス速度だと思います。駆動音は静かですが、フォーカスレンズが移動する振動を僅かに感じます。シングルポイントで使う限りAF-Cもまずまず良好に動作している印象。

ただし実写では無限遠でピントを微妙に外す経験がいくらかあります。これがレンズの問題なのかカメラの問題なのか今のところ不明。前述したように、無限遠のストロークが非常に短いのが原因なのかもしれません。ただ、個人的にX-T30と別のレンズでも似たような現象に遭遇したことがあるので、富士フイルムAFシステムの悪い癖である可能性もあります。

像面湾曲

像面湾曲とはピント面が奥行方向に湾曲しており、ピント面がフラットでは無いことを指しています。上の作例を確認すると、このレンズは接写時に周辺部のピントが手前に移動していることが分かります。絞り値による解消は期待できませんが、被写界深度を深くすることで影響を許容することは可能。
周辺はピントが手前に移動するため、被写体を中央に配置した場合は予想より大きなボケを得られるかもしれません。その一方、近距離でパンフォーカスを狙う場合は少し絞ったほうが狙いやすい場合もあります。逆にフレーム周辺でピントを合わせると中央領域は後ピンとなる可能性あり。

解像力チャート

撮影環境

テスト環境

  • カメラボディ:X-T20
  • 交換レンズ:VILTROX AF 23mm F1.4 STM
  • パール光学工業株式会社「【HR23348】ISO12233準拠 8K解像力テストチャート(スチルカメラ用)
  • オリンパス HYRes 3.1 解析ソフト
  • 屋内で照明環境が一定
  • 三脚・セルフタイマー10秒・電子シャッター
  • X-T20のRAWファイルを使用
  • ISO 200 固定
  • Adobe Lightroom Classic CCでRAW現像
    ・シャープネス オフ
    ・ノイズリダクション オフ
    ・色収差補正オフ
  • 解析するポイントごとにピントを合わせて撮影
    (像面湾曲は近接で測定が難しいので無限遠時にチェックしています)
  • 近接でのテストであることに注意(無限遠側はさらに良好となる可能性あり)

補足

今回はRAW出力を元にしてシャープネスをオフの状態で検証しています。ボディ出力のJPEGやRAW現像でシャープネスを整えるとより数値が向上する可能性があります。今回の数値はあくまでも「最低値」とお考え下さい。

偏心のチェック

各領域でF1.4の絞り開放を使い、ピントを合わせて撮影した結果が上のグラフ。
何故か左上のパフォーマンスが絶好調ですが、基本的に許容範囲内の偏心状態となっています。片ボケの兆候はありません。

テスト結果

絞り開放から許容範囲の数値ですが、実写を確認するとコントラストがやや低めに見えます。絞ると徐々に改善し、F5.6前後でピークに達します。絞った際のパフォーマンスは四隅まで非常に良好で、風景撮影でも満足のいく結果を得ることが出来るでしょう。
興味深いことに像高5割の周辺領域でパフォーマンスが少し低下しています。絞ると回復しますが、F2?F2.8で良像を少し下回る数値となるので注意が必要。

数値上では周辺領域で低下が見られるものの、下に掲載した作例を確認してもらうと分かるように実用的で安定した画質です。前述したように像面湾曲の影響が強いので接写時にパンフォーカスを狙うのであれば十分に絞るのがおススメ。

中央 周辺部 四隅
F1.4 2647 2558 2613
F2.0 2747 2189 2880
F2.8 3197 2192 3147
F4 3172 2637 3600
F5.6 3596 3058 3520
F8 3521 3200 3227
F11 2897 2880 3040
F16 2697 2480 2347

遠景解像力

中央領域は絞り開放でやや甘い。芯はありますがコントラストが低く少しもやっとした写りです。画像処理で改善が期待できるものの、光学的にシャープな描写を得たいのであれば少なくともF2.8まで絞るのがおススメ。ピークのF5.6に向かって解像度・コントラストが高まります。ピークはF4~F8となり、F11で回折の影響によりコントラストが低下(それでもF1.4より良好)、F16でF1.4に近いソフトな描写となります。

周辺領域は中央と比べるとやや甘くなります。絞ると改善しますが、中央ほどシャープにはなりません。やはりピークはF5.6前後。

四隅はF1.4~F2で非点収差・コマ収差の影響を強く受けます。F2.8まで絞ると大きく改善するのでしっかり絞りたいところ。ピークはF5.6前後となり、この際のパフォーマンスは周辺領域より良好に見えます。解像力チャート通りの結果。
無限遠で像面湾曲の影響は小さい。四隅でピントを合わせたとしても非点収差とコマ収差の影響で絞り開放付近は甘いままです。明るさを活かした夜景・星景には少し使い辛いと感じるかも。

風景シーンではF5.6~F8まで絞ることで四隅までシャープな描写を期待できます。少なくとも2400~2600万画素のAPS-Cセンサーでは全く問題無い解像性能です。

