ePHOTOzineがニコン「Z fc」のレビューを公開。デザインと性能がともに良好で、欠点を上回っていると評価しています。
ePHOTOzine:Nikon Z fc APS-C Mirrorless Camera Review
カメラの紹介:
- ニコン「Df」以来となるレトロスタイルのレンズ交換式カメラだ。
ビルド・外観:
- 特徴的なレトロデザインに、伝統的なダイヤルとスイッチを搭載している。古いフィルムカメラユーザーも違和感なく受け入れられるデザインだ。
- しかしながら、中身は2090万画素のCMOSセンサーや236万ドットのOLEDファインダー、104万ドットの3.0型モニターを搭載した最新ミラーレスである。
- ダイヤル類は精巧な加工が施されたアルミニウム製で、高いビルドクオリティを感じられる。
- 防塵防滴は非対応だ。
- 大口径Zマウントを採用しているので大口径レンズやレンズの小型化で有利である。
- 起動時のタイムラグはわずで、スイッチによるワンアクションでカメラを使用することができる。片手で操作できるので、カメラを目線の高さに上げたときには、すぐに使える状態になっている。
- EN-EL25バッテリーは、EVF使用時に約310枚、モニター使用時に約360枚の撮影が可能で、1日の撮影で問題とはならない。ただし、2本目のバッテリーを用意しておくことをお勧めする。
- 付属の充電器は、ケーブルを使わずにコンセントに直接差し込める便利なデザインだ。
携帯性:
- 重量は控えめな445gだ。
グリップ:
- 記載なし。
操作性:
- 美しく作られた本格的なレトロデザインのカメラで、主要な機能のほとんどすべてをアナログで操作できるという大きな利点がある。しかし、小型ミラーレスでは気づかないうちに誤ってボタンを押し、設定を変更してしまうことがある。長所もあるが短所もあり、慣れが必要だ。
- 初期設定でWBが登録されている小さなボタンは握り方を変える際に誤操作しやすいのが残念だ。
- ISOダイヤルはボタンを押すとロックされる。ISO51200と拡張感度までを操作可能だ。
- ISOダイヤルと同軸のモードセレクターを搭載している。
- シャッターボタンと同軸の電源レバーを搭載。使いやすさとスピードを考慮した合理的な配置だ。
手ぶれ補正:
- ボディ内手ぶれ補正は搭載していないが、レンズによっては光学手ぶれ補正を搭載している。
ファインダー:
- EVFは非常に精細な有機ELで、倍率は1.02倍となっており、目に優しくリラックスして見ることができる。
モニター:
- 3.0型バリアングルモニタは自撮りにも対応している。
- モニターはタッチパネルだが、オフにすることもでき、EVFとモニターを自動で切り替えるためのセンサーも付いている。これもオフにすることが可能だ。
- 小さなサブ液晶モニタには絞り値を表示することが出来る。残念ながら表示はほとんど見えないので、実用的な価値があるとは思えない。
メニューシステム:
- 記載なし。
オートフォーカス:
- AFは非常に高速かつ正確で、動作音はほとんど無い。
- 瞳AFなどの機能もスムーズに動作する。
- 低照度時の測距輝度範囲は-4EVまであり、暗い場所での撮影も問題がない。
連写性能:
- 記載なし。
画質:
- 2つのサンプルカメラを使ったところ、同一の結果をえることができ、個体ごとのばらつきは見られない。
- 28mm F2.8 SEと16-50mmの2本のキットレンズはとても非常に満足のいく結果を得られるレンズだ。
- ISO 1600まで完全に実用的な画質だ。ISO 3200でも許容範囲内の水準となり、ISO 12800までは緊急用として検討できる。
- ホワイトバランスのプリセットは大部分が白熱灯と蛍光灯でうまく機能する。
- ピクチャーコントロールには様々な種類が用意されている。
仕上がり機能:
- 記載なし。
動画:
- 滑らかで見栄えのよい画質だが、三脚を使用することで手ぶれを抑えることができる。
- 手ぶれ補正を使用したい場合は光学手ぶれ補正を搭載するレンズを使うと良いだろう。
- 動画撮影開始のボタンは押し込む際にカメラが揺れやすい。
- 音質は良好だ。バックグラウンドのノイズは概ね抑えられているが、マイクの感度が高く、EVFで撮影すると撮影者の息づかいまでも拾ってしまう。カメラ自体の動作音はそれほど大きくないので、邪魔にはならない。
通信:
- Wi-Fi・Bluetoothでスマートフォンアプリとの連携が可能だ。このアプリでは画像のバックアップなどが可能だ。
- ウェブカムソフトを使用することでカメラをウェブカムとして利用することが出来る。
総評
Nikon Z fcは間違いなく「欲しい」のカテゴリーに入るカメラだ。見た目の美しさだけでなく、操作性や性能も申し分ない。このカメラには豊富な機能が用意されており、マニュアルをダウンロードすると、624ページにも及ぶ膨大な説明書で確認することができる。
もちろん個人的な見解ではあるが、このカメラと一緒にレビューした2本のレンズはどちらも特別なもので、手に入れる価値があると思う。また、キットレンズとして購入する場合は手ごろな価格で入手可能だ。
もちろん、一般的なデジタル一眼レフカメラに比べてバッテリー駆動時間が短いことや、操作が簡単すぎること、耐候性がないことなどのデメリットもある。しかし、性能が良いだけでなく、よりも小型軽量で、非常に優れたデザインのカメラを使えるという喜びが、これらのデメリットを上回っているかもしれない。
- 長所:
・美しいレトロデザイン
・アナログダイヤルのコントロール
・高速かつ正確なAF
・とても良好なビルドクオリティ
・優れたエルゴノミクス
・良好な動画
・優れたEVF- 短所:
・ボディ内手ぶれ補正なし
・防塵防滴ではない
・微調整が難しい
とのこと。
基本的な性能は同社の「Z 50」とよく似ていますが、外観や操作性が大きくことなるレトロスタイルのミラーレスカメラですね。見た目こそクラシカルですが、バリアングルモニタを搭載していたり、一般的なP/A/S/Mモードに対応していたりとモダンな使い方も可能となっている点で、同じくクラシカル指向な富士フイルムと差別化されているように見えます。
APS-Cセンサーの中では高ISO感度のノイズに強いと評判の2000万画素センサーを搭載し、AFシステムはニコン最新のアルゴリズムを導入。ファインダーやモニターのスペックは平凡ですが、必要十分な快適さは満たしていると思います。
ePHOTOzineの評価を見るに、これと言った大きな欠点もなく、見た目や操作性を楽しめるカメラに仕上がっているようですね。あとは対応するレンズが増えてくると、さらに評価が高まるかもしれませんね。
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