Photographylifeがニコン「NIKKOR Z 800mm f/6.3 VR S」のレビューを公開。超高級な望遠単焦点ほどではないものの、良好な光学性能を備えていると評価。携帯性の良い800mmとしてマストバイなレンズと言及しています。
Photographylife:Nikon Z 800mm f/6.3 VR S
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- ビルドクオリティは良好だ。
- 防塵防滴仕様はプロの現場でも耐えることができると確信している。
- 氷点下を下回る中でも問題なく使用できた。
- 外装にはプラスチックを多用している。
- 金環が復活したことを喜ぶニコンユーザーもいることだろう。
- レンズフードが付属する。
- 個人的に不満なのが、アルカスイス互換に対応しない三脚座だ。
携帯性:
- プラスチック素材の採用などで軽量化を実現している。
- 一般的な超望遠レンズと比べると遥かに軽量だ。
- 800mmにおける手持ち撮影の問題はレンズの重量ではなく、画角が狭いという点に気を付ける必要がある。多くの場合は三脚や一脚の使用がおススメだ。
操作性:
- フォーカス・コントロールはそれぞれ独立したリングを搭載している。
- 興味深いことに、OLEDパネルは搭載していない。
- メモリリコール機能を使う場合はカメラのファームウェアが対応している必要がある。
- AF/MFスイッチとAFリミッタースイッチを搭載している。
フォーカス:
- 驚くほど高速だ。
- FTZ経由のFマウントレンズよりも少し良好だ。
- F6.3と暗いので、低照度ではパフォーマンスが低下する。
- 近接撮影が優れているわけではないが、大部分の小さな鳥を撮影するには十分だ。
- ハチドリやトンボなどを撮影するのであれば、他の選択肢を検討したほうが良いだろう。
手ぶれ補正:
- 光学手振れ補正を搭載している。
- 最大5段、ボディ協調で5.5段分の補正効果が得られる。
- 手持ちで1/125秒はおススメしないが、三脚に載せた状態であれば問題なかった。
解像性能:
- フレーム全体でピークはF8となる。
- F6.3やF11でも躊躇せずに使用できる性能だ。
- フレーム隅の性能も優れている。
- ×1.4 テレコンバージョンレンズ装着時も許容範囲内のシャープネスが得られる。性能は完璧ではなく、端や隅ではソフトな画質だ。
- ×2.0テレコンバージョンレンズは現実的な選択肢とは言えないが、思っていたよりも良好だ。
像面湾曲:
- 像面湾曲は見られない。
ボケ:
- 時々よく見えるが、それ以外の時はかなり悪い。
- 主に玉ボケが背景に入り込むと悪目立ちする。
- PFレンズがボケに影響を与えてるのは明確だ。
色収差:
- 色収差はよく抑えられている。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 弱めの糸巻き型歪曲だ。
- 建築物を撮影しない人であれば問題とならないはずだ。
周辺減光:
- 最悪の場合でも1EV未満とよく抑えられている。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 記載なし。
総評
万人向けのレンズではない。
800mmが必要なフォトグラファーであれば、小型軽量で安価ながら大きな欠点がない点を評価するだろう。そして、このレンズに取って代わる存在は今のところない。800mmを必要としない、多くの人にとっては「NIKKOR Z 400mm f4.5 VR S」がより実用的な選択肢だと思われる。
- 長所:
・周辺減光
・歪曲収差
・色収差
・非常にシャープ
・優れたAF
・ビルドクオリティ
・防塵防滴
・操作性
・小型軽量
・手ごろな価格- 短所:
・玉ボケ
・非常に高価な超望遠ほどシャープではない
・最短撮影距離が長い
・800mm
・F6.3
・三脚座はアルカスイス互換ではない
とのこと。
800mm単焦点としては驚くほど小型軽量なレンズですね。開放F値を少し暗くして、PFレンズを利用することで携帯性の良さを実現。手持ち撮影もやぶさかではない軽さですが、Photographylifeによると800mmの画角は手持ち撮影に適していないと指摘しています。どちらかと言えば、携帯性のよさからくるセットアップの早さや運搬のしやすさが際立っていると評価している模様。
解像性能は超高級レンズほどではないものの、十分なパフォーマンスを発揮すると言及。諸収差も良好に補正しているみたいですね(ただし本文では「Z 400mm F2.8に2倍テレコン付けた時と互角かもしれない」といった発言もありますが…)
玉ボケが騒がしい描写になるのが主な欠点のようです。このあたりはFlickrのユーザー投稿に多くの実写サンプルがあるので、玉ボケの影響を確認しておくと良いかもしれません。確かに、状況によってはボケが騒がしく見える場合もあります。
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