2021年3月11日付けでキヤノンの新しい特許出願が公開。バックフォーカスが長めの「800mm F5.6」「600mm F4」「500mm F4」「400mm F2.8」に関する実施例を含んでいます。
やたら長いBF
- 【公開番号】特開2021-39379(P2021-39379A)
- 【公開日】2021年3月11日
- 【発明の名称】光学系及びそれを有する撮像装置
- 【出願番号】特願2020-196094(P2020-196094)
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】 軽量であり、かつ色収差等の収差が良好に補正された光学系を得ること。
- 【0002】
焦点距離の長い撮影光学系として、物体側に正の屈折力の光学系を配置し、像側に負の屈折力の光学系を配置した、いわゆるテレフォトタイプの撮影光学系が知られている。テレフォトタイプの撮影光学系は、例えば単焦点の超望遠レンズに用いられている。- 【0005】
特許文献1に記載の撮影光学系では、フォーカシングに際して負の屈折力の第2レンズ群を移動させている。ここで、第2レンズ群は比較的第1レンズ群に近い位置に配置されており、フォーカス群の小型化及び軽量化を十分に実現できているとは言えない。
実施例1 実施例2 実施例3 焦点距離 585.00 392.57 489.05 F値 4.12 2.90 4.12 半画角 2.12 3.15 2.53 像高 21.64 21.64 21.64 全長 475.00 371.15 411.08 BF 103.93 75.00 100.00 実施例4 実施例5 実施例6 焦点距離 777.00 292.53 200.00 F値 5.80 2.90 2.06 半画角 1.59 4.23 6.17 像高 21.64 21.64 21.64 全長 498.01 273.92 196.01 BF 158.67 76.35 38.50
実施例6の200mm F2以外はバックフォーカスの長い設計となっていますね。長くても80mmくらい、800mmでも130mmくらいですが、今回の実施例では100mm前後のバックフォーカスを持つレンズがあり、800mmに至っては158mmと長くなっています。最近はレンズの重心をカメラ側へ移動し、手に取った際のバランスを重視する設計が多いだけに、この実施例のレンズはフロントヘビーでバランスを取りづらそうに見えます。
このようなレンズでふと思い当たるのが沈胴式の望遠レンズ「RF800mm F11 IS STM・RF600mm F11 IS STM」です。この2つはバックフォーカスを100mm以上確保し、収納時はバックフォーカスに余裕があるぶんレンズを短くすることが可能となっています。
とは言え、今回の光学系で沈胴機構を採用するには強度の確保が難しそう。しかし他に「敢えて長いバックフォーカスのレンズ」を投入する理由は無いように感じます。開いた空間にドロップインのテレコンバージョンレンズがあると面白そうですが…。もしくは単純にフォーカス群の小型軽量化を最優先した設計なのかもしれません。
実施例6「200mm F2」は一般的なバックフォーカスですね。ミラーレス用であれば、エクステンダーを装着する余裕もありそうです。現行の200mm F2は比較的設計の古いレンズですので、更新されてもおかしくはないはず。
参考:キヤノン望遠単焦点
- RF600mm F11 IS STM
- RF800mm F11 IS STM
- EF200mm F2L IS USM
- EF300mm F2.8L IS II USM
- EF400mm F2.8L IS III USM
- EF500mm F4L IS II USM
- EF600mm F4L IS III USM
- EF800mm F5.6L IS USM
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