2024年6月19日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。「RF28mm F2.8 STM」に近い光学系の実施例を含みつつ、APS-C用の「33mm F1.8」やフルサイズ「24mm F2.8」などの実施例も掲載。
概要
- 【公開番号】P2024082112
- 【公開日】2024-06-19
- 【発明の名称】光学系及びそれを有する撮像装置
- 【出願日】2022-12-07
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】小型軽量で高い光学性能を有する光学系を提供する。
- 【背景技術】
【0002】
撮像素子の小型化および高画素化にともない、撮像装置に用いられる光学系は、小型で高い光学性能を有していることが求められている。これらの要求を満足するために、特許文献1には、物体側から像側へ順に配置された、正の屈折力の第1レンズ、負の屈折力の第2レンズ、第3レンズ、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズからなる光学系が提案されている。該第1レンズの物体側のレンズ面は光軸近傍で凸面である。該第2レンズの像側のレンズ面は光軸近傍で凹面である。該第3レンズの物体側のレンズ面は光軸近傍で凸面である。該第4レンズの像側のレンズ面は光軸近傍で凸面である。該第5レンズの物体側のレンズ面は光軸近傍で凸面である。該第6レンズの像側のレンズ面は光軸近傍で凹面である。- 【0004】
光学系の全長を小型化するためには、テレフォト型のパワー配置を採用し、物体側の正の屈折力と像側の負の屈折力を強くすることが有効である。しかしながら、テレフォト型のパワー配置を強くすると、糸巻型の歪曲が大きく発生するため、限られたレンズ枚数で歪曲と像面湾曲の補正を両立させることが困難となる。また、テレフォト型のパワー配置を強くすると、バックフォーカスが短くなり、軸外光束の射出角が大きくなる。- 【0005】
特許文献1に記載の光学系は、テレフォト型のパワー配置を採用することで全長を小型化し、複数の非球面レンズを用いることで歪曲と像面湾曲の補正を行っているが、全系のペッツバール和が大きく軸外光束の射出角も大きい。このため、特許文献1の光学系を撮像素子の大きい撮像装置に適用しようとすると、像面湾曲の補正や周辺光量の低下が課題となる。- 【0006】
本発明は、小型軽量で高い光学性能を有する光学系を提供する。- 【0037】
各実施例の光学系L0において、最終レンズLpは、プラスチックから形成されていることが好ましい。最終レンズLpの径は一般的に大きくなり易く、最終レンズLpの材料に硝子を採用すると、レンズ重量が重くなるため好ましくない。実施例1
- 焦点距離:28.50
- F値:2.86
- 半画角:37.20
- 像高:21.64
- 全長:42.64
- バックフォーカス:13.25
実施例2
- 焦点距離:28.50
- F値:2.55
- 半画角:37.20
- 像高:21.64
- 全長:42.90
- バックフォーカス:12.46
実施例3
- 焦点距離:24.50
- F値:2.88
- 半画角:41.45
- 像高:21.64
- 全長:47.90
- バックフォーカス:11.28
実施例4
- 焦点距離:33.08
- F値:1.85
- 半画角:22.44
- 像高:13.66
- 全長:41.00
- バックフォーカス:11.91
文献内にて最後尾のレンズ素材にプラスチックを使うことが好ましいと記載していますね。実際に商品化された「RF28mm F2.8 STM」は、最後尾を含めて後ろ3枚のレンズがプラスチックモールドの非球面レンズとなっています。
同じような光学系全長のレンズとして「28mm F2.5」「24mm F2.8」「33mm F1.8 APS-C」の実施例も掲載。28mm F2.5は無いと思いますが、24mmやAPS-Cの33mmは面白いレンズとなりそう。特許出願内の実施例が実際に商品化される例は少ないですが、個人的には登場を期待したいレンズ。
私は実際にRF28mmを愛用しています。パンケーキレンズとしては良好な光学性能を実現しており、個人的にはニコン28mm F2.8や26mm F2.8よりも好み(主に画質の均質性やボケの滑らかさ、操作性の観点で)。販売価格も4万円台と抑えられているので、個人的にはおススメの一本。明後日より始まるキャッシュバックキャンペーンで5千円バック対象製品となっているので、さらにお買い得となるはず。
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