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CAMERA LABSが中一光学の交換レンズ「SPEEDMASTER 50mm F0.95 III」のレビューを掲載しています。
- 依然として電子接点に対応していないフルマニュアルレンズだ。F0.95の浅い被写界深度と組み合わさり、動体撮影は非常に難しい。ただし、これに我慢できるのであれば、F1.0を切るレンズとしては最も安価な選択肢だ。
- アダプター経由で使用する必要のある「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」や「Otus 1.4/55」と比べ、ミラーレス専用設計の本レンズはコンパクトさで有利である。
- 793gのレンズ重量は総金属製の外装を考慮すると許容範囲内だ。
- 光学手ぶれ補正を備えていないが、Zカメラは5軸ボディ内手ぶれ補正を利用できる。
- マニュアルフォーカスリングのストロークは320度と長く、正確なマニュアルフォーカスが可能だ。ツアイスOtusはこれより短い250度のストロークとなっている。
- ミラーレス用なので、ライブビューで拡大しながらのピント合わせが可能だ。しかし、「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」と違って細部がシャープでは無いため拡大してもピント合わせが難しい。特に像の甘い四隅で苦労する。
- フォーカスブリージングが非常に大きく動画ユーザーはがっかりすると思う。
- 絞りリングにクリック機構は無い無段階の操作性となっている。フォーカスリングと感触が似ているので誤って操作する可能性がある。
- 軸上色収差は前景に目立つ青色の色づきが発生する。F1.4からF2.0まで絞った時のフォーカスシフトも目に付く。
- 「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」と絞り開放のシャープネスを比較すると、遥かに見劣りすることが分かる。価格の差を考えると驚くべきことでは無い。
- F1.4まで絞ると「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」より中央はシャープだが、「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」や「Otus 1.4/55」よりも劣っている。また、APS-C領域や四隅は遥かに劣っている。
- F2まで絞るとAPS-C領域の四隅はシャープになり始め、F2.8でかなり良くなる。絞るごとに良くなり、F8でとても均質なシャープネスを実現する。
- 遠景実写において、中央はF0.95からシャープだが、ハロと色付きが目立つ。そしてAPS-C領域から外側がソフトである。F1.4まで絞るとハロが大きく緩和し、58mm F1.4Gよりシャープとなる。しかし、中央の外側は競合レンズと比べて最もソフトなままだ。
- F2まで絞ると中央がとてもシャープになり、F4まで絞ればAPS-C領域までシャープとなる。フルサイズ四隅はF5.6まで絞ればほぼ実用的な画質だ。
- 周辺減光はF2まで絞ると無視できる程度の減光となる。
- 光透過率は「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」と比べて半段ほど劣る。
- 歪曲収差は目に見える樽型歪曲が発生している。しかし、Adobe Lightroomのレンズプロファイルでかなり補正できる。
- 点光源で古典的なコマフレアが発生する。Z 58mm F0.95やOtusはこのカテゴリで遥かに優れた補正状態だ。さらに、このレンズは点光源に色付くハロが顕著である。
- 球面収差の補正不足で玉ボケがとても柔らかい描写となっている。玉ボケ内側の描写はほとんど問題無い。口径食の影響はニコンやツアイスよりも穏やかだ。
- Noctと比べて遥かに騒がしい前景だ。後ボケもやや見劣りする。
- ポートレートの実写でもNoctの美しい描写が際立っている。このレンズはソフト過ぎて背景から浮き出るような描写とはならない。
- 逆光時はレンズフレアが発生しやすい。
- 円形絞りでは無いのでF2.8でも光条が発生する。
- NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noctとの比較:
並外れた光学設計のレンズだ。これまで見てきた中で最高のボケを実現している。マニュアルフォーカスレンズだが、電子接点に対応しているので自動露出を利用可能だ。さらに防塵防滴・フッ素コーティング・コントロールリングなど機能面も充実している。非常に高価で2倍以上の重量だが、強くおススメできるレンズだ。- AF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gとの比較:
このレンズと同じく四隅はあまりシャープと言えず、前ボケもあまり褒められた描写ではない。ただし後ボケはこのレンズ以上に滑らかだ。軽量でオートフォーカスを利用できる点も考慮したい。- Otus 1.4/55との比較:
優れたパフォーマンスのレンズだ。ビルドクオリティが優れており、特にシルクのように滑らかなフォーカスリングは他を圧倒する。光学性能は本レンズより遥かに優れており、ハロやフォーカスリングが少ない。さらに電子接点にも対応している。ただし、開放F値はF1.4となり、後ボケのコストパフォーマンスに限って言えば遥かに高くつく。F0.95のレンズとしては最も安く、3マウントで利用可能となるニッチなレンズだ。ニコンやライカよりも遥かに安価だが、光透過率はNoctより半段劣り、コマ収差や非点収差・球面収差や逆光耐性などマイナス面が多い。さらに電子接点の無いフルマニュアルレンズでピント面が甘いことからフォーカシングも難しい。
それでも、同価格帯にF0.95の競合レンズは存在しない。このような外観のレンズを楽しむことができるならおススメできる。
長所:F0.95・3マウントに対応・比較的安い・滑らかな後ボケ玉ボケ・補正しやすい歪曲収差・このようなレンズとしては周辺減光が少ない
短所:光透過率が予想より悪い・絞り開放の描写がソフトで色付きも目立つ・強いコマ収差・絞り羽根の形状で玉ボケが角ばりやすい・逆光耐性・防塵防滴非対応・ソフトな描写でピント合わせが難しい・電子接点なし・フォーカスブリージング
CAMERA LABS:Zhongyi Mitakon Speedmaster 50mm f0.95 III review
とのこと。
なかなか癖の強いレンズとなっていますが、3マウントで利用できるF0.95大口径レンズとして貴重な選択肢のようですね。このレンズの価格を考慮すると、もう少しバランスの良いF1.4・F1.8レンズを手に入れる選択も検討する必要はありそうですが…。特にソニーEマウントはコシナ「Voigtländer NOKTON 50mm F1.2 Aspherical E-mount」のほうが使いやすそう(比較して少し高いですが)。
キヤノンRFやニコンZマウントは競合するレンズが「RF50mm F1.2L USM」や「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」など非常に高い。他に同クラスの明るいレンズが存在しないので、本レンズが面白い選択肢となるかもしれません。
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