IMAGING RESOURCEがソニー「FE 14mm F1.8 GM」のレビューを公開。小型軽量ながら優れた光学性能とビルドクオリティを備えた超広角レンズと高く評価。さらに手ごろな価格設定と言及しています。
IMAGING RESOURCE:Sony FE 14mm f/1.8 GM Field Test
レンズの紹介:
- ソニー64本目となるEマウントレンズであり、G Masterシリーズ14本目のレンズだ。そしてソニー製レンズで最も画角の広い単焦点レンズであり、最も明るい超広角レンズでもある。
ビルドクオリティ:
- G Masterシリーズらしい見事なビルドクオリティだ。
- 花形レンズフードは本体に固定されている。前玉が突出しているので円形フィルターを装着することは出来ない。これは超広角レンズとしては一般的なことだが、少し残念だ。
- レンズマウント側にリアフィルターを装着可能だが、優れたソリューションではない。将来的にサードパーティから前方に取り付けるフィルターホルダーが登場すると思う。
- 風景写真にも適しているが、反射を防ぎたい場合に偏光フィルターを利用することが出来ない。
- 防塵防滴とフッ素コーティングに対応しており、プロの過酷な撮影環境に耐えることが出来る。
携帯性:
- ビルドクオリティも優れているが、他社と差別化できるのはレンズサイズだ。
- 全長わずか99.8mm、重量460gだ。シグマ14mm F1.8と比べると遥かに小さく軽いレンズに仕上がっている。
- α7R IVとの組み合わせでバランスが非常に良好だ。
操作性:
- プログレードのレンズらしく、クリック解除に対応した絞りリングを搭載している。
- 絞りリングはF1.8からF16まで1/3段ごとに操作できる。
- フォーカスリングは滑らかな手触りで楽しく使うことが出来る。
オートフォーカス:
- インナーフォーカス式のXDリニアモーター駆動で高速AFを実現している。
- AF性能は見事で、静かで安定して動作する。動画撮影にも最適である。
- 最大撮影倍率は0.1倍と特にクローズアップ出来る訳では無いが、大部分の状況では十分だ。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- F1.8から見事な中央シャープネスを発揮する。極端はフレームの端はソフトだが、大部分は良好である。
- F?F2.8まで絞ると、ディテールのパンチが加わる。ピークのシャープネスに劇的な改善は見られないものの、画質は向上する。ただし、F5.6?F11まで隅の結果には変化が見られない。
- F8まで絞ると隅の性能がとても良くなる。F8まで絞ると中央シャープネスが低下し始めるので、妥協点はF5.6?F8となる。
- F11で回折の影響が目立つが、画質に問題はない。F16まで絞ると全体的にソフトとなるので避けたい。
- F1.8からフレームの大部分がシャープだが、全体的にシャープネスが必要な場合はF5.6からF8まで絞ることをおススメする。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 記載なし。
色収差:
- 厳しい状況でも色収差はほとんど見られない。
- 稀にパープルフリンジが少し発生するくらいだ。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 歪曲収差は残っているが悪くない。14mmの超広角ならば、ある程度の歪みも予想でき、期待される。
- 直線的な物体を撮影するときは問題となるが、簡単に補正可能だ。
周辺減光:
- F1.8で隅に多少の減光が見られるものの、簡単に補正可能だ。
- F2.8まで絞ると解消する。
コマ収差:
- コマ収差の問題はフレーム隅の極端な部位のみに限定される。とても見事な結果だ。
逆光耐性:
- ハイエンドのコーティングとレンズフードにより逆光耐性が優れている。
- フレーム上に太陽があったとしてもフレアは全く発生しない。
- 僅かにゴーストが発生するシーンでも目立つことはない。
作例集
総評
全体的に見て、FE 14mm F1.8 GMは多くの良い点があり、欠点やデメリットはほとんど無い。前面にフィルターを装着できないことが唯一のマイナス点だ。それも、敢えて言えばの欠点である。クローズアップ性能もまちまちだが、そのような使用例はほとんどない。14mmはニッチな焦点距離だが、それはこのレンズ自体を非難するものとはならない。
素晴らしい超広角レンズであり、素晴らしいシャープネスと収差補正を実現している。シグマ14mm F1.8 DG HSM Artよりも性能が高いだけでなく、小型・軽量で、価格も同程度だ。ソニーのフルサイズミラーレスカメラをお持ちの方で、大口径の超広角レンズが欲しい、または必要な方には、ソニー14mm F1.8 GMは最適なレンズだ。
もちろん、大口径と引き換えにいくつかの汎用性を諦めることになる。広角のG Masterで柔軟性のあるものが欲しい場合は12-24mm F2.8 GMズームが良いだろう。また、フィルターを使用したい場合は、16-35mm F2.8 GMが最適だ。大口径は必要ないが、超広角の焦点距離が欲しい場合は12-24mm F4 Gが14mm F1.8 GMとほぼ同じ価格の素晴らしいレンズとなる。しかし、どうしてもF1.8の開放値が欲しいのであれば、ソニーの14mm F1.8 GMが素晴らしい選択肢となる。ステキなレンズだ。
- 長所:
・優れたビルドクオリティとデザイン
・小型軽量
・優れた画質
・AF
・価格- 短所:
・フィルター非対応
・素晴らしいレンズだがニッチなレンズ
とのこと。
「14mm F1.8」は競合するレンズが少ないニッチな分野ですが、F1.4 GMと同じような価格設定を実現しています。さらにシグマの一眼レフ用レンズと比べて遥かに小さく軽量で、非常に使いやすい大口径広角レンズに見えます。これで優れた光学性能を備えているのは驚きですね。
周辺減光や歪曲収差はいくらか残っているものの、デジタル補正で簡単に修正できるため問題とはならない模様。さらにF1.8から十分シャープで、色収差も良好に抑えているのは凄い。
ソニー「FE 14mm F1.8 GM」交換レンズデータベース
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