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20mm F2 DG DNは良いレンズだがライバルが手強すぎる

Lenstipがシグマ「20mm F2 DG DN」のレビューを公開。非常に良好なレンズと評価しつつも、強すぎる周辺減光や歪曲収差を指摘し、さらにライバル「FE 20mm F1.8 G」の存在が大きいと述べています。

Lenstip:Sigma C 20 mm f/2 DG DN

外観・構造:

  • レンズマウントは金属製だ。
  • 後玉はマウント付近の浅い場所に固定されている。
  • レンズ内部は良好な作りに見える。
  • 製造国は日本だ。
  • 金属製のフードやキャップが付属する。

携帯性:

  • 20mmの明るい単焦点レンズの中では最小・最軽量のレンズだ。

操作性:

  • 8mm幅の絞りリングはF2からF22まで1/3段刻みで動作する。しっかりとしたグリップで操作でき、非難の余地は無い。
  • 17mm幅のフォーカスリングはとても滑らかに回転する。
  • フォーカスリングのストロークは素早く回転しても400度を超える非常に大きな回転角だ。

フォーカス:

  • α7R IIIとの組み合わせでノイズレスで非常に高速だ。
  • ピント全域を0.5-0.7秒で移動する。
  • 精度は良好だが、いくつか驚くようなミスショットも発生した。

手ぶれ補正:

  • 記載なし。

解像性能:

  • α7R II・IIIのRAWを測定している。
  • 良像の基準値は39-41lpmmだ。
  • 最高の単焦点で75-80lpmmとなる。
  • 中央はレコードに近い性能ではないが、絞り開放から61lpmmを超え、絞ると71-72lpmmとなる。ケチのつけようがない性能だ。
  • ソニー20mm F1.8 Gは絞り開放から80lpmmを達成し、絞ると83.7lpmmとなる。シグマが悪いわけでは無いが、比較せずにはいられない。
  • APS-Cやフレーム端はどちらもきちんとした結果だ。絞り開放から良像をうわまわる。広角レンズとしては評価できる性能だ。
  • とは言え、中央とフレーム端の画質差は少し気になるところだ。ソニーはフレーム端でも60lpmmとなる。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • 玉ねぎボケの兆候は見られるが、広角レンズとしてはきちんとした描写だ。
  • 口径食の影響はF4まで絞っても残っている。

色収差:

  • 1枚のFLDガラスと1枚のSLDガラスを使用しているが、軸上色収差は完璧には補正されていない。F2~F2.8で色収差の痕跡が残っている。幸いにもどちらも特に目立つわけでは無い。とは言え、このカテゴリはソニーのほうが良好だ。
  • 倍率色収差は絞り値全域で良好な補正状態だ。賞賛すべきパフォーマンスである。

球面収差:

  • フォーカスシフトの影響は見られないが、球面収差は完璧には補正されていない。

歪曲収差:

  • 最近のレンズは歪曲収差をソフト補正に依存する傾向が見られ、このレンズも例外ではない。
  • APS-Cでも-3.49%の樽型歪曲が発生する。
  • フルサイズでは-5.43%と著しく高い数値となる。
  • さらに陣笠状の歪みも伴っている。

周辺減光:

  • F2で-4.27EVと非常に強い光量落ちが発生する。
  • 絞っても光量落ちは強いレベルを維持している。

コマ収差:

  • 完全な補正状態ではない。
  • F2.8まで絞っても大きく改善することは無い。
  • 非点収差は3.7%と低く抑えられている。

逆光耐性:

  • 良好な逆光耐性だが、それには周辺減光が一役買っている。
  • ゴーストはほとんど発生せず、全体的なコントラストは良好を維持している。

作例集

総評

20mm F2 DG DNは、非常に優れたレンズだが、ただひとつ問題がある。それは、ソニー「FE20mm F1.8 G」の存在だ。確かにシグマはソニーより200ドルほど安いが、ソニーはより大口径で、光学的に優れている。多くの人がソニーレンズを買うことになるだろう。

Contemporaryシリーズが独自ルールに則っていることは理解している。歪曲収差と周辺光量の補正を諦めることで、他の収差をより良く補正し、小型・軽量化を実現している。しかし今回はシグマが一歩踏み込みすぎた。2?3EVの周辺減光ならまだ理解できるが、4EVを超えるとなると、さすがに疑問符がつく。それとは別に、せめて陣笠状のような歪曲収差は補正して欲しかったところである。

結論を言うと、あまりにも大きな妥協、あまりにも少ない優れた結果、そして非常に強力なライバルがこのレンズの選択を難しくしている。

  • 長所
    ・防塵防滴
    ・中央画質
    ・APS-Cの実用的な画質
    ・フレーム端まできちんとした画質
    ・倍率色収差が無視できる程度
    ・コマ収差の補正状態が良好
    ・APS-Cの周辺減光が穏やか
    ・逆光耐性がとても良好
    ・きちんとした性能のAF
  • 短所
    ・強い周辺減光
    ・陣笠状の目立つ歪曲収差

とのこと。
全体的に見ると欠点が少なく良いレンズに見えますが…、Lentipとしては周辺減光と歪曲収差が強烈すぎて、長所が霞んでしまうようですね。さらにソニーGレンズのパフォーマンスが非常に良好であるため、価格差を考慮しても厳しい戦いになると考えている模様。

私もFE 20mm F1.8 Gは使用経験あり。G Masterシリーズではありませんが、非常に良好な光学性能に加え、ボケ質や操作性も良好でした。24mm F1.4 GMや20mm F1.8 Gあたりから従来のソニーレンズとは一味違ったレンズ設計になっていると感じています。価格も驚くほど高いわけではなく、差額を考慮してもソニーレンズを検討する人は多そうですねえ。

しかしまぁ、あくでもLentipの見解はソニーEマウントでの話であり、ライカLマウントのレンズラインアップとしては貴重で優れた20mm単焦点レンズに違いありません。ソニーGよりも手ごろな価格もあってコストパフォーマンスは良さそうです。ただし、周辺減光を補正する際のノイズ増は注意しておいたほうが良いでしょう。

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