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RF100mm F2.8 L MACRO IS USMは高価だが最高のマクロレンズ

Amateur Photographerがキヤノン「RF100mm F2.8 L MACRO IS USM」のレビューを公開。100mmマクロとしては大きく重く、そして高価ですが、そのぶん高性能で機能的と評価しています。

Amateur Photographer:CANON RF 100MM F2.8L MACRO IS USM REVIEW

外観・構造:

  • 100mm前後のマクロレンズは一般的だが、キヤノンは1.4倍の撮影倍率や球面収差をコントロールできるリングを搭載している点で特徴的だ。ただし、このクラスとしては最も高価なマクロレンズとなっている。
  • レンズ構成は13群17枚だ。絞り羽根は9枚で、AF駆動にはナノUSMタイプのユニットを2基搭載している。
  • 防塵防滴構造で、前面にはフッ素コーティングが施されている。
  • フィルターは67mm径に対応している。
  • Lシリーズらしく頑丈でレンズの作りに欠点は見られない。

携帯性:

  • 全長148mm、重量730gのレンズサイズは欠点と言えるだろう。EFレンズよりも2.5cm長く、100g重い。
  • 大きなレンズだが、カメラの快適なグリップによりバランスが悪いとは感じなかった。

操作性:

  • コントロールリングはクリック付きで、カメラ側でカスタマイズが可能である。
  • フォーカスリングは滑らかに回転する。
  • SAコントロールリングはニュートラルの位置に僅かなクリックストップがあり、ここでスイッチを使いロックすることが可能だ。
  • 左手を自然に添える位置にSAコントロールリングがあり、レンズ先端のコントロールリングを操作するには左手をかなり前へ移動する必要がある。個人的には2つのリングは逆の位置が良かった。とは言え、ポートレートを撮影する人には好まれるのではないかと思う。
  • AFリミッターやAF/MFスイッチ、ISスイッチなどを搭載している。

フォーカス:

  • 最新のRF Lレンズと同じく、高速かつ正確に動作する。
  • フレームのどこにでもピントを合わせることができ、これまでのマクロレンズとは撮影方法が全く異なる。(訳注:ここでは一眼レフ時代と比較しています)
  • マニュアルフォーカスも良好だ。インジケーターこそないものの、ファインダーや背面モニタにピント距離を表示することが出来る。

手ぶれ補正:

  • 光学手ぶれ補正を搭載している。少なくとも遠くの被写体では5段分の補正効果に対応しており、ボディ内手ぶれ補正と協調することで最大8段分の補正効果が得られる。
  • 近距離では公称値通りの補正効果が得られないので注意が必要だ。
  • 実写では1/3秒のスローシャッターでもシャープで一貫した撮影が可能だった。100mmのレンズとしては本当に見事な結果である。

解像性能:

  • EOS R6ではピント位置に関係なくF2.8からフレーム端まで非常にシャープだ。
  • F16まで絞ってもシャープネスの改善はほとんどない。
  • F16で回折の影響が現れ始める。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • 記載なし。

色収差:

  • 倍率色収差・軸上色収差の兆候は見られない。

球面収差:

  • 球面収差を操作することでとても魅力的なボケを得ることが出来る。リングを左に回転すると後ボケが滑らかとなり、右に回転すると前ボケが滑らかとなる。
  • ただし、滑らかとなる反対側のボケは「シャボンボケ」効果が起こる。
  • SAコントロールリングを操作するとディテールがソフトとなる。ポートレートには適しているが、マクロ撮影にはおそらく適していない。

歪曲収差:

  • 糸巻き型の歪曲収差が少し残っているが、実写で影響はない。

周辺減光:

  • F2.8で光量落ちが目立つが、F4で劇的に改善する。
  • F5.6まで絞れば目立たない。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 記載なし。

総評

RF100mm F2.8 Lマクロ IS USMは1500ポンドの価値があるマクロレンズだ。私が使用してきたどのマクロレンズよりも総合的な能力に優れているだけでなく、ポートレート撮影にも最適な選択肢となるセンセーショナルなレンズだ。

私が本当に感銘を受けたのは、EOS R6の素晴らしいAFシステムや優れた高ISO性能との組み合わせで、他の機材では極めて困難な状況を、特に自然光だけで撮影することが出来た。手持ちでのクローズアップ撮影がとても簡単だ。

動きを止めるために高速シャッタースピードを使い、レンズを絞って被写界深度を稼ぎながら、極端なクローズアップを撮影することができた。得られた高ISO感度のRAWファイル(ISO 12,800から25,600の領域)をDxO PureRAWで処理すると、A3にプリントしても遜色のないファイルが得られる。最新のハイエンドミラーレスシステムの利点が明確に現れている。シンプルに、思い通りの写真を簡単に撮ることができるのだ。

このレンズが1500ポンドの価値があるかどうかについては、写真家それぞれが判断しなければならない。新しい機能を必要としないのであれば、マウントアダプターEF-EOS Rを介して、古いEF 100mm F2.8 Macroを使用しても、素晴らしい結果が得られる。しかし、お金を出せるのであれば、最高のレンズを手にすることが出来るだろう。

  • 長所
    ・1.4倍の撮影倍率
    ・優れた光学系
    ・非常に高速で静かなAF
    ・とても効果的な手ぶれ補正
    ・ポートレートで便利なSAコントロール
  • 短所
    ・このクラスとしては大きく重い
    ・レンズにピント距離が表示されない
    ・とても高価

とのこと。
1.4倍の高い撮影倍率に加えて球面収差のコントロールに対応した最新マクロレンズですね。16万円台とやや高価ですが、最新の光学設計と機能性を考慮すると妥当な値上がりと感じるかもしれません。少なくともAmateur Photographerのレビュワーは価格に見合う価値があると判断したようです。

EOS R5と組み合わせて使用した限りではニコンの最新マクロレンズほどカリカリシャープではないものの、確かに優れたマクロレンズに違いありません。オートフォーカスは近接時も非常に高速で、この点で言えばニコンよりも遥かに快適で優れています。
個人的にSAコントロールリングは蛇足と感じており、出来れば他の機能を搭載して欲しかったと感じています。ボケを自由にコントロールできますが、ピント面のシャープネスやコントラストに及ぼす影響が強く、気軽に使える代物ではありません。撮影距離によっても影響量が変わるので、継続的なトライ&エラーで慣れる必要があるかなと。

16万円は少し高すぎかなと感じるのですが、高速AFと効果的な手ぶれ補正は必見です。さらに癖の強いSAコントロールを自分のものにできれば、16万円は決して高くはないはず。

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