2022年6月8日付けでキヤノンの気になる特許出願が公開。「RF16mm F2.8 STM」用だと思いますが、似たような構成で「14mm F2.8」「18mm F2.8」「20mm F2.8」の実施例もありますね。
概要
- 【公開番号】P2022085382
- 【公開日】2022-06-08
- 【発明の名称】光学系及びそれを有する撮像装置
- 【発明の名称】光学系及びそれを有する撮像装置
- 【出願日】2020-11-27
- 【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社- 【課題】広角レンズにおいて、小型軽量で高い光学性能を有する光学系及びそれを有する撮像装置を提供することを目的とする。
- 【背景技術】
【0002】
撮影画角が広い撮影光学系として、物体側に負の屈折力を有する光学系を配置し、像側に正の屈折力を有する光学系を配置した、いわゆるレトロフォーカスタイプの撮影光学系が知られており、例えば単焦点の広角レンズに用いられている。
更に、デジタルカメラ、ビデオカメラにおいてCCDやCMOSセンサ等の固体撮像素子の高画素化が進み、撮影レンズには色収差を含めて高い光学性能が要求されると共に、小型化が進んでいる。- 【0004】
近年、撮像装置に用いる広角レンズ系において、レンズ全体が小型でありながら、より広い範囲を撮影可能にするために、広画角化が求められている。
一般的に広角レンズにおいて、物体側に負の屈折力を有する光学系を配置することで、広画角化を実現している。広画角化のためには物体側の負の屈折力を強くすることが必要となるが、レンズの曲率半径が小さくなることで、レンズ加工精度の悪化や主に軸外光線によって発生する像面湾曲や倍率色収差の悪化を招く。これらの問題を解決するために、物体側のレンズ径の大型化やレンズ枚数の増加が必要となり、好ましくない。レンズ径の小型化と広画角化、及び高い光学性能を実現するためには、絞りを適切に配置し、絞りより物体側に配置する光学系の負の屈折力を適切に配置することが必要となる。実施例1
- 焦点距離:18.20
- F値:2.90
- 半画角:45.00
- 像高:18.20
- 全長:63.45
- バックフォーカス:12.94
実施例2
- 焦点距離:14.28
- F値:2.91
- 半画角:51.88
- 像高:18.20
- 全長:57.50
- バックフォーカス:10.97
実施例3
- 焦点距離:16.48
- F値:2.90
- 半画角:47.84
- 像高:18.20
- 全長:63.19
- バックフォーカス:12.54
実施例4
- 焦点距離:20.10
- F値:2.91
- 半画角:42.16
- 像高:18.20
- 全長:63.55
- バックフォーカス:14.51
パラメータやレンズ構成を見る限り、現行の「RF16mm F2.8 STM」を想定したような特許となっていますね。フォーカスは最後尾のレンズを残して全群が前方へ移動する仕組みを採用している模様。収差図を見る限りでは歪曲収差が非常に残存しているので、後処理前提の光学系であることが分かります。また、像高が18.20mmと中途半端になっており(35mm判は21.63mm必要だったはず)、歪曲収差の補正時にガッツリとクロップすることが伺えます。
ちなみに16mm F2.8はEOS R5と組み合わせて愛用しています。色々と妥協のあるレンズですが、フルサイズとは思えないような小型軽量レンズとして楽しめる一本。EOS R7やR10などと組み合わせても広角レンズとして使えるのがGood。
また、今回の特許出願ではその他の実施例として「14mm F2.8」「18mm F2.8」「20mm F2.8」などが存在します。これらが実用化される可能性は低いですが、18mmや20mmは区別化しやすく、16mm F2.8と同じコンセプトで登場するかもしれませんね。従来は製品化前の光学系に関する特許が公開されることが少なかったものの、最近はRF800mmやRF-S18-45mmなどの光学系が事前に特許として出願・公開されています。ひょっとしたら、ひょっとするのかなと。
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