Sony Alpha BlogがVenus Optics「LAOWA FF II Argus 35mm F0.95」のレビューを公開。シグマ F1.2 DG DNほどではなく、いくつか欠点があるものの、絞り開放から実用的な画質のレンズと評価しています。
Sony Alpha Blog:Laowa 35mm F0.95 Argus
外観・構造:
- ビルドクオリティは良好でしっかりとした作りである。
- 付属のレンズフードは短すぎて効果が薄いうえ、光沢があるので反射の原因となってしまうように見える。
- 72mm径のフィルターに対応している。
携帯性:
- かなり重いレンズだが、F0.95のレンズとしては問題ない。
操作性:
- フォーカスリングは50cmから無限遠まで270°のストロークで回転する。2mから無限遠までのストロークは90°だ。正確に操作することが可能だが、動画撮影には不便である。
- 絞りリングはスイッチでクリックの有無を切り替えることが可能だ。ただし、スイッチが絞りリングと並行して配置されているので、不適切な位置と感じる。
- どちらのリングも滑らかに回転する。
オートフォーカス:
- 記載なし。
マニュアルフォーカス:
- 35mmの単焦点レンズとしては、最短撮影距離が50cmと長い。
- フォーカスブリージングは目に見える。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- α7R IVでテストした。
- 中央は絞り開放から良好だ。F1.2まで絞ると非常に良好となり、F1.4で優れた結果を得ることが出来る。
- 隅は中央よりも画質が低下し、良好な結果を得るにはF2.8まで絞る必要がある。
- フレーム全体で優れた結果を得るにはF5.6まで絞る。
- 全体的に見るとF0.95から実用的な画質であり、甘さはほとんど見られない。F1.2まで絞るとシャープネスが向上する。
- ポートレートで優れたシャープネスが得られる。
- コントラストは開放から良好で、このような大口径レンズとしては貴重な存在だ。
- 風景のような長距離の撮影ではF0.95のパフォーマンスが低下する。全体的に優れた結果を得るにはF5.6まで絞る必要がある。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 玉ボケは全ての絞り値で円形で柔らかい。
- 後ボケはとても良好だが、遠景では騒がしくなる。
- 発色は素晴らしい。
色収差:
- 絞り開放で目に見える。
- 逆光シーンでは特に大きくなる。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 小さな糸巻き型だ。
周辺減光:
- F0.95で非常に目立つ。
- F5.6でとても小さくなる。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光耐性は平均以下だ。
- 絞り羽根が15枚もあるので、光条は30本となり、絞っても描写が弱い。
競合レンズ:
- 競合レンズと比べてかなり重い。これ以上となるのはシグマのAF対応「35mm F1.2 DG DN」くらいである。
- 絞り羽根は15枚と最も多い。
- 価格はこのような大口径レンズとしては平均的だ。
- シャープネスはシグマ F1.2 DG DNが最高だ。しかし、LAOWAの中央シャープネスはそれほど見劣りしない。NOKTONよりも遥かに優れている。
- 絞った時の周辺解像はNOKTONより遥かに良好だ。
- 周辺減光はLAOWAが最も大きい。
- 歪曲収差はLAOWAが最小だ。
- 逆光耐性はシグマが最も良好だ。
- ボケはシグマとLAOWAが最高だ。シグマは最短撮影距離が短いのでボケが大きくなる。
- 全体的に見てシグマは他のレンズを遥かに上回っている。
- LAOWAは中央解像とボケが良好だが、逆光や色収差に敏感で、フルマニュアルレンズである。
総評
フルサイズ用35mmとしては最も明るいレンズであり、F0.95から実用的な画質を備えている。玉ボケも良好で、F1.2まで絞れば優れたシャープネスも得ることが出来る。強くおススメできるレンズだ。
主な弱点は最短撮影距離が長いこと、逆光耐性、色収差、周辺部まで一貫した性能を得るにはF5.6まで絞る必要があることだ。本当のライバルはシグマ「35mm F1.2 DG DN」くらいである。
- 長所:
・F0.95から良好な中央シャープネス
・とても滑らかな後ボケ
・絞り値によらない綺麗な玉ボケ
・F0.95から良好なコントラスト
・優れたビルドクオリティ
・優れた発色
・動画撮影での描写
・クリック/クリックレスの絞りリング
・滑らかなフォーカスリング
・低歪曲- 平凡:
・重量とサイズ
・隅の絞り開放付近
・逆光耐性
・MFリングの長いストローク
・目立つフォーカスブリージング
・価格- 短所:
・重めの周辺減光
・色収差
とのこと。
世にも珍しいフルサイズ用の35mm F0.95レンズですね。珍しいパラメータの超大口径レンズですが、絞り開放から実用的な中央画質を実現している模様。6100万画素のα7R IVを使用して良好な画質が得られるのは凄いですね、周辺部はF5.6付近まで絞る必要があるものの、絞ることで全体的に良好な画質を得ることが出来るようです。ボケもまずまず良好で、35mmのレンズながら大きなボケを得ることができるのは面白そう。
悩ましいのはシグマ「35mm F1.2 DG DN」の存在。国内での実勢価格はほぼ同じで、シグマはオートフォーカスに対応しているうえ、諸収差の補正も良好。特に理由が無ければシグマのほうが無難な選択肢に見えます。ただし、シグマのほうが一回り大きなレンズとなっているので携帯性を重視する場合はLAOWAも要検討と言ったところでしょうか。
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