E 11mm F1.8は手ごろな価格だがトップクラスの解像性能

Lenstipがソニー「E 11mm F1.8」のレビューを公開。絞り開放から抜群の中央解像性能を発揮し、ボディで補正できる欠点を除けば特に大きな問題は見られないとのこと。

Lenstip：Sony E 11 mm f/1.8

外観・構造：

レンズマウントは金属製だ。

レンズ内部は良好な作りに見える。

外装はプラスチック製だ。

製造国は中国である。

レンズフードを装着するバヨネット周辺は金属製だ。

レンズフードは付属する。

携帯性：

Zeiss Touitなどと比べると、このレンズサイズは注目に値する。

大口径で焦点距離が短いにも関わらず、小型軽量だ。

フィルターは55mmに対応している。

操作性：

フォーカスリングの他にAFLボタンやAF/MFスイッチを搭載している。

フォーカスリングのストロークは約130度と満足のいく数値だ。

フォーカス：

ZV-E10との組み合わせでノイズレスで非常に高速だ。

ピント全域を0.2-0.3秒で移動する素晴らしい結果である。

手ぶれ補正：

記載なし。

解像性能：

α7R IIIのAPS-Cクロップで測定した。

良像の基準値は39-41lpmmだ。

最高の単焦点レンズで75-80lpmmに達する。

中央はF1.8から76lpmmと非常に良好だ。F2.8-4で80lpmmを超え、レコードホルダーとなる。

フレーム端はF2で63lpmmとなりF2.8で低下する。これは収差が影響しているためだ。

フレーム端の傾向は特殊だが、絞り開放から良好であり、評価は高いままだ。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

広角レンズとしてはとてもしっかりとした描写だ。

玉ねぎボケの影響は適度で、口径食の深刻な影響は見られない。

色収差：

E 15mm F1.4 Gよりも軸上色収差の補正状態は良好だ。拍手喝采の結果である。

倍率色収差は低水準を維持し、厄介な問題は見られない。

球面収差：

球面収差は完全に補正されておらず、前後のボケ質に変化が見られる。

歪曲収差：

ボディで歪曲収差をオフにすることは出来ない。

無補正のRAWでは-9.60％の巨大な樽型となる。

歪曲収差を補正すると周辺部がクロップされ、実質的には2100万画素ぶんのイメージを引き伸ばしている。

歪曲収差を補正した状態で、焦点距離の画角は正確である。

歪曲収差を補正しない場合。9~10mmに相当する画角となる。

周辺減光：

未補正のRAWで-2.79EVの低下が見られる。

コマ収差：

完璧からは程遠いが、大きな問題は見られない。

非点収差の平均値は5.8％だ。画質への影響はわずかである。

非点収差の影響が最も大きくなるのはF2.8だ。

逆光耐性：

絞り開放付近でフレアやゴーストはほとんど発生しない。

絞ると増加するが、それでも抑えられている。拍手喝采の結果だ。

作例集

総評

FE 20mm F1.8 Gの性能をべた褒めしたが、このE 11mm F1.8はそれ以上だ。このレンズは小型軽量で、中央はセンセーショナルな解像性能を発揮し、絞り開放でもフレーム端で満足できるシャープさを持つ大口径超広角レンズである。さらに希望小売価格は600ユーロで、テストの結果すべてを考慮すると決して高くはない。多くの人がこのレンズに満足できると考えている。

長所：
・11mm F1.8としてのサイズと重量
・中央画質がF1.8から優れている
・端の画質が良好
・軸上色収差がほとんどない
・倍率色収差がわずか
・非点収差が穏やか
・ボケの描写がきちんとしている
・逆光耐性が良好
・AFが高速かつ正確で静か
・コストパフォーマンスが良好

短所：
・周辺減光が目立つ
・RAWで大きな樽型歪曲がある

とのこと。
APS-Cミラーレスでは珍しい、大口径の超広角単焦点レンズですね。手ごろな価格の超広角レンズですが、絞り開放からフレーム端まで満足のいく解像性能を実現し、諸収差の補正状態も良好で、ボケもきちんとした描写となっている模様。価格も手ごろで、これと言った問題点は無さそうです。歪曲収差が大きいので、レンズプロファイルに対応するまで社外製現像ソフトでは補正が難しいかもしれませんが、逆に考えると、9-10mmの広い画角で撮影することが可能となっています。

ソニー E 11mm F1.8 最新情報まとめ