このページでは登場が期待されているシグマ「fp L」に関する情報を収集しています。
データベース
最新情報
- 2022-01-28:ファームウェアアップデートVer2.00が公開されました。
- 2021-04-28:ファームウェアアップデートVer1.01が公開されました。
- 2021-03-24:シグマが25日9時開催の新製品プレゼンテーションを告知しました。
- 2021-03-21:fp Lの発表日がずれた可能性があると噂になっています。正確な日付は今のところ不明です。
- 2021-03-18:シグマ「fp L」の製品画像と思われるイメージがリーク。
- 2021-03-17:シグマが「fp L」を3月23日に発表すると噂されています。
- 2021-02-12:L-rumorsが匿名ソースの噂情報を発信しています。(下部のまとめに追記)
- 2021-02-11:CP+2021にて「開発者によるスペシャルコンテンツ」が2つ公開予定となっています。これが噂のfp Lやズームレンズとなるのか今のところ不明です。
- 2021-02-11:海外認証機関に「SIGMA fp L」が登録されたと話題になっているので専用の情報収集ページを作成しました。今のところ、どのようなモデルとなるのか不明です。「Light」なのか「Lesser」なのか、「PL」なのか…。また「EVF-11」の情報もありアクセサリーシューを搭載している可能性あり?
参考サイト
購入早見表
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アイカップ「EC-31」(簡易検索) | |||
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大型アイカップ「EC-41」(簡易検索) | |||
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セミハードケース「VC-07a」(簡易検索) | |||
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ACアダプター「UAC-21」(簡易検索) | |||
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USBケーブル(両端Type-C)「SUC-41」(簡易検索) | |||
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関連カメラなど
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海外の評価
DPReview
DPReview:Hands-on with the Sigma fp L and its new viewfinder
- シグマは、2019年に発売した初代「fp」の高画素姉妹機「fp L」を発表した。6100万画素のフルサイズセンサーを搭載し、設計や制御の思想を共有する初代fpと比べて、よりスチルに特化したカメラを目指している。
- そのため、この2つのカメラはどちらも「最小のレンズ交換式フルサイズカメラ」だ。少なくとも、オプションの電子ビューファインダー(EVF-11)を装着していない状態では。
- 電子ビューファインダーについては後ほど詳しくご紹介する。オリジナルのfpも、新しいビューファインダーを使用できるようにするためのファームウェアアップデートが近日中に公開される。
- 心臓部である6100万画素センサーの由来は明らかとなっていないが、6100万画素センサーを搭載したソニーの「α7R IV」と比較されるのは当然のことだ。
- fp Lは、像面位相差AF用の画素をセンサー上に搭載しており、これはLマウントのカメラとしては初めての試みだ。まだ製品版を試すことが出来ないものの、最初の印象としては期待通りだ。初代fpよりもAFシステムがより高速で確実なものとなっている。
- fp Lは初代fpと同様に、静音性の高い電子シャッターのみを採用している。しかしセンサーの走査速度が遅いため、動く被写体の撮影やパンニングには適していない。この点については、製品版を手に入れて徹底的にテストした後、さらに詳しく説明する予定だ。
- 小さなカメラにもかかわらず、fp Lの操作性を驚くほど高めている。トッププレートには、電源スイッチと「Cine/Still」スイッチ、シャッターボタン、RECボタン、そしてクリック感のあるコントロールダイヤルが配置されている。
