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NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct は現実的ではないが究極のレンズ

Phillipreeveがニコン「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」のレビューを掲載。大きく重く非常に高価なMFレンズとしつつ、F0.95としては驚異的な解像性能・コントラスト・ボケ質を実現していると評価。ただし現実的な選択肢はF1.2 Sとのこと。

Phillipreeve:Review: Nikon 58mm 0.95 Noct-Nikkor – The Ultimate Lens?

  • 価格:8000ドルと非常に高価。
  • 外観:全く役に立たないOLEDパネルを搭載。DISPボタンを押した数秒しか点灯しない。距離指標はMFリングを見れば良いし、絞り値は右肩の情報パネルが常時点灯している。
  • 構造:手間のかかる大口径の非球面レンズを使用している。絞りは電子制御。レンズフードはソケットが一体となっているMFリングの先端に装着する。このため、MF操作時にフードが回転する。三脚リングは取り外し不可で、回転時のクリックストップが無い。
  • 携帯性:2㎏と重い。105mm F1.4 DG HSMと同程度。繰り出し式フォーカスのため前群が前方へ移動する。
  • 操作性:クリックレスのコントロールリングとL-Fnボタンを搭載。
  • MF:NIKKOR Z 唯一のMFレンズ。340度と非常に長いストロークで正確な操作が可能。ただし、素早い操作には不向き。抵抗感はほぼ均一。
  • 手ぶれ補正
  • 解像性能:MTF曲線とよく似た結果が得られる。フレーム隅を除けばF0.95から素晴らしい結果。F2.8で申し分のない結果。特に接写のパフォーマンスはF0.95の中で最高であり、賞賛に値する。
  • 像面湾曲:非常にフラット。
  • ボケ:口径食はあるが、玉ボケが非常に綺麗。均質で縁取りがない。よく見ると玉ねぎボケがあるものの、目立たない。あらゆる撮影距離で良好なコントラスト。撮影距離が長い場合でも問題が全くない。
  • 軸上色収差:F1.2よりも大口径のレンズとしては過去最高。F0.95-F1.4で僅かな色ずれ。
  • 倍率色収差:わずかな色ずれ。
  • 球面収差:フォーカスシフトが全くない。ハイエンドな大口径レンズらしい補正状態。
  • 歪曲収差:ごく僅かな糸巻き型。
  • 周辺減光:F0.95レンズの中では良好だが、中一光学の50mm F0.95 IIIはより良好。レンズサイズを考慮すると素直に喜べないが、優れたパフォーマンス。
  • コマ収差:F1.2より大口径のレンズとしては最高の性能。
  • 逆光耐性:F0.95レンズで問題となりがちだが、本レンズは問題がない。抜群の性能。
  • 光条:明瞭ではないが均等な描写。
  • 作例集
  • 総評:驚異的な大口径レンズ。これまで体験したことのないF0.95であり、高コントラスト・高解像で、魅力的なボケとのバランスを実現している。コスト・サイズ・重量に制約が無いのであれば、F0.95に期待できるものを再定義できる。
  • 競合について:Z 50mm F1.2のほうが現実的。
  • 備考

NIKKOR Z 開始から比較的初期に登場した超大口径レンズで、高い光学性能とF0.95を両立するためにサイズ・重量・コストの制約を外し、標準レンズとしては規格外の製品となっています。

Phillipreeveのレビューによると、他社のF0.95レンズとは一線を画す光学性能を実現しているようです。高解像・高コントラストで綺麗なボケを両立しているとのこと。特に接写時に球面収差が増大しやすい他社と異なり、本レンズは近距離でも良好な結果が得られるとしています。

実写で現実的な選択肢はZ 50mm F1.2 Sとなるものの、F0.95が必要で、サイズや価格の制限がないのであれば、究極のF0.95レンズとして検討する価値がありそうです。

ニコンNIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct交換レンズデータベース

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