RF14-35mm F4 L IS USMは素晴らしいレンズだが気になる欠点もある

Phototrendがキヤノン「RF14-35mm F4 L IS USM」のレビューを公開。優れた解像性能や高速AFを評価しつつ、巨大な歪曲収差やズーム端でレンズが伸びる欠点などを指摘しています。

Phototrend：Test Canon RF 14-35 mm f/4 L IS USM : un excellent zoom ultra grand-angle mais pas sans défaut

外観：レンズフードが浅いため保護としての役割は薄い。

構造：お馴染みのプラスチック外装で良好な仕上がり。防塵防滴。

携帯性：最も短くなるのは21mm。広角や望遠端では内筒が伸びる。外装を伸ばしてインナーズームにしてほしかった。

操作性：良好な操作性だが冬場はフォーカスリングが狭く感じる。AF/MFとISスイッチを見ないで識別することは難しい。

AF：高速で静か。

MF：フォーカスブリージングがまったく目立たない。

手ぶれ補正：効果的な光学手振れ補正。

解像性能：14mmはF4から全域でシャープ。中間域がスウィートスポット。35mmは見劣りするが、それでも満足のいく画質。F8まで絞ると均質性が高まる。

像面湾曲：記載なし。

ボケ：35mmの接写時に柔らかいボケが得られる。

軸上色収差：記載なし。

倍率色収差：記載なし。

球面収差：記載なし。

歪曲収差：14~18mmでは高レベルの樽型歪曲で補正必須。

周辺減光：14mmで目立つ。補正時にノイズが増加。

コマ収差：記載なし。

逆光耐性：優れたパフォーマンス。

光条：記載なし。

作例集：リサイズのみ。

総評：14mm始まりで、とても素晴らしいレンズだが、F4広角ズームとしては価格が高すぎる。良好なシャープネスは見事だが、高級レンズとして歪曲収差や周辺減光が極端なのは受け入れがたい。

競合について：EF16-35mm F4L IS USMは画角こそ狭いが、手ごろな価格で高性能だ。RF15-30mmは最も安価に入手できる広角ズームだが逆光耐性が低く、防塵防滴には非対応、平凡なシャープネス。

備考：

とのこと。
従来のF4ズームと異なり、14mm始まりの便利なズームレンジとなっているのが特徴のミラーレス用レンズですね。ただし、いくつものレビューサイトで指摘されているように、歪曲収差や周辺減光は補正必須となっている模様。特に歪曲は手動補正が難しい複雑な歪みとなっているので、プロファイルによる補正が重要です。古い現像ソフトを使う際は気を付けたほうが良いかもしれません。また、14mmや35mmで全長が伸びてしまうのも地味に厄介。鏡筒を少し長くしてでもインナーズームのようなデザインが良かったと感じる人も多いことでしょう。

F4ズームとしては驚くほど高価ですが、14mmを利用可能であること、にも関わらず円形フィルターを使用できること、さらに光学手ぶれ補正を搭載すること、などを考慮すると面白い選択肢。とは言え、Phototrendが言及しているように、「RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM」や「EF16-35mmF4L IS USM」も検討する価値がありそうですね。

キヤノン「RF14-35mm F4 L IS USM」交換レンズデータベース