- 放熱フィンが見える形状だが、fp Lの耐候性を損なうものではない。
- カメラの背面には、210万ドットの高解像度を誇る3.2インチの大型タッチパネルを搭載している。モニターは固定式のため、三脚を使ってローアングルやハイアングルで撮影する際に視認性が悪い。ただし、ビューファインダーはチルトが可能となっている。
- 背面には第2のコントロールダイヤルがある。このダイヤルは4方向ボタンとしても機能し、メニューの操作、AFポイントの設定、クイック設定画面の操作などが可能だ。
- 残念ながら、タッチパネルでクイックメニューを操作することは出来ない。タッチパネルでAFポイントを移動させることは可能だ。
- カメラ底部には、再生ボタン、表示ボタンのほか、専用の「トーン」「カラー」ボタンが配置されている。トーンボタンは、ライブビュー表示をフリーズさせて、被写体に合わせてリアルタイムにトーンカーブを調整することができる。カラーボタンは15種類のカラーモードにアクセス可能だ。モードボタンは、標準のPASMモードと追加の撮影モードを選択することが可能だ。
- fp Lには、初代fpと同様のポートが搭載されており、USB-C 3.1ポートは電力供給に加えて、SSDを取り付けて静止画や最大12BitのCinemaDNGを記録することができる。
- RAW動画やガンマエンコードされた映像を外部レコーダーに出力できるMicro HDMI端子や、リモートコントロール・タイムコード同期に対応した3.5mmマイク入力も装備している。
- カメラの底部には、初代fpと同じBP-51バッテリーとUHS-II SDメモリーカードスロットがある。BP-51は240枚の撮影が可能だが、予備を用意しておくことをお勧めする。本体のUSBソケットから電源を供給できるが、前述のようにファインダーを取り外す必要があるので注意が必要だ。
- SDカードスロットには、8Bit CinemaDNGを含むすべての4Kビデオモードを記録することができ、USB-CポートにSSDを取り付ければ、10Bitまたは12Bit CinemaDNGを記録することが出来る。
- バックパッカーや風景写真家など、身軽に旅をしたい人にとって、高画素センサーをできるだけ小型化することに魅力を感じると思う。事前に確認したところでは、非常に精細な映像を出力することができた。
EVF-11
- 電子ビューファインダー EVF-11は、カメラのMicro HDMIとUSB-Cポートに接続し、カメラの1/4インチねじ式マウントを使って固定する。小柄でエレガントなソリューションではなく、装着するためには多少の工夫が必要だ。
- USB-Cパススルーもある。ただし、SSDを装着してストレージとして利用することは出来るが、カメラを充電することは出来ない。外出時にはEVFを外して充電する必要があるのは残念だ。
- ファインダーのパネルは369万ドットで、価格相応の性能だ。倍率は0.83倍と高倍率である。また、ゴム製の大型アイカップを採用しているので、快適に見ることができ、上方向に90度まで傾けることが出来る。
- USB-C端子の左側に音声モニター用のヘッドホン端子がある。
- カメラ背面モニタとEVFの表示を切り替えるスイッチがある。自動で切り替えてくれるセンサーが無いので、このスイッチを頻繁に使うことになるだろう。
Dustin Abbott
Dustin Abbott:Sigma FP-L Mirrorless Camera Review
カメラの紹介:
- シグマといえば、レンズメーカーとしてのイメージが強い。しかし、実は以前からちょっと変わったカメラを開発している。 その多くは、シグマ独自のSAマウントを採用したカメラであったり、レンズ固定式のAPS-C・APS-Hなどのクロップセンサー機が多い。
- また、カメラのデザインの主流から大きく外れた、ユニークな形状のカメラも多い。 2020年に、シグマはライカLマウントを採用した2400万画素のコンパクトなフルサイズミラーレス「SIGMA fp」を発表した。
- そして2021年、fpの第2弾として登場した「fp L」は、6,100万画素という圧倒的な解像度を誇り、世界で最もコンパクトな高解像度フルサイズカメラとなった。
