DPREVIEWがキヤノンのフルサイズミラーレス「EOS R」について要点をまとめて情報を発信しています。
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画期的だが慎重な歩みを見せる初代Rシステム
- 3,000万画素フルサイズセンサー:EOS 5D Mark IVで使用しているセンサーと似ており、さらにDIGIC 8プロセッサと組み合わさっている。5D Mark IVのセンサーと同じであると仮定すると、6D Mark IIよりも間違いなく優れており、5Ds Rのセンサーよりもダイナミックレンジが広い。
- 新RFマウント:キヤノンの4番目となるフルサイズマウントだ。FD-EFの非互換性を考慮するとEF-RFはとても円滑な移行に見える。RFマウントは30年続いたEFマウントと同じ内径だが、フランジバックは44mmから20mmへ大きく短縮されている。
- EF-Mとの互換性無し:驚くべきことにEF-Mとの互換性はない。APS-Cからフルサイズへアップグレードし辛くなっており、長期的に見るとEF-Mマウントが少し不安だ。ニコン1システムと同様に静かに死んでしまうマウントとなるのだろうか?しかし、EF-M32mm F1.4 STMの同時発表はキヤノンがEF-Mを忘れていないということを暗に意味しているのかもしれない。
- EF-R-EFアダプター:EFレンズをRFへ装着するのはとても簡単だ。シンプルなアダプタ、コントロールリングを追加したアダプタ、ドロップインフィルターが備わった2つのアダプタが存在する。これらでEF・EF-Sレンズを無制限に使用することが出来る。残念なことに、Nikon ZやSony Eよりもフランジバックが長いため、Eマウント・Zマウントレンズはアダプター経由の装着が出来ない。
- 5655ポジションのDPAF:常に改良され印象付けてきたデュアルピクセルだが、今回の改善は今まで最も衝撃的だ。縦100%・横88%、-6EV(F1.2レンズ)、そして5コマ秒の連写でも開放測距が可能であることだ。これは絞った状態でも低照度撮影時にAFが最適な動作を期待できるものだ。5000以上のAFポジションはやりすぎに見えるかもしれないが、正確で情報量の多いオートフォーカスとなる。
- オートフォーカス性能:オートフォーカスはとても正確に見える。レンズが撮影シーンに合ってさえすれば連写中でもスピードは良好でピントは合っている。動く被写体でも素早くフォーカスできるシステムだ。しかし、AFポイントの移動はタッチパッドAFを使わなければならず、タッチパネルのレスポンスが遅いと問題になるだろう。瞳AFはAF-S時のみだ。
- スピード・連続撮影:残念ながら起動時間は0.9秒で連写性能は目立ったパフォーマンスではない。追従AFの場合は5fps、フォーカス優先連写時は3fpsだ。一般的な撮影では本当に良好なパフォーマンスだ。連写中は事実上ブラックアウトが無くなり、5fpsの追従AFはとても良好だ。UHS-II対応のSDカードを使えば47コマのRAWバッファも持ち合わせている。
- ハンドリング:Nikon Zと同じく、EOS Rは一眼レフで慣れ親しんだダイヤルレイアウトとメニューシステムだ。ただし、Nikon Zと同様にオートフォーカスシステムなどは操作性が変わっている。一眼レフとEOS Rを交互に使うのは難しい。
- ハンドリング2:ビルドクオリティとグリップは見事だ。マグネシウム合金ボディで本当に頑丈だ。しかし、ビルドクオリティが良い一方でAFジョイスティックが欠けており、防塵防滴仕様は6Dと5Dの中間程度だ。AFジョイスティックが無いため、タッチパッドAFの使用が必要だ。しかし、プリプロダクションモデルはレスポンスが遅く使い辛かった。
- 保護機能:電源オフ時にメカシャッターを閉じてセンサーへゴミ付着のリスクを低減していることは面白い。センサーの保護ガラスは繊細なメカシャッターブレードよりも遥かに強くて壊れにくいと言われているにも関わらず、この保護機能を採用したようだ。
- ボディ内手振れ補正無し:EOS Rは伝統的なレンズ手振れ補正を継承している。確かにレンズの専用手振れ補正は効果的なものだ。しかし、手振れ補正の無い28-70mm F2は手振れ補正が使えず、動画撮影時も影響を受ける。電子ISを実装しているがセンサーシフト式ほどの効果ではない。
- シングルSD UHS-II:カードスロットに何かトラブルが発生したら即死コースだ。
- EVF/LCD:369万ドットのOLEDファインダーはNikon Zに匹敵する優れたものだ。背面モニタは5D Mark IVよりも高解像でより鮮明だ。
- LP-E6Nバッテリー:キヤノン一眼レフは10種以上がLP-E6系のバッテリーを使用している。「N」はUSB端子経由でPD-E1を使った充電を推奨されている。バッテリーあたり330?560コマ(撮影条件による)だが、Nikon Zカメラで分かったように実際は5倍以上のコマ数を撮ることが出来る。とはいうものの、ソニーα7 IIIほどでは無いだろう。
- 動画:4K 480Mbpsの高ビットレートで撮影できるがNikon Zの100Mbpsと比べて4倍優れているとは思っていない。4:2:0 8bit C-Logの内部記録や4:2:2 10bitのHDMI出力は歓迎できる進化ポイントだ。
- 動画2:残念ながら4Kは30pまでで、ローリングシャッターの影響は大きい。さらにEOS 5D Mark IVと同じく1.7倍クロップとなり実質的にAPS-Cフレーム枠で撮影することとなる。
- ボタン・ダイヤル:従来のデザインと新しいデザインが混在している。メイン電子ダイヤルは従来通りだが、サブ電子ダイヤルや方向ボタンはPowershotのようなスタイルだ。専用のAFジョイスティックは存在せず、モードダイヤルも無い。その代わりにMODEボタンとサブモニタを使用する。そしていくつかの機能を割り当てることが出来るマルチファンクションバーが追加された。
画期的な姿勢を取りつつも、多くの点をとても慎重に採用している。EOS Rはミラーレス版EOS 5D Mark IVやEOS-1D X Mark IIで無い。
とのこと。
外部出力が強化された4K動画を備えていますが、5D Mark IVと同じ大きなクロップ倍率は痛いポイントですね。ドットバイドットの4K動画撮影となりそうです。
一方で静止画は初値40万円超えのEOS 5D Mark IVと同程度のセンサーを搭載し、より新しい処理エンジンとAFシステムを実装して二十数万円と考えるとコストパフォーマンスは悪く無さそうです。
気になるミラーレスのオートフォーカス性能も現状では酷評しておらず、むしろ良好と評価しています。連写性能は少し残念ですがスピード性をそこまで求めなければ使いやすいカメラと言えるのかもしれません。
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2018年9月12日 10時予約開始
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