このページではソニー「α1 ILCE-1」に関する最新情報や噂情報を収集しています。
データベース
最新情報
- 「α1 II」と「α1」の外観やスペックの違い 2024年11月21日
- ソニーα1 IIは同じボディ・センサーのままAIチップが搭載される? 2024年10月8日
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- ソニーがα1用 最新ファームウェアの公開を一時中止 2024年3月30日
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- ソニーα1・α7S IIIのファームウェアアップデートが今週発表される? 2024年3月25日
- ソニーα1は2月のアップデートで8K ProRes RAWや8K 30p XAVC H-I SQに対応する? 2024年2月3日
- ソニーα1のファームウェアアップデートが2月10日に公開される? 2024年1月24日
- ソニーα1とα7S IIIは2024年の新ファームウェアで予告以上の強化を期待できる? 2024年1月11日
特集記事
レビュー
参考サイト
- ソニー公式
- 仕様表
- ティーザーサイト
- デジカメwatch 速報
・外観レポート - デジカメwatch
- DPReview 速報
- DPReview
・インタビュー(訳)
・画質(訳) - DXOMARK
(抄訳記事) - ePHOTOzine
(抄訳記事) - IMAGING RESOURCE
(抄訳記事) - Kolarivison
(抄訳記事) - PhotographyBlog
- Photons to Photos
- Lesnumeriques
(抄訳記事)
購入早見表
正式発表時の動画
主な仕様
- 3月19日発売予定
- 2021年2月2日(火)10時より予約販売開始予定
- 店頭予想価格 税込90万円前後
- B&Hでは約6500ドル
- センサー
・Exmor RS CMOSセンサー(積層型)
・有効画素数:5010万画素
・超音波除塵ユニット - 画像処理エンジン「BIONZ XR」
- 出力
・JPEG・HEIF・RAW
・XAVC S・XAVC HS - ピクチャースタイル
- クリエイティブルック
- 動画
・8K 30p 400Mbps 4:2:0,10bit
・4K 120p 200Mbps 4:2:0 10 bit
・ALL-I - メディア
・SD UHS-II
・CFexpress A
・デュアルカードスロット - ISO感度:100?32000
- 拡張ISO感度:50/102400
- AF
・ファストハイブリッドAF
・像面位相差AF:759点
・コントラストAF:425点
・測距輝度範囲:-4?20EV
・リアルタイム鳥検出 - ピクセルシフトマルチショット
- アンチフリッカー
- ファインダー
・0.64型 944万ドット
・ファインダー倍率:0.90倍
・視度調整:?4.0 to +3.0 m-?
・アイポイント:25mm
・リフレッシュレート:60/120/240fps - モニター
・3.0型 144万ドット
・タッチパネル
・チルト可動 上107°・下41° - シャッター
・メカニカル:30-1/8000秒
・電子:30-1/32000秒
・シンクロ FF:1/400秒
・シンクロ APS-C:1/500秒
・シンクロ優先時モードは少し低下する
・電子先幕対応 - 手ぶれ補正
・5軸ボディ内手ぶれ補正
・5.5段分 - 電子シャッター連写
・Hi+:30fps
・Hi:20fps
・Mid:15fps
・Lo:5fps - メカニカルシャッター連写
・Hi+:10fps
・Hi:8fps
・Mid:6fps
・Lo:3fps - 連続撮影枚数
・JPEG EX:182枚
・非圧縮RAW:82枚
・ロスレスRAW:96枚
・RAW:238枚 - インターフェース
・USB 3.2
・Bluetooth 5.0
・Wi-Fi IEEE 802.11a/b/g/n/ac
・3.5mm マイクジャック/ヘッドホンジャック
・シンクロソケット
・1000BASE-T LAN
・HDMI A - NP-FZ100バッテリー
・約430枚 ファインダー
・約530枚 モニター
・USB-PD対応 充電・給電 - マグネシウム合金ボディ
- ボディサイズ:約128.9×96.9×80.8mm
- 重量
・約737g(バッテリー、記録メディア込み)
・約652g(本体のみ)
カメラサイズ比較
α9 IIとの比較
海外の評価
DPReview
ソニーα1は、ソニーセミコンダクタが開発した次世代のフルサイズ積層型CMOSを搭載している。α9に続く2つ目のCMOSであり、読み出し速度を5ms以上向上させ、電子シャッターによる1/200秒のフラッシュシンクロ、ローリングシャッタや人工光下でのバンディングリスクの低減、毎秒120回のAF・AEを可能にしている。さらにこの電子シャッターは、20コマ/秒・30コマ/秒(fps)の連続撮影を実現している。
クラスリードのダイナミックレンジ
- α9は少し予想外のダイナミックレンジの低下が見られた。これは読み出すビット深度を落とし、ダイナミックレンジをトレードオフにして、高速読み出しを実現しているように見えた。
- α9 IIでは大幅に改善されたが、深いシャドウのノイズレベルは、ソニー・セミコンダクタのベンチマークセンサーほど低くはなかった。
- ダイナミックレンジのテストでは、α9もα9 IIもソニーのα7 IIIのようなノイズのないシャドウ(つまり高いダイナミックレンジ)を達成していないことがわかった。
- 高画質と高速の両立は出来ないように思われた。しかし、α1でそれを実現している。
- α1のセンサーは、高速スキャンレートと高ダイナミックレンジは相反するものではないことを証明している。α9 IIと比較して、ベースISOのダイナミックレンジが1EV近く向上し、読み出し速度が20%以上向上、リニアな解像度が1.44倍に向上している。
- α1は、すべての電子シャッターモード(20fpsと30fpsの連続撮影モードを含む)で13.71EVのベースISOダイナミックレンジを実現しているのに対し、α9 IIはすべての電子シャッターモードで12.96EVだ。この0.75EVの向上は、低ISOダイナミックレンジにおいて、α1をすべてのプロスポーツ向けカメラの中で断然優位に立たせている。これまでのソニーのプロ向けカメラだけでなく、他のプロスポーツ向けカメラをも凌駕しているのだ。
- 高ISOダイナミックレンジでも競争力を維持しているが、高ISOでは画素ピッチが小さく、デュアルゲインステップ(ISO 500 vs 640)がα9 IIに比べて1/3EV低くなっているため、わずかに遅れをとっている。
- キヤノンのEOS-1D X Mark IIIはベースISOで同程度のノイズレベルを示すが、これはノイズリダクションにより低ノイズレベルを実現しているものだ。よってディテールはかなり低下している。
単なるスポーツカメラではない
- α1のダイナミックレンジは、単にスポーツカメラとして優れているわけではない。我々がテストした最高のフルサイズカメラとほぼ同等の性能を持っている。それでセンサースキャンレートが高速なのだから多くの注目を集めているのだ。
- α1のベースISOダイナミックレンジは、クラストップのソニーα7R IVと0.1EV差しかなく、ほぼクラストップのダイナミックレンジを実現している。
- 電子シャッタモードにおけるダイナミックレンジの犠牲はせいぜい0.2EV程度であり、ISO感度が高くなるとその差もなくなってしまう。
- 画素サイズ、デュアルゲイン、および上流のリードノイズによって変化する傾向のある高ISOダイナミックレンジは、α7R IVを上回り、他の高解像度カメラと比較しても遜色ない。ただし、低解像度のプロ・スポーツ志向の競合他社と比較するとわずかに劣る。
- しかし、特に印象的なのは20fpsと30fpsの連続撮影時におけるダイナミックレンジの犠牲がわずか0.2EVであることだ。
- これまで、高速読み出しはノイズが犠牲となるのが一般的だったが、α1は従来のメカニカルシャッターに近い読み出し速度にもかかわらず、ほぼ同じダイナミックレンジを維持している。
- これは高速読み出しモードを使用しても、最高の風景カメラに匹敵するダイナミックレンジを備えていることを意味している。
- 30fps連写では、圧縮されたRAWに切り替える必要がある。この際のダイナミックレンジで犠牲となる部分は測定していない(低ISO感度における深いシャドウでノイズが発生するかもしれない)。
高感度ISO性能
- 光量が低下しても、高解像度を考慮すると競争力を維持している。
- 中間トーンのノイズレベルは、クラストップのニコンD5やキヤノンEOS-1D X Mark IIIと比べてわずかに遅れをとっている。我々は、高ISOにおいてダイナミックレンジよりも中間トーンのS/N比の方が重要だと考えている。
- α1は中間ISOでα9 IIのダイナミックレンジを上回り、最高ISOでα9 IIや他の低解像度センサーと比べてわずかに遅れをとっている。
実写で確認
- 6EVの増感後、シャドウのノイズレベルはα7R IVと同等だ。
- 電子シャッター使用時は最も暗いシャドウのトーンでノイズの増加がわずかに見られるだけである。
- α9 IIと比較しても、ノイズが大幅に少なく、細部までしっかりと描写されており、特にソニーが初のフルサイズ積層型CMOSであるα9と比較してノイズが少ない。
- キヤノンとニコンの「プロ」製品と比較すると、α1はディテールが大幅に向上し、ノイズを低減しているのが分かる。
- キヤノンを電子シャッターモードに切り替えると、ダイナミックレンジの違いはかなり顕著だ。
まとめ
- α1に搭載されたセンサーは、α9やα9 IIに搭載された第1世代のフルサイズ積層型CMOSと比べて、解像度、読み出し速度、ダイナミックレンジが格段に向上している。
- これまでセンサーの読み出し速度とダイナミックレンジは相反するもののように思われていたが、「α1」ではこれを両立している。
- 圧縮RAWによるダイナミックレンジの低下は見られるが、電子シャッター使用時の低下幅のほうが大きく、圧縮RAWを使うことによるコストは実質的にゼロである。
DPReview
DPReview:Sony α1 initial review Image quality
RAW
- RAWでは、α1が本当に見事なパフォーマンスを発揮し、あらゆるシーンで同程度の解像度を備えた競合他社と肩を並べることができる。
- α7R IVの高解像度センサーの優位性を確認するには、じっくりと観察しなければならない。
- α1は他の選択肢と同じように、偽色のアーチファクトが発生しやすいことがありまる。
- 多くの場合、クレイジーな読み出し速度を実現するにはノイズの代償が不可欠だ。しかし、高ISO感度ではキヤノン「EOS R5」と同等の性能を発揮し、ニコン「Z 7 II」とは僅差である。そしてパナソニック「LUMIX DC-S1R」よりも少し良好だ。
- プロ志向の競合モデルと比較すると、α1は競争力がある。キヤノン「EOS-1D X III」やニコン「D5」よりも少し遅れているが、これは画素数の増加によるものだ。
JPEG
- α1は初期設定でかなり積極的なシャープネス処理をしている。α7R IVと比較して1段階だけ強くなっているように見える。
- 一見するとニコン「Z 7 II」とかなり似ているにもかかわらず、ソニーははるかに効果的で細かいディテールを保持している。シャープネスが高いにもかかわらず、α1は、ニコンの画像で見られるようなエッジのオーバーシュートに悩まされることは無い。
