PhotographyBlogが「Irix 45mm F1.4」のレビューを公開。元々がフルサイズ用レンズのため、GFXで使うと周辺減光や周辺画質が苦しいと指摘。しかし、GFXでF1.4のボケは中毒性があると言及しています。
PhotographyBlog:Irix 45mm F1.4 GFX Review
レンズの紹介:
- 富士フイルムGFXマウント用のMFレンズだ。
- スイス設計・韓国製造である。
- フルサイズ換算で35mmをカバーする広角レンズとなる。
- 開放F値「F1.4」は同システムとしては大口径だ。
- 非球面レンズ1枚・超低分散レンズ1枚、高屈折レンズ4枚を含む9群11枚構成。
ビルドクオリティ:
- 5か所にシーリングが施された防塵防滴仕様だ。
- フィルター径は77mmだ。
- 価格を考慮(海外では795ドル)すると全体的に見事なビルドクオリティだ。
- 鏡筒はマグネシウム合金と複合素材を組み合わせた頑丈な作りである。外装は傷つきにくい仕上がりだ。
携帯性:
- 直径87mm、全長144mmは物理的に大きな広角レンズだが、GFX100Sとのバランスは良好だ。
- 1120gと重く、左手でレンズを支える必要がある。
- GF45mm F2.8 R WRと比べて、6cm長く、630gも重い。
操作性:
- フォーカスリングをロックする機能を搭載している。無限遠やゾーンフォーカスしたい場合に便利だ。
- フォーカスリングのロック機構は抵抗量を増すだけなので、実際には力を入れると回すことが出来る。
- 絞りリングは1/3段ごとに動作する。十分滑らかだが、無段階操作となるので動画撮影向きだ。
- 電子接点非対応のため絞り値はレンズを確認しなければならない。(一眼レフ用は電子接点あり)
オートフォーカス:
- 記載なし。
マニュアルフォーカス:
- 最短撮影距離は40cmである。
- ピント全域を140度のストロークで操作する。
- フォーカスリングは幅広く、滑らかで良好な抵抗量で動作する。
- F1.4の浅い被写界深度でピント合わせをするのは難しい。
- 自動アシストには対応していないので、拡大・確認にひと手間かかる。
手ぶれ補正:
- 光学手ぶれ補正は非搭載だ。
- GFX側のボディ内手ぶれ補正を使う必要がある。
解像性能:
- F1.4で少しソフトだが、以降は見事なシャープネスだ。F2?F11でピークとなる。
- フレーム端はそれほどでもなく、F4?F11でピークとなる。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- とても滑らかな描写だ。
色収差:
- 記載なし。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 歪曲収差は問題とならない。
周辺減光:
- もともと35mmフルサイズ用レンズのため、ミドルフォーマットのGFXに装着すると周辺減光が強くなる。
- F1.4では通常でも非常に目立つ。
- フラットな背景で目立たなくするにはF8まで絞る必要がある。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- F16-22まで絞ると素敵な光条が発生する。
- 逆光時はフレアが発生しやすい。
総評
- Irix 45mm F1.4 GFXは、ネイティブGFXレンズの中では最速の部類に入る。中判センサーにおいてF1.4での撮影は確かに中毒性がある。
- ピントがぴったり合ったときには、被写体と背景の分離感に酔いしれることができる。
- その一方で、このレンズはマニュアルフォーカス専用であるため、被写体をシャープに写そうとすると大変だ。優れたフォーカスピーキングや拡大機能を最大限に活用しても、このような大型センサーのカメラでF1.4で撮影すると、必然的にミスが多くなり、全体的な動作が遅くなる。
- 光学設計は35mmデジタル一眼レフカメラ用と同じで、基本的にはGマウント用に適合させたものだ。つまり、このレンズはより大きな中判センサーをわずかにカバーしているものの、F8でやっと解消するかなり深刻な周辺減光が発生する。
- さらに太陽に向かって直接撮影すると、色収差やフレアが多く発生する。
- 幸いなことに、Irixが公言している1%未満の歪曲収差は、少なくとも本当だ。
- 中心部のシャープネスはF1.4で問題なく、大部分の絞り値で驚くほど高いシャープネスだ。
- しかし、周辺部のシャープネスはあまり良くなく、最適な結果を得るためにはF4まで絞る必要がある。
- ビルドクオリティは良好で、高級感のある仕上がりだ。低価格帯とは思えない美しいフォーカスリングを備えている。
- ライバルとなる富士フイルムのGF 45mm F2.8 R WRと比べると、大きさ・重さは格段に異なる。さらにGF45mmにはオートフォーカスが搭載されているという明らかな利点がある。
- とは言え、富士フイルムの45mmは価格が2倍で、開放値がF2.8しかないという明らかな欠点もある。中判レンズとしてはまだ大口径なほうだが、Irix 45mmと同じレベルでは無い。
比較的安価なレンズでありながら、被写体と背景の分離に優れたボケ味が得られる独特の大口径レンズだ。画質に明らかな問題があるにもかかわらず、全体的にはIrix 45mmを評価したいと思う。
とのこと。
実写作例を確認しても、1億画素のGFX100Sでは周辺の解像性能は苦しそうに見えます。とは言え、広角レンズとしては驚くほどボケ量が多いのは魅力的ですね。逆光や周辺減光にも注意が必要ですが、状況によっては面白いほど良くハマりそうなレンズに見えます。
一眼レフ用には電子接点が存在し、各種自動アシストやボディ側での絞り制御が可能となっています。GFX用はフルマニュアルで手間がかかるのが悩ましいところ。EFレンズをGマウント用の電子マウントアダプターで利用することが可能なのか気になるところ。
最大の問題は45mm F1.4を国内正規店で買おうとすると驚くほど高くなること。B&Hで個人輸入すると700ドルですが、国内代理店から購入すると15万円と倍以上。初期不良や修理などのアフターサービスを考慮すると国内代理店から購入したいところですが、価格差を許容できるかどうか…。
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