ePHOTOzineがニコン「NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VR」のレビューを公開。望遠側へズームしても性能が持ちこたえていると評価しています。欠点以上の有用性があるとのこと。
悩む必要のないトラベルズーム
ePHOTOzine:Nikon Nikkor Z 24-200mm f/4-6.3 VR Review
レンズの紹介:
- 今のところニコンZシステムはクオリティに妥協の無い優れたレンズで構成されている。必然的にコストは高くなるが、価格はパフォーマンスによって正当化されている。
- このレンズは低価格な最初の選択肢だ。理想的で汎用性のあるトラベルレンズのコンセプトを真正面から狙っているように見える。
ビルドクオリティ:
- 重量を抑えるために高品質なプラスチックを使用している。
- プラスチック外装ながら、頑丈で優れた耐候性を備えている。前玉にはフッ素コーティング処理も施されている。
- 付属のレンズフードは本体にしっかりと装着できる。
- フードの形状は24mmに合わせているので、200mm用としては小さすぎる。
- ズームリングには24mm・35mm・50mm・70mm・105mm・135mm・200mの焦点距離を表示している。
携帯性:
- 重量は570gだ。比較的コンパクトで軽量である。
操作性:
- ズームリングは滑らかでしっかりと回転する。
- コントロールリングではフォーカスや絞り、ISOなどを調整可能だ。
- 唯一のスイッチはズームロックである。24mmでズームリングを固定することが出来る。
オートフォーカス:
- 焦点距離における最短撮影距離は以下の通りである。
・24mm:0.5m
・35mm:0.54m
・70mm:0.58m
・105mm:0.65m
・135mm:0.68m
・200mm:0.7m- 最大撮影倍率は0.28倍と便利な倍率である。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 光学手ぶれ補正を搭載している。特に望遠側で恩恵を受けることだろう。
- 補正効果は5段分だ。非常に多くの状況で役に立つ。
解像性能:
- 24mm:中央はF4からF8まで「Outstanding」だ。F11とF16で「Excellent」となり、F22でも「Very good」である。端はF4で「Good」、F5.6からF11まで「Very good」、F16で「Good」、F22で「Fair」だ。
- 50mm:中央はF5.6からF8で「Outstanding」、F11で「Excellent」、F16で「Very good」、F22で「Good」、F32で「Fair」だ。端はF5.6からF11まで「Excellent」で、F16で「Very good」、F22とF32で「Fair」だ。
- 105mm:中央はF6.3からF11まで「Excellent」、F16で「Very good」、F22で「Good」、F32?F36で「Fair」だ。端はF6.3で「Very good」、F8とF11で「Excellent」、F16で「Very good」、F22で「Good」、F32?F36で「Fair」だ。
- 150mm:中央はF6.3からF11まで「Excellent」、F22で「Very good」、F32?F36で「Fair」だ。端はF6.3で「Very good」、F8で「Excellent」、F11からF16まで「Very good」、F22~F36で「Fair」だ。
- 200mm:中央はF6.3からF11まで「Excellent」、F16で「Very good」、F22で「Good」、F32?F36で「Fair」だ。端はF6.3からF11まで「Very good」、F16で「Good」、F22からF36まで「Fair」だ。
- シャープネスは中央寄りだが、端もなんとか持ちこたえている。
- 焦点距離が長くなっても性能は維持されている。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 我々が予想していたよりも非常に心地よい描写だ。
色収差:
- 中央に色収差は見られない。
- 端も非常に良好な補正状態だが、200mmで色づきが見られる場合がある。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 非常に良く補正されているので、ボディ内でソフトウェア補正が適用されているものと思われる。
周辺減光:
- 多くのズームレンズと比べてかなり良好だ。
- 24mm:-2.8EV
- 50mm:-1.6EV
- 105mm:-1.7EV
- 150mm:-1.9EV
- 200mm:-1.8EV
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 優れた逆光耐性によりフレアは通常発生しない。
- 極端なシーンでは発生するかもしれないが、意図的に光源を入れなければ難しい。
総評
NIKKOR Z 24-200mm f/4-6.3 VRは、構造的にも性能的にも複雑なレンズである。しかし、旅行用の汎用ズームとしては、欠点をはるかに凌駕する有用性を備えているのは間違いない。コンパクトで軽く、作りもしっかりしていて、耐候性に優れ、良好な性能を持っている。開放F値は暗いが、優れた光学手ぶれ補正によってカバーできる可能性がある。ただし、動く被写体の場合は高感度ISOを使う必要があるかもしれない。
このレンズは概ねF8まで絞ることで最適なパフォーマンスを引き出すことが可能だ。手ごろな価格で汎用性の高いトラベルズーム探している場合、ニコンZユーザーは悩む必要が無い。
- 長所:
・優れたシャープネス
・逆光耐性
・中央の色収差補正
・小型軽量
・高速で静かなAF
・絞り操作可能
・素敵なボケ
・撮影倍率
・耐候性
・周辺減光
・手ぶれ補正- 短所:
・開放F値が暗い
・200mmの色収差
・光量落ち
・歪曲
とのこと。
ショートズームや単焦点と比べると画質の均質性(特に広角側)などは見劣りしますが、高倍率ズームレンズとしては良くまとまっているみたいですね。一般的に高倍率ズームは望遠側でパフォーマンスが急激に低下するものの、このレンズは200mmまで良く持ちこたえているように見えます。
ePHOTOzineは自動補正される歪曲収差は補正後のデータを使用しているらしく、光学的な歪曲収差がどれほどなのか知ることは出来ません。光学側で四隅のパフォーマンスが低下しているところを見るに、広角側で大きな樽型歪曲があるのではないかなと予想しています。(補正時に四隅の画質が影響を受けやすい)
このクラスのズームレンズとしてはボケがまずまず綺麗で、複雑な背景が悪目立ちしないのは良いですね。逆光耐性が良好である点も強みと言えそうです。
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