Phototrendが富士フイルム「XF16-80mm F4 R OIS WR」のレビューを公開。望遠端の解像性能が甘いと指摘するものの、汎用性・機能性の高い標準ズームレンズとして評価している模様。
Phototrend:TEST FUJINON XF 16-80 MM F/4 R OIS WR : UNE BELLE LEÇON D’ÉQUILIBRE
レンズの紹介:
- 2019年7月に登場した新型標準ズームレンズだ。
- 強力な手ぶれ補正、静かで高速なAF、幅広いズームレンジ、防塵防滴に対応している。
ビルドクオリティ:
- フルサイズ判換算で24-122mmに相当するズームレンズだ。絞り開放F値がF4固定のズームレンズとしては柔軟性が高い。
- 外装はポリカーボネート製だ。一部レンズのようにプラスチッキーではなく、しっかりとした作りである。
- レンズフードは本体にしっかりと固定できる。コンパクトで目立たないサイズだ。
携帯性:
- F4ズームレンズとしてはコンパクトサイズだ。
- 重量は440gである。XF18-55mmF2.8-4とXF16-55mmF2.8のちょうど間に位置する。
- X-T3との組み合わせでシステム重量はわずか979gである。
操作性:
- 手ぶれ補正やAF/MF切替ようのスイッチが無い。
- ズームリングのロック機構が無いのは残念だ。しかし、ズームリングの抵抗感は良好である。ハイキング時に鏡筒が伸びていることはあった。
- ズームリングのストロークは約45度だ。
- 絞りリングは適切な剛性で回転する。
- フォーカスリングはバイワイヤで動作する。操作には慣れが必要だ。
オートフォーカス:
- ステッピングモーター駆動のAFはとても静かだ。
- パフォーマンスは同社のリニアモーター駆動とよく似ている。
- フォーカスブリージングは少ないが、ズーム操作でピント位置がずれる。
- F4ズームながら、低照度でも被写体に十分なコントラストがあればAFが動作する。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- レンズに搭載されている光学手ぶれ補正は優れている。
- 手ぶれ補正のスイッチは無いが、三脚に搭載されたことを自動的に検知して補正がオフになる。
- 手持ち撮影で16mm 1.3秒、80mm 1/2秒で撮影することが出来た。
解像性能:
- 焦点距離に関わらずF4からとても良好だ。F5.6-F8まで絞っても改善しない。
- 16mmのフレーム端は素晴らしい画質ではないがきちんとしている。これは歪曲補正を修正することによる画質低下があるように見える。F11以降で回折の影響がある以外に画質の変化は見られない。
- 22-50mmのズームレンジにおける画質は安定している。中央はF4から優れ、隅はF5.6からF8でとても均質的だ。F11以降は回折の影響を受ける。
- 80mmではコントラストが低下し、色収差が目に付く。中央は僅かに解像度が低下し、フレーム端はとてもソフトだ。絞ってもフレーム端はあまり改善しない。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 80mmのシャープネスはあまり良くないが、ボケは良好だ。
色収差:
- 50mmまでは色収差が適切に補正されている。
- 80mmの絞り開放で色収差が目に付く。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 自動補正により目立つ歪曲収差は見られない。
周辺減光:
- 記載なし。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- 逆光耐性は良好だ。フレアが発生するのは稀である。
総評
旅行やハイキングに適したズームレンズだ。強力な手ぶれ補正を考慮するとビデオグラファーにとっても手堅いレンズである。
APS-CのF4ズームは低照度で動く被写体を撮影するには理想的なレンズとは言えない。そして広角端や望遠端における画質の均質性欠如はプロフェッショナル向けと言えないだろう。それでも多くの富士フイルムユーザーがこのレンズを手に取るのを容易に想像できる。
このレンズは汎用性が高く、光学性能は満足のいくものだ。撮影した結果にがっかりすることは滅多にない。手ぶれ補正や防塵防滴仕様など実用的な機能を備え、様々なシチュエーションに対応できる。さらにレンズサイズや携帯性を考慮すると一部の欠点は妥協できる。
- 長所:
・幅広いズームレンジ
・重量
・防塵防滴
・F4
・優れた性能のAF
・効果的な手ぶれ補正
・魅力的な価格(カメラのキットレンズとして)- 短所:
・広角端と望遠端の画質が均質的ではない
・55-80mmにおける画質が低下
・F4は低照度での撮影に適していない
・単独で購入する場合は高価
とのこと。
他のレビューサイトでも指摘されているように望遠端の解像性能はパッとしないものの、それ以外で特に大きな問題点は無さそうですね。望遠側は絞っても画質が改善しないのは残念ですが、そのぶんボケは滑らかで綺麗な描写となっている模様。手ぶれ補正の効き目が良いので動体以外ならば低照度やスローシャッターを使った撮影がしやすいのは強みと言えるかもしれません。Phototrendのレビューでは言及していませんが、望遠端で0.25倍(フルサイズ判換算で0.375倍)の高い撮影倍率も魅力的。
2019年に登場した本レンズは既に多くのユーザーが存在し、Flickrの専用ページには5千点に近いユーザー投稿が公開されています。様々なシチュエーションにおける写真が掲載されているので参考となることでしょう。
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