PhotographyBlogが富士フイルム「XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR」のレビューを公開。外装がプラスチック製で、AFも100-400mmほど速くないと指摘していますが、全体的には満足のいく性能と評価しています。
PhotographyBlog:Fujifilm XF 70-300mm F4-5.6 R LM OIS WR Review
レンズの紹介:
- 富士フイルムXシリーズ向けの小型軽量で防塵防滴仕様の超望遠ズームレンズだ。
- フルサイズ換算で107-457mmの焦点距離をカバーしている。さらにテレコンバージョンレンズを装着することで、214-914mmまで拡張可能だ。ただし2段分の減光がある。
- 12群17枚のレンズ構成には1枚の非球面レンズと2枚のEDレンズを使用している。
- オートフォーカスにはリニアモーターを使用し、最短撮影距離は0.83m、最大撮影倍率は0.33倍だ。
- 希望小売価格は799ドルである。
ビルドクオリティ:
- レンズ鏡筒は金属製ではなく、重量を抑えるために高品質なプラスチックを使用している。
- 全体的なビルドクオリティは「Excellent」ではないが「Good」である。
- 防塵防滴仕様に加えてマイナス10℃までの耐寒仕様だ。
- プラスチック製レンズフードと布製レンズポートが付属する。
携帯性:
- この焦点距離としては非常にコンパクトで軽量だ。
- 重量はわずか580g、全長は70mmで132.5mmだ。
- ズームアウトすると205mmまでレンズが伸びる。
- 小型なX-S10と組み合わせた際のバランスも良好だ。
操作性:
- 幅広いゴム製ズームリングと比較的狭いフォーカスリングを搭載している。
- どちらも滑らかに回転する。
- ズームリングの自重落下に問題なく、70mmでのズームロックスイッチも利用できる。
- ズームロックスイッチは手動で解除するか、リングをを回転させることで解除することも可能だ。
- 従来の絞りリングを搭載しており、1/3段ごとに動作する。絞り値の表示はないが、良好な減衰性とクリック感で操作できる。
- 三脚リングには非対応だ。レンズは軽量で手ぶれ補正も搭載しているので問題無いと思うが、三脚リングに対応していないのは残念だ。
オートフォーカス:
- フォーカスリミッターにより「0.83-∞」「5m-∞」を切り替えることが可能だ。
- リニアモーター駆動のAFは非常に静かで十分高速だ。ただし、低照度ではスピードが遅くなり、少しハンチングする傾向が見られた。
マニュアルフォーカス:
- 記載なし。
手ぶれ補正:
- 5.5段分の光学手ぶれ補正を搭載している。
- レンズにスイッチが無いため、切り替えるにはカメラ側での設定が必要だ。
解像性能:
- 70mm:中央はF4でも優れたシャープネスだ。F16で回折の影響により少しソフトとなり、F22で顕著にソフトとなる。端は中央ほどシャープでは無いが、F5.6?F11で最適な結果を得ることが可能だ。
- 100mm:中央はF4.5でも優れたシャープネスだ。F16で回折の影響により少しソフトとなり、F22で顕著にソフトとなる。端は中央ほどシャープでは無いが、F5.6?F11で最適な結果を得ることが可能だ。
- 135mm:中央はF5.0でも優れたシャープネスだ。F16で回折の影響により少しソフトとなり、F22で顕著にソフトとなる。端は中央ほどシャープでは無いが、F5.6?F11で最適な結果を得ることが可能だ。
- 200mm:中央はF5.0でも優れたシャープネスだ。F16で回折の影響により少しソフトとなり、F22で顕著にソフトとなる。端は中央ほどシャープでは無いが、F5.6?F11で最適な結果を得ることが可能だ。
- 300mm:中央はF5.6でも優れたシャープネスだ。F16で回折の影響により少しソフトとなり、F22で顕著にソフトとなる。端は中央ほどシャープでは無いが、F8?F11で最適な結果を得ることが可能だ。
像面湾曲:
- 記載なし。
ボケ:
- 作例のみ。
色収差:
- 十分に補正され、非常に高いコントラストでのみ色収差を確認できる。
球面収差:
- 記載なし。
歪曲収差:
- 全体的に糸巻き型歪曲はほとんど見られない。
周辺減光:
- 70mmと300mmの絞り開放で僅かな光量落ちが見られる。
- 通常は目立たないが、白い壁を撮影すると目立つ。
- 全体的に数段絞ると問題無い。
コマ収差:
- 記載なし。
逆光耐性:
- F22まで絞ると素敵な光条が発生する。
- レンズフード装着時でも太陽をフレームに入れるとフレアが発生しやすくなる。
総評
- XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRは焦点距離と価格の点で、短くて安価な55-200mmと、長くて高価なXF100-400mmの間に位置する、理にかなったレンズだ。
- 一日中持ち歩けるほど軽量でコンパクトでありながら、ズームと絞りの全域で優れた光学性能を実現している。
- より高価なXF100-400mmと同じレベルの耐候性を備えており、この価格帯では珍しく、1.4倍および2倍のテレコンバーターに完全対応している。
- 2xコンバーターを追加することで、最大914mmという驚異的な望遠域が得られ、ほとんどの被写体に十分な対応が可能となる。ただし、2段分の明るさが犠牲になり、914mmでの開放F値はF11だ。
- XF 55-200mmがどちらのテレコンバーターにも対応していないことも、70-300mmを検討する理由のひとつとなる。
- しかし、このレンズにはいくつかの注意点がある。OISシステムと軽量のため三脚座に対応していない。ほとんどの場合は問題ないが、すべてのユーザーや用途に合うとは限らない。
- また、軽量化と低価格化を追求するため、外装はプラスチック構造だ。これまで見てきたフジレンズの中では、ビルドクオリティで見劣りする。
- オートフォーカスシステムは、デュアルリニアAFモーターを搭載しているXF100-400mmほど機敏ではなく、低光量でも優れているとは言えない。しかし、批判するほどの問題点でもない。
全体的に見て、70-300mmは、軽量・コンパクトな超望遠ズームレンズとしての条件を満たしており、ほぼすべての設定で素晴らしい結果が得られ、価格も手ごろだ。倍率の高いレンズを探しているXユーザーにとって、このレンズは満足のいく選択肢となるだろう。強くお勧めできる。
とのこと。
富士フイルムXマウント用のXFシリーズとしては3本目となる望遠ズームレンズですね。フルサイズではメジャーな「100-400mm」の画角をカバーしており、様々な用途での活躍が期待できます。光学性能は全体的に良好で、特に中央領域はズームレンジ全域で安定した結果を得ることができる模様。
APS-C用ズームレンズとしては少し高価ですが、XF100-400mmと比べると半値でお買い得。さらに競合他社にはない防塵防滴仕様とテレコンバージョンレンズとの互換性を考えると面白い選択肢ですね。
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