- α1と競合機種を含めて色味は良好で心地よい。特にソニーは黄色が濃く出ている。
- α7R IVと比較すると、α1はこれらの豊かな黄色から、マゼンタ色に染まった青、暖色系の緑、白人の肌色(ソニーa7S IIIと同様)をやや抑えた色調まで、多くの改良が施されているように見える。
- 赤は彩度が少し下がったように見え、α7R IVで見たようなキャノンのようには見えない。
- ISO感度が高くなると、残念ながらα1はかなりの色のにじみが出てしまう。ニコンはこの点で抜群だ。
- どのカメラもある程度の輝度ノイズを残している。正直なところ、キヤノンとニコンは他のカメラに比べてやや遅れをとっているが、どれも低コントラストのディテールをうまく表現している。
- α7R IVはα1よりもわずかに多くのディテールを保持しているように見えるが、より多くの輝度ノイズを犠牲にしている。
- α1は、輝度ノイズの低減のために細部のディテールを犠牲にして、少しだけバランスを取っている。
- プロ機と比較すると、α1は最高ISO感度でもニコンD5やキヤノンEOS-1D X IIIよりもディテールを保っており、解像度の高さに助けられているのは間違いない。しかし、輝度ノイズや色にじみの犠牲が伴っている。
ダイナミックレンジ
- α1はフルサイズ積層型CMOSセンサーを採用したソニーの3台目のカメラだ。
- 最初のカメラであるα9は、センサー読み取り速度のために低ISOダイナミックレンジを犠牲にしていたが、α9 IIではベースISOで1/2EVの改善が見られた。
- α1は、α9モデルよりもさらに高速なセンサー読み出し速度にもかかわらず、低ISOダイナミックレンジでさらに大きな改善をもたらした。
- α1で撮影したISO100のRAWファイルを6EVで増感した後でも、シャドウ部のノイズレベルは控えめだ。クラストップのα7R IVにわずかに遅れをとっているとはいえ、同等のレベルである。
- プロ向けと比較すると、ニコン「D5」、ソニー「α9 II」、キヤノン「EOS-1D X Mark III」と比較して、ノイズレベルが最も低く、ディテールも最高で、クラストップレベルの性能を発揮している。
- キヤノンの場合、シャドー部のノイズレベルは非常に低いが、これはRAWでのノイズリダクションのおかげであり、ディテールを犠牲にしている。
- α1を電子シャッターに切り替えても、シャドウの深い部分のノイズはわずかに増加するだけで、ほとんどのフォトグラファーには無関係なほど小さい。
ISO不変性
- α1のセンサーは一見するとISO不変ではないように見えるが、これはデュアルゲイン設計によるものだ。
- ISO100と400の撮影では、+6と+4EVを増感した時のノイズレベルが似ているように見える。しかし、ISO800と6400では、+3と0EVを増感した時のノイズレベルが似ているように見える。
- α1には、基本的に2つのISO不変範囲があり、100と400の間と500以上の間である。ISO500はカメラの第2の「ベース」ISOであり、各画素は低照度下でのパフォーマンスを向上させるために高変換ゲインモードに切り替わる。
- これは薄暗い状況で高ISO感度が必要な場合、カメラをISO 500に設定して撮影時のノイズを低く抑えることが可能だ。後処理で撮影した写真を増感するまでノイズは目立たない。ISOを高く設定して撮影した場合よりも画像は暗くなるが、ハイライト情報を何段も節約することができる。
- 同様に、速いシャッタースピードでISO100以上500以下のISOを必要とするような明るい条件では、ハイライト情報を保持するためにカメラをISO100に設定することができる。
- 電子シャッターモードでは、最低ISOで深いシャドウのノイズがわずかに増えただけだ。画質差は200以上のISOではパフォーマンスの違いが無くなる。
Amateur Photographer
Amateur Photographer:SONY ALPHA α1 REVIEW
カメラの紹介:
- 技術の進歩が尋常ではないスピードで進んでいるのは、現代社会の真理の一つである。カメラの世界では、この10年間、イメージセンサーやエレクトロニクスの面でソニーが大きく貢献してきた。
- キヤノンとニコンの二極体制に対抗するためには、「絶え間ない技術革新しかない」と考えていたソニーは、この10年間で、その技術革新に注力した。
- ソニー最新フラッグシップモデル「α1」は、これまで写真家が夢見てきたようなスペックだ。
- これまでは解像度とスピードのどちらかを選ばなければならなかったが、このモデルはその両方を見事に実現している。
- 同じ価格帯では、画素数の面で5010万画素のフルサイズセンサーを凌駕できるのは、同社の6100万画素のα7R IVと富士フイルムの1億200万画素の中判GFX100Sくらいだろう。
- このセンサーは、珍しい毎秒30コマという驚異的な連続撮影能力を備えている。本当にパフォーマンスが似ているカメラはキヤノン「EOS R5」だけだ。このカメラは8K動画に対応した最初のミラーレスカメラであると同時に、AF追従で20fps+4500万画素の連写性能で我々を驚かせた。
- 前述のα7R IVは10fpsで6100万画素、従来のスピードキングであるα9 IIは2400万画素で20fpsを実現している。
- 当然のことながら、α1はこれらのいずれかよりもかなり高価だ。しかし、いずれかよりも高機能なカメラである。
ビルド・外観:
- デザインと構造の面で、α1はソニーのフルサイズミラーレスと似ており、α9 IIとα7S IIIを掛け合わせたようなイメージがある。
- 品質の面で欠点はほとんど無い。前面・上面・背面はマグネシウム合金製で、コントロール部や可動部はすべて防塵・防湿性に優れている。カードドアはα7S IIIと同じセカンダリースライドロックを採用しており、左側面の各ポートカバーも従来モデルに比べて、より密閉性が高まっている。
- メディアスロットは、α7S IIIと同様だ。デュアルスロットで、どちらもUHS-II SDカード、またはより小さいCFexpress Aカードに対応している。
- デュアルメディアスロットは、両方のカードにファイルをバックアップすが可能だ。または順次使用するか、それぞれに異なるファイルタイプを分分けることも出来る。
- 同社はまた、プロ仕様の通信接続に対応している。内蔵されているWi-Fiは、2倍の速度を実現するデュアルアンテナを採用し、超高速USB-CとRJ45有線LANポートも搭載している。もちろん、スマートフォンに画像をコピーしたり、Wi-Fi経由でカメラを遠隔操作したりすることも可能だ。
- バッテリーはおなじみのリチウムイオンバッテリー「NP-FZ100」だ。EVFで430枚、液晶で530枚の撮影が可能である。
- α1は、α7R IV、α7S III、α9 IIと同じ399ポンドのVG-C4EMグリップに対応している。スタミナを2倍にするために2つのバッテリーを搭載可能だ。
- ボディ前面には新たなセンサーを搭載し、より正確なオートホワイトバランスを実現している
携帯性:
- 記載なし。
グリップ:
- 大きなグリップだが、ライバルのカメラほど手に馴染むものでは無い。それでも、100-400mmGMを装着したまま、片手でカメラを持ち歩くことが出来る。
動作:
- 便利に配置された電源スイッチをフリックすると、ほぼ瞬時に起動する。
- タッチパネルと物理コントロールのレスポンスはどちらも良好だ。
- 究極の洗練された感覚は、驚くほど静かで控えめなメカニカルシャッターによって強化されている。旧型ソニーカメラの爆発的な音とは対照的だ。
操作性:
- コントロールの大部分ほぼ完璧だ。しかし、6500ポンドのカメラでそうならなかったら、我々はがっかりするだろう。
- ボタン・ダイヤル類は、ボディの大部分を占めている。
- ダイヤルは4つ以上あり、トグルロック付きの専用の露出補正コントロールもある。ダイヤルはやや小ぶりだが、回しているうちにカチッと音がする。
- 大きなジョイスティックを採用し、親指の届く位置にAF-ONボタンや露出ロックボタンを配置している。
- 全体的に、ほとんどの撮影設定に素早くアクセスできる、非常によくできたユーザーインターフェースだ。しかし、デザインに欠点がないわけではない。
- フォーカスモード、ドライブモード、露出モードのダイヤルにはロックボタンが付いていて、それを押し込んでから回す必要がある。
- 従来通り、ハンドグリップとレンズマウントの間のクリアランスがあまり良くない。大きなレンズを使用している場合に、手と干渉することがあるだろう。
手ぶれ補正:
- 他のフルサイズ機と同様、最大5.5段分の補正を実現した5軸手ぶれ補正を搭載している。
- α1が明らかにクラストップとは言えない部分は、ボディ内手ぶれ補正かもしれない。ニコンZ 7はさらに低速シャッターでの撮影が可能だ。
- 手ぶれ補正を使用し、2種類のピクセルシフトマルチショットモードに対応している。
・1つ目は各ピクセル位置でフルカラーのサンプリングに対応するため、4枚のイメージを撮影する。
・2つ目は16枚のイメージを撮影し、最終的に2億画素の巨大な出力を実現するものだ。
・撮影データの合成は同社のデスクトップソフトウェア「Imaging Edge」を使ってコンピュータ上でつなぎ合わせなければならない。 - ピクセルシフトマルチショットモードは驚異的な結果を得ることができる。しかし、基本的にカメラぶれや被写体ぶれには耐えられない。
- ソニーは動体補正機能に対応していないので、被写体が動いてしまうと醜いアーティファクトが発生してしまう。物撮りや静物の撮影では素晴らしい機能だ。
- 私のテストで16枚合成モードは、コントロールされたスタジオでもグリッドのようなアーティファクトが発生しやすい。
ファインダー:
- α1が最も優れている点の一つは、ファインダーだ。α7S IIIでデビューした944万ドットのEVFを採用しており、0.9倍とかなり大きい倍率を誇っている。さらに、ブラックアウトのない連写撮影が可能だ。
- 標準で60fpsのリフレッシュレートを120fpsに切り替えることが可能で、動いている被写体を追いかけることが出来る。
モニター:
- ファインダーの優秀さを考えると、モニターは残念だ。3.0型の144万ドットであり、他のハイエンドミラーレス機に比べて小さく、解像度も低い。
- また、チルト式なので、いざ縦向きにカメラを回転させてみると、使い勝手が悪くなってしまう。富士フイルムやパナソニックが採用しているソニーも3Wayチルトを採用すると良かった。
メニューシステム:
- αA7S IIIで初めて採用されたタッチ操作式のメニューシステムを導入している。メニューシステムは従来よりも改善されているが、慣れが必要である。
- 被写体ごとに複数のカスタムメモリーを設定することができる。モードダイヤルの「1」「2」「3」の位置に割り当てて、すぐに呼び出すことがで可能だ。ただし、フォーカスとドライブモードはダイヤルで手動設定が必要があることを覚えておかなければならない。
- 再生時には、2つのカードスロットを切り替えるためのショートカットがない。メニューシステムで設定を変更する必要がある。
- カードが1枚しか装着されていない場合、カメラには自動で切り替える機能がない。間違ったスロットに装着されている場合、エラーメッセージが表示されるだけだ。この点は他のブランドの方がはるかに優れている。
オートフォーカス:
