Dustin Abbottがキヤノン「RF-S18-150mm F3.5-6.3 IS STM」のレビューを公開。高解像センサーと組み合わせると60mm以降で画質低下が見られるものの、十分な性能を備えたキットレンズと評価。
Dustin Abbott:Canon RF-S 18-150mm F3.5-6.3 IS STM Review
(基本的なスペックなどの紹介は割愛しています)
外観・構造:
- 開放F値の推移は以下の通りだ。残念ながら62mmの時点でF6.3に到達する。
・18mm:F3.5
・-27mm:F4.0
・-34mm:F4.5
・-44mm:F5.0
・-61mm:F5.6
・-150mm:F6.3- EF-M18-150mmほどエレガントな外観ではない。
- レンズマウントはプラスチック製だ。
- 防塵防滴には非対応である。
携帯性:
- 開放F値は暗めだが、そのぶん小型軽量な高倍率ズームレンズだ。
- 310gと軽量である。
- 150mmまでズームすると内筒が大きく伸びる。
操作性:
- 鏡筒にスイッチは無いが、カメラ側のAF/MFスイッチで切替が可能だ。
- 操作リングはコントロールとフォーカスどちらとしても機能する。しかし、機能を切り替えるにはメニュー操作が必要だ。
- フォーカスリングは滑らかに回転するが、緩めでパッとしない操作性だ。
フォーカス:
- ステッピングモーター駆動で動作する。
- AF速度は良好で、追従AF時に問題は見られなかった。
- 開放F値が暗いので、低照度ではパフォーマンスの低下が予想される。
- 動画撮影中に駆動音は拾わなかった。
- フォーカスブリージングは最小限だ。
- 18mmで0.44倍のい撮影倍率に対応しているがパースが付きやすく使い辛い。150mmは接写時でもフラットなピント面が得られるものの、撮影倍率はそこまで高くない。
- マクロ撮影における妥協点は50mmだ。
手ぶれ補正:
- 4.5段分の光学手ぶれ補正に対応している。
- ボディ側の手ぶれ補正と協調することで6.5段分まで補正効果が向上する。
- 150mmで1/15秒のスローシャッターが可能だった。補正効果は公称値に届かないが、4段分の効果が見込める。
解像性能:
- 18mmはF3.5から見事な性能だ。周辺部までコントラストは良好で、隅でもまだ非常に良好だ。絞っても中央や周辺に大きな違いは無く、隅も決して優れた水準にまで改善することは無い。
- 24mmの中央は18mmと比べて少し見劣るが、隅は良好だ。
- 35mmも24mmと同様である。
- 70mmからシャープネスが低下する。
- 100mmや150mmも広角側と比べるとソフトである。
- 実写でも作例を確認するとコントラストが比較的低い。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 描写はきちんとしているが、並外れた描写ではない。
- 接写時に見栄えが良くなる。
色収差:
- 絞っても改善しない倍率色収差がいくらか見られる。
- 軸上色収差の影響は大きくない。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 18mmで極端ではないが目立つ樽型歪曲が発生する。
- 70mmでは糸巻き型歪曲へと変化する。
- 150mmの歪曲収差は僅かである。
- 高倍率ズームとしては収差が良く抑えられている。
周辺減光:
- 18mmで極端ではないが目立つ周辺減光が発生する。
- 70mmの周辺減光は僅かだ。
- 150mmは中間域と比べると周辺減光が目立つ。
- 高倍率ズームとしては周辺減光が良く抑えられている。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 絞り開放付近における逆光耐性は良好だ。
- 厳しい状況で、特に絞った状態の場合はフレアとゴーストの影響が強くなる。
総評
このレンズはEF-MレンズをRFマウントの移植したものだ。しかし、EF-Mマウントの18-150mmは、汎用性が高く、コンパクトで、画質もそれなりに良いので、以前からお勧めしている。EOS R7の3250万画素センサーを活かす光学性能を備えたレンズでは無いが、汎用性に関して価値のあるレンズだ。それに等倍でチェックしなければ十分に素晴らしい画質である。
純粋に新設計のレンズとして登場して欲しかったが、オープニングラインナップに高倍率ズームが加わるのは嬉しい。 本当に便利なレンズで、基本的にすべての領域で十分な性能を備えているので、私にとって魅力的な「キットレンズ」であることに変わりはない。
- 長所:
・便利な8.3倍ズーム
・小型軽量
・滑らかなズームリング
・高速で静かなAF
・効果的な手ぶれ補正
・追従AFが効果的
・高倍率としては周辺減光や歪曲収差が悪くない
・60mm以下で良好なシャープネス
・高い撮影倍率- 短所:
・レンズフードが別売り
・60mm以上で画質が低下する
・開放F値が急速に大きくなる
・低照度時のAF性能が低下
・R7の高解像センサーには力不足
とのこと。
EOS R7やR10のキットレンズとして登場したAPS-C RFシステムの高倍率ズームですね。撮影距離や撮影倍率のスペックが異なるものの、基本的には「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」の光学設計を継承していると言われています。ここ最近のミラーレス用レンズとしては歪曲収差や周辺減光など後処理が簡単なカテゴリも良く補正されており、比較的扱いやすいRAWデータが得られる模様。解像性能は60mmまでが非常に良好で、それ以降ではやや低下するものの、概ね満足のいく結果が得られているようです。
私はEOS R7のキットレンズとして入手。ざっとテストしてみましたが、全体的な印象はDustin Abbott氏と大きく変わりません。最新設計の光学系ではないものの、光学性能に関して弱点と言うほどの弱点は無く、高倍率ズームに高すぎる理想を求めなければ満足のいく一本に仕上がっていると思います。敢えて言えば、レンズマウントに簡易防滴くらいは施してあっても良かったのかなと。
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