Radojuvaがニコン「NIKKOR Z 50mm f/1.8 S」のレビューを公開。高価で大きく重い50mmと言及しつつ、50mmレンズの中では最もシャープなレンズの一つと評価しています。
Radojuva:Обзор Nikon Nikkor Z 50mm 1:1.8 S (байонет Nikon Z)
レンズの紹介:
- 2018年8月にZ 24-70mm F4・Z 35mm F1.8と共に発表された最初のZマウント用レンズである。
- フルサイズミラーレス用の大口径 単焦点レンズだ。最もシャープな50mmレンズの一つである。
- 従来の一眼レフ用50mmと比べると、フレーム全体の解像性能が大幅に向上している。また、色収差の補正状態も良好だ。
- 明らかな欠点は価格が高くなり、F1.8の周辺減光が強く、F1.4ではないことだ。
ビルドクオリティ:
- 製造国はタイである。
- 質感は良好で、全体的にビルドクオリティは高い。
- フィルター径は62mmと小さい。
- フォーカスリングは金属製で幅が広い。その他の外装も良くできている。
- レンズフードは十分に大きく、収納時は逆さ付けでコンパクトにすることもできる。
- 絞り羽根は9枚だ。絞り値全域で円形を維持している。
- 絞り羽根は電磁絞りで、動作時のノイズが聞こえる。絞りを滑らかに閉じることは出来ない。これは動画撮影で気を付けたいポイントだ。
携帯性:
- 400gと重い。
- ぱっと見は大きな50mmレンズだ。
操作性:
- AF/MFスイッチを搭載している。Aモードでは一眼レフの「M/A」として利用することが可能だ。
- フォーカスリングはコントロールリングとして絞りや露出補正などを操作できる。パラメータが変化しやすく、微調整が難しい。
オートフォーカス:
- ステッピングモーターで動作する。非常に静かだが、それでもノイズは聞こえる。
- オートフォーカスは非常に高速だが、電光石火と評価するほどではない。「非常に高速」と言うよりは平均に近い。
- 大部分の撮影で十分なフォーカス速度だが、個人的にはもう少し速いと良かった。
- 瞳検出は良好に機能する。
- 最短撮影距離は40cm、撮影倍率は1:6.7であり、50mmレンズとしては良好だ。
- フォーカスブリージングは知覚できない程度まで抑えられている。動画撮影には最適だ。
マニュアルフォーカス:
- 電子制御式の金属製フォーカスリングは素早く回転すると、わずか45度のストロークで無限遠から最短撮影距離まで移動する。ゆっくり回転すると何回転か必要だ。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 中央はF1.8から非常に良好だ。F2.8まで絞るとわずかに向上し、その後はF9~F11まで変化しない。
- フレーム端のF1.8は僅かに低下するものの、既に良好なパフォーマンスである。F2.8まで絞ると優れた結果を得ることが出来る。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 多くのシーンで心地よい描写だ。
- 隅は口径食の影響を受ける。
- 非球面レンズの影響で輪線ボケが発生することがある。
色収差:
- 隅でも色収差は良好に補正されている。
- 軸上色収差は極僅かだ。F2.8まで絞ると解消する。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- とても小さな樽型歪曲だ。
- 影響は直線的で簡単に補正できる。
周辺減光:
- F1.8で強い光量落ちが発生する。(最初は色被りだと思っていた)
- 無限遠側で光量落ちが強くなる。
- F4まで絞ると解消する。
- 後処理で簡単に補正可能だ。
コマ収差:
- とても良好に補正されている。
逆光耐性:
- わずかにフレアが発生する。
- 絞ると18本の光条が発生する。
総評
やや高めの50mm F1.8だが、ハイクオリティで優れた光学性能のレンズだ。魅力的な描写とは言わないが、光学的には優れた画質である。特にフレーム周辺部はAF-S 50mm F1.8 Gと比べて遥かに優れている。ただし、FTZアダプター経由で50mm F1.8 Gや50mm F1.4 Gを使う選択肢も残されている。
- 長所:
・S-LineのZレンズ
・2枚のEDレンズと3枚の非球面レンズを使用
・インナーフォーカス、M/A対応
・フォーカスモードスイッチ
・フォーカスリングをカスタマイズ可能
・フォーカスブリージングが極小
・最短撮影距離が短い
・9枚の絞り羽根
・防塵防滴の頑丈な鏡筒
・ハイクオリティなレンズの作り
・フード同梱
・F1.8から優れた解像性能
・色収差が目立たない- 短所:
・高価
・大きい
・F1.8
・AF速度
・重い
・光学手ぶれ補正非搭載
・コントロールリングが敏感すぎる
・絞りが滑らかに動作しない
・AFと絞りのわずかなノイズ
・赤外線スペクトル表示なし
・タイ製
・F1.8の口径食
とのこと。
従来の50mm F1.8と比べると非常にシャープで高い光学性能を備えたレンズですね。私も発売日からZ 7と組み合わせて愛用しています。確かに絞り開放からシャープで、定評のあるソニーFE 55mm F1.8 ZAよりもフレーム全体で高い解像性能を実現していると感じています。ボケは「柔らかい」とは言えないものの、卒のない綺麗な描写。全体的に見て味気無さもありますが、高い光学性能の50mm F1.8を探している人にとって面白い選択肢となるはず。
また、Zマウントの単焦点レンズとしては比較的安く、Zレンズの光学性能を堪能するには丁度いい一本だと思います。
個人的にフォーカスブリージングが最小限に抑えられているのが驚きでした。最短撮影距離から無限遠まで滑らかに移動するので、心地よい撮影体験を得られるかもしれません。
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