OpticalLimitsがソニー「E 11mm F1.8」のレビューを公開。歪曲収差や周辺減光の補正が必須であるにも関わらず、小型軽量で良好な光学性能のレンズと評価。レンズの作りもよく、価格が非常に安いと言及しています。
OpticalLimits:Sony E 11mm f/1.8 - Review Test report
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- 小型軽量ながら良好な作りだ。
- 金属マウントとプラスチック製の鏡筒は防塵防滴である。
- 花形レンズフードが付属する。
携帯性:
- 181gと非常に軽いレンズだ。
- パンケーキレンズとは言えないが、大口径レンズとしては非常にコンパクトである。
- インナーフォーカスのためレンズ全長に変化は無い。
操作性:
- 小型軽量ながら操作性に妥協は見られない。
- AF/MFスイッチやAFLボタンを搭載している。
フォーカス:
- 2基のリニアモーターで高速かつ静かなAFだ。
- バイワイヤ式のMFは滑らかで非常に正確に操作できる。
- フォーカスブリージングは最小限だ。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- ディストーション補正なしでこのレンズを使用すると仮定するのは現実的ではないため、歪曲を補正した結果で数値を出している。
- 補正しているにも関わらず、広角レンズとしてはとても良好な結果だ。
- 中心部はF1.8から素晴らしい結果となり、中心付近の性能は依然として非常に良好だ。
- 周辺部は当然ながら画質が低下するものの、良好から非常に良好な結果に達することができる。
- 絞るとF4までは中心部が少し改善されるが、フレーム端はほとんど改善しない。
像面湾曲:
- ごくわずかだ。
ボケ:
- 記載なし。
色収差:
- 倍率色収差は平均が0.6px程度と、よく抑えられている。
- 倍率色収差は副作用なく補正できるため、実写で心配することはほとんどない。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 歪曲収差はこのレンズのアキレス腱だ。
- 8%という驚異的な樽型歪曲が残っている。
- まるで魚眼レンズのようだ。
- ソニーは自動補正を強制的に適用させる。この場合、歪みは無視できる。
- JPEGへの補正は非可逆的な処置である。
周辺減光:
- 極端な歪曲収差は、RAWにおける重い周辺光量の指標でもある。
- 完全無補正のRAWデータでは、F1.8で極端な光量落ちが(3EV)が発生する。
- F5.6でも、まだ1EV(f-stop)以上だ。
- APS-Cレンズではなくフルサイズ機であれば、それほど珍しいことではない。
- このレンズが自動補正なしで使用されることを想定していないことを示している。
- 自動補正を有効にしても、F1.8で1.45EVの光量落ちが発生する。F2.8以降ではこの問題はほとんどなくなっている。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- F8で14本の光条が発生する。
- 光条は分散するタイプで理想的ではないものの、これはこれで心地よい描写だ。
- フレアは比較的少ない。
総評
間違いなく非常に良好なレンズだが、「G」に分類しなかったのには理由がある。自動補正に大きく依存しており、特にRAWの巨大な樽型歪曲を処理している。これらはうまく調整されているが、ロスの多い補正で、シャープネスのポテンシャルも少し犠牲にしている。また、周辺減光も激しい。
逆光時のフレアは、このようなレンズにしてはよく抑えられている。ボケ味を正式にテストしていないが、撮影したサンプル画像によると、超広角レンズとしては驚くほど滑らかである。極端に軽量であるにもかかわらず、ビルドクオリティは良好だ。金属マウントをベースにして、しっかりとした作りのプラスチック鏡筒だ。フォーカシングリングも滑らかに作動する。防塵防滴とインナーフォーカスはで耐候性も良好だ。デュアルリニアAFモーターは高速かつ静音で、フォーカスブリージングは最小限だ。
このレンズの最も驚くべき側面の1つはその値札だ。このクラスで550ドルぽっきりはバーゲンセールに他ならない。
とのこと。
APS-C用の超広角としては珍しい明るい単焦点レンズですね。このレンズ以外の選択肢は非常に少なく、特にAF対応はサムヤン「AF 12mm F2.0 E」くらいでしょうか?あとはF値が1段大きい「Touit 2.8/12」のみ。MFレンズを含めると選択肢がもう少し増えるものの、動態追従や動画撮影などの用途を考慮するとAFは必須と言えるでしょう。
このレンズは小型軽量ながら優れたビルドクオリティと光学性能とのこと。歪曲収差などいくつかの要素は自動補正に依存しているものの、解像性能や逆光耐性、ボケなど後処理が難しい項目は良好なパフォーマンスを発揮する模様。価格はサムヤンよりも少し高価ですが大差ではなく、富士フイルム純正の広角単焦点レンズと比べると遥かに手ごろな価格を実現しているように見えます。
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