- レンズに関しても、最近のシグマはソニーα7Cやfp、fp L、SL2-Sなどの小型カメラとの組み合わせを意識している。優れた光学性能やビルドの良さを追求しつつ、より小さく、よりコンパクトなレンズを探している人たちの市場に焦点を当てているようだ。
- このような解像度を持つカメラとしては小型軽量かつ低価格だ。しかし、小型化のために当たり前のように使っている基本的な機能が省略されている点には注意が必要だ。ファインダーとグリップを追加すると、ソニーα7R IVよりも大きくて高価なカメラとなってしまう。それに、ホットシューを使いたい場合はファインダーを利用することが出来ない。
- これらは控えめに言っても型破りなアプローチであり、一部のニッチな層には好まれるかもしれないが、多くの人にとっては意味をなさないかと思う。シグマはそれで良いと思っているかもしれないが…。
ビルド・外観:
- 実にシグマらしいカメラだ。斬新な要素もあれば、単純に機能が劣っているだけの要素もある。
- 外装には堅牢性と熱伝導性に優れたアルミダイキャストを採用している。シグマはコンパクトなミラーレスカメラの基本的な欠点が放熱であることを認識していることには好感が持てる。最近のキヤノンやソニーのカメラは、高精細な映像を撮影・処理すると熱が発生し、オーバーヒートしてしまう問題で世間から批判を浴びることがあった。シグマはこの問題を解決するために、四方にヒートシンクを設けている。
- これにより、内部記録で最大2時間、外付けSSDに記録すればさらに長時間の4K動画を記録することが可能だ。
- ヒートシンクのあるカメラは耐候性の懸念があるものの、シグマは「42点のシーリングで防塵・防滴構造を実現し、あらゆる環境下で長時間使用するのに最適」と主張している。
- カメラの左側にはポートがあり、そのうちの2つはポートカバーで覆われている。持ち上げることはできるが外すことはできない。真ん中のポートカバーは、サイドアクセサリーを取り付ける場合は外す必要がある。
- このゴム製のカバーは、ホットシューやEVFアタッチメントに収納できるようになっているが、このカバーを無くしてしまう人は結構いると思う。ポートカバーをなくしてしまうと、カメラの耐候性が損なわれてしまうことは言うまでもないだろう。
- 左側面には4つの接続端子があり、底面にはマイク入力、中央の収納部にはマイクロHDMIと通信用ピン、そして上部にはUSB-C接続端子がある。
- カメラはUSBで充電でき(大きな出力は必要ない)、外部から電力を供給することで長時間の撮影にも対応している。
- カメラにヘッドホン出力端子がないものの、EVF-11経由で利用可能だ。EVF-11はさらに外部SSD出力用のUSB-Cポートを備えている。
- SDカードの収納場所は私が最も苦手とする場所、カメラ底面にあるバッテリー収納部にある。 三脚やジンバルで作業をしているときにカードに素早くアクセスするには最も不便な場所だ。幸いにも、ボトムプレートのデザインは他のカメラよりも若干優れており、標準サイズのプレートを垂直に取り付けたり、小型のピークデザインプレートを取り付けても、カバーを開けることができる。
- バッテリーパックは1200mAhのシグマBP-51バッテリーだ。 約240枚の撮影が可能と言われており、大きく外れてはいないように見える。 長時間の撮影でも電池切れとならないように、2つ目の予備を購入しておくといいだろう。
グリップ:
- カメラの前面には文字通りグリップがまったく無い。
- 表面加工や滑り止めの素材も前面には施されていない。
- 唯一のグリップ感は、背面のサムレストがわずかに盛り上がっていることだ。
- カメラが手になじむというより、カメラをつまんでいるような感覚だ。
- 小型軽量のレンズであれば問題ないかもしれまおが、重いレンズを装着すると本当の意味でのグリップが必要になる。
操作性:
- 操作はカメラ背面の方向キー/ホイールで行い、メニューの変更は前後のホイールで行い、中央のボタンがOKボタンとなっている。
- ボタンやホイールの感触はとても良く、エルゴノミクスに基づいた適切な配置だ。しかし、露出補正用の専用ダイヤルがないのは残念である。
- エルゴノミクスに問題があるとすれば、ファインダーを装着した状態で電源ボタンを操作し辛いことだ。
- 背面下部にずらりと並んだボタンはシグマならではのデザインだ。 スッキリとしたデザインだが、シグマが動画・静止画を問わず、色やトーンカーブのコントロールを重視していることを示している。 色からコントラストまで、カメラ出力を自在にコントロール可能だ。
