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キヤノン「RF14-35mm F4 L IS USM」は不完全ながらも刺激的なレンズ

Admiring lightがキヤノン「RF14-35mm F4 L IS USM」のレビューを公開。24-105STMのように広角端で隅がケラレたり、光量落ちが目立ったりするものの、小型軽量で刺激的な広角ズームレンズと評価しています。

Admiring light:Review: Canon RF 14-35mm f/4L IS USM

レンズの紹介:

  • キヤノンはF2.8 Lのラインアップを完成させた後、よりコンパクトなF4 Lシリーズを追加した。このレンズでF4 Lシリーズが完成する。
  • 従来の16mmから、さらに焦点距離が短い14mmまでをカバーしている。画角は確かに14mmであり、手持ちのシグマ14-24mm F2.8よりも1~2度広い。

ビルドクオリティ:

  • 14mmをカバーするレンズだが、前玉は突出しておらず、77mmフィルターに対応している。
  • ビルドクオリティはRF Lシリーズとしてお馴染みのものだ。外装はポリカーボネート製で、優れた質感を得られる。
  • レンズはしっかりと組み立てられている。
  • レンズはズーム操作で伸びるが、内筒にガタツキは見られない。
  • 防塵防滴仕様で、レンズマウントにもゴム製ガスケットが見られる。
  • プラスチックレンズフードは逆さ付けにも対応している。EFレンズのフードと異なり嵩張ることは無い。

携帯性:

  • 14mmをカバーするレンズと言えば、非常に大きいレンズとなるが、このレンズは驚くほどコンパクトで軽量だ。
  • ズーム広角端と望遠端ではレンズが少し伸びる。最も短くなるのは22mmだ。

操作性:

  • 幅広いズームリングは全域でとても滑らか、そして均質に回転する。
  • フォーカスリングは優れた抵抗感で滑らかに回転する。
  • クリック感のあるコントロールリングは各種設定を登録可能だ。

オートフォーカス:

  • ナノUSM駆動のオートフォーカスに対応している。
  • 高速かつ静かにピント合わせが可能だ。
  • 精度は良好だが、低照度ではフォーカスエリアを広げたほうが良い。
  • 全域で7.9インチまで寄ることが出来る。このため、35mm時は0.38倍の高い撮影倍率を得られる。

マニュアルフォーカス:

  • 記載なし。

手ぶれ補正:

  • レンズのみで5.5段、ボディと組み合わせることで7段の補正効果が得られる。
  • 実際に14mmなら1~2秒の撮影が可能だ。

解像性能:

  • ズーム全域でシャープなレンズだ。
  • 広角側は絞り開放から75~80%の領域で優れたシャープネスを発揮する。フレーム端はソフトだが、F8~F11まで絞ると良好な水準となる。ただし、非点収差の影響で隅が少しソフトだ。
  • 最高の14mmと比べると、フレーム3/4で有利だが、隅だけは少し見劣りする。
  • 20?30mmでは改善し、絞り開放から大部分で良好なシャープネスが得られる。
  • 35mmの中央は他の焦点距離よりも少しソフトだが、絞ると全体的にシャープとなる。
  • 接写時は少しソフトになるので、1?2段絞るのがおススメだ。

像面湾曲:

  • 記載なし。

ボケ:

  • ボケを大きくできるレンズではないが、優れた接写性能を活かせば可能である。
  • ボケは心地よく、玉ボケは滑らかで均質だ。

色収差:

  • 広角側で倍率色収差がかなり残存しているが、補正で簡単に修正できる。

球面収差:

  • 非常に優れたコントラストだが、接写時に球面収差によるコントラスト低下が見られる。

歪曲収差:

  • RF24-105mm STMと同じく、歪曲収差がかなり残っている。14mmは未補正の状態だと、隅がケラレている。
  • 15mmも同じ傾向だが、16mmは軽度?中程度まで緩和し、ケラレが無くなる。
  • 20mmまで樽型歪曲で、24mmから35mmでは糸巻き型歪曲へと変化する。

周辺減光:

  • 14?20mmでは光量落ちが改善しないので補正必須だ。
  • 24~35mmは絞ることで改善する。

コマ収差:

  • 記載なし。

逆光耐性:

  • 逆光耐性は平凡だが良好な性能だ。

総評

RF14-35mm F4L IS USMは、非常に難しいレンズだ。
超広角14mmから35mmまでの優れたズームレンジ、標準的なフロントフィルターに対応、超小型・軽量、手ブレ補正、優れた近接撮影能力など、このレンズは超広角ズームとしてのポイントをほぼすべて満たしている。

しかし、このような素晴らしい点がある一方で、いくつかの注意点もある。最も大きなポイントは価格だ。ニコンZ 14-30mm F4よりも400ドル、キヤノンEF16-35mm F4Lよりも600ドル、シグマのEFマウント14-24mm F2.8よりも300ドルも高い。しかし、ソニーFE12-24mm F4と同じ価格であり、12mmほど広角ではないものの、望遠端がより長く、フロントフィルターを装着することも可能だ。

また、このレンズにはフレーム端の柔らかさ、広角端での大きな歪曲、全体的にかなり高い周辺光量落ちが見られ、1,700ドルという価格では少し受け入れがたいものがある。

とはいえ、私はこのレンズでの撮影をとても楽しめた。シグマ14-24mmのように周辺部がシャープになるわけではないが、圧倒的に軽く、ハイキングに持っていくのにも便利なレンズだ。すでに持っている77mmのフィルターも使えるし、14mmから35mmまでのレンズがあるというのは、非常に汎用性が高い。また、正直なところ、端や隅がわずかにソフトになったからといって、大きなサイズのプリント以外では、最終的結果に目立った違いが出ることはまずない。

結局のところ、価格が高く、いくつか光学的な問題があるにもかかわらず、このレンズは非常に魅力的だ。個人的にはシグマ14-24mmを使い続けるつもりだが、テスト期間中、14-35mmに誘惑されたこともあったのは事実だ。不完全ながらも刺激的なレンズであり、多くの写真家にとって性能と利便性のバランスが取れたレンズだと思う。

  • 長所
    ・良好なビルドクオリティ
    ・小型軽量
    ・高速かつ静かなAF
    ・接写性能
    ・手ぶれ補正
    ・全体的にシャープ
    ・優れた色とコントラスト
    ・軸上色収差の補正
    ・77mmフィルター対応
  • 短所
    ・14mmの大きな歪曲
    ・倍率色収差
    ・ズーム全域での光量落ち
    ・広角端での端や隅の画質
    ・逆光耐性
    ・高価

とのこと。
小型軽量な超広角ズームレンズで14mmの画角には代償が付いてくるようです。とは言え、レンズ補正で最適化することで、実用的な画質となるみたいですね。フレーム端や隅が甘いのは強めの補正がかかっているからでしょうか?24-105mm STMのように隅がケラレるのはショッキングであり、レンズプロファイル必須となるのでRAWの取り扱いは難しそうです。価格を考慮すると悩ましい結果ですが、あくまでも小型軽量を重視するのであれば面白い選択肢となるかもしれませんね。

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