Sony Alpha BlogがNiSi「NiSi 15mm f/4」のレビューを公開。バランスの良い光学性能と、汎用性の高いビルドクオリティを評価し、手ごろな価格を含めて「強くおススメできるレンズ」と言及しています。
NiSi「NiSi 15mm f/4」
レンズの紹介:
- 主な仕様
・重量:470g
・価格:479ユーロ
・絞り:F4?F22
・全長:80.5mm
・フィルター:72mm
・絞り:10枚羽根
・画角:112°
・レンズフード付属
・ソフトケース付属- NiSi 15mm F4はNiSiが作り上げた最初の写真用レンズだ。
ビルドクオリティ:
- レンズは総金属製でビルドクオリティは非常に良好だ。
- 超広角レンズながら円形フィルター(72mm)に対応している。
- レンズフードの脱着にも対応している。これにより100mmフィルターホルダーがある場合は角形フィルターを利用可能だ。
- フルマニュアルレンズであり、電子接点はない。
- 防塵防滴用のシーリングは施されていない。
携帯性:
- シグマなどと比べると非常にコンパクトで軽量だ。
- LAOWAと比べると少し太い。
操作性:
- 絞りリングはクリック付きだが、クリック間は滑らかに動作する。
- フォーカスリングは滑らかに回転し、20cmから無限遠まで90°の回転角がある。
- 1mから無限遠までは15°の回転角しかない。
オートフォーカス:
- 記載なし。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 記載なし。
解像性能:
- 6100万画素のα7R IVでテストした。
- 中央はF4で非常に良好だ。1段絞ると優れたグレードに改善する。
- 四隅は良好だが、α7R IVではそれ以上とならない。2400?4200万画素のカメラであれば非常に良好な結果を得られる。
- F11で回折が始まる。
- 優れた性能を発揮するにはシグマ「14mm F1.8 DG HSM」やソニー「12-24mm F2.8 GM」のようにレンズサイズを大きく、そしてより高価である必要があるのだろう。
- 近距離?中距離でも絞り開放から結果は非常に良好だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 超広角レンズとしてはとても良好なボケだ。とても心地よい。
- 玉ボケはF4+最短撮影距離で得られるが、非常に小さい。
- 発色は良好だ。
色収差:
- とても少ない。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 少し陣笠状の樽型歪曲だ。
周辺減光:
- F4で光量落ちがあり、絞っても大きく改善しない。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- F4の時点で10本の綺麗な光条となる。F16まで絞る必要はなく、このレンズの大きな強みとなるだろう。
- 逆光耐性は平凡だ。太陽をフレームに入れるとハロが発生する。
競合レンズ比較:
- コンパクトな小口径単焦点として競合するのは以下のレンズだ。
・LAOWA 14mm F4
・フォクトレンダー 15mm F4.5- 比較してNiSiは大きく重いが、遥かに安価である。
- NiSiは最短撮影距離が最も短い。
- NiSiはレンズフードの取り外しが可能だ。
- サイズと重量を除けばエルゴノミクスと価格設定でビルドクオリティはNiSiが有利である。
- 中央シャープネスはNiSiが最高だ。
- 四隅はフォクトレンダーの一貫性がF5.6で優れている。
- LAOWAは中間域が甘く、像面湾曲の問題を抱えている。
- 周辺減光はNiSiが最も良好だ。
- 光条はフォクトレンダーとNiSiが優れている。
- 逆光耐性はフォクトレンダーが良好だが、LAOWAより良好だ。
- NiSiはバランスが最も良好だがサイズは少し大きい。
総評
NiSiが最初に投入したレンズ「15mm F4」は非常に優れた超広角レンズだ。優れたエルゴノミクスで、低歪曲、光条、円形フィルターやフィルターホルダーシステムとの互換性が強みとなる。そして非常にリーズナブルだ。競合レンズよりも大きく重いが、優れた中央解像やエルゴノミクスを備え、最も低価格である。強くおススメできるレンズだ。
- 長所:
・非常に良好な中央シャープネス
・非常に良好な周辺シャープネス
・レンズフードの脱着が可能
・72mmフィルター対応
・角形フィルター対応
・滑らかな後ボケ
・良好なコントラスト
・良好な色
・F4で素晴らしい光条
・リーズナブルな価格設定
・非常に良好なビルドクオリティ
・低色収差
・低歪曲
・最短撮影距離が短い- 平凡:
・防塵防滴非対応
・中程度のサイズと重量
・周辺減光は目立つ
・四隅のシャープネスは6100万画素だと良好止まり- 短所:
・逆光耐性
・電子接点なし
とのこと。
抜群の解像性能では無いものの、四隅まで顕著な画質低下もなくコストパフォーマンス良好の超広角レンズに仕上がっている模様。72mmフィルターや角形フィルターとの互換性が高いのも便利ですね。F4から光条が発生する面白い仕様ですが、点光源が写りこみやすい超広角レンズでは重要となる特性と言えそうです。逆に光条を避けたい場合に手段が無いのは要注意でしょうか
価格はNiSi公式で6万円台。決して激安レンズでは無いものの、フルサイズ対応広角レンズとしては比較的リーズナブルな値付けに見えます。特にフィルターワークを重視した広角レンズを探している場合には面白い選択肢となりそう。
関連レンズ
- 14mm F1.8 DG HSM
- XF14mmF2.8 R(APS-C)
- AF 14mm F2.8 FE/RF
- MF 14mm F2.8 MK2
- Batis 2.8/18
- Super Wide-Heliar 15mm F4.5 Aspherical III
- LAOWA 15mm f / 2 FE Zero-D
- LAOWA 15mm F4.5 Zero-D Shift
- KAMLAN 15mm F2(APS-C)
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