- お気に入りの機能は、解像度の高さを活かしてロスレスズームを採用していることだ。 4Kでも最大2.5倍、FullHDでは最大5倍までロスレスズームが可能である。静止画(RAWも含む)の撮影でも同様のことができるのは良い。
- ズーム機能は9.5K(フル解像度)、6.2K、4.8K、UHD、FHDが選択でき、それぞれにクロップ量が設定されている。 これはJPEGも同じだが、RAWでこのような選択肢があるのは珍しい。
手ぶれ補正:
- 高画素でありながら動画撮影にも対応できるカメラとして、ボディ内手ぶれ補正が搭載されていないことも大きな問題だ。
- この問題は、シグマが過去2年間に発売したライカLマウントのDNレンズ10本のうち、OS(光学式手ぶれ補正機構)を内蔵しているのが「100-400mm F5-6.3 OS DN」のみであるという事実が、さらに問題を深刻化する。
- レンズにもカメラにも手ぶれ補正機能が搭載されていないということは、安定した動画を撮影するために、カメラを三脚やジンバルに取り付けなければならないということだ。これでは、「どこにでも行ける」コンパクトカメラとしての汎用性が損なわれてしまう。
- 解像度の低いfpよりもfp Lのほうがブレをを拾いやすい。手ぶれ補正あり・なしの差は大きい。
- シグマが本気でfpのラインナップを「ポケッタブル」にしたいと考えているのであれば、ボディ内手ぶれ補正の開発は非常に重要なステップだと思う。
モニター:
- ヒートシンクのために背面の液晶モニタは固定式となっている。
- 解像度210万ドットで、3:2アスペクト比を備えた3.15型の固定式液晶モニタだ。
- テストチャートの三脚テスト(通常は腰の高さで行う)やジンバルでの撮影など、さまざまな用途で固定画面に限界を感じた。
- 画面のタッチ機能は限られており、フォーカスを合わせたり、フォーカスポイントを移動させたりすることはできる。しかし、メニュー操作はできず、キヤノンや、ソニーの優れたカメラよりも、レスポンスに遅延が見られる。
メニューシステム:
- メニューの見た目はとても気に入っていたので、タッチ操作できないのは残念だ。
- フォントは美しく、とてもすっきりとしている。
- 特にQメニューは、タッチ操作のために作られたように見える。
- シグマは、メニューをCine用とStill用に分ける構成が主流となっており、カメラ天板にあるスイッチでCineを選択すると、動画用のユニークなメニューが表示される。
オートフォーカス:
- fp Lは、fpの49点のコントラストAFを、像面位相差AFとコントラストAFのハイブリッド方式にアップグレードしている。
- AFポイントは49点のままだが、スピードと精度が向上している。
- フォーカスポイントのカバー率はフレームの約80%だ。
- 私は正式発表前のプリプロダクションモデルを使用していたので、最終的なファームウェアではAFがさらに改善されているかもしれない。
- オートフォーカスは、初代fpで最も批判された部分であり、今でもカメラで最も嫌いな部分だ。
- 画面上のAFポイントは小さな正方形ではなく、長方形になっている。エリアが広がるので、ピントを思い通りに合わせられないことがあった。
- 全点を使うオートエリアは他社ならば90%ほどの打率でピントを合わせられるところだが、このカメラでは全くピントが合っていない場合もある。
- 瞳AFを使ったときにも同じような問題が発生した。 フレーム内に複数の人物がいると、瞳AFの検出先が常に人から人へと飛び移り、落ち着きがない。瞳AFを無効にして、好きなところにフォーカスポイントを置いた方が、より確実にピントを合わせることができる。
- しかし、1点AFを使ったとしても、ピントは必ずしも完璧では無い。
連写性能・ドライブ:
- SDスロットはUHS-IIに対応しているが、それだけではバッファが足りない。
- このカメラは10fpsまでの連続撮影が可能だが、RAWのバッファ深度は12コマだ。驚いたことに、JPEGでも14コマしか撮影できない。
- 電子シャッターを使用し、メカニカルシャッターを搭載していない。 そのため、ある種の照明(周波数が循環する照明)の下ではバンディングが発生し、ストロボ撮影には大きな制限が発生する。
- フラッシュの同調速度は1/15秒だ。もしあなたがポートレート写真家であれば、自然光や固定照明にこだわり、フラッシュは避ける必要がある。