- ソニーは近年、AIによる被写体認識によるオートフォーカス技術の進化をリードしてきた。その中でも「α1」のAFシステムは非常に洗練されたものである。
- セットアップの不満は別としても、動きの速い被写体を簡単に撮影できてしまうほど、驚くほどよく機能している。
- 759点のAFポイントはAPS-Cクロップモードに切り替えても、同じ数のAFポイントを保持し、精度を維持することが可能だ。
- このカメラは1秒間に120回のフォーカス計算を処理できるので、30fpsで撮影していても、各フレーム間で3回のフォーカス調整をする可能性があることを意味している。
- ただし、フルスピード撮影に対応しているのはソニーレンズだけで、サードパーティ製の光学系ではAFや絞りの操作制限によりレートが制限されることを理解しておきたい。
- ソニーによると、フォーカストラッキングが改善され、連写でF22までの絞りを使用できるようになったという。
- クラスをリードするリアルタイム瞳AFアルゴリズムを拡張し、人間や他の動物だけでなく、鳥も認識できるようになった。
- 100-400mmのGMテレズームを使って飛翔する鳥を撮影してみたところ、非常に効果が高いことが分かった。雑然とした背景でも、カメラに最も近い被写体を一瞬で特定してピントを合わせてくれる。そして、どんなに不規則な動きをしていても確実に追尾してくれる。
- これは、カモメやハトのような小さくて速い鳥にも当てはまる。
- 同様に、被写体検出とトラッキングは驚くほどうまく機能し、顔と瞳の検出は特に人物にフォーカスしたい場合に便利だ。
- 人間や動物、そして鳥の瞳AFが使えるようになったが、メニューから3つの選択肢を手動で選ばなければならない。 この点で、EOS R5に搭載されているAFシステムの方が優れている。
連写性能・ドライブ:
- ローリングシャッターによる画像の歪みを実質的に排除し、人工光下でのフリッカーフリー撮影を実現し、フラッシュと無音撮影の組み合わせを初めて可能にした。
- メカニカルシャッターも一新され、1/400秒、21MP APS-Cクロップモードでは1/500秒でのフラッシュシンクロが可能となっている。
- 一貫して30fpsの連写速度で少なくとも140枚のRAW+JPEGを撮影することができた。その後、30秒強でカードにそれらをすべて記録することが出来た。
- 注意点は、30fps利用時は圧縮RAWのみ使用可能であることだ。
- もちろん、α1は膨大な量のカード空き容量をあっという間に使い切ってしまう。ストレージはすぐに実際の問題になる(圧縮されたRAWファイルは約60MBであるのに対し、非圧縮のRAWファイルは1ショットあたり100MB以上である)。
- このレビューの間、私は200GBのデータに相当する7000以上のイメージを撮影した。
高感度ISOノイズ:
- α1は全く新しいExmor RS積層型CMOSセンサーを採用している。原理的には、光の取り込み効率を最大化し、電子的な読み出しノイズを最小限に抑えながら、高速な画素読み出しを可能にしている。
- その結果、センサーは15ストップのダイナミックレンジを実現し、ISO 32,000までの常用ISO感度に対応しつつ、ISO 102,400まで拡張可能だ。
- Adobe Rawのサポートがないため、私はSony Imaging Edgeソフトウェアを使用して画質を評価した。
- 新開発の5000万画素センサーは優れた画質を実現していることは明らかだ。
- 高ISOノイズコントロールも賞賛に値するが、低ISO感度の印象的なダイナミックレンジと並外れたディテールを兼ね備えている。
- ISO3200を超えると影のディテールがつぶれて消えてしまうが、それでもISO32,000までは当然のように標準範囲のフルレンジを使ってもいいだろう。
- 拡張ISO51,200と102,400の設定はあまり良くないが、必要なときには実用的な画質である。標準的なテストシーンからの100%クロップは、感度を上げたときにセンサーがどのように動作するかのアイデアを与えてくれます。任意のクロップをクリックすると、対応するフルサイズの画像が表示されます。
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
出力:
- ソニーは、新たにロスレスRAWに対応した。これまでの巨大な非圧縮RAWや、後処理の柔軟性が低下する圧縮RAWの間の理想的な圧縮方式である。
- それはまた、減少した互換性を犠牲にして、より高い品質とより高いポスト処理の柔軟性を約束する完成した出力のためのJPEGではなく、HEIFファイルを使用することが可能です。
仕上がり機能:
- ついにカメラで画像をトリミングすることができるようになったが、信じられないことに、カメラ内RAW現像がまだない。
- 従来のクリエイティブスタイルではなく、α7S IIIで新しく実装したクリエイティブルックを搭載している。様々なカラーモードは2文字のコードで示されており、いくつかは比較的簡単に読み取ることが出来るが、他のものは「IN、FL、SH」などのかなり不可解なものだ。
- ソニーはそれぞれを簡単に説明しているが、「明るく、透明で、柔らかく、鮮やかなムードのあるイメージ」が何を意味するのかを理解しなければならない。幸いにもそれらの効果はファインダーでプレビューされる。
画質全般
- JPEGはかなりまともな結果が得られる。
- 測光システムは一般的に露出アンダー気味で、ハイライトのディテールを保護してくれるが、後処理が必要な場合が多い。
- 当然のことながら、RAWで撮影すれば最高の画質を得ることができる。残念なことに、この記事を書いている時点でRAWに対応する唯一ソフトは、ソニー製デスクトップソフトウェア「Imaging Edge」である。
- 低ISO感度のダイナミックレンジが十分にあることは明らかだ。しかし、この純正ソフトでは、RAWファイルを適切に評価したり、ロスレス圧縮の利点を検証したりするための十分な調整幅がない。このセンサーがどれだけ優れているかを知るには、アドビなどのサードパーティのサポートを待つ必要があるだろう。
動画:
- 動画に目を向けると、静止画と同様にハイスペックだ。8Kは30fps、最大400Mbpsのビットレートで内部記録が可能で、4Kは120fpsで利用可能だ。
- ファイルは10Bit 4:2:2カラーで記録でき、ポストプロダクションを容易にするためのS-CinetoneとS-log3モードが利用可能だ。また、16BitのRAW動画を外部レコーダーに出力することも可能である。
- α7S IIIと同様の熱管理システムをボディに内蔵し、30分以上の長時間撮影を可能にしている。
- フルサイズのHDMI端子と3.5mmステレオヘッドホン、マイク端子を装備し、ホットシューには一部のソニー製マイクに対応したデジタルオーディオインターフェースを搭載している。
- α1の熱対策はEOS R5よりも良好だ。ビデオグラファーにとって、より実用的な選択肢となるだろう。
総評
α1は常識を覆すカメラだ。他のどのカメラよりも高い解像度と、驚くべき撮影速度を実現している。さらに、動体を正確に追尾できる驚異的なオートフォーカスシステムがこれらをサポートしている。素晴らしい高解像度の風景・スタジオカメラにもなるし、実際には究極の高速スポーツマシンとして活きることだろう。
冬の数週間で行われたこのレビューで「α1で何ができるのか」を洗い出すことはほとんど出来なかった。しかし、業界をリードするその技術は、本当に宣伝通りに機能しているように見える。状況が許せば、プロの視点からお伝えしたいと思っている。ひとまず、本当に驚くべき技術的の結集に拍手を送ることにしよう。
- 長所:
・驚異的なスピードとAF
・優れた画質
・基本的に優れた操作性
・信じられないほど大きく高精細なファインダー - 短所:
・モニタの可動方向は上下のみ
・ダイヤルロック構造は手袋装着時に厄介
・複雑なクリエイティブルックのオプション
・成層圏の価格設定
Mobile01
Mobile01:Sony α1 ?對影像王者 頂尖技術力的展現
カメラの紹介:
- α9・α9 IIが2400万画素の超強力なスペックで20コマ秒連写に対応した時、だれが5000万画素のα1が登場すると考えただろうか?このカメラはブラックアウトフリーで毎秒30コマの連写撮影が可能であり、さらに8K動画にまで対応している。
- 高度な連続撮影を実現するため、超高速読み取りが可能なCMOSセンサーと、高速処理が可能なプロセッサを搭載し、一時的に大きなデータを保管するバッファを備えている。
ビルド・外観:
- BIONZ XRプロセッサはα7S IIIと同じだが、α1用にチューニングが施されている。α7S IIIの1200万画素に2つのプロセッサが必要だろうか?私はBIONZ XRがもともとα1用に設計されたものだと推測している。
- よく見ると軍艦部の前面にホワイトバランス用センサーを搭載していることが分かる。これにより、レンズを通過しない光を検出することが可能となり、より正確なホワイトバランスを得られる。
- インターフェースはソニー製カメラで最も豊富だ。
・1000BASE-T LAN
・フラッシュ同調
・Micro USB
・USB-C USB3.2
・HDMI A
・マイク
・ヘッドホン - α9 IIもUSB3.2だが、α1はUSB3.2 Gen1である。理論上の通信速度は2倍である。ちなみにα7R IVもUSB 3.2 Gen1だ。
- α7S IIIと同じくデュアルCFexpress A/SD UHS-IIカードスロットだ。
- 電源オフ時にメカニカルシャッターを閉じる機能を備えている。
- 縦位置グリップはα7R IVやα9 II、α7S IIIと互換性がある。
携帯性:
- EOS-1D X Mark IIIやD6と同じように縦位置グリップ固定のカメラを検討しているのか聞いたところ、α1の性能でもサイズを維持できるので、同じような小型サイズを維持したいと述べている。スポーツ写真にも対応できるが、スポーツ写真用にはしたくないようだ。私もこのアプローチには賛成である。
グリップ:
- 記載なし。
操作性:
- α9とα1シリーズのみ左肩にドライブ・フォーカスモードダイヤルを搭載している。個人的に、これはα7シリーズ全てに搭載するべきと思っている。
- 右手側の操作はα9 IIやα7R IVと全く同じだ。α7S IIIで「C1」の位置には録画ボタンが配置されている。
- α7R IV以降の最新世代はボタンやジョイスティックの形状が洗練され、とても成熟したシステムとなっている。
- 起動速度は従来の製品よりも速くなっているが、それでも一眼レフのように0.1秒レベルで起動するわけでは無い。長いときで1秒待つことがある。
手ぶれ補正:
ファインダー:
- α7S IIIと同じ944万ドットのOLEDパネルを使用している。
- これまで見てきた中で最高の解像度を備えたファインダーである。一度使い始めると、他のカメラのファインダーは使えなくなるだろう。
- フレームレートは240fpsに対応しているが、画質は低下する。
- 最高画質のファインダー像を得たい場合はフレームレートを60/120fpsに設定する必要がある。
モニター:
- α7S IIIはバリアングルモニタだが、α1はチルト式である。
メニューシステム:
- 記載なし。
オートフォーカス:
- 人間や動物は瞳と顔を検出可能だが、鳥は瞳だけだ。
- 鳥の瞳AFは検出が難しい場合がいくつかあると言われている。そのうちの一つは鳥が正面を向き、両方の目がフレーム上にある時だ。また、目が見えない場合も検出が出来ない。
- オウムでは瞳AFの成功率が高い。
