Digital Camera Worldがオリンパス「OM-D E-M10 Mark IV」のレビューを公開。2000万画素センサーの搭載と改良されたC-AF性能に注目し、「家族写真や旅行の共に完璧なカメラ」と非常に高く評価しています。
C-AF性能が大きく改善
Digital Camera World:Olympus OM-D E-M10 Mark IV review
- オリンパスは最近、映像事業売却というショッキングな見出しを飾ってしまったが、通常通りOM-D E-M10 Mark IVを発売したことで映像事業における今後の姿勢を示した。
- 前身であるMark IIIは興味深い改良が加えられ、アマチュアグラファーをとても満足させるものだった。多くの便利な機能を搭載した素晴らしい小型カメラであり、我々はE-M10 Mark IIIをとても気に入っていた。コンパクトなボディ、5軸手ブレ補正、4Kビデオ機能のおかげで、しばらくの間、ベストトラベルカメラガイドのトップに君臨してきた。
- しかし、Mark IIIには欠点がなかったわけではない。APS-Cの2400万画素がスタンダードとなった時期にMark IIIの1600万画素センサーは少し物足りない。また、追従AFで動きのある被写体への対応にも不安があった。
- しかし、2000万画素センサーへ更新され、追従AFの改良が期待されているオリンパスOM-D E-M10 Mark IVは、コンパクトでありながらパワフルなカメラを探している人には最適なカメラとなったかもしれない。
- また、コンパクトなボディ内手ブレ補正ユニットを搭載し、最大4.5段分の補正効果と15コマ秒の高速連写を実現している。
- さらに、動きのある被写体に連続してピントを合わせられるように、C-AFの精度も向上させている。そして横顔や下を向いた顔にもピントを合わせることができる「顔優先/目優先AF」を搭載したことで、従来とは異なるアングルでもシャープなポートレートを確実に撮影できるようになった。
- 動画機能はMark IIIと同じだが、自撮りやブログ撮影のために180度反転させることができるチルト液晶モニターのメリットが追加されている。
- このようなクラスのカメラに期待されている通信接続性が強化され、Wi-Fiに加えBluetoothが内蔵されだ。
- Mark IVは従来モデルと同様、信じられないほど軽量でコンパクトだ。さらに、オリンパスは27gの軽量化に成功し、携帯性を高めている。
- 軽量化とのトレードオフは、ボディの素材が関わっている。OM-D E-M1 Mark IIIのような高価なカメラの金属ボディに対し、Mark IVのボディはプラスチックで作られている。
- 外観は、Mark IIIと非常によく似ていて、ビンテージなスタイリングとエルゴノミクスに基づいたダイヤルはそのままだ。
- 電源スイッチがブラインドで扱いやすく。程よい抵抗で簡単に各位置にスライドさせることが可能だ。
- E-M10 Mark IVで試してみたかったのは、C-AFの性能だ。Mark IIIでは動いているものにピントを合わせにくいというレビューが多く、Mark IVではC-AF性能の向上が約束されていたので、どのくらいの違いがあるか興味があった。
- 幸いなことに、カメラの性能にはかなり満足している。オートフォーカスは高速でレスポンスが良く、被写体がカメラに向かって走ってきても、ほぼ追従しきれていた。
- 唯一、フォーカス位置がずれ始めたのは、モデルがカメラの1メートル以内に入ってきたときだけだ。実際に数メートル以内の被写体にC-AFを使用する機会はかなり少ないだろう。
- 15コマ秒の連写撮影は、動きの速い被写体を撮影する際に便利だ。気持ちの良いスピード感のある撮影ができた。電子シャッターを使った連写撮影でも適切なレスポンスを得ることができ、地元の野生動物を間近で撮影する際には特に重宝した。
- アップグレードした2000万画素 Live MOSセンサーは、フルサイズほどでは無いが、全身やクローズアップのポートレートを撮影するのに十分な性能を持っている。
- 瞳検出AFは、カメラが自動的に被写体の目を見つけてくれるので、問題なく撮影できた。
- 4.5段分のボディ内手ぶれ補正のおかげで、14-42mm F3.5-5.6 EZレンズを装着しても低照度のスローシャッターでも撮影することが出来た。
- 動画撮影時の5軸手ぶれ補正はさらに感動的で、カメラを手に持って歩いていてもスムーズな動画を撮ることが可能だ。
- OMDシリーズでは初めて自撮り撮影に対応しており、自撮り動画を簡単に撮影することができます。ハイアングルやローアングルでの撮影でも威力を発揮するだろう。
- 2030万画素となったことで、ディテールの再現性が従来モデルより優れている。しかし、フォーサーズ2000万画素センサーはAPS-C2400万画素ほどでは無い。
- オリンパスのカメラは伝統的にダイナミックレンジに強く、新しいMark IVも例外ではない。旧型のMark IIIは低感度域でわずかに良いスコアを出していたが、ISO6400以上になると逆になる。
- ライバルの富士フイルムやソニーのAPS-Cカメラと比較しても、ダイナミックレンジが格段に広い。
- 高画素化は、高感度ISO時のノイズを増加させる傾向がある。しかし、E-M10 Mark IIIやAPS-Cの富士フイルムX-T200と同様にノイズレベルが低く、この問題を回避しているようだ。
オリンパスOM-D E-M10 Mark IVは、多機能で素晴らしいコンパクトなカメラだ。新しい2000万画素センサーと改良された追従オートフォーカスを搭載し、Mark IIIからいくつかの便利なアップグレードを遂げている。その他の改善点は確かに僅かではあるが、Mark IVがもたらしたものには感銘を受けた。
批判的な点があるとすれば、4K動画と自撮りモニタに加え、マイク端子用のポートを搭載して欲しかった。とは言え、この辺りはE-M5 Mark IIIと食い合ってしまうため、オリンパスがエントリーレベルのカメラに搭載しなかった理由は理解することが出来る。
スマートフォンユーザーがカメラへのステップアップを検討していたり、高品質の家族写真を撮りたい人、または単に旅行に持って行くための軽量カメラを探している場合、OM-D E-M10 Mark IVがあなたにとって完璧なカメラとなる可能性がある。
とのこと。
比較的被写界深度が深い「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」と組み合わせてテストしているので、単焦点レンズや明るいズームレンズ、望遠レンズでは違った結果が出るかもしれません。とは言え、キットレンズで完結する人にとって十分なパフォーマンスを発揮してくれるカメラとなりそうです。
個人的にスペックシートを眺めただけではパッとしない印象だったのですが、海外メディアの反応を見ていると、思いのほか良好な評価が多い印象を受けます。
2020年8月中旬現在、国内でまだ正式発表されていないのが悩ましいところ。また、OM-D E-M1 Mark IIが大きく値下がり、E-M5 Mark IIIも魅力的なキャッシュバックキャンペーン中となっているので検討する必要はありそうです。
OM-D E-M10 Mark IV デジタルカメラデータベース
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