RAW画質:
- フルサイズカメラとしては最高レベルの解像性能だ。ソニーα7R IVと比べても僅かに高解像である。
- DNGファイルはAdobeの標準規格であり、互換性の高い高品質なロスレス圧縮だ。 私自身もすべてDNGに変換しており、アドビも永続的なサポートを約束している。
- ファイルサイズは平均して85MB程度だ。 確かに大きいが、α7RIVに搭載されている.ARWファイル(平均122MBの非圧縮RAWと61MBの圧縮(非可逆))よりも相対的に優れている。
- DNGファイルフォーマットは素晴らしいと思う。フォーマットを変換する必要がないので、読み込みにかかる時間を短縮できる。
- fp Lが搭載しているローパスフィルターはモアレの除去には役立つが、その代償としてシャープネスが損なわれることがある。
- α7R IIIと見比べてみたところ、コントラストはソニーのほうが少し良好だが、ディテールの情報量はシグマが少し多い。ソニーはモアレが多く、偽色も発生している。
- 以上の結果から、ローパスフィルターの搭載は正解だったと思う。
高感度ISOノイズ:
- ネイティブISO感度は100-25,600で、拡張感度は最低6、最高102,400だ。
- ベースISO感度である100は、コントラストが高く、シャドー部が滑らかでとてもきれいな画像だ。
- ISO1600でも状況はほとんど変わらず、コントラストレベルは同様で、節目では最小限のノイズが見らる。
- ISO6400になると、ノイズパターンが少し粗くなるが、それでも十分に使える結果だ。
- ISO12,800になると、ノイズの中にもムラが見られるようになる。このパターンはISO25,600になるとさらに強まり、画質の劣化が始まる。
- できればISO25,600は避けて、12,800を上限としたいところだ。これは高画素機としてはかなり良い性能だと思う。
ダイナミックレンジ:
- 4段分のシャドー情報を、ほとんど影響を与えることなく簡単に回復することができた。
- しかしその逆の場合、2段分の露出オーバーではいくつかのホットスポットが発生する。3段分の露出補正では多くの情報が失われる。
- ダイナミックレンジは良好だが、総合的な性能ではソニーα7R IVにやや遅れをとっていると言える(おそらく1段分)。 しかし、ほとんどのシーンで十分なダイナミックレンジを得られる。
動画:
- 外部出力でCinema DNG 12Bitの30pを利用可能だ。しかし、SDカードの内部記録は8BitのCinema DNGで25fpsまでしか利用できない。
総評
シグマfp Lは、とても風変わりなカメラだ。高画素機としては驚異的な小型・軽量化を実現している。ただし、モジュラーデザインを採用しているため、一般的なカメラに内蔵されている基本的なアクセサリーを追加した時点で、その優位性は失われてしまう。また価格についても同様で、単純にコストパフォーマンスを認めることはできない。fp L + EVF-11のセットと同じような価格で販売されているソニーα7R IVではなくfp Lを選ぶためには、このカメラが提供するものを本当に欲しいと思わなければならない。
オートフォーカスの問題とボディ内手ぶれ補正の欠如は、私にとって大きな欠点となる。これらはカメラの用途を限定し、"ポケッタブル "や "ラン&ガン "の特性を損なうと感じている。
fp Lには2つの可能性があると考えている。
1つ目は、絶対的に軽量で高性能なカメラを求め、アクセサリーを使う必要のないグループだ。このグループはカメラを素の状態で使用し、軽量でコンパクトなレンズを使用することで、APS-Cサイズのカメラのように扱うことが出来る。そしてより高画質だ。レンズ次第で、バックパッカーや旅行者はこのシナリオを楽しむことができると思う。今回はシグマ24-70mm F2.8 DNと組み合わせたが、このようなカメラにはレンズが大きすぎた。
2つ目のグループは、小さくて柔軟性のあるフォームファクターが好きで、ケージなどでアクセサリーをつけることが多いビデオグラファーだ。 外部モニターを使用する場合、固定式モニタは大きな問題ではなく、グリップのない四角いボディも問題とはならないだろう。Arri、Sony、Redなどの他のシネカメラのディレクターズビューファインダーやカスタムフレームとの組み合わせに最適化されている。 カラーバリエーションも豊富で、後からグレーディングをしなくても映像をスタイリッシュに仕上げたい場合に便利だ。
