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Z 9は一人の被写体を撮るには本当に素晴らしいカメラ

Digital Camera Worldがニコン「Z 9」のレビューを公開。AFはα1やR3と比較して厳しい部分があると指摘しつつも、最も高性能なオールラウンドカメラと高く評価しています。

Digital Camera World:Hands on: Nikon Z9 review

ビルド・外観

  • 外観はD6と非常によく似ている。小型軽量だがプロのデジタル一眼レフカメラ・ユーザーが慣れ親しんでいる、縦にも横にも快適に撮影できる深いグリップと、必須操作部が特徴だ。
  • 頑丈なマグネシウム合金製のシャーシを中心に、極限の温度、湿度、埃に耐える防塵防滴を採用し、-10℃までの温度で動作する。
  • ニコンによると、D6よりも頑丈にできていると述べている。
  • メカニカルシャッターがないため、故障の原因となる可動部がない(使い込んでシャッター数が増える心配がない)。
  • 物理的なシャッターは無いが、レンズ交換時にカメラの電源を切るとセンサーを覆うブラインドが内蔵されており、ホコリの侵入からセンサーを保護することができる。

バッテリー

  • ライバル機種と比べても、バッテリーの消耗が少ないのも特徴だ。7,000フレーム以上の撮影を行い、8K 30pの動画を大量に撮影したが、電源を切った時点でバッテリーは75%をわずかに下回っただけだ。そのスタミナには目を見張るものがある。

インターフェース

  • カードスロットはCFExpress Type B(またはXQD)を二つ搭載している。
  • イーサネットを内蔵しており、FTPサーバーに直接画像を高速転送することが可能だ。
  • 有線接続ができない場合、カメラ内のWi-Fi FTP(別途送信機不要)や、USB-Cによる5Gスマートフォン接続が可能である。
  • すべての接続オプションは、1つのメニュータブで制御できるようになった。

携帯性

  • D6よりも20%小さく、10%軽くなっている。

グリップ

  • 記載なし。

操作性

  • プロ用一眼レフのようなレリーズモードダイヤルや、専用のAFモードボタンなど、注目すべき操作系を搭載している。
  • カスタマイズ可能なFnボタンが4つ以上ある。
  • 低照度撮影時には11個のキーボタンが点灯する(オフにすることも可能)。
  • iメニューとISOボタンは、縦位置撮影時でもアクセス可能だ。

手ぶれ補正

  • 記載なし。

ファインダー

  • 電子ビューファインダーは、センサーから専用に読み出されるため、ブラックアウトフリーで撮影可能だ。再設計されたオートフォーカスシステムとの組み合わせで、チャンスを決して逃さない。
  • ファインダーを覗いたときの明るさは世界最高水準の3000nitsで、残像や黒つぶれもなく、Z 7/6シリーズと同じ369万ドットの表示を実現している。

モニター

訳注:DCWはレビューサイトとしては動画撮影を重視しています。その結果、チルトモニタはあまり好みでは無さそうですね、

  • 背面液晶は水平・垂直方向に90°傾けることができる2軸チルトを採用し、水平・垂直の両方で撮影しながらハイ・ローアングル撮影が可能だ。縦長コンテンツを撮影する際に便利である。
  • また、カメラを縦に構えたときに情報表示部が回転するようになり、画面内の情報を見やすくなった。
  • とはいえ、この不思議で手間のかかるデザインはあまり好きではない。ペラペラとは言わないが、確かな堅牢性は感じないし、縦位置撮影のために画面を反転させるのも、素早くはできない。我々としてはバリアングルモニタが良かった。
  • 液晶の解像度も、EOS R3の410万ドットの半分だ。

