Lenstipがフジフイルムの交換レンズ「XF16mmF2.8 R WR」のレビューを掲載しています。
- フィリピン製のレンズである。
- 後玉は固定され動かない。
- 12mmの絞リングは(従来のフジノンレンズの絞りリングを考慮すると)完璧だ。1/3ステップでとても正確に操作できる。
- 9mm幅のフォーカスリングはフォーカスバイワイヤ構造である。被写界深度指標は無い。
- 解像度
・X-T2のRAWファイルを元に解析している。
・良像の基準値は44-45lpmmだ。
・最高の単焦点で80lpmmに達している。例えばXF50mm F2で83lpmmである。
・中央領域はとても素晴らしいパフォーマンスとしか説明できない。絞り開放から既に良像の基準値を超える60lpmmだ。F4まで絞るとピークの77lpmmに達する本当に見事な性能だ。
・後玉がセンサーに近いミラーレス用広角レンズはフレーム隅が問題となることが多い。このレンズも例外では無く、絞り開放付近で特に大きく良像の基準値を下回る。
・四隅が改善するのはF3.5以降で55lpmmのきちんとした性能を維持するのはF5.6-F8だけだ。これは中央領域と比べて15?20lpmmほど低い。
・XF16mm F1.4とはテストしたカメラが異なるので直接比較は出来ない。しかし、XF16mm F2.8は恥ずべき性能では無く、XF16mm F1.4と同様に良好なパフォーマンスだ。- 軸上色収差は僅かに色づきが見られるものの厄介なものではない。
- 倍率色収差は0.05%と一定の数値を維持している。
- 球面収差の影響は見られない。
- フジノンレンズの歪曲収差は光学的に補正していることがあれば、ソフトウェア補正に依存している場合もある。このようなパンケーキレンズがソフトウェア補正であるのは自明の理だ。とは言え、ある程度の歪曲補正を依存しているのだろうと思っていたが、RAWファイルでは-7.73%と巨大な樽型歪曲となった。巨大な歪曲収差を補正し、「2400万画素に戻す処理」で画素補完があるのは考えるまでもない。
- コマ収差は絞り開放で目に付くが、F4まで絞ると目立たなくなる。
- 玉ボケは特に見事な描写では無いが、レンズのスペックを考慮すると予想通りだ。2枚の非球面レンズが玉ねぎボケの原因となっている。
- 周辺減光はRAWの絞り開放で-1.87EVと強い。F4で-1.04EVまで低下し、F5.6で-0.64EVとなる。
- 逆光耐性は絞り開放付近を使う限り問題とはならないはずだ。絞ると少し悪化するものの、それでも悪い結果では無い。16mmの画角を考慮すると本当にしっかりとした逆光耐性だ。
- X-T2と組み合わせた時、オートフォーカスは高速で効果的、そしてほぼノイズフリーだ。ピント距離全域を約0.2?0.3秒で移動する素晴らしい結果だ。スタジオテストや屋外での実写において、全く問題は見当たらなかった。
長所:見栄えが良くしっかりとした防塵防滴鏡筒・優れた中央画質・僅かな軸上色収差・低倍率色収差・球面収差の問題無し・しっかりとした逆光耐性・静かで正確で高速なAF
短所:絞り開放のコマ収差が少し大きすぎる・RAWの歪曲が巨大・RAWの周辺減光が強い
テスト結果を考慮すると、XF16mm F2.8 R WRはとてもしっかりとしたレンズであり、400ドルと低価格で多くのファンを獲得するだろう。しかし、絞り開放付近の解像性能は単焦点レンズとして期待に応えるものでは無かった。
とのこと。
私もX-T30と組み合わせてレビューしましたが、大部分は同意見です。風景シーンで開放四隅が甘いとは感じませんが、解像性能を重視する人からすると「シャキッとしない写り」と感じるかもしれません。コマ収差はそこまで目立つとは思いませんが、イルミネーションのような強い点光源がある場合は少し絞ったほうが良さそうです。AFは確かに高速。XF35mmやXF50mmのようなフォーカスブリージングが発生しないので、XF23mmと同じように滑らかで快適なAF性能と言えるでしょう。
歪曲収差は確かに巨大ですが、Adobe Lightroomや純正ソフトならRAWに格納されているレンズプロファイルで自動的に最適な補正が適用されるので問題なし。その分四隅の解像感を損ないますが、そのあたりはコンパクトな16mmで妥協するポイントのはず。
コンパクトな16mmが欲しい場合は面白い選択肢ですが、単純に広角域が使いたいだけであれば「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」と言った選択肢を検討してみるのが良いかも。
XF16mmF2.8 R WRのレビュー・作例を集めているページはコチラ
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