Optical Limitsがタムロン「20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 Model F050」のレビューを公開。RAWの解像性能は非常に良好ですが、大きな歪曲収差を補正する過程で周辺部の性能が低下してしまう模様。
Optical Limits:Tamron 20mm f/2.8 Di III OSD M1:2 - Lab Test / Review
レンズの紹介:
- 24mm F2.8 OSD/35mm F2.8 OSDと同じシリーズの単焦点レンズだ。他2本と異なり、このレンズは標準ズームと被らない焦点距離となっている。手ごろな価格設定から、超広角へのエントリーレンズとなり得るものだ。
- 300米ドルの価格設定は賞賛に値する。
ビルドクオリティ:
- 価格設定からプロ水準のビルドクオリティは期待できない。レンズは金属マウントだが、外装は平凡なプラスチック製だ。
- 驚いたことに防塵防滴仕様である。
- 花形レンズフードが付属する。
- 絞り羽根は動作時にノイズが発生する。これは安っぽく感じる。
携帯性:
- 伸びるタイプのフォーカシングだが、外装内部で前後するので全長に変化はない。
操作性:
- 記載なし。
オートフォーカス:
- 繰り出し式フォーカスは比較的遅いが、少なくともノイズは無い。
- 0.5倍の撮影倍率が特徴的である。
マニュアルフォーカス:
- バイワイヤ式だが精度は良好だ。
手ぶれ補正:
- 光学手ぶれ補正は搭載さいていないものの、ボディ側の手ぶれ補正を利用可能だ。
解像性能:
- RAWの中央解像はF2.8から非常にシャープだ。中央周辺は既に性能が大きく低下するものの、非常に良好だ。周辺部もパフォーマンスを維持しており、超広角レンズとしては賞賛に値する性能である。絞ると中央周辺の性能が向上するものの、周辺や隅はあまり変化が無い。
- 歪曲収差を補正すると、中央部で僅かに影響を受け、周辺や隅は性能が低下する。隅はF2.8でソフトさがあり、絞っても「良好」を超えることは無い。20mmとして悪い結果では無いが…
像面湾曲:
- テストした個体の偏心品質は良好だ。像面湾曲は中程度である。
ボケ:
- 玉ボケは円形だが、内側の描写は少し騒がしい。
- F4まで絞っても円形を維持しているが、F5.6以降は角ばっている。
- 後ボケは24mmよりも少し騒がしいが、20mmとしては問題無い。
- 玉ボケは広い範囲で円形を維持している。口径食の影響は穏やかだ。
色収差:
- 色収差はとても少ない。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- RAWで7.1%の極端な樽型歪曲だ。自動補正オフで使うのに適さない。
- これまでテストしてきた中で最も補正状態の悪いフルサイズ用レンズだ。
- 自動補正で問題無くなるが、解像性能に影響がある。
周辺減光:
- このようなレンズとしては典型的な光量落ちが発生する。
- F2.8で3EVに近い光量落ちとなり、F8でも1.7EV程度残っている。
- 自動補正で問題は大幅に改善する。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- F11まで絞ると光条が発生する。
総評
タムロン20mm F2.8 Di III OSD M1:2の評価は少し複雑だ。画像の自動補正なしでは明らかに実用的とは言えない。特に、巨大な樽型歪曲には対策が必要だ。そして、すべての補正を行った場合、中央部の性能は非常に優れているが、周辺部に向かって解像度が急激に低下してしまう。絞ると画質は改善され、まずまずの画質となる。倍率色収差は少なく。周辺減光は許容範囲内で、絞るとかなり良好だ。ボケ質は超広角レンズとしては良好である。
ビルドクオリティにはそれほど感心していない。むしろ平凡なプラスチック外装と遅いAFが目に付く。しかし、低価格のレンズであることを考慮する必要がある。この点を考慮すると、防塵防滴仕様や、0.5倍の撮影倍率は驚異的だ。
価格の割には良いレンズだと思うが、絶対的な選択肢ではない。
とのこと。
良好な解像性能を備えた低価格の超広角レンズですが、残存する歪曲収差を補正することで周辺の解像性能が低下してしまうのは残念。ここまで歪曲収差が大きいと補正無しで使うのは難しそうですねえ。
私は2400万画素のα7 IIIと組み合わせて使用していましたが、解像性能の低下はそこまで目立ちませんでした。4200万画素や6100万画素のカメラと組み合わせると補正時の影響が強いと感じるかもしれません。自身の用途に合うかどうか、Flickrなどのユーザー投稿を確認しておくのがおススメ。
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