ePHOTOzineがキヤノン「EOS Kiss M2」のレビューを公開。優れた画質や性能を評価しつつも、EF-Mレンズが少ないことや、4K動画の大きなクロップなどを指摘しています。
ePHOTOzine:Canon EOS M50 Mark II Review
カメラの紹介:
- EOS Kiss M後継モデルで、2400万画素APS-C CMOSセンサーを搭載し、10コマ秒の連続撮影や4K動画、顔検出AFなどに対応している。
- アップデートの主な内容にはバッテリーライフの改善や縦位置動画への対応、瞳AF(動画対応)などが含まれている。
- エントリーモデルのミラーレスカメラであり、EOS M6 Mark IIの下位、EOS M200の上位となる。
ビルド・外観:
- Wi-Fi・Bluetooth・NFC全て揃っている。スマートフォンへの接続は簡単だ。
- 外装はしっかりとしたプラスチックパーツで適度に頑丈だ。
- 三脚ネジ穴はカメラ中央に配置されている。
- メモリーカードとバッテリースロットは底面にある。カバーは少し頼りない印象だが、裏側には金属パーツが使われている。三脚に搭載するとカバーを開けることが出来なくなる可能性がある。
- バッテリーライフは305枚だ。改善してはいるが、予備バッテリーを購入することをおススメする。
携帯性:
- 記載なし。
グリップ:
- とても良好で、このサイズのカメラとしては注目に値する。
- しっかりと親指を固定するサムレストがある。
- 小指をカバーするほどグリップは大きくない。
操作性:
- コマンドダイヤルとモードダイヤルはどちらも金属製で、滑りにくい加工が施されている。
- 露出補正を利用する際は専用ボタンから呼び出す必要がある。
- ボタンは適切なサイズだが、Qボタン付きの4方向ボタンは小さく使い辛い。
- タッチパネルを操作してAFエリアを指定可能だ。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
ファインダー:
- 236万ドットで高速リフレッシュレートに対応している。
- 高解像で見栄えは良いが、高価なミラーレスと比べるとかなり小さい。
- モニターと比べて少し飽和した見栄えだ。
モニター:
- 画質や視野角は良好だ。
- 反転して画面を保護することも出来る。
- 色再現性が良く、ファインダーと明るさ・コントラストは一致している。
メニューシステム:
- ガイド付きのユーザーインターフェースを備えている。初心者でも簡単に使用可能だ。
- キヤノンの操作に慣れている人は通常のメニューを使用することも出来る。
- P/A/S/M・オート・シーン・クリエイティブ・動画モードに対応している。
オートフォーカス:
- フレームの大部分をAFエリアに指定可能だ。
- AFは良好に動作する。
- 実写でフォーカススピードはとても見事である。低照度では遅くなる。
連写性能:
- 記載なし。
高感度ISOノイズ:
- ISO 51200まで利用可能だ。
- ノイズを最小限に抑え、ディテールを維持するのであればISO 100?3200の使用がおススメだ。
- ISO 6400?12800も良好だが、ノイズは増加し、ディテールは減少する。
- ISO 25600はノイズが強くなるので避けたいところである。ただし、縮小したサイズであれば使える場合もある。
- ISO 51200はノイズが非常に強く、ディテールがとても低いので避けたほうが良い。
ダイナミックレンジ:
- 記載なし。
仕上がり:
- 色再現性は優れている。他のEOSと同じく彩度も良好だ。肌の色はいは良く、キットレンズでもディテールがとても印象的である。
- フラッシュは良好で赤目の兆候は見られない。
- パノラマモードは無い。
- AWBはタングステン灯で暖色傾向となる。白優先モードを使うことで、より正確な結果を得ることができる。混合照明下でも暖色傾向だ。
動画:
- 4K 25pに対応しているが、1.56倍のクロップが発生する。
- 電子手ぶれ補正を有効にすると4Kは1.75倍のクロップとなり、補正を強化すると2.26倍までクロップされる。
- 4Kタイムラプスを撮影可能だ。
- 720pの100fps撮影にも対応している。
- 瞳検出AFに対応している。
- フラットやC-logなどは使用できない。もっとも近いプロファイルはニュートラルだ。
総評
EOS Kiss M2は、前モデルと同様、コンパクトなデジタル一眼レフスタイルのミラーレスカメラだ。優れた色再現性を持つ高画質を実現。また、高速連写や143点のフォーカス、高解像度の電子ビューファインダーも搭載している。さらに、キヤノン製カメラの中で最も安価に4K動画を撮影できるカメラの一つであり、マイク端子を搭載しているので動画を撮影したい方には魅力的なカメラだ。ただし、デジタルISを有効にして4K動画を撮影すると大きなクロップが発生する。超広角ズームレンズを購入しないと、広角動画の撮影が難しくなるので注意が必要だ。
EF-M最後の新レンズは2020年、その前は2016年9月に発表されている。キヤノンはこれまで以上に新レンズを頻繁に発表してくれると嬉しいのだが…。EOS Mシステムが2012年に登場しているにも関わらず、EF-Mレンズがまだ8本しかない。レンズシステムを拡張するつもりなら、他社システムも考慮したほうが良い。15-45mmズームや18-150mmズームではソフトな描写となってしまうので、最良の結果を得るためにはプライムレンズを検討する必要がある。
新しいカメラシステムを購入する前に、そのカメラで何をしたいのか、そしてどんなレンズがあるのかを確認・検討することを強くお勧めする。もし、EF-Mレンズがあなたに合い、広角4K動画を撮影しないのであれば、EOS Kiss M2は素晴らしい選択肢となるだろう。
長所:
- 小型
- Wi-Fi・Bluetooth・NFC
- 高解像ファインダー
- 素晴らしい画質
- 瞳AFが動画で利用可能
- 4K動画
- 高速AF
- 高速シャッターレスポンス
- コストパフォーマンス
短所:
- EF-Mレンズが少ない
- 4Kで大きなクロップファクター
- ハイスピード動画は720pのみ
とのこと。
EF-Mラインアップにはマクロ・単焦点・広角を含めて一通りのレンズが揃っているものの、選択肢が少なく、色々と買ってみたいのであれば少し物足りないと感じるかもしれません。(MFレンズまで視野に入れるのであれば選択肢は意外と多いですが…)
とは言え、他社ではお目にかからない初心者フレンドリーなメニューシステムや、全体的にレスポンスのよいカメラは使い勝手が良いと感じるかもしれません。競合他社のAPS-Cミラーレスと比べて画質やパフォーマンスが優れているわけではないものの、気軽に使うには丁度いいサイズ・使い勝手のカメラだと思います。
EF-Mレンズは数こそ少ないものの、5万円未満で購入できるモデルが多く、広角ズームやマクロレンズも手ごろな価格で購入できるのは魅力的。EOS Rシステムの登場でいつまで続くか分からないシステムですが、気軽に、カジュアルに使うのであれば検討したい1台。比較検討するのであれば、ソニーや富士フイルムでは無く、パナソニックがおススメです、
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