メニューシステム

  • 記載なし。

フォーカスシステム

  • 新システムは機械学習したAFシステムを搭載し、人間の瞳・顔・頭・上半身、動物の目・頭・体、車・飛行機・電車・バイクの9種類の被写体を同時に認識することが可能だ。
  • AFポイントはZ 7IIと同じ493点だが、オートエリアAFは5倍の405点で、EOS R3の4,779点と比べると見劣りするが、その分、AFの精度が上がっている。
  • しかし、一人の被写体を撮るには本当に素晴らしいカメラだが、フレーム内に複数の人がいる場合は苦戦する。
  • 例えば、バスケットボール選手が360°ダンクシュートを決めると、フォーカスが選手から離れ、遠くのベンチに座っている観客の目に移動してしまう。
  • この問題は、ビデオモードでも深刻だ。静止画撮影では全体的に良好だが、動画撮影では、特に前方を他の人が横切ったときに、被写体ごとにピントが合わないことが多く、どこにピントを合わせればいいのか、どこに主役の座があるのかという「勘」が狂ってしまうことがある。
  • D6のコントラスト検出方式のAFとは雲泥の差だ。
  • フレーム内に小さな被写体があっても、瞳を検出する能力が信じられないほど高い。検出能力は驚異的だ。

連写性能

  • メカニカルシャッターを廃し、電子シャッターで最高1/32,000秒まで対応している。
  • 圧倒的な読み出し速度を実現した積層型センサーを使用しているので、ローリングシャッター現象をほぼ皆無にすることができる。4570万画素の解像性能を考慮すると驚くべき性能だ。
  • ただし、電子シャッターはバンディングが発生しやすいため、人工照明下などではメカニカルシャッターを搭載していないことが問題になる場合がある。
  • 120fpsの連続撮影速度は、文字通り見事なスピードだが、出力は1100万画素のJPEGに限定される(画角はフルサイズだ)。
  • RAW出力の場合は20fpsに制限される。それでも非常に素晴らしいスピードだが、α1とR3は共に30fpsでRAWに対応している。(ただしα1の30fpsは圧縮RAWのみ)
  • CFexpress Type Bのカードスロットを2基搭載し、大容量のデータをボトルネックなく処理することが可能だ。
  • Z 9のバッファーは連続撮影で1,000枚以上の画像を記録することができ、ニコンの社内テストでは5,000枚の画像を記録することができたと述べている(特にデルキンデバイス社のCFexpressカードを使用した場合、最高のパフォーマンス)。

解像性能:

  • 4570万画素のZ 9は、ライバルであるEOS R3や、デジタル一眼レフカメラD6を大きく上回る解像度を実現している。
  • しかし、ソニーα1の5010万画素センサーは高感度域でトップの解像性能を発揮する。

高感度ISOノイズ

  • 低照度下でも優れた性能を発揮し、常用ISO 64-25600(ISO32-102,400に拡張可能)の感度とあいまって、圧倒的な低照度性能を実現している。
  • EOS R3はISO100-102,400(ISO50-204,800まで拡張可能)の感度を備えている。
  • 高画素化は、画像ノイズを増加させる可能性がある。その結果、画素数の多いZ 9とソニーα1のノイズレベルはほぼ同じで、2410万画素のEOS R3は、かなりきれいな画質だった。

ダイナミックレンジ

  • Z 9は低感度でEOS R3と同等、ISO3200以上ではキヤノンがやや広いダイナミックレンジで撮影できる。
  • 少なくともISO 6400以下の感度では、D6よりも明らかに優れている。