しかし、カメラにすべての機能を求めてきた一般的な市場では、fp Lはあまり注目されないだろう。 モジュール式のデザインは主流と言えず、いくつかの大きな弱点がある。fp Lはニッチなユーザーのためのスペシャルな道具だ。 シグマはあなたがニッチな層であることを望んでいると思うが、例え違っていたとしても、彼らは一風変わったカメラを作り続けるように思える。
Digital Camera World
Digital Camera World:Hands on: Sigma fp L review
SIGMA fp Lは、高解像カメラの中で最も個性的なカメラのひとつだ。小さなカメラでありながら、強力なパンチ力を持っている。6100万画素センサーを搭載し、フルサイズカメラの中では最高レベルの解像度を誇る。これに匹敵するカメラは、ソニーのα7R IVだけであり、価格はfp Lのほうが遥かに安い。
SIGMA fp Lは、初代SIGMA fpと同じボディとデザインを採用している。また、動画撮影機能が若干強化されているだけで、ほとんどの機能は同じだ。SIGMA fp Lのクロップファクターは1.67倍となり、1080pで100コマ/秒、119.88コマ/秒での撮影が可能となっている。
新機種の最大の話題は、やはり高画素センサーだ。この変更により、Sigma fp Lはビデオグラファーではなく、フォトグラファーに近い存在になった。しかし操作性やデザインは従来と同じなので、このカメラを使うには少々難しいところがある。
6100万画素センサーの最大の利点は、驚くべき画質を実現できる可能性があることだ。特に、ライカ SUMMILUX SL 50mm F1.4のようなLマウント高級レンズと組み合わせた場合、その可能性が高まるだろう。しかし、このようなレンズを装着すると、カメラ前部が非常に重くなり、取り回しが悪くなる可能性がある。しかし、シグマは「SIGMA 45mm F2.8 DG DN」のようなコンパクトな単焦点レンズを多数ラインナップしている。シグマは45mm F2.8 DG DNのようなコンパクトな単焦点レンズを数多く手がけており、画質と携帯性を両立させることができる。
外観・操作性
前述したように、fp Lの操作性やデザインは、従来のモデルと同じだ。fpは、カメラシステムの核となることを意図している。これは、特定の要件に合わせてカスタムメイドのシステムを構築するビデオグラファーに適している。しかし、fp Lはどちらかというとフォトグラファー向けで、一般的にフォトグラファーはカメラリグを作らない。
そう考えると、このカメラのエルゴノミクスやハンドリングは、控えめに言っても違和感がある。長方形のデザインは、フロントグリップがなく、カメラの底部の角が手のひらに食い込むようになっている。シグマから発売されているグリップアタッチメントを使えば、カメラの前面に指を置くことができるものの、それでもやはり違和感がある。
性能
fp Lのフセンサーは、6100万画素のファイルを生成する。これだけの解像度を持つカメラは、ソニーα7R IVしか存在しない。この小さなカメラで、このようなクオリティを実現しているのは驚異的だ。また、Lマウントのレンズ交換式カメラであるため、レンズ選択の自由度が高いことも魅力となる。
fp Lの画像は、ディテールに優れ、自由度が高い。新開発の「パウダーブルー」をはじめとするカメラ内のカラープロファイルが、クリエイティブな表現を可能とする。これらのプロファイルはJPEGにのみ反映されるが、RAWファイルでも十分に操作可能だ。
このカメラ最大の問題点は、オートフォーカスだ。多くの場合、カメラは何にフォーカスすべきか混乱してしまう。被写体が画面いっぱいに写っていても、fp Lではピントが合わないことがある。これではイライラしてしまうので、固定式のフォーカスポイントが必須となる。
オートフォーカスの問題を除けば、このカメラは素晴らしい性能を発揮している。それは主に解像力の強さによるものだ。これらは初期段階での結論であり、詳細やサンプルについては後ほどレビューを行う予定だ。
結論
SIGMA fp Lは、今までに発売されたカメラの中で最も興味深いカメラの一つだ。6100万画素センサーなどの主要機能はフォトグラファーにとって有益であるのに、カメラボディはビデオグラファーのために設計されているかのようで、ぎこちなく、不快である。そのため、多少の違和感がある。しかし、いくつかの癖やエルゴノミクス的な問題を克服することができれば、このカメラは素晴らしいものになるだろう。
