Sony Alpha Blogがソニー「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」のレビューを公開。欠点が存在せず、解像性能は優れた単焦点レンズに匹敵すると非常に高く評価しています。ほぼ全ての点で競合レンズよりも優れているとのこと。
Sony Alpha Blog:Sony 70-200mm F2.8 GM II OSS
外観・構造:
- レンズフードが円筒型に変わっている。先端はゴム製で、装着したままレンズを垂直に立てることが出来る。また、フードにはフィルター操作窓がある。内側はフェルト生地で光の反射を抑えている。
- ビルドクオリティは他のGMレンズと同じくトップクラスだ。
- しっかりとした防塵防滴仕様である。
- 前モデルと同じくテレコンバージョンレンズに対応している。
- 三脚座は取り外し可能だ。元の三脚座はアルカスイス互換では無いので、私はLeofoto製の互換プレートに切り替えて使用している。
- 三脚リングは取り外すことが出来ない。90度ごとにマーキングがあるものの、クリックストップは発生しない。
携帯性:
- サイズや全長は前モデルと非常によく似ている。
- 前モデルは1.5kgと重かったが、このレンズは1?ちょっとだ。33%の大幅減である。
- α1との組み合わせで重心がボディ側に近く、バランスはとても良好だ。
- タムロン35-150mm F2-2.8 VXDは比較して遥かにフロントヘビーである。
操作性:
- サイズは似ているが、GM単焦点のような絞りリングを搭載している点で異なる。
- 絞りリングの追加で、フォーカスリングの幅が狭くなっている。
- ボタンが増えている。
- ズームリングのストロークは90°と非常に短い。70mmから200mmまでワンアクションで操作可能だ。ただし、動画撮影でゆっくりとズームしたい場合には不便である。
- フォーカスリングは良好だが、もう少し滑らかに回転すると良かった。回転動作はリニアレスポンスである。
- 絞りリングはズームリングに近いので、操作に慣れる時間が必要だ。動画撮影時はリングをクリックレスで操作することが出来る。AポジションかF2.8~F22のどちらかに操作を固定することが可能だ。任意のF値で固定できると尚良かった。
- フルタイムDMFを利用可能だ。
- 手ぶれ補正スイッチを搭載している。
- 2系統のフォーカスリミッターに対応している。
- 3系統の手ぶれ補正モードスイッチを搭載している。
- フォーカスホールドボタンはカメラ側でカスタマイズ可能だ。
フォーカス:
- デュアルXDリニアモーター駆動で非常に高速かつ静かで正確なAFを実現している。
- α1の30コマ秒連写にも対応している。
- α1と組み合わせた際の成功率は98%だ。
- 動画でのフォーカスは完璧に機能する。
- フォーカスブリージングは70mmで目立たないが、135mmと200mmではかなり目立つ。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 6100万画素のα7R IVでテストした。
- 最高の単焦点レンズの匹敵する優れた性能を発揮する。中央から隅まで非常に安定した結果を得ることが可能だ。
- 70-200mmでしばしば弱点となる望遠端でさえ、絞り開放から優れた性能を発揮する。
- 200mmの隅は僅かに弱点となるが、それでも非常に良好だ。
- TC1.4を装着した場合でもα7R IVとの組み合わせで、絞り開放から優れた結果を得ることが出来る。
- TC2.0を装着した場合、4200万画素ならば中央で完璧な結果を得ることが出来る。5000?6100万画素では抜群の絞り開放とはならない。
- 全体的に見て、70-200mmズームレンズとしては優れた性能だ。
- 長距離の撮影でも絞り開放からフレーム全体で一貫性のある画質だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 玉ボケはとても良好だ。F5.6までほぼ円形を維持している。テレコンバージョンレンズを装着すると色づきや玉ねぎボケの兆候が強くなる。
- 前後のボケはズーム全域で良好だ。
色収差:
- 色収差はとても少ない。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 歪みはほとんど見られない。
周辺減光:
- 絞り開放で目立つが、F4まで絞ると目立たなくなる。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光耐性はとても良好だ。
- F16まで絞ると素晴らしい光条の
競合レンズとの比較
- カバーしている焦点距離のレンズとしては最軽量だ。
- 最軽量ながら最も完璧な操作性を備えている。バランスも良好だ。
- ビルドクオリティは最高だが、価格も高い。
- オートフォーカスは他3本のレンズよりも優れている。
- 6100万画素のカメラと組み合わせて解像性能は抜群だ。タムロンも良好だが、少し低い。前モデルは最も悪い。
- 玉ボケの描写は最高だ。次いで前モデル、タムロン70-180mmm、タムロン35-150mmと続く。後ボケも同様だが、全てのレンズで良好だ。
- タムロンは逆光耐性はあまり良好ではない。ソニーG2は遥かに優れている。
- 色収差の補正状態はどのレンズも良好だ。
- ソニーG2は最上級のレンズだ。価格を除けばすべてが最高クラスである。
- タムロン70-180mm F2.8のコストパフォーマンスは良好だ。
- ソニーG1は性能は考慮すると割高だ。そして非常に重い。
- タムロン35-150mm F2-2.8は別カテゴリのレンズだが優れている。
総評
ソニーズームレンズの新しいスタンダードを確立した。競合するレンズと比べて、ほぼ全ての点で遥かに優れたレンズである。強くおススメできるレンズだ。
- 長所:
・α7R IVでズーム全域が絞り開放からとても良好
・隅から隅まで一貫した画質
・ズーム全域で滑らかな後ボケ
・とても良好な玉ボケ
・優れたエルゴノミクス
・超軽量
・とてもバランスが良い
・α1で30コマ秒に対応
・動画での性能
・優れた色
・ポートレートでの描写
・クリックレスの絞りリング
・防塵防滴
・優れたビルドクオリティ
・低色収差
・逆光耐性
・素敵な光条
・歪曲収差がほぼゼロ
・70mmのフォーカスブリージング
・テレコンバージョンレンズ対応
・TC1.4装着時の画質低下が無い- 平凡:
・3000ユーロ
・135mmと200mmの目に付くフォーカスブリージング
・絞り開放の周辺減光
・アルカスイス非対応の三脚座
・三脚リングにクリックストップなし
・玉ボケにわずかな色付きと玉ねぎボケ
・ズームリングと絞りリングが非常に近い
・TC2.0装着時のシャープネス低下- 短所:
・なし
とのこと。
大幅な軽量化にも関わらず、光学性能は非常に優れたレンズのようですね。6100万画素のα7R IVに装着しても弱点が無いどころか、大部分で優れた結果が得られる模様。数多くの長所に対して、短所は一つもありません。価格設定が問題とならないならば、ソニーEマウントで最良の選択肢となりそうです。比較的手ごろな価格で前モデルを購入可能ですが、(特に高画素機で使うのであれば)差額を考慮してもこの新しいレンズを購入したいところ。
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