- 10?20mの距離で鳥瞳AFは実用的だ。しかし、400mm F2.8 GM+1.4×を装着時で遠くの鳥を撮影する場合はほとんど利用できない。ただし、瞳が検出できない場合でも、4Dフォーカスで追従を継続できる。
- 人間の瞳AFは最高の追従性と信頼性だ。
連写性能・ドライブ:
- 30コマ秒の連写撮影そのものは珍しくない。しかし、AF/AE固定だったり、撮像範囲がクロップされたり、センサーが低解像だったりする。
- α1は5010万画素で毎秒30コマの連続撮影に対応し、クロップが無ければ、AF/AEの追従も可能だ。
- データの読み取り速度は従来のCMOSセンサーをはるかに上回っている。このため、ローリングシャッター歪が非常に少なく、1/200秒のフラッシュ同調にも対応している。
ちなみにα7R IVの同調速度は1/13秒までである。 - メカニカルシャッターも強化されている。従来のスプリングに加え、電磁アクチュエーターを使用している。これにより、かつてない速さでシャッター幕を動作させることが可能になっている。ソニーはこれを「デュアルドライブシャッター」と呼んでいる。
- デュアルドライブシャッターは同調速度向上に一役買っているが、最高速は変わらず1/8000秒までだ。フラッシュ同調速度は従来の1/320秒から1/400秒まで向上している。
- 将来的にセンサー性能が向上することで、メカニカルシャッターのフラッシュ同調速度を超えるかもしれない。
- 回転する扇風機を電子シャッターで撮影した場合、α7R IVは明らかにローリングシャッターの影響が発生する。α7S IIIでも影響は見られるが、α1で影響は見られない。
- 圧縮RAWで最大238枚の撮影が可能だ。非圧縮時は82枚となる。
- 電子シャッターでフラッシュ利用時は連写速度が低下する。どれほど低下するかについて言及は無いが、約15fpsくらいだと思う。
高感度ISOノイズ:
- α1とα7R IVの高感度画質を比較する。2台のカメラは画素数が1000万ほど異なるが、写真サイズはそれほど違いが無い。どちらも裏面照射型だ。
- 特にISO12800以降でα7R IVのほうがノイズが多く見えるが、ディテールは同程度だ。α1の高感度ノイズ処理は優れている。
- α7S IIIと動画仕様が似ているので、α1にまとめたいと思う人はいるかもしれないが注意が必要である。
・α7S IIIはISO409600まで利用可能
・α7S IIIはS-log 3の感度がISO 160と低い(α1もISO 200と低いが)
・α7R IVやα1の上限であるISO 32000よりα7S IIIのISO 51200のほうがクリアだ
・α1はISO 3200や6400の場合にα7S IIIよりも優れている
・S-log3使用時のα7S IIIはスペシャルだ。α1はα7S IIIと僅差だが、α7R IVは遠く及ばない
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
ピクセルシフトマルチショット:
- 4枚合成の画質は明らかにシングルショットよりも優れている。
- 16枚合成のイメージサイズは遥かに大きく、巨大な出力が必要なフォトグラファーに適している。
- 電子シャッターで撮影する必要があり、1/200秒のフラッシュ同調速度が役に立つ。
動画:
- 面白いことに。8Kで必ずしもCFexpress Aカードが必要となるわけでは無い。V60のSDカードがあれば十分だ。
- トラフィックが最も多い4K 60p ALL-IでもV90で足りる。
- ただし、CFexpressにはいくつか利点がある。データ書き込みの精度はSDカードよりも高く、最高速度はSD UHS-IIより遥かに高速だ。静止画の高速連写が必要な場合はCFexpress Aを利用すると良いだろう。
- 8K 30p 4:2:0での撮影が可能だ。XAVCS HSフォーマット限定である。編集が必要な場合はパソコンをかなり強化する必要がある。
- 4Kは4:2:2 10Bitで最高600MbpsのXAVCS-Iを利用可能だ。
- データフローが大きい場合、ボディも発熱する。室温28-30度の環境で8Kを連続撮影したところ…
・過熱保護オンで17分30秒後に警告、24分25秒でシャットダウンした
・過熱保護オフの場合は警告すらでない
総評
5010万画素で30コマ秒の連写撮影に対応し、8K動画に対応する超強力なスペックだ。本当に印象的だったのはフラッシュ同調の1/200秒対応電子シャッターと1/400秒対応メカニカルシャッターだ。個人的な見解として、高画素の30コマ秒連写は強みの一つでしかない。積層型CMOSセンサーと高速プロセッサの組み合わせで以下のことが可能となっている。
- 1/200秒のセンサー読み出し速度
- 電子シャッターのフラッシュ1/200秒同調
- ローリングシャッターの歪みが極小
- 毎秒120回のAF/AE演算
- 毎秒30コマ秒の連写
- ブラックアウトフリー連続撮影
ソニーにα1の8K動画について質問してみたところ、以下のように回答があった。
「α1の8Kはテクノロジーのデモンストレーションのようなものだ。実用性の観点から8Kは現在の市場需要を遥かに上回っている。今のところ6Kモニタでさえ市場にはあまり出回っておらず、8Kの画質を十分に楽しむ手段がほとんど無い。誰が8K動画をパソコンで編集できるだろうか?そしてこれはXAVCS HSフォーマットである。今のところクリエイター向けはα1やα7S IIIの4K動画である。」
価格は174,980台湾ドルである。これを「高いか?」と質問する人は過去のフラッグシップモデルの価格設定を理解していないことを意味する。キヤノンやニコンはこの価格でフォトジャーナリスト向けのフラッグシップモデルを販売している。α1はスペックを限界まで押し上げ、解像度を5010万画素、連写速度を30コマ秒まで向上し、CMOSセンサーの読み出し速度も改善している。これで従来のフラッグシップモデルと同等の値付けだ。確かに安いカメラでは無いが、パフォーマンスを考慮すると非常に誠実な値付けである。
フォトジャーナリストや野生動物、スポーツ写真のプロフェッショナル、そして商業フォトグラファーでさえ仕事に良い影響を与えるとα1に期待することだろう。写真への情熱をかけるための強力なモデルである。今後もより良い新製品を提供し続けると期待している。
長所:
- 5000万画素で毎秒30コマのAF/AE連続撮影
- 毎秒120回のAF/AE演算
- Miシュー経由のフラッシュ装着で自動的にライブユーの露出プレビュー機能をオフにする
- 最速USBポート
- メカニカルシャッター時のフラッシュ同調1/400秒、APS-Cは1/500秒
- 電子シャッター時のフラッシュ同調1/200秒
- 電子シャッターでアンチフリッカー対応
- 動画の高感度ISO性能がα7S IIIに近い
- ピクセルシフトマルチショットで高画素・超高解像な撮影が可能
- ピクセルシフトマルチショットでフラッシュを使用可能
- 鳥の瞳AF
- 高解像8K動画
- 16BitRAW出力
- S-Cinetone
- 944万ドットの高解像ビューファインダー
- ロスレスRAWで画質を維持しつつファイルサイズの圧縮が可能
- JPEGライト出力
改善点:
- S-RAW・M-RAWが無い
注意点:
- 電子シャッターでのフラッシュ同調はMiシューの利用が必須
- 電子シャッター利用時の連写速度は約15fps
- 1/400秒のフラッシュ同調速度利用時は連写速度が低下する可能性がある
- 対応レンズ以外では連写速度が低下する可能性がある
- 電子ファインダーの240fps駆動時は解像度が低下する
DPReview
DPReview:Interview: Sony's Masaaki Oshima - "The α1 is the first step towards the next decade"
α1の開発期間はどのくらいか?
正確な期間は言えないが、以前のモデルよりも時間がかかった。開発はとても苦労した。
主な理由は、全く新しい撮像センサーを搭載していることだ。この新しいセンサーは信じられないほどのスペックを持っていて、センサーのパワーを最大限に引き出す方法でカメラボディに統合するのは非常に難しいことだった。それを実現するために長い時間がかかった。
我々は当初から、このカメラをプロフェッショナルのために開発してきた。スチル撮影者にとってもムービー撮影者にとっても期待以上のカメラを目指している。α1は、トッププロのために妥協せずに開発したカメラである。
プロフェッショナルユーザーを増やすための幅広い戦略とは?
我々は常にプロフェッショナルのお客様からのフィードバックに耳を傾け、開発に反映している。現在のプロフェッショナルとの関係は非常に良好で、今後もこの関係を発展させ、彼らのフィードバックに基づいた製品やサービスを生み出していく。
プロの方からは、自分たちが何を求めているのか、どうすれば改善できるのか、今まで考えもしなかったことについてヒントをいただいている。プロの方々がα1を使ってみたら、きっと気に入っていただけると思う。
8K動画は最初から計画されていたのか?
今や静止画と動画の区分けが少なくなってきていると考えている。このため、高画質な動画と高画質な静止画の両方を同じボディで実現することを目指した。
今はまだ8Kが普及していないものの、これから需要は進化していくと思う。それに8Kの実装は将来的に成功するため重要なことだ。また、今でもプロの方の中には、8Kで撮影して4Kにクロップしたいという方もいる。α1は次の10年に向けての第一歩だと思っている。それが、「最初の一歩」を意味する「α1」と名付けた理由の一つだ。
コンシューマーデジタルイメージングにおけるグローバルシャッター技術の発展について、ソニーはまだ追求したいと考えているのか?
ソニーはすでにグローバルシャッターセンサーを発売している。小型のセンサーなので、防犯カメラやマシンビジョン、プロ用ビデオカメラなどに使われている。
グローバルシャッターは、データの同時読み出しなどのメリットがあることは理解しているが、フルサイズでの商用利用には、設計やエンジニアリング、生産面での課題がある。今のところ、α1に搭載されている新センサーが一番実用的だと思う
α1のセンサーは速いのに、なぜメカニカルシャッターを入れようと思ったのか?
そう言っていただきありがとうございます。しかし、それは十分に速くは無い。一流の写真家は、1/300秒以上の高速フラッシュシンクロを必要としている。
そこで我々は、まったく新しい構造のメカニカルシャッター(スプリングと電磁アクチュエーターを使ったデュアルドライブシャッターシステム)を開発した。
α1には、このカメラのためだけに開発された全く新しい技術が他にもあるのか?
センサーもシャッターも全く新しい技術だ。プロセッサやEVFはα7S IIIと同じだが、α1の性能を最大限に引き出すためにベストなチューニングをしている。
α1の構造はどのように違うのか?
ボディは今まで通りマグネシウム合金を使用しているが、パーツの組み合わせ方で剛性を高めている。
密閉性については、これまでのモデルとは全く違う。今までのカメラと比べて、α7S IIIやα1は全く新しいボディ構造になっている。詳しくは言えないが、α7S IIIとα1は非常に高度なシーリング技術を使っている。
α1は、あなたにとって最高のカメラか?
もちろんだ。
レンズを交換したときにメカニカルシャッターが閉まるため、より耐久性がある。これもメカニカルシャッターの理由の一つだ。
従来は「スピード」か「解像性能」かのどちらかだった。両方を提供するのは難しいと思うが、α1ではどのようにしてこの組み合わせを実現したのか?
