Photographylifeがニコン「NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S」のレビューを公開。内蔵テレコン使用時も良好な解像性能が得られ、操作性やAF性能を含めて「過去最高の望遠レンズ」と高く評価しています。
Photographylife:Nikon Z 400mm f/2.8 TC VR S Field Test
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- 14000ドルの価格から予想できるように、ビルドクオリティは良好だ。
- 2週間のフィールドテストで耐久性に問題は見られなかた。
- 防塵防滴仕様で、フッ素コーティングのおかげでメンテナンスも簡単だ。
- 内蔵テレコンによりレンズ交換のリスクを無くすことができる。
- 唯一欠点があるとすれば三脚座を固定するネジだ。非常にデリケートで、力を入れ過ぎるとネジ山が損傷する可能性がある。また、ケンジントンロックを保護するカバーが頻繁に飛び出した。
- 軽量でバランスの良いレンズだが、(持ち運ぶ際には)三脚座はもう少し長くても良かった。あと、できればアルカスイス互換のクランプに対応していると良かった。
携帯性:
- 頑丈で大きなレンズだが、過度に重くなく、むしろその逆だ。
- 1994年のAF-I 400mm F2.8D ED-IFは6.6kgもあったが、現在はわずか2.95kgだ。
- 軽くなったとは言え重いレンズに違いない。三脚や一脚の使用をおすすめする。
- とは言え、三脚から外して一時的に手持ち撮影もためらわなくなった。
- 2007年製の400mm F2.8はフロントヘビーだったが、このレンズは重心がリア寄りとなっている。軽快性が大幅に向上した。
操作性:
- いつもの場所にドロップインフィルタースロットがあり、ロック構造がエルゴノミクス的に改善している。
- A/MスイッチとAFリミッタースイッチを側面に搭載している。
- 手振れ補正スイッチは無いが、カメラ側で簡単に操作することができる。
- Fnリングが追加されたことで機能を切り替えする必要なしでメモリリコールを起動できるようになった。
- メモリーセットボタンは右手で押しにくい場所にあり、指が短いと届かないかもしれない。
- フォーカスリングとコントロールリングは期待通りに操作できる。
フォーカス:
- 非常に高速かつ滑らかに動作する。
- 最短撮影距離に近い撮影でも良好だ。
- これまで使用したレンズの中で最高のフォーカス速度と性能だ。
手ぶれ補正:
- 慣れれば1/30秒でも撮影が可能だ。
解像性能:
- 実写でずば抜けた解像性能だ。
- 絞り開放から優れたシャープネスとコントラストを備え、内蔵テレコンを使用しても性能の著しい低下は見られない。
- 絞りは被写界深度の調整で使えばいいだろう。
- かなり小さくトリミングにも耐えうる画質だ。Z 9やZ 7で撮影する意味がある。
- リアコンバージョンレンズを装着しても許容範囲内だ。最も注意すべきは大気の状態だ。いいレンズ・コーティングでも大気の歪みにはかなわない。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 記載なし。
色収差:
- 内蔵テレコン使用時に強い逆光で紫のフリンジを目にしたことが一回だけある。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 記載なし。
周辺減光:
- 記載なし。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 記載なし。
価格:
- 安いレンズではなく、むしろ車を買うことができるような価格だ。
- 内蔵テレコンのないソニーやキヤノンよりも高価だが、内蔵テレコンに価値を見いだせれば価格差を許容できるかもしれない。
総評
ニコンがミラーレス市場のプロセグメントに大きな一歩を踏み出した。
新しいレンズは、以前のレンズよりも光学的に優れているか?
正直なところ、実写で見比べると細かい違いとなってくるだろう。大きな違いが見られるのはテレコンバーターのみである。内蔵テレコンと開放F2.8という性能にお金をかける価値があるのかどうか、疑問に思っている方には「NIKKOR Z 400mm f4.5 VR S」が適している。ただし、Z 400mm F2.8は絶対に借りてはいけない。その内蔵テレコンバーターは、とんでもなく中毒性の高い代物だ。
しかし、それでもひとつだけ不満がある。
ニコン、キヤノン、ソニー、その他多くのメーカーが同じ過ちを何度繰り返せば、ようやく理解するのだろうか?ほとんどのメーカーが頑なに三脚座を生産し、大部分の人がすぐにアルカスイス互換のものに交換してしまう。また三脚座がもう少し長ければ持ち運びが楽になる。しかし、欠点はそれくらいだ。他の点では完璧である。価格が抑止力にならず、現在の競合製品を凌駕する利点を享受できるのであれば、欠点を心配する必要はない。おそらく、私がこの分野で使用した中で最高のレンズだ。
とのこと。
大口径望遠に内蔵テレコンバーターを搭載した珍しいレンズですね。競合他社の400mm F2.8と同程度のサイズ・重量を実現しつつ、内蔵テレコンで柔軟性が大幅に向上しています。レンズを取り外すことなく焦点距離を切り替えることが出来るのは便利ですね。マスターレンズ単体よりも解像性能は低下するとしつつも、パフォーマンスの低下は僅かと言及しています。Camera Labsも「驚くほど低下がない」と高く評価していますね。
改善点があるとすれば、Photographylifeの指摘する三脚座や、Xitekが指摘しているようなFnリングの回転方向に応じたフォーカスプリセットの実装でしょうか?Fnリングの仕様はソニーも同様ですが、キヤノン「RF400mm F2.8L IS USM」は二つのプリセットを記憶可能となっています。将来的にファームウェアアップデートでニコンも対応すると良いですねえ。
携帯性を重視する場合は「NIKKOR Z 400mm f4.5 VR S」も魅力的な選択肢ですが「Z 400mm F2.8は絶対に借りてはいけない」と言われると逆に気になってしまうのが悩ましいところ。価格差とサイズを許容できるのであればZ 9と組み合わせる最適なレンズと言えそうです。
ニコンNIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S 最新情報まとめ
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