Lenstipがソニー「FE 40mm F2.5 G」のレビューを公開。小型ながら全体的に良好な性能を発揮しており、特に心配すべき弱点は無い模様。ただし、売り出し価格が高く、「40mm F2.5」のパラメータとミスマッチと指摘しています。
レンズの紹介:
- 小型ながら頑丈な筐体、2基のリニアモーター、そしていくつかの機能を備えている。
- 適度なサイズながら、多くのスイッチとリングを搭載している。
ビルドクオリティ:
- 25mm径の後玉の周囲を金属製レンズマウントが囲っている。
- 内部は電子機器が見えないように反射防止の対策が施されている。
- レンズ本体はアルミニウム製だ。外装にはレンズ名やパラメータ、ロゴなどがプリントされている。
- レンズは「Made in China」である。
- 直径17mmの前玉は固定されて動かない。
- フィルター径は49mmだ。
- レンズフードの形状はとても興味深い。フードの先端にもレンズキャップを装着可能だ。
携帯性:
- キヤノンの「EF40mm F2.8 STM」よりは大きいが、「Batis 2/40」などと比べるとはるかに小さなレンズだ。
- 物理的な寸法は古いAマウント用の50mm F1.4と同じだ。
操作性:
- 11mm幅の絞りリングはしっかりとグリップすることが出来る。1/3段ごとにクリックストップが発生する。
- 8mm幅のフォーカスリングは電子制御式で被写界深度やピント位置の表示は無い。フォーカスリングは回転速度にもよるが、ピント全域を約140度の回転で操作可能だ。
オートフォーカス:
- α7R IIIとの組み合わせでノイズレスで非常に高速だ。
- ピント全域を移動するのに0.4?0.5秒ほどかかる。
- ミスショットは2-3を超えることは無い。
- 前ピン・後ピンの兆候は見られない。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- α7R II・R IIIのRAWに基づいて測定している。
- 良像の基準値は39?41lpmmだ。
- 最高の単焦点レンズで70lpmmを超えることがある。
- 今のところシグマ「105mm F2.8 DG DN」の80.4lpmmや「65mm F2 DG DN」の82.7lpmmが最高値だ。
- 中央は賞賛に値する性能だ。絞り開放からほぼ65lpmmに達し、絞ると75lpmmを超える。この性能はシグマ「35mm F2 DG DN」やツアイス「Batis 2/40」ほど良くは無いが、小口径のレンズとしてはとても良好な結果だ。例えば、FE 35mm F2.8 ZAのピークは62lpmm、AF 35mm F2.8は63lpmmだ。
- APS-C領域でも開放から50lpmmを超え、完全に実用的な画質である。ピークはF4からF5.6まで約60lpmmの非常に良好な数値を得られた。
- コンパクトサイズを実現するために四隅は妥協が必要だ。F2.5-2.8では良像の基準値を少し下回る。幸いにもF3.5近くで問題は解消し、F5.0-9.0で非常に良好な水準となる。
- 全体的にほぼフレーム全域でシャープな画質を得られるレンズだ。絞り開放では小さな妥協点があるものの、小型化の代償としては価値のあるトレードオフだ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 見栄えは良いが、非球面レンズの影響がある。
- 口径食の影響はF2.5で目立つが、2段ほど絞ると改善する。
色収差:
- 軸上色収差の問題は残されている。光学設計にEDレンズを使っていないのも原因だろう。
- 倍率色収差は絞り開放付近で目に付くが、それでも収差は小さい。F4?F5.6で無視できる水準まで低下し、実写で気が付く可能性は限りなくゼロだ。
球面収差:
- 僅かに収差が残存しているが、それほど目立たない。大きな問題とはならないだろう。
歪曲収差:
- このレンズはカメラに装着すると歪曲収差補正をオフにできなくなり、自動的に補正される。
- ソフト補正をオフにしてRAW現像すると、APS-Cでは-0.62、フルサイズで-1.44%の樽型歪曲が現れる。
- 目に付く収差だが、古い35?50mmでは一般的な数値である。
周辺減光:
- APS-Cの絞り開放で-0.77EVの光量落ちが発生する。
- フルサイズではF2.5で-2.32EVの光量落ちが発生する。目立つ光量落ちだが、もっと強いだろうと予想していた。FE 35mm F2.8 ZAやAF 35mm F2.8 FEのほうが目立つ。
コマ収差・非点収差:
- コマ収差は意外にも非常に良好な補正状態だ。
- フルサイズ隅でも点光源の変形は見られない。
- 非点収差は平均で6.0%だ。低い数値であり、画質への悪影響は見られない。
逆光耐性:
- FE 50mm F12. GMとよく似ており、全体的に逆光に対して良好に機能する。
- フレアを発生させるのは難しく、コントラストはきちんと維持されている。
- 部分的に強めのフレアが発生する場合がある。
総評
長所と短所のリストを見比べると、このレンズが良くまとめられていることが分かる。光学性能で特に心配するべきポイントは無い。長所が購入の理由となるのであれば、買って後悔することは無いだろう。
ただし価格設定は別の問題だ。小型軽量で適度な開放F値のレンズは良好な値付けとセットで成功するものだ。個人的な見解として700ユーロは高すぎる。
もう一つの問題は焦点距離だ。ソニーEマウントには35?55mmのレンズが数多く存在する。そのうえ、このレンズと同時に10mmしか焦点距離が変わらない「EF 50mm F2.5 G」まで投入している。これらを2本とも購入するだろうか?30?35mmと55?60mmの単焦点を投入したほうが同時に売れるチャンスがあったと思う。それでも、このコンパクトなGレンズ群は始まりに過ぎず、さらに選択肢が増えるものだと私は信じている。同サイズで20mm F3.5や70mm F2.5のようなレンズを見てみたいものだ。
- 長所:
・頑丈な防塵防滴仕様の筐体
・優れた中央画質
・とても良好なAPS-C領域の画質
・わずかな倍率色収差
・球面収差の問題ナシ
・おだやかな歪曲収差
・きちんと補正されたコマ収差
・わずかな非点収差
・APS-Cでおだやかな周辺減光
・優れた逆光耐性
・高速かつ静かで正確なAF- 短所:
・軸上色収差
・フルサイズでの光量落ち
・法外な値付け
とのこと。
全体的に良好な光学性能を実現しているものの、40mm F2.5としては少し価格が高いようですね。金属外装・防塵防滴の頑丈な筐体に加え、豊富な操作性を考慮する必要があるものの、価格設定を飲み込めるかどうか悩ましいところ。
より手ごろな価格設定で「45mm F2.8 DG DN」「AF 45mm F1.8 FE」を手に入れることができる点も要検討。前者は後ボケに力が入った設計となっており、後者は外装こそ安っぽいものの1段明るいレンズに仕上がっています。比較してソニー40mm F2.5 Gはしっかりとした防塵防滴仕様とデュアルリニア駆動が強みとなりそうです。
ソニー「FE 40mm F2.5 G」交換レンズデータベース
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