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NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR SのAF駆動はペースメーカーに影響を与える?

Petapixelがニコン「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」に関する興味深い記事を公開。説明書に「ペースメーカーなどを装着している人は使用しないこと」と警告していると述べています。

Petapixel:Nikon’s New Lens Tech is a Danger to Medical Devices
(Via Nikon Rumors)

ニコンのミラーレス用新レンズ「400mm F2.8 TC VR S」は、素晴らしい評価を得ているが、このレンズがニコンのラインナップの中で際立っている、もう1つのもっと変わった理由がある。このレンズは、ペースメーカーなどの医療機器を装着している人は使用しないようにと、ニコンが警告しているのだ。

このレンズの説明書にはこんな警告が書かれている。
"ペースメーカーやその他の医療機器をお持ちの方は、本製品を使用しないでください。本製品に含まれる磁石が、医療機器の誤動作を引き起こす可能性があります。"

  • ニコンはこのレンズに新しいAFドライブシステム「シルキースイフトボイスコイルモーター(SSVCM)」を採用している。
  • SSVCMは、ギアの代わりに磁石を使用している。従来のAF駆動方式に比べ、初速が速く、精度が高く、これまで発売されたニコンのAF駆動方式の中で最も滑らかで静かな動作が可能な新方式だ。
  • しかし、この磁石は非常に強力であり、ペースメーカーなどの医療機器に干渉し、機器を埋め込んだ人や使用した人の命にかかわる可能性がある。
  • 「機器や機械に使われている磁石の磁場は、ICDやペースメーカーのパルス発生を阻害することがある」と米国心臓協会は述べている。
  • Appleは、磁石を含むすべての製品をリストアップしたページを用意している。AirPods、Apple Watch、iPad、iPhone、MacBookなど)
    医療機器をお持ちの方は使用しないでくださいとは書かれていないが、すべての製品は医療機器から最低6インチ(15cm)、ワイヤレス充電時は12インチ(30cm)離すようにと書かれている。

米国食品医薬品局は2021年5月、新型家電に含まれる磁石が植込み型医療機器に与える影響について、独自のテストを実施し、監視を続けているとの概要を発表した。

  • 患者へのリスクは低いと考えており、現時点ではこの問題に関連する有害事象を認識していない。
  • しかし、強力な磁石を搭載した家電製品は、時間の経過とともに増加することが予想される。
  • したがって、医療機器を埋め込んだ人は、この潜在的なリスクと安全な使用のために、医療従事者と話し合うことをお勧めする。

とのこと。
日本語説明書でもペースメーカーに関する警告は明記されています。医療機器を取り付けている人はZ 400mm F2.8の使用を回避するか、かかりつけ医に相談した方が良さそうですね。
(よく見たら商品ページのトップページにも掲載していました)

とは言え、ここ最近は他社を含めてリニアモーターを使用するレンズが増えています。特にソニーやタムロン、富士フイルムで多く採用しており、パナソニックも一部のレンズで使用しています。これらのレンズでペースメーカーに関する警告は聞いたことがありません。気にするほどの影響は無いのかもしれませんね。
ニコンのSSVCMは特に強力な磁石を使用しているのか、それとも「ニコンだからこそ」警告文を掲載したのか気になるところですね。

ちなみにニコンがVCMを使用するのはこれが初めてでは無く、過去に1 NIKKOR用の交換レンズでVCMの使用例があります。例えば「1 NIKKOR VR 70-300mm f/4.5-5.6」のAFシステムにはVCMを使用しています。ただし、このレンズの説明書にペースメーカーの警告文はありません。

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NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S
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