LUMIX S 85mm F1.8は隅から隅まで完全に均質なシャープネス

ePHOTOzineがパナソニック「LUMIX S 85mm F1.8」のレビューを公開。隅から隅まで驚くほど均質的な高いシャープネスを備え、小型軽量で手ごろな価格を実現していると評価しています。

ePHOTOzine：Panasonic S 85mm F/1.8 Lens Review

レンズの紹介：

LUMIX S 24mm/50mm/85mm F1.8の3本は、カメラとレンズの組み合わせのバランスが変わらないことから、特にビデオグラファーにメリットがあると考えている。

光学系は、ED（特殊低分散）レンズ2枚を含む8群9枚で構成されている。絞りは丸みを帯びた9枚羽根で、ボケ味を向上させている。

ビルドクオリティ：

しっかりとした作りで、防塵・防滴、マイナス10度までの耐寒性も備えている。

大きめの丸型レンズフードは、しっかりと固定できる。改良されたロック解除ボタンのデザインは、フードと同じ高さになっており、誤ってリリースしてしまうことがない。

標準的な67mmのフィルター径に対応している。

マウントは金属製で、レンズを装着すると、まったく遊びのないしっかりとした装着感が得られる。にもかかわらず、カメラが「レンズが正しく取り付けられていない」と警告する場面が何度かあった。これはレンズを再装着すると直った。

携帯性：

プラスチックを多用したおかげで、このレンズの重さは355gと控えめだ。

動画撮影を考慮して、このレンズと24mm、50mmの兄弟レンズは、寸法と重心がほぼ同じで、使用時の操作性も変わらない。

操作性：

幅広のマニュアルフォーカスリングは電子制御で動作する。予想通り非常に滑らかに回転する。かなりしっかりしているが、バランスのとれた操作感だ。

その他のコントロールはAF/MFスイッチのみだ。

オートフォーカス：

最大倍率は0.13倍で、0.8mまでピントを合わせることができる。これは予想通りで、マクロ撮影には程遠い。

動画撮影を考慮して、フォーカスブリージングが非常に少ない設計になっているので、ピントを合わせてもフレーム内の被写体の倍率や形状が変わることは無い。

マニュアルフォーカス：

記載なし。

手ぶれ補正：

手ぶれ補正機構は内蔵されておらず、ボディ内手ぶれ補正を利用する。

ボディと組み合わせることで2.5段分の効果が得られた。

解像性能：

中心部のシャープネスは、F1.8からF8までExcellentで、F11からF22まではVery goodだ。

周辺部もF1.8からF8まではExcellentで、F11からF22まではVery goodだ。

特筆すべきは、端から端までほぼ完全に均一なシャープネスであることだ。

像面湾曲：

記載なし。

ボケ：

ボケはとても滑らかで、ポートレート用のレンズにふさわしい。

ボケは美しく柔らかいグラデーションが見られる。

色収差：

中央の数値はゼロに近く、周辺部でもよく補正されている。

球面収差：

記載なし。

歪曲収差：

歪曲率はわずか-0.07%だ。

周辺減光：

周辺光量落ちは、ポートレートレンズとしては好ましいかもしれない。

絞り込んでいくと非常に低い数値に抑えることが出来る。

コマ収差：

記載なし。

逆光耐性：

このレンズはフレアに完全に対応しており、フレーム内に明るい光源がある場合でも、コントラストの低下やゴーストの発生はほとんど無い。

総評

驚くほど高い均一な性能を持ち、操作性に悪さはなく、魅力的な価格設定のレンズだ。開放F値はF1.4よりも大きいが、より控えめな価格帯、そしてサイズダウンや重量減に繋がっている。実用上、F1.8とF1.4の差は非常に小さいと言える。

要するに、本当に素晴らしい結果が得られるレンズだ。「エディターズ・チョイス」と評価できる。

長所：
・全体的に優れたシャープネス
・防塵防滴
・色収差の補正状態
・光量落ちが穏やか
・歪曲収差が穏やか
・優れた操作性
・高速で正確なAF
・フォーカスブリージングが小さい
・24mm F1.8と50mm F1.8と同サイズ
・逆光耐性

短所：
・何回かカメラで認識できなくなった
・F1.4ではない

とのこと。
LUMIX Sシリーズのレンズとしては比較的安く、小型軽量で防塵防滴のレンズながら良好な光学性能を維持している模様。ePHOTOzineのテストではこれと言って光学的な欠点が見られず、使いやすい中望遠レンズに仕上がっているようです。実写作例を確認しても確かにシャープですね。
S F1.8シリーズとしては一番最初に登場したレンズであり、既にFlickrの専用ページでは40点を超えるユーザー投稿が公開されています。今回のレビューと併せてボケ味などの確認として参考になるかもしれません。