Sony Alpha Blogが「AF 35mm F1.4 P」のレビューを公開。高解像カメラ使用時はシグマへの追加投資が望ましいとしつつ、3300万画素までならば携帯性が良く、低価格で性能が良い魅力的な選択肢と評価。
Sony Alpha Blog:Samyang 35mm F1.4 Prima
- 外観:全体的な造りは良好である。
- 構造:ファームウェアのアップグレードに専用ドックは不要となり、標準のUSB-Cポートで対応可能である。
- 携帯性:レンズはコンパクトで軽量である。
- 操作性:すべてのボタンやコントロールが省略されている点は残念である。
- AF:ファームウェア0.52のサンプルでは、AFは全体的に良好だが、F1.4で瞳AFに30%のミスが見られた。連写時の性能は平均的。サムヤンはファームウェア更新を頻繁に行うため、最終的にはシグマより少し劣る程度の優れたAF性能が期待される。
- MF:フォーカスブリージングはほぼゼロであり、この点は非常に優れている。
- 手ぶれ補正:記載なし。
- 解像性能:α7R IVでは開放時に良好だが特筆すべき点はない。F2.8で優れた性能を発揮し、F4で四隅も優秀に達する。3300万画素センサーでの使用が適している。
- 像面湾曲:記載なし。
- ボケ:ボケボールは良好で、中央ではF1.4で円形だが、境界では楕円形となる。背景のぼかしは非常に良い。
- 色収差:色収差はかなり大きい
- 球面収差:記載なし。
- 歪曲収差:樽型の歪みは中程度である。
- 周辺減光:F1.4で強く発生し、F4付近でほぼ解消される。
- コマ収差:記載なし。
- 逆光耐性:フレア耐性は平均的。
- 光条:はっきりしない描写。
- 作例集:
- 総評:前モデルと比較して、安価、軽量、コンパクトで、ややシャープだが、エルゴノミクスが劣る。画質は3300万画素センサーで非常に良好から優秀であり、色再現やボケ、背景のぼかしに優れる。一方、6100万画素センサーでは開放時のシャープネス、色収差、フレア耐性、周辺減光に改善の余地がある。
- 競合について:35mm F1.4 DG DN(830ユーロ)はシャープネスがはるかに優れ、絞りリングと動体追尾に優れたAFを備える。サムヤンは軽量コンパクトさで優れるほか、フォーカスブリージングも少ない。3300万画素センサーまでならサムヤンは魅力的だが、より高解像度センサーではシグマへの30%の追加投資が望ましい。
- 備考:
2024年冬に登場したサムヤンのミラーレス用単焦点レンズ。サムヤン製の「AF 35mm F1.4 FE」としてはこれで3本目。今作では従来までの光学系を一新しており、小型化に舵を切っています。レンズ構成枚数は前作より増えているにも関わらず、全長が短くなり、重量は大幅な軽量化を実現。
その一方でコントロールはフォーカスリングのみのシンプルなデザインとなっているので好みが分かれる可能性あり。それでもリーズナブルな価格設定と携帯性の良さは魅力的と感じるかもしれません。
Sony Alpha Blogのレビューでは、ソニーGMやシグマArtに及ばないものの、3300万画素センサーであれば良好な結果が得られると評価。携帯性の良さや低価格も含め、魅力的な選択肢となるようです。ただし、高解像センサーを利用している場合、シグマへの追加投資も検討したほうが良いと述べています。(光学性能をはじめ、操作性・機能性の面からも)
完璧なコンパクト35mm F1.4ではないものの、α7C IIなどと組み合わせるのが面白そうなレンズに仕上がっているようです。
レンズの仕様
発売日 | 2024.12.6 |
初値 | 600ユーロ |
レンズマウント | E |
対応センサー | フルサイズ |
焦点距離 | 35mm |
レンズ構成 | 10群12枚 |
開放絞り | F1.4 |
最小絞り | F16 |
絞り羽根 | 9枚 |
最短撮影距離 | 0.30m |
最大撮影倍率 | 0.17倍 |
フィルター径 | 67mm |
手振れ補正 | - |
テレコン | - |
コーティング | UMC |
サイズ | φ75.0×99.2mm |
重量 | 470g |
防塵防滴 | 対応 |
AF | リニアSTM |
絞りリング | - |
その他のコントロール | - |
付属品 | レンズフード |
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