マクロ解像力

撮影倍率が0.1倍と低く、最短撮影距離は0.3と平均的。小物をクローズアップするには不向きなレンズです。解像力チャート通り、像高5割程度のところで僅かに像が甘くなる傾向あり。接写時に解像性能を維持したい場合はしっかり絞りたいところ。

軸上色収差

この価格帯の大口径レンズとしてはまずまず良好に軸上色収差を補正しています。残存する色収差はF2.8?F4付近まで絞ればほぼ解消。
絞り開放でも色ずれが目立つシーンは少ないものの、強い逆光シーンや高コントラスト領域ではブルーの色ずれが目立つ場合があります。

上の写真のように、ハイライトとシャドウの境界で僅かに色ずれが発生する場合アリ。前述したようにこの価格帯の大口径レンズとしては良好な色収差補正だと思います。

前後ボケ

比較的ニュートラルなボケ描写です。前後に大きな差は見られませんが、敢えて言えば前ボケが少し滑らか。
軸上色収差の補正が完璧では無いので僅かにボケの色づきが見られます。とは言え、前述した通り影響が僅かでこの価格帯としては非常に良好。

3万円台のレンズとは思えないナイスな写り。
ただし注意点もあるので以下を読み進めてください。

玉ボケ

モダン設計の広角レンズとしては珍しく、非球面レンズを使用していません。このため玉ボケ内側はとても滑らかで綺麗な描写です。さらに球面収差は良好に補正され、目立つ縁取りはなし。

その一方、口径食(四隅に向かってボケが変形・小さくなる現象)の影響はXF23mm F1.4 Rより強めに見えます。特に小ボケ領域が四隅にあると少し騒がしくなる場合があるので注意すべし。

この写真のように、フレーム端に向かってボケが小さく、騒がしくなります。ただし軸上色収差が良好に補正されているので強く悪目立ちすることはありません。

歪曲収差・周辺減光

歪曲収差

歪曲収差は光学的に補正され、レンズプロファイル無しでも問題ありません。ミラーレス用の広角レンズはいくらかソフトウェア補正に依存しているレンズも多い。このように光学的に補正しているレンズは貴重な存在と言えるかもしれません。

周辺減光

絞り開放付近で目立ちますが、APS-C専用のF1.4レンズとして特に目立つような減光量ではありません。F2まで絞ってもいくらか残存していますが、F2.8まで絞ると解消します(ただし無限遠では四隅の端でいくらか残る)。

MFD INF
F1.4
F2.0
F2.8
F4.0
F5.6
F8.0

コマ収差

遠景解像テストからも分かるように、コマ収差が完璧に補正されていません。影響はしつこく残り、F2.8まで絞っても僅かに残存しています。完璧に補正したい場合はF5.6~F8まで絞る必要あり。

全体像で確認しても四隅のコマ収差は絞り開放でやや目立ちます。

逆光耐性・光条

完璧では無いものの、フレア・ゴーストどちらも目障りではない程に抑えられています。実際に実写で確認しても軽微な問題と感じます。フレーム端に強い光源があると薄いレンズフレアの影響を受けることがあるので注意。

絞りを閉じることでシャープな光条が発生します。ただし、均質な形状では無く少し不均一な筋の伸び方です。個人的に及第点以上と感じますが、好みは分かれそう。

総評

低価格ながら妥協の無い光学性能・ビルド

Good 金属製外装
金属製レンズフード
小型軽量
静かなAF駆動
ファームウェアアップデート対応
高精度でリニアなフォーカスリング
小絞り時に四隅までシャープな画質
この価格帯では良好な軸上色収差補正
まずまず滑らかなボケ描写
まずまず良好な逆光耐性
光学的に良好な歪曲収差補正
Bad 無限遠のMF操作が難しい
防塵防滴非対応
無段階操作の絞りリング
平凡な最短撮影距離・倍率
接写時の像面湾曲
四隅のコマ収差・非点収差が目立つ
口径食の影響が強い

外観・操作性:
携帯性:
光学性能:
機能性:
価格:

満足度は90点。
完璧な光学性能とは言えないものの、この価格帯のレンズとしてはとても高水準。2?3倍高価な純正レンズ「XF23mmF1.4 R」を考慮するとコストパフォーマンス抜群と言えるでしょう。純正レンズ縛りや予算を抑えたい人におススメの一本。実写でディールブレーカーと感じる欠点は存在せず、純正にこだわりがなければコレで満足できるはず。

インナーフォーカス式のAFは静かで高速、そしてサードパーティ製ながら正確なフォーカスを期待できます。ただし、ボディ側の問題なのか無限遠で微妙にピントを外す場合があるので注意が必要。

注意すべき点があるとすれば絞りリングが無段階操作であること、絞り開放のコマ収差が割と目立つことくらい。(再度言いますがX-pro3のみ物理的な干渉がある点に注意)それも価格を考慮すると妥協できるポイントかと思います。

VILTROX AF 23mm F1.4 STM(国内未発表のため簡易検索)
Pergear
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ビックカメラ icon ヤマダ PREMOA icon

作例

オリジナルデータはFlickrにて掲載しています。

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