2021年12月2日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。4/3センサーに対応する「14-280mm F2.8-5.6」光学系に関する実施例を含んでいます。
概要
- 【公開番号】特開2021-183997(P2021-183997A)
- 【公開日】2021年12月2日
- 【発明の名称】ズームレンズおよび撮像装置
- 【出願日】2020年5月21日
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【0002】
デジタルカメラ、ビデオカメラ、TVカメラ等の撮像装置に好適な、小型で変倍比を効率良く得られるズームレンズが知られている。当該ズームレンズとして、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、および正または負の屈折力を有する第3レンズ群を有するものがある。当該ズームレンズにおいては、第3レンズ群よりも像側のレンズ群を移動させて変倍に伴う像面移動を補正(補償)する。
実施例1
- 焦点距離 17.51 87.85 169.87
- Fナンバー 2.27 4.40 4.63
- 半画角(°) 31.70 7.02 3.64
- 像高 10.82 10.82 10.82
- レンズ全長 129.45 129.45 129.45
- BF 21.20 11.01 6.13
像高が「10.82mm」なので、フォーサーズセンサーに対応する光学系のようですね。キヤノンが製品化しているカメラにフォーサーズセンサーを使用したカメラは存在しないと思うので、この光学系が実用化される可能性は低そうに見えます。一体どのような意図でこの実施例を含めたのか気になるところ。
パラメータを確認してみると、「17-170mm F2-4.5」となりそうなレンズに見えます。フルサイズ判換算で「34-340mm」をカバーする光学10倍ズームですね。高倍率ながら開放F値が「F2-4.5」と明るく、使い勝手が良さそう。全長はフォーサーズ対応レンズとしては比較的大きいものの、望遠側にズームしてもレンズは伸びない、インナーズーム仕様。170mm側のバックフォーカスが6mmと非常に短いため、レンズ交換式カメラシステムには不向きな光学系。
実施例2
- 焦点距離 14.26 117.92 280.89
- Fナンバー 2.88 5.38 5.77
- 半画角(°) 37.19 5.24 2.21
- 像高 10.82 10.82 10.82
- レンズ全長 181.14 181.14 181.14
- BF 19.35 10.59 6.46
こちらもフォーサーズセンサー向けの光学系。フルサイズ判換算で「28-560mm」をカバーする光学20倍のスーパーズーム。非常に大きなレンズですが、そのぶん開放F値が「F2.8-5.6」と明るめ。業務用動画撮影機のようなスペックですねえ。やはりインナーズーム仕様なので、業務用カメラ、ロボットカメラシステムで検討しているのかもしれませんね。
実施例5
- 焦点距離 17.51 53.31 80.54
- Fナンバー 2.27 3.00 3.38
- 半画角(°) 31.71 11.47 7.65
- 像高 10.82 10.82 10.82
- レンズ全長 129.35 129.35 129.35
- BF 24.93 10.99 6.14
こちらは比較して倍率低めの小型モデル。やはりインナーズーム仕様で、バックフォーカスは短め。
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