新しいセンサーを開発し、最新プロセッサを搭載し、アナログからデジタルへの変換方法も全く新しいものにした。そうやって高解像度と高速化を実現している。これ以上の詳細は申し上げることができない。
α1のイメージングパイプラインは、スマートフォンなどのイメージングデバイスで一般的になりつつあるコンピューショナルフォトに対応するのに十分な速さを持っているように見える。α1や将来のカメラでそのような機能を導入する予定はあるか?
最近DPReviewTVでコンピュテーショナルフォトグラフィーについてのエピソードを見た。あなたが興味を持っていることは知っている。
α1にはいわゆる「コンピューショナル」な撮影機能は実装していないが、ピクセルシフトマルチ撮影や長時間露光ノイズリダクションなどの機能を備えている。これらは同じような考えに基づいている。
サイバーショットシリーズでは、ダイナミックレンジを向上させる機能などを導入している。具体的な機能、具体的な機種での計画は話せないが、センサーの読み出しが速いことは有利である。
ユーザーから撮影機能に関する要望はあるか?オリンパスのプロキャプチャーのような。
今のところ無い。トップフォトグラファーからの要望は無いが、そのようなフィードバックがあれば検討するかもしれない。
ソニーのオートフォーカス開発に関する次の段階は?
オートフォーカス機能は進化してきたが、まだまだ改善の余地があると考えている。現在の技術を強化しつつ、物体認識やシーン認識も開発していく。
コンシューマデジタルイメージング市場において、未達成の最も大きな顧客ニーズと思われるものは何か?
映像に対する需要と、若いクリエイターのニーズが未達成だ。COVID-19を機に、我々の状況は一変し、お客様のニーズも変わり、すべてがオンライン化されている。
若いクリエーターの創造性と、彼らの映像のクオリティを上げたいという欲求が止まることは無い。だから、彼らの要求は加速している。そして、我々はまだこれに対応していない。だからこそ、ZV-1のようなコンセプトのカメラを導入した。
若いクリエイターをソニーのエコシステムに取り込むための戦略は?
彼らは、高画質な写真や動画を撮りたいと思っているが、従来のカメラの使い方を知らないかもしれない。そこで重要なのは、我々の高い技術をシンプルで使いやすい形で融合させることだ。このため、α1で培ったハイエンドの技術をさらに発展させ、ZV-1タイプの製品に改良・簡略化して搭載していきたいと考えている。
これからのコンテンツ制作は今と比べてどう変わっていくと思いますか?
またコンピューショナルフォトの話をして欲しいらしい。
先ほども言ったように、これからは静止画と動画の境界線がどんどん薄くなっていくと思う。このため、静止画と動画を作る「ハイブリッド」なユーザーを満足させなければならない。そのためのデバイスを作っていく。そして、カメラだけでなく、全体的なワークフローが非常に重要となる。接続して、送信して、編集する。それが重要である。
先日、プロ向けの5Gデバイス「Xperia PRO」を発表し、ドローン「Airpeak」も発表した。カメラだけでなく、スマートフォンやドローンとの連携で、映像の世界を広げていきたいと思っている。
2021年、ソニーのカメラ部門が直面する最大の課題は何か?
10年前にこの業界に参入し、初めてミラーレスカメラを開発して以来、我々はトップのポジションにいる。今後もミラーレスカメラの開発に注力し、市場を大きくしていきたいと考えている。そして、このポジションを維持することが、我々の最大の課題だ。
今年はα1だけでなく、他のカメラも発売する予定だ。我々はカメラだけでなく、レンズも含めて革新と開発を止めない。最高の顧客体験を提供し続けることで、この業界のリーダーになることを目指している。
Xitek
カメラの紹介:
- 高解像・高画質・高感度・高ダイナミックレンジ・高速を組み合わせたオールラウンドな製品だ。商用ポートレートやスポーツ、動画撮影などあらゆるものに適している。
- 5010万画素の30コマ秒連写に対応しており、動画は初めて8Kに対応した興味深いフラッグシップモデルである。
- 主な機能
・新開発5010万画素積層型CMOSセンサー+BIONZ XRプロセッサ
・最大30コマ秒の連写と改良されたAF
・改良した電子ビューファインダー
・電子シャッター対応フラッシュ同調機能
・8K 30p 4:2:0 10Bit
ビルド・外観:
- ソニーαシリーズは比較的均一なデザインを維持しており、古いカメラのユーザーでもシームレスに移行できる。基本的な操作はほとんど変更されていない。
- 基本的にはα9 IIと同じデザインだが、カメラのロゴは「α1」となっている。
- マウント右側にはホワイトバランスの精度を向上するための可視光+IRセンサーを搭載している。複雑な光環境での色再現の安定性を向上させている。
- 左側面のインターフェース
・RJ45
・フラッシュシンクロ
・マイクロUSB
・マイク
・ヘッドホン
・フルサイズHDMI
・USB-C - α1はUSB-Cポートのみ充電に対応している。
- バッテリーはNP-FZ100を使用している。
携帯性:
- 記載なし。
グリップ:
- 記載なし。
操作性:
- 基本的にはα9 IIと同じ操作性だ。
- 前後のダイヤルで素早く設定を変更出来る。
- 背面ボタンはα7R IVや他のモデルと全く同じだが、動画撮影ボタンのみ少し大きくなっている。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
ファインダー:
- これまでの電子ファインダーは解像度や遅延、スローシャッター時などで問題があった。しかし、これらはα1で改善している。
- 解像度はα7S IIIと同じ944万ドットの0.64インチ大型パネルを使用している。
- さrない光学ファインダーのようにほぼ遅延なくライブビュー像を確認することが可能だ。
- 連写時のブラックアウトフリーを実現しており、高いリフレッシュレートで被写体を追従可能となっている。これは光学ファインダーを上回るものだ。
- 最大の改良点は低速シャッター時でも被写体を追従しやすい「フレームレート低速制限」を実装したことだ。
モニター:
- α7S IIIのようなバリアングルモニタではなく、従来通りの上下チルト式モニタを採用している。
メニューシステム:
- α7S IIIと同じく、従来とは一線を画す新しいデザインを採用している。
- 新メニューでは「マイメニュー」「撮影」「露出/色」「AF/MF」「再生」「ネットワーク」「設定」の7項目に分かれている。
- 最大の改良点は第2層・第3層を同時に表示できることだ。これによりロジックが強化され、視認性が向上している。
- メインメニュー以外はあまり変化が無い。
- 静止画・動画・再生を個別にボタンカスタマイズ可能だ。
オートフォーカス:
- 低照度時でもAF-Sで素早くAFが可能だ。
- 人間でのリアルタイムトラッキングは引き続きとても安定した動作だ。追従性能は良好で、横向きでも認識する。
- 鳥類の瞳AFも良好に動作する。飛翔中の鳥を撮影するのに役立つと思う。
連写性能・ドライブ:
- 最大30コマ秒の連写速度はα9 IIよりも高速だ。対応レンズは限られているが、GMシリーズのほとんどは対応している。
- BIONZ XRの強力な処理能力によって長時間の連続撮影でも短時間で書き込み完了する。
- 従来のミラーレスカメラは電子シャッター時のフラッシュ撮影に非対応だった。しかし、α1は最大1/200秒の同調速度で撮影が可能となっている。
高感度ISOノイズ:
- 常用ISO感度は100?32000だ。拡張感度で最大102400まで使用可能である。
- α9 IIほどではないが、高画素機であることを考えると十分なISO感度の範囲だ。
- ISO100?200でノイズレスだ。
- ISO400で極僅かにノイズが発生する。
- ISO800ではJPEGのシャドウで僅かなノイズリダクションが動作し始める。RAWではカラーノイズが見られる。
- ISO1600以降ではJPEGのノイズリダクションが強くなり、RAWではカラーノイズが目立つようになる。
- ISO3200以降はJPEGのディテール低下が強くなり、カラーノイズも目立つ。
- ISO6400はよりディテール損失が強くなる。
- ISO32000以降は基本的にJPEG・RAWどちらも実用に耐えない。
- 5000万画素カメラとしてはノイズが良く抑えられているが、驚異的とは言えない。ISO400以下はクリーンだが、それ以降はノイズが発生し、ISO6400で限界となる。画質を求める場合はISO6400以上は避けたほうが良いだろう。
- JPEGのノイズリダクションを使う場合はISO12800を超えても使い勝手は良好だ。
ダイナミックレンジ:
- ±2EVの回復では問題無く復元可能だ。-2EVの復元でも極僅かなカラーノイズしか発生しない。
- α9と比べてディテールを維持しやすいので、画質面で大幅に改善されている。
ホワイトバランス:
- 白熱灯ではAWBが黄色がかった色となる。白熱灯用のホワイトバランスでは僅かに青味がかっている。
動画:
- 8Kに対応した最初のソニー製カメラだ。5000万画素センサーを利用し、8K 30p 4:2:0 10Bitの撮影が可能である。
- 4K 120p 4:2:2 10Bit ALL-Iにも対応している。この際はローリングシャッター歪の影響が非常に少ない。α7R IVとの差は1/2.8だ。
- Super35モードでの4Kは5.8Kオーバーサンプリングに対応している。
- 最高のビットレートは600MBpsだ。
- 動画の画質は優れている。Super35のオーバーサンプリング4Kはフル画角の4Kよりも優れている。
- XAVC HS・S・SIなど様々なエンコーディングや録画形式を選択可能だ。
- S-Cinetoneのカラーサイエンスに対応している。
- HDMI出力で4K 16Bit RAWに対応している。
総評
包括的な機能を備えたフラッグシップのソニー製フルサイズミラーレスだ。オールラウンダーとして優れた画質と撮影能力・動画機能を備えている。過去モデルにあったいくつかの問題点も改善している。プロフォトグラファーのニーズを満たすのに十分な性能であり、ソニー製カメラの中では最強と言えるだろう。とは言え、価格設定は看過できない。アマチュアが購入するには躊躇する値付けだ。
- 長所:
・優れた画質
・最高のEVF
・改良したAF
・高速連写
・8K対応
・フラッシュ同調の電子シャッター - 短所:
・高価
・30コマ秒の連写は条件がある
Lesnumeriques
Lesnumeriques:Test Sony α1 (α1) : l'empereur hybride des appareils photo
カメラの紹介:
- ソニーαシリーズのトップエンドに位置するモデルだ。競合他社が付け入る隙のない、24時間365日最上級のミラーレスである。
- 5010万画素の積層型CMOSセンサーを搭載し、デュアルBIONZ XRプロセッサーとペアになっている。30コマ秒のAE/AF対応高速連写に加え、EOS R5に続く8K動画にも対応している。
- 競合モデルは一眼レフのキヤノン「EOS-1D X Mark III」やニコン「D6」だが、フルサイズミラーレスに参入したばかりの2社はフラッグシップと呼べるモデルが存在していない。「EOS R1・Z 9(仮)」などが登場する可能性はある。
ビルド・外観:
- EOS-1D X Mark IIIやD6のような縦位置グリップ一体型ボディとは程遠く、他のα7・α9シリーズと似たようなデザインのカメラだ。エルゴノミクスにほとんど変化が無いので、慣れ親しんだ操作性を体感できるはずだ。