この小さなフォームファクターは、フォトグラファーにとって最もポータブルなフルサイズカメラとなる可能性を秘めている。さらに素晴らしいのは、シグマがこの携帯性と現在市販されている最高解像度センサーを両立させていることだ。こんなに小さいのに、こんなに大きなファイルが撮れるなんて......と驚くばかりだ。一般的にコンパクトカメラは、持ち運びの利便性を追求するあまり、画質を犠牲にしているものだ。しかし、fp Lはその両方の長所を兼ね備えていると思う。
まとめ
SIGMA fp Lは、フォトグラファーのために解像度を大きく向上させた。6100万画素が生み出す高精細な描写は、非常に魅力的なものとなるだろう。画質にこだわるのであれば、Sigma fp Lは他社のフラッグシップカメラに匹敵する性能を持っている。
しかし、このカメラのデザインについては賛否両論あると思う。SIGMA fp Lは、先代モデルに引き続き、文字通りポケットに入れて持ち運べるほどの小さなサイズだ。このコンパクトさは、携帯性に優れたカメラで撮影したいと考えるフォトグラファーにとって、大きなメリットになるかもしれない。ただ、エルゴノミクス的には問題があるので、ねじ込み式のグリップなどのアクセサリーを使うことで改善できるかもしれない。
全体的には、コンパクトなデザインと高解像度のセンサーを搭載した、非常にユニークな製品だ。フォトグラファーにとっては、新しい創造的な撮影方法を可能にしてくれるかもしれない。ビデオグラファーにとっては、より高解像度のタイムラプス撮影が可能になったこと以外、初代Sigma fpと比べて大きな違いはない。
長所
- 高解像センサー
- サイズ・重量
- 優れた画質
短所
- シングルSDカードスロット
- 快適では無いグリップ
- AFの信頼性が低い
DPReview
DPReview:Sigma fp L initial review
AF
fp Lには、同社初の像面位相差AFが搭載されている。他の位相差システムと同様、カメラがどれだけピンボケしているかを計算し、どの程度までピントを合わせる必要があるかを算出する。今回使用したfp Lはまだファイナルモデルではないが、フォーカスは初代fpよりも確実に改善されている。特に小さなAFポイントでは、より速く、より正確なフォーカシングが可能だ(ただし、若干の揺らぎやハンチングが発生することもある)。
fp Lには、ポートレート撮影の際に完璧なピント合わせを可能にする瞳検出AFを搭載している。実際に撮影してみると、小さな被写体でも瞳を検出することができ、好印象だ。
fp Lには、7×7の長方形グリッドにフォーカスポイントを配置して動作する被写体追尾AFシステムも搭載されている。まだ本格的には試していないが、限られた時間の中で使ってみた限りでは、うまく機能しているようだ。
クロップズーム
fp Lの高画素センサーの主な活用方法の一つに、クロップズームモードがある。このモードでは、センサーをクロップして、より狭い画角を得ることが可能だ。(実質的にデジタルズームである)。
カメラが使用するセンサーの最大領域と最小領域を、フルサイズから「FullHD(水平1920画素)」のクロップまで設定可能だ。クロップ率は1.0?5.0倍となっており、例えば24mmレンズを装着した場合、24mmの画角から153mm相当の画角までを撮影することができる。
当然のことながら、クロップすればするほど使用するセンサー面積は小さくなり、同じサイズに拡大すれば、解像度の低下だけでなくノイズ増加も避けられない。最大5.0倍ズームの場合、240万画素程度のセンサー領域を使用することになる。
新カラーモード
fp Lのカラーモードに、「Duotone」と「Powder Blue」2つのモードが追加されている。デュオトーンは、コントラストを付けた10種類のカラーグラデーションを画像に適用し、パウダーブルーは、クールで淡い色合いの画像となる。
これらモードの追加により、カラープロファイルは15種類となった。残念ながら、カメラ内でのRAW現像機能はまだないので、JPEGにどのカラーモードを適用するか、後から変更することはできない。
コンポジット低感度ISO
風景撮影に適したカメラにふさわしく、fp Lにはコンポジット低ISO設定がある。これは、露出結果を合成して、低ISOで長時間撮影したような効果を得ることができる。コマ間の動体補正はないので、三脚が必要となるが、ISO6相当までの露出が可能になる。