画質・仕上がり機能

  • 記載なし。

動画

  • α1とR5は30pの8K動画に限定されており、どちらもかなり厳しい時間制限がかけられている。
  • Z 9は8K60pという驚異的な撮影が可能だ。60pは「2022年」のファームウェアアップデートで提供される予定だが、8K 30pは最大125分と、ライバル機種よりかなり長い時間維持できるとニコンが発表している。
  • 最大120fpsの4Kを24bit PCMで、さまざまなコーデックで収録することができる。8bitまたは10bit H.265、10bit Apple ProRes 4:2:2 HQ、12bit カメラ内ProRes RAW HQ(後者は、2022ファームウェアを使用)にも対応している。
  • 標準的な4K解像度ではローリングシャッターはほとんど問題にならない。
  • しかし、8Kやオーバーサンプリングした4Kで撮影すると、読み出し速度が遅くなり、歪み効果がより顕著になる。
  • 動画撮影の限界に挑戦してみたが、カメラをオーバーヒートさせることは全くできなかった。
  • 4K 120pと8K 30pを最も厳しいビットレートで何度も撮影し、1回の撮影で2時間半を優に超える時間を記録したが、Z 9は微動だにしなかった。
  • 主要な動画スペックである8K 60pとProRes Rawが発売時に利用できないのは、許しがたい。ゲーム業界では、未完成のタイトルがフルプライスで発売され、宣伝通りの機能を発揮するためにパッチ(ファームウェアのアップデートに相当)が必要になるという傾向が見られるが、それに近い危険な状態だ。

総評

我々がこれまで使ってきたプロモデルの中で、最も高性能なオールラウンドカメラだ。4570万画素の解像度はα1に匹敵し、8K 30pは撮影時間が長く、ライバルとは一線を画している。

しかし、フルサイズのRAWファイルを30fpsで記録する能力は不足しており、120fpsの驚異的な連続撮影時はわずか1100万画素のJPEGとなる。しかし、このカメラが実際に誰を対象としているかを考えると、全く適切であり、実際、好ましいスペックである。バスケットボールの試合を撮影して132GBのデータを家に持ち帰った後、管理しやすいファイルサイズはプロが実際に望んでいることだ。

オートフォーカスは、α1やEOS R3のような素晴らしい性能に比べると、不安定な被写体への追従に苦労することもある。しかし、このカテゴリーで銀バッジを獲得することは、かつてのデジタル一眼レフカメラの技術と比較すると、プラチナスターに相当する。プロ用のハイブリッドボディとして、Z 9は比類ない存在であり、ファームウェアで約束された8K 60pとProRes RAWが実現すれば、さらに有利になることは間違いない。パワーと価格の両面で、Z 9はプロにとって当然の選択である。

  • 長所
    ・120コマ秒連写
    ・8K 60p
    ・8k 30pで2時間の撮影が可能
    ・被写体検出AF
    ・無敵
  • 短所
    ・120fps時は1100万画素
    ・RAW出力時は20fpsまで
    ・モニタの明瞭さ
    ・メカシャッターなし
    ・いくつかの機能がまだ無い

とのこと。
4500万画素と高解像ながら20コマ秒の高速連写に対応したスポーツモデルですね。オートフォーカスについてα1やEOS R3ほどではないと指摘している部分があるものの、その要素を考慮しても高い評価に違いはないようです。特に被写体が一人の時は素晴らしい検出性能を発揮する模様。私もソニーやキヤノンとニコンZカメラを使い分けていますが、瞳の検出能力は高いように感じています。

積層型CMOSセンサーを搭載しているのでローリングシャッターの影響が少なく、プロ用モデルとしては初めてメカニカルシャッターを省略したミラーレスとなりました。ごくまれに高周波のバンディングを指摘するフォトグラファーも存在しますが、大部分の撮影では電子シャッターでも問題ない模様。他の積層型CMOSセンサー搭載カメラと異なり、ファインダー像用の撮影が可能で、使用状況の変化に関わらずファインダー像が安定しているのは魅力的ですね。他のレビューサイトでもZ 9のファインダーを高く評価する声が多く、高輝度で見栄えが良く、光学ファインダーに最も近いとも言われています。
従来のZカメラと比べると高価ですが、一眼レフ用のフラッグシップモデルほどでもなく、ニコンユーザーにとって魅力的な選択肢となることでしょう。AFについては今後のファームウェアアップデートによる改善や強化に期待。

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