- α9 IIから継承したものもあれば、α7R IVやα7S IIIのように改善されたポイントも存在する。
- コンパクト過ぎること以外にエルゴノミクスの欠点はほとんど見られない。
- α7S IIIと同じくCFexpress AカードとSDXC UHS-IIカードに対応したデュアルスロットを搭載している。最新CFexpress Aカードは非常に高速で、理論上のスループットは700MB/sに達する。
- 今のところ対応するメモリーカードは少なく、高価である。
携帯性:
- 常にコンパクトさを追求しており、グリップとレンズの間には十分なスペースが無いことは明らかだ。大きな手や手袋装着時の取り扱いは容易ではない。
グリップ:
- 長年にわたり改良し続けているが、全高は少し低く、必ずしも大きなズームレンズに適したグリップとは言えない。α7R IVやα9 IIと互換性のある縦位置グリップの装着が可能だ。ついでにバッテリー搭載数も増やすことが出来る。
操作性:
- 右肩には撮影モード、露出補正、コマンドダイヤルに加え、2つのFnボタンを搭載している。
- 左肩にはフォーカスモードとドライブダイヤルを同軸で搭載。ロック機能を備えている。
- 背面にはホイールに加え、カスタマイズ可能なボタンがいくつか存在する。
- カスタマイズは大部分の機能を割り当てることが可能だ。
- 未だに起動時間が長い。長すぎる。平均で1秒強、長いときは1.5秒も待たなければならない。EOS R5は0.76秒で起動し、EOS-1D X Mark IIIは0.25秒だ。
- 例えば「LUMIX S1」はシャッターボタンを複数回押すと、一種の連写モードが自然とアクティブになる。しかし、ソニーで同様の動作は利用できず、連写モードへ切り替える必要がある。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
ファインダー:
- α7S IIIと同じ944万ドット、0.9倍のOLEDファインダーを搭載している。これを他社が打ち負かすのは難しい。
- ファインダーが大きすぎてフレーム隅の情報を確認するのが難しい場合がある。
- 高解像モードは初期設定でオフとなっている。このモードは最も遅いリフレッシュレート(60fps)でのみ利用可能だ。
- 120fps利用時は解像度を下げ、画質が少し低下するが、十分な画質を維持している。
- 240fpsも利用可能だが、ファインダー倍率が低下し、576万ドットとなる。
モニター:
- モニタースペックは一般的だが、メニューのタッチ操作に対応している。
- 残念ながらバリアングルモニタではない。
メニューシステム:
- α7S IIIで改善した新しいメニューシステムを継承している。
- 完璧でなくとも、より明瞭で読みやすいメニューだ。
- 機能の名称と選択肢が明瞭ではない場合もあるが、大部分のメニューにヘルプ機能がついている。
オートフォーカス:
- 引き続き優れたパフォーマンスだ。α1はさらに改善しており、今のところ小さな欠点もない。
- 低照度でのAFは少し低下するので、この点ではEOS R5が少し良好だ。
- EOS R5のオートフォーカス性能にも感動したが、首位はα1だ。瞳検出に加え、専用のトラッキングモードも非常に効果的である。ただし設定が多いので時間をかけて慣れていく必要がある。
- 鳥の瞳検出に対応しているが、目が見えなくなった時に検出が外れる可能性がある。人の瞳AFほどではないが、非常に実用的だ。
連写性能・ドライブ・フォーマット:
- 電子シャッターを使用した連写速度は業界トップクラスだ。公称値通りの30コマ秒を維持している。ただし、出力は圧縮RAW限定だ。非圧縮RAWの場合は20コマ秒までとなる。
- ロスレスRAW時は20?50%のファイルサイズ圧縮が可能だ。
- さらに電子シャッター時のローリングシャッター歪みが低減しているのでアクション撮影で使いやすくなっている。
- 回転する自転車のホイールを電子シャッターで撮影しても歪みは発生しない。同じ状況でα7R IVやZ 7IIは使いもにならず、EOS R5のみ健闘している。
- ただしメカニカルシャッターは連写速度が競合カメラよりも遅い。
- 5000万画素の連写ではあっという間にストレージの空き容量が無くなる。(毎秒2.5GB)
- EOS-1D X Mark IIIはバッファの制限なく連写可能だが、α1ほど高解像ではない。
- 初期設定で連写の設定は「バランス」となっている。連写やフォーカスを重視する場合は設定を変更しなければならない。
- バネを使ったメカニカルシャッターでキヤノンやニコンを驚かすのは間違いない。
高感度ISOノイズ:
- ISO 800までは完璧だ。
- ISO 800を超えるとISO 6400までそれほど問題とならないノイズに抑えられている。
- ISO 12800はまだ実用的な画質で、ISO 25600まで増感もできる。
- ISO 25600以降は顕著な画質劣化が見られるが、解像度の恩恵はまだある。
- 4500万画素のEOS R5と同程度の画質だ。ソニーは解像度の点で僅かに良好だ。
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
仕上がり機能:
- 記載なし。
動画:
- いつも通り、DCIアスペクト比は利用できない。
- 4:2:2 10BitやALL-Iを利用する場合は4Kを使用する必要がある。
- 4K 120fps利用時はわずかなクロップが発生する。
- EOS R5に続き8K動画に対応している。キヤノンと比べて発熱を抑えるフォーマットだ。画質はEOS R5のほうが優れている。
- 8K 30p 4:2:0 10Bit LGOPで発熱をテストしたところ、温度設定が「標準」の場合は18分継続した。これを「高」に設定すると33分の録画が可能となった。
- モニターが少し熱くなるのでチルトモニタを展開しておくと良いだろう。この場合、カード容量一杯まで撮影可能だった。さらに録画を継続すると、1時間半以上の撮影が可能だ。
- 45度の環境では記録時間が大幅に短縮する(22分)。
- EOS R5は8K 4:2:2 10Bit ALL-Iに対応し、ビットレートは1300Mbpsに達する。さらに12Bit RAWの内部記録が可能だ。このような仕様の8Kと直接比較することは出来ない。
- 動画撮影におけるローリングシャッター歪み耐性は完璧とは言えないが、8Kでも許容範囲内であり、4Kではさらに問題が軽減する。実際の使用で問題となることは無いだろう。
通信接続:
- ヘッドホン、マイク、HDMI A、RJ45、マイクロUSB、シンクロ、USB-C USB 3.2に対応している。
- 802.11ac 2X2 MIMOのWi-FiやBluetooth、NFCなどの無線通信に対応している。
- 欠けているのはGPSくらいだ。
総評
ソニーが最上位ミラーレスをついに投入した。非常に完成度の高い超高性能カメラだ。すべてのカテゴリを支配的にカバーするミラーレスである。信じられないほどの連写性能、完璧なオートフォーカスが組み合わさり、どんな状況に直面しても頼もしい相棒となるだろう。さらに動画機能もおまけとなっていない。それどころか、 8K動画モードが加わり、従来通りの動画モードは大部分の人に訴求力があると思う。
ただし、ライバルであるニコンとキヤノンの2社は、このセグメントのミラーレスを投入していない。ソニーがずっとトップの座を維持するかどうかはまだハッキリとしていない。
- 長所:
・優れたエルゴノミクスとカスタマイズ
・優れた応答性
・優れた高感度ISO性能
・ボディ内手ぶれ補正
・防塵防滴
・30コマ秒の連写速度
・ローリングシャッター歪の耐性
・8K 30p
・4K 120p以外はフル画角
・ハイクオリティな240fps電子ファインダー
・完璧な通信接続性
・デュアルCFexpress A・SDXCスロット
・給電対応 - 短所:
・起動時間
・メカシャッター時は10コマ秒の連写速度
・8K動画は他社ほどではない
・バリアングルモニタではない
・DCIアスペクト比なし
・RAW動画は4Kのみ
・外部ストレージ使用不可
・普及していないCFexpress A
DPReview
DPReview:Sony α1 initial review
カメラの紹介:
- 主な仕様
・5000万画素積層型CMOSセンサー
・電子シャッターによる30fps連写(圧縮RAW/JPEGのみ)
・Log・4K RAW・HDMI 8K 30p
・メカニカルシャッター 1/400秒 フラッシュ同調
・電子シャッター 1/200秒 フラッシュ同調
・944万ドット 0.9倍 OLEDファインダー
・144万ドット 3.0型 チルトモニタ
・フルサイズHDMI・ヘッドホン・マイク・USB 3.2 Type C・イーサネット
・デュアルSD UHS-II/CFexpress A
・CIPA規格でモニター530枚・ファインダー430枚のバッテリーライフ
・防塵防滴
・737g - フラッシュシンクロ速度から高解像ファインダーまで、ソニーが可能な限りをα1へ投入したように見える。もちろん高価だが、妥当な性能だ。
ビルド・外観:
- α7やα9と比べて耐候性が向上していると言われている。
- CFexpress AとSD UHS-IIに対応するデュアルカードスロットを搭載している。
- 動画撮影の場合、SD V90で全て対応し、V60で大部分を撮影可能だ。
- バッテリーはお馴染みNP-FZ100だ。液晶モニタ使用時に530枚の撮影が可能である。
携帯性:
- スペックを考慮すると非常にコンパクトなカメラだ。
グリップ:
- きちんとしたグリップを備えている。大型望遠レンズの場合は追加グリップが欲しくなるかもしれないが、単焦点レンズや短いズームレンズはα1のグリップでバランスは取れている。
操作性:
- 今まで最も応答性の高いソニー製カメラだ。従来のような遅延の発生するインターフェースではなく、コマンドダイヤルを素早く操作しても動作は追いついている。
- 悪天候で手袋装着時でも問題無く操作可能だ。
- ドライブ・AFモード・撮影モードのダイヤルは全て非トグル式のロック解除ボタンがある。つまり、操作する場合はロック解除ボタンを押し続けながら操作しなければならない。
- 露出補正ダイヤルはトグル式のロックボタンだ。
- ソニーカメラでは一般的だが、豊富なカスタマイズに対応している。カスタマイズに対応していないボタンはメニュー・再生・Fnボタンだけだ。
手ぶれ補正:
- α7R IVと同様、手ぶれ補正ユニットを活用した4枚または16枚の高解像撮影モードに対応している。
- 4枚合成の高解像撮影では各ショットで1ピクセルずつ移動し、少なくとも1画素でRGBすべての情報を取得する。これによりデモザイク処理による補間を必要とせずに5000万画素のイメージを生成可能だ。
- 16枚合成の高解像撮影は同じことを4回繰り返し、0.5ピクセルで水平・垂直に移動する。これにより2億画素相当のイメージを生成可能だ。
- 高速電子シャッターにより、高解像撮影モードでフラッシュを利用できるようになった。
- 残念ながら高解像撮影モードはリソースを大量に消費するImaging Eadeでマージする必要がある。このソフトウェアでは微妙な動きを補正する十分な処理が無く、不自然な描写が発生することがある。
ファインダー:
- 944万ドットのOLEDファインダーを搭載している。さらに見事な光学系と組み合わさり、0.9倍のファインダー倍率を実現している。今まで見てきた中で最高のものだ。
- 電子シャッター時はブラックアウトフリーで連写が可能だ。
- 解像度またはスピードで優先順序を付けることができる。120fps利用時は解像度がいくらか低下し、240fpsモードでは倍率が0.7倍まで低下する。
- 低フレームレート制限機能があり、1/60秒未満のシャッタースピードでもファインダーは60fpsを維持することができる。これにより十分な速度のリフレッシュレートで被写体を追い続けることが可能だ。
- AF-C動作中は設定が高解像モードでも解像度は低下する。
モニター:
- 従来よりも遥かに堅実的なタッチインターフェースを備えている。
- タッチ操作の応答性はほとんど遅延が無い。再生モード時は競合他社ほど滑らかではないが、撮影時は滑らかにメニューやFnメニューを操作することが出来る。
- タッチ操作の応答性は高いが、競合他社なみの解像度にしてほしかった。
- 動画撮影のユーザーはバリアングルモニタのほうが好みだったかもしれない。
通信接続:
- 左側面に様々なポートが詰め込まれている。3.5mmマイク/ヘッドホンにフルサイズHDMI、充電や給電にも対応するUSB 3.2、イーサネットとフラッシュシンクロ、アクセサリ用のMicro USBがある。
- デュアルバンドの2.4GHz、5GHz Wi-Fiに対応している。後者はいわゆるMIMOを利用する。α9 IIのWi-Fiよりも3.5倍高速になるという。
メニューシステム:
- 静止画と動画でメニューやカメラ設定は分離している。ただし、APS-Cクロップの設定は共通だ。
- α7S IIIと同じく階層が深く、色分けされた新しいレイアウトのメニューシステムだ。これで迷子になることは無いだろう。
- ゴミ箱ボタンにはヘルプ機能が備わっている。非常に役立つものだ。
オートフォーカス:
- 鳥瞳AFは正直なところかなり便利だ。
連写性能・ドライブ:
- 最も目を引くのは5000万画素ながら毎秒30コマのAF/AE追従連写に対応していることだ。
- JPEG/HEIFもしくは圧縮RAW時に30コマ秒の連写を利用することが出来る。
- 30コマ秒時にBit深度が低下する兆候は見られない。圧縮RAWだが、ダイナミックレンジへの影響は最小限だ。
- 30コマ秒の連写速度はレンズの動作速度にも影響する。また、少なくとも1/125秒のシャッタースピードが必要だ。
- 1/125秒未満、圧縮RAW以外のRAW形式、対応していないレンズを使用した場合、Hi+モードは約20コマ秒まで速度低下する。
- 30コマ秒の連写は電子シャッター使用時だ。α1の電子シャッターはフラッシュ使用時に1/200秒で同調できるほど高速である。この同調速度を利用するにはホットシュー経由のフラッシュを利用する必要がある。APS-Cモードではさらに高速だ(1/250秒)。
- 電子シャッターの高速読み出しにより、人工光源によるちらつきの可能性が低減している。
- シャッター速度の微調整によりちらつきを回避する機能もある。
- メカニカルシャッター時は1/400秒、APS-Cで1/500秒の同調速度に対応している。
ISO:
- 引き続き柔軟性の高いAUTO ISOに対応している。低速シャッター速度のしきい値を手動で調整でき、カスタムボタンで素早くアクセスも可能だ。
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
仕上がり機能:
- ソニーαカメラとして「ロスレス圧縮RAW」に対応する最初のカメラだ。圧縮RAWほどファイルサイズは小さくないが、巨大な非圧縮RAWよりも小さなファイルサイズとなる。
動画:
- 仕様の多くはα7S IIIと一致しているが、高解像センサーを搭載するα1は8K動画にも対応している。
- 8K動画は16:9のアスペクト比で撮影され、センサーの全幅を使用する。200Mbpsまたは400Mbpsで4:2:0 10BitのH.265として内部記録が可能だ。HDMI経由で4:2:0 8Bitとして出力も可能である。
- 全幅の4Kは8Kをダウンサンプリングするのではなく、ピクセルビニングだ。つまりEOS R5の「高画質4Kモード」ほどのディテールでは無いが、フルサイズらしいノイズ耐性は維持している。この方式により8K 30pの制限を受けることなく4K 60pの撮影が可能だ。
- α7S IIIと同じく、1.13倍のクロップで4K 120pの撮影が可能だ。これは8K UHDの領域からピクセルビニングされた映像だ。
- α1はSuper35モードでオーバーサンプリングされた4K映像も撮影可能だ。この場合は5.8Kのオーバーサンプリングとなる。
- 60p 16Bit 4.3K RAWをHDMI出力可能だ。
DPReview
DPReview:The most responsive Sony camera yet: Hands-on with the Sony α1
- α1のグリップは優れていて、α9 IIやα7R IVよりもわずかに高く感じる。これは、カメラを手に持ったときの安心感を高めてくれるものだ(そして、α9 IIよりも少し密度が高いと言わざるを得ない)。
- SONYロゴの左には、AFアシストランプと、α7S IIIで初めて搭載されたホワイトバランス専用の新センサーが見える。
- この5000万画素センサーは、我々が見てきた2つ目の「積層型」フルサイズセンサーである(1つ目はα9とα9 IIに搭載された2400万画素センサーだ)。
積層されたDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ)が、すべてのデータに対処するために、センサー背面に組み込まれている。 - このため、信じられないほど速い読み出し速度を備えている。読み出し速度が1/200秒未満である。これは、全体の画素数が2倍であるにもかかわらず、α9 / α9 IIのセンサーよりも約1.5倍速い。
- 実用面では、電子シャッターを使ったフラッシュ撮影が可能となり、同町速度は1/200秒に対応した。さらに動きの速い被写体でもローリングシャッターの歪みがほとんどない(ソニーのプレス向け説明会ではゴルフスイングの画像を多用して説明していた。読み出し速度が遅いセンサーはスイング中にゴルフクラブがかなり曲がって見える)。
- この読み出し速度はまた、30コマ秒の電子シャッター連写撮影を可能にする。しかし圧縮RAW使用時のみだ。ロスレス圧縮または非圧縮RAWを使用すると、最高速度は20コマ秒に低下する。
- メカニカルシャッターに頼りたい場合、α1は全く新しいデザインを採用して「1/400秒」のフラッシュ同調を可能としている。
- 左肩にダイヤルがあるα9シリーズと比較して、α1は少し手が加わっている。α1では、ドライブモードダイヤルに新しい「H+」設定がある。これは基本的に電子シャッターを使用した「30fpsモード」を意味している。「H」「M」「L」モードでは、カメラのメニューでカスタマイズ可能だ。
- AFモードダイヤル(ドライブモードダイヤルの下)は、親指で操作できるようになった。
- モードダイヤルには非トグルロックが付いており、撮影モードを変更する際には中央のボタンを押したままにしておく必要がある。
- 露出補正ダイヤルにはトグルロックが付いていて、好みに応じてロックしたままにしたり、ロックを解除したりすることが可能だ。
- フロントダイヤルはリアダイヤルに比べて少し「カチッ」とした感触があるが、どちらも使い勝手が良い。
- 目立つC1ボタンとC2ボタンは手触りが良くて見つけやすい。ハンドグリップが高いため、グリップの持ち方を大きく変更することなく、C1ボタンに到達しやすくなっている。
- α1は今まで使ってきたソニーのカメラの中で最も反応の良いカメラである。我々は何年も前から、ソニー製カメラの「インターフェース・ラグ」を訴えてきた。ダイヤルを速く回しても、それに応じた設定変更が追いつかなかったのだ。
- α1は8K動画対応にもかかわらず、モニターデザインはより静止画志向である伝統的なチルトモニタを採用している。α7S IIIで見たようなバリアングルではない。
ウェストレベルの撮影には便利だが、我々はパナソニック「LUMIX S1R」や富士フイルム「X-T3」のような3Wayタイプのチルトモニタを見てみたかった、特にポートレート撮影では、汎用性がより高くなる。 - モニターは3.0型144万ドットだ。正直に言って低スペックだ。競合他社はより低価格なボディに3.2型の大型で高解像な210万ドットモニタを採用している。
- 我々はα7S IIIのメニューの大ファンであり、それがα1にも実装されたことを嬉しく思う。色分けされたカテゴリ、水平方向の「階層化」、そしてよく考えられた構成で、α1のメニューで迷うことはあまりないだろう。
- これまでのソニー製カメラは、タッチ操作がAFポイントの移動と再生時のズーム/パンニングに限られており、少しラグがあった。
α1は遥かに応答性の高いパフォーマンスで操作することができ、Fn'メニューを含むメニューも同様にタッチでナビゲートすることができる。 - メニュー内のすべての機能は、本当に役立つ「ヒント」がある。基本的に完全な用語集がカメラに組み込まれているので、撮影現場でマニュアルに頼る必要はない。
- α1の背面におけるコントロールポイントは、最近のソニー製カメラでお馴染みのものだ。
大きなAF-ONボタンとAFジョイスティックは我々の好みで、動画撮影ボタンはα9 IIに比べて少し大きくなっている。実際、すべてのボタンの操作感が良く、手袋をしていても問題ないと思う。 - α1の電子ファインダーは絶対的に高解像だ。944万ドットの有機ELパネルを備え、ソニーのα7S IIIに匹敵する解像度を持つ。
- ファインダーはデジタルカメラとして最大の0.9倍の倍率と25mmのアイポイントを備えている。ディテールの表示量は本当に驚くべきものだ。
- ファインダーを「120 fps」または「240 fps」のリフレッシュレートに速くしたい場合、前者は解像度を少し落とし、後者は解像度を落としてディスプレイの端に黒いバーが配置される。(訳注:実質的にファインダー倍率が低下してアイポイントが長くなる)
- 120/240fpsのオプションはアクション撮影に最適で、高品質モードはスタジオや風景写真家を喜ばせるはずだ。簡単に言えば、これは今日お金で買える最高の電子ビューファインダーである。
- 左側面には、イーサネット、フラッシュシンクロ、micro USB、ヘッドフォンとマイクジャック、フルサイズのHDMIポート(やったー!)がある。
そして信じられないほど高速なUSB-Cポートがあり、カメラの充電や電源供給が可能で、10Gb/秒の転送速度にも対応している。これは、イーサネットポートの約10倍の速度だ。 - デュアルカードスロットが搭載されており、どちらもUHS-II SDカードまたはCFExpress Type Aカードを使用することができる。
- 興味深いことに、8bitの8K動画は定格V60のSDカードで撮影することができ、ほぼすべての動画モードはV90カードで動作する。このため、必ずしもCFexpressカードに投資する必要は無い。
- 背面モニタを使用して530枚、電子ビューファインダーを使用して430枚の撮影を可能にするNP-FZ100バッテリーを使用する。
- 別売りのVG-C4EMバッテリーグリップに対応している。バッテリー収納部に合計2つのバッテリーを収納することができ、カメラのスタミナを効果的に2倍にすると同時に、いくつかのコントロールポイント追加することが出来る。
- 来月発売予定で、価格は約6,500ドル/7,300ユーロ/6,500ポンドだ。
DPReview what you need to know
DPReview:Sony α1: what you need to know about this powerful new full-frame flagship
- α1はソニーの新しいフラッグモデルだ。スポーツ、報道、ネイチャー、ポートレート、商業写真に使用できるツールと主張している。これを実現するため、従来まで排他的だった「解像度」と「スピード」の組み合わせを実現したそうだ。
- カメラの心臓部は当然ながら新型5000万画素センサーだ。α9やα9 IIと同じ積層型CMOSを採用して高速読み出しに対応している。
- センサー背面に組み込まれたDRAMに加え、フォトダイオードとDRAMの間に「新しいA/D高速処理回路」を備えていると言われている。残念ながら、この技術について追加情報は得られなかった。
- おそらく、最も印象的な機能は「1/200秒未満のセンサー読み出し速度」だ。これは、α9よりも読み取り量が1.44倍にも関わらず、α9よりも1.5倍高速であることを意味している。
- センサーがデュアルゲイン設計であるか言及されていないが、「ISO 4000のS-logで優れたパフォーマンスを発揮する」と述べている。このため、2つ目のゲイン回路があることを強く示している。
- α1は圧縮RAW時に30fpsの連写速度を利用できる。ロスレス圧縮RAWや非圧縮RAWでは連写速度が20fpsまで低下する。
- メカニカルシャッターは最高で10fpsの連写速度だ。
- 毎秒30コマ秒の連写が必要なものの、必ずしも5000万画素のデータが必要なければ、5000万画素のデータからオーバーサンプリングされた2100万画素のJPEG・HEIF出力モードがある。
- HEIF出力は4:2:2または4:2:0を選んで撮影可能だ。
- α1はロスレス圧縮RAWに対応した最初のソニー製カメラだ。ご想像の通り、ファイルサイズは非圧縮RAWよりも小さくなるが、潜在的な柔軟性は損なわれていない。これは従来の圧縮RAWとは異なるものだ。
- ロスレス圧縮RAWは状況に応じて非圧縮RAWよりも20?50%小さいファイルサイズとなるはずだ。これは圧縮RAWと遜色のない圧縮率である。ロスレス圧縮RAWを使用すると連写速度の最大値が30fpsから20fpsまで低下するが、連続撮影枚数は82枚から96枚まで向上する。
- ロスレス圧縮RAWは古いプロセッサのカメラで実装できるかどうかは言及されていない。
- より高速な電子シャッターの読み取り速度は、アクション写真のローリングシャッター歪みを低減するのみならず、1/200秒のシャッター速度でフラッシュの撮影に対応している。APS-Cモードでは1/300秒まで向上する。
これで不十分な場合はメカニカルシャッターで最大1/400秒、Super35で1/500秒に対応している。 - シンクロソケット利用時は上記の最高速を利用できない点をソニーが注意している。最速同期はマルチシューを介した高速通信が必要だ。
- センサー読み取り速度が向上したことで、従来のメカニカルシャッターに十分近い性能となった。このため、人工照明にバンディングのリスクを最小限に抑えることが出来る。
- ただし、メカニカルシャッターと同様にフリッカーで露出が不安定となる可能性がある。これに対応するため、アンチフリッカー機能を搭載している。
それでも対応できない場合はシャッター速度を微調整してフリッカーの影響を回避することが可能だ。 - α9 IIの追従AF性能も見事だが、α1はさらに改善されていると言われている。顕著な違いは鳥のリアルタイム瞳AFだ。人間や動物と同じく、機械学習によってトレーニングしたアルゴリズムを使用している。
- さらに高速読み出しと処理能力の向上は、全ての機能がより高速かつ頻繁に処理されていることを意味している。α1は毎秒120秒のAE/AFの演算処理を実施しており、これはα9 IIの2倍である。
- ソニーによるとノイズリダクションが改善されたことで、少ない光情報でもAFが動作可能となっている。これによりF22までのAFに対応した。
- 興味深いことに、APS-Cモードでも759点の位相差AFを利用できると言われている。これはFEレンズを使用する場合のみ可能だが、動作原理は説明されていない。
- ファインダーはα7S IIIと同じ944万ドットのOLEDファインダーだ。最大で2048×1536の解像度が得られ、120fpsの高速フレームレートを利用可能だ。
- ファインダーは240fpsの超高速フレームレートに対応しているが、その際は解像度が1600×1200まで低下すると述べている。これは他のカメラで576万ドットに匹敵する解像度だ。
- ファインダーには0.9倍(41°の画角)と25mmのアイポイントとなるモードと、画角を33°まで狭くしてアイポイントを33mmまで長くするモードがある。240fpsの場合は自動的にズームアウトモードに切り替わる。
- ファインダーにはフレームレート下限設定が可能であり、遅いシャッタースピードでもファインダーの応答性を維持することが可能だ。1/60秒よりも遅いシャッタースピードでも60fpsのフレームレートで駆動し続ける。
- 5000万画素センサーにより、8K動画に対応した。民生用カメラで8Kに対応するカメラはこれで2台目だ。ソニーはキヤノンと異なるアプローチを採用し、8640×4860のフル画角から7680×4320の8K出力へダウンサンプリングしている。アスペクト比が16:9であることに注目したい。
- 8Kは最大で30p 4:2:0 10Bit XAVC HSとして録画可能だ。最高品質の400MbpsフッテージはV90定格のSD UHS-IIに書き込み可能だが、V60にも対応する200Mbpsの選択肢も用意されている。8KのためにCFexpresへ投資する必要は無い。
- 8KはHDMI出力も可能だが、この際は4:2:0 8Bitまでだ。
- α7S IIIと同じ放熱構造を採用している。α7R IVと比べると5倍も効果的に放熱が可能だ。温度管理設定を下げることで30分以上の8K撮影が可能である。
- α9やα9 IIと異なりS-log2や3を使用して真の10Bit HLG撮影が可能だ。さらにS-cinetoneルックで撮影もできる。S-log3では15EVのダイナミックレンジで撮影可能だ。
- 4K動画は8Kからのオーバーサンプリングに対応していない。その代わりにフル画角で最大60p、×1.1クロップで最大120pのピクセルビニング4Kに対応している。この際は最大で4:2:2 10bitで記録可能だ。
- 4K動画ではアクティブ電子手ぶれ補正を使用することも出来る。ボディ内手ぶれ補正に加えて電子手ぶれ補正を連携させる。これは8K動画撮影では利用できない。
カメラのジャイロセンサーの情報をメタデータとして組み込み、編集中に効果的な手ぶれ補正効果を得ることが出来る。 - オーバーサンプリング4KはSuper35モードで5.8Kのデータを利用する。XAVC HS・XAVC S-Iを利用可能だ。
- これまでのソニー機と同じく、ピクセルシフトマルチショットに対応している。4枚の合成でデモザイク処理を回避するモードと16枚の合成で画素数を4倍にするモードがある。どちらの場合も合成には専用ソフトが必要だ。
- α1は高速電子シャッターにより撮影時間が短縮し、ブレの影響を軽減するのに役立つ。さらにフラッシュを撮影できるマルチショットはα1が初めてだ。
- プロユースを期待しているため、カメラの接続性は非常に重視していると述べている。テザリング撮影はUSB・イーサネット・無線通信から選択可能だ。
- Wi-Fiはデュアルバンドの2.4GHz・5GHzを使用する。5GHz帯域でMIMO技術を使えばα9 IIよりも3.5倍高速なFTP転送が可能である。
- 10Gb/sUSBに対応する最初のカメラだ。これにより1000BASE-Tよりも約10倍高速な通信が可能である。
- カメラの操作性はα7S IIIやα9 IIと共通している部分が多い。グリップやダイヤル、ボタンレイアウトはα7S IIIと似ている。
- 最新メニューシステムはバッファクリア時に機能がロックされる可能性が低いことを意味している。そして、従来機よりも幅広いタッチ操作に対応している。Fnメニューもタッチ操作可能だ。
- α7S IIIと異なりバリアングルモニタではない。モニタは比較的低解像な144万ドットである。
- カメラは電源オフ時シャッター幕を下ろしてセンサーを保護する機能がある。これら物理的な特性はα7S IIIから継承されている。
- NP-FZ100バッテリーを使用しており、背面モニタ使用時は530枚、EVF使用時は430枚の撮影が可能だ。とは言え、30コマ秒の連写撮影で14秒しかカメラが持続しないことを意味しているわけではない。
- USB PD経由でカメラの給電や充電が可能だ。給電中はバッテリーの充電に対応していない。
- バッテリーグリップは既存のVG-C4EMに対応している。
どのように見ても、α1は技術的に見事なカメラだ。スペックに見合う見事な価格設定である。しかし、少なくともスペックシート上では、スポーツカメラのスピードと風景カメラの解像度、そして幅広い役割を果たすために必要な機能(ロスレス圧縮RAW、オーバーサンプリングされた10Bit 8K、高速転送など)を兼ね備えており、プロが求めるレベルのカメラとなっている。
これまでの噂
これまでの噂のまとめ
直近の噂
- α1 ILCE-1
- 1月27日0時
- 最も高価なEマウントカメラ
- クレイジーなISO感度性能
- 噂にもされていない驚くべき仕様が一つある
FCC認証など
- 1VY002:RX?
- 1VY003:α9 III?
- CX88500:今回発表される機種のコードネーム
α9xに関する情報
(Sony Alpha Rumors)
- ソニーは2021年第一四半期に新しいハイエンドモデルを投入する
- 3人の信頼できるソースから新モデルの存在を確認している
- α7xではなく、α9xと命名される
(これがα9sなのか、α9 IIIなのかは不明) - ?5000万画素センサーを搭載
- オーバーヒートしない8K 30p
(8K 60pでは無いし、内部記録の画質にも限界があると思われる) - α7S IIIと類似した仕様(EVF・AFなど)
- EOS R5より、少なくとも1500ドル高価だが、まだ価格は確定していない。4,999ドル前後になると思われる
2021年第一四半期にソニーはハイエンドモデルを発表する
(Photorumors)
- より大きく、本当のプロ仕様ボディ
- 944万ドットEVF
- 新開発のセンサー
- オーバーヒートの無い8K動画
- デュアルカードスロット
- α7S IIIの新メニューシステム
- アクティブモードのボディ内手ぶれ補正
- 全てが新しい
- 5999ドル
α7 IVは以下の仕様で2021年(おそらくQ3)に発表される
(Photorumors)
- α7 IIIよりも少し大きく快適なボディ
- 368万ドットEVF
- 144万ドットモニタ
- 新開発3000万画素センサー
- オーバーヒートのない4K 60p
- デュアルSD・CFexpress Aスロット
- α7S IIIの新メニューシステム
- アクティブモードのボディ内手ぶれ補正
- 2,499ドル
関連記事
- 2021-06-30:ファームウェアアップデートVer.1.10が公開されました。
- 2021-04-15:ファームウェアアップデートVer1.01が公開されています。
- 2021-01-27:ソニーが「α1」を正式発表しました。