動画
8Bit MOVまたは8Bit CinemaDNGファイルの内部記録が可能だ。解像度は最大30pのUHD 4Kまで対応している。また、23.97pも選択可能で、24pの動画を撮影できる数少ないカメラだ。
fp Lの動画に対するシグマの配慮には感心させられるものがある。フォーカスピーキングやゼブラといった定番の機能に加え、露出を把握するための波形モニター機能を搭載している。さらに、シャッタースピードだけではなく、シャッター角で露出をコントロールする機能もある。
また、fp Lは動画モードに「クロップズーム」機能を搭載しており、4K撮影時には、センサーの横幅いっぱいからネイティブの3840×2160(約2.5倍)の領域まで、19種類のクロップが可能だ。
fpと同様、fp Lが動画で本領を発揮するのは、外部機器を接続したときだ。外付けSSDを接続すれば、10ビットまたは12ビットのCinemaDNG Raw映像を出力できる。また、接続する外部レコーダーに応じて、ProRes RAWまたはBlackmagic RAWにエンコードされたRAW動画をHDMIで出力することもできる(ただし、CinemaDNG映像よりもディテールが劣るようだ)。また、RAWでの撮影にこだわらなくても、HDMI出力からDCI 4K映像(4096×2160のワイドフォーマット)を出力することも可能だ。
また、fp Lはさまざまなカメラシステムとそのモードで同じレンズを使用した場合のカバー率をシミュレートする「ディレクターズビューファインダー」モードで使用できるアスペクト比の数を増やしている。これにより、Arri、Red、Sonyなどのプロ用シネマカメラと一緒に使用する監督が、フレーミングを確認するための手段としてfp Lを使用することが可能だ。
EVF-11
EVF-11(液晶画面用ルーペ型拡大鏡LVF-11とは別物)は、fp Lのボディ側面にねじ込むタイプの電子ビューファインダーだ。HDMI端子のカバーを外し、USB端子のドアを開けておき、ねじ込むようにして両方の端子に差し込む必要がある。
369万ドットの有機ELファインダーには大きくて快適なアイカップが付属する。また、最大90度まで上向きにチルト可能だ。ファインダーの側面には大きなLCD/EVFスイッチがあり、期待通りの働きをしてくれる(カメラを目に近づけたときに自動で切り替わるアイセンサーは無い)。
このスイッチのすぐ下には、カメラストラップを取り付けるためのネジ穴があり、その下にはヘッドフォンソケットとUSB-Cパススルーがあるので、外付けSSDにデータを出力し続けることが可能だ。ただしHDMI端子は無い。マイク入力は、EVFに遮られることなく利用可能だ。
ファインダー使用時には、カメラの背面スクリーンがAFタッチパッドとして動作する。相対位置ではなく絶対位置なので、AFポイントを左上に配置するには、画面の左上をタップする必要がある(スワイプではなく、ポイントの現在位置との相対位置だ)。
ファインダー単体での購入は699ドルだが、キットとして購入する場合は実質500ドルだ。
バッテリー
fp Lには、初代fpと同じBP-51バッテリーが採用されている。このバッテリーは8.7Whで、シグマは1回の充電で240枚の撮影が可能だ。ただし、fp LはUSB-C端子からの給電で動作・充電が可能だ。これにより、外部電源を使用すれば、動画撮影やウェブカメラとして長時間使用することができる。
ボディ・操作性
fp Lは、fpと同様に小さなボディだ。箱型のシンプルなデザインで、目的に応じてさまざまなアクセサリーを取り付けることができる。新開発のファインダーモジュールにより、その選択肢は大きく広がった。
シャッターボタンを囲むように配置された大きなコマンドダイヤル、カメラ背面の第2ダイヤル、その上下に配置されたQS、AEL、メニューボタンがある。QSメニューは、ユーザーがカスタマイズできるクイックメニューであり、4方向ボタンで移動し、ダイヤルを回すことで設定を変更する。
メニューは、横長のタブにページが配置されたキヤノンらしいものだ。メインダイアルはタブの間をジャンプし、リアダイアルは上下にスクロールするというキヤノンのロジックでメニューを操作する。いくつかのメニューオプションには、トップメニューと非常によく似た独自のサブメニューがある。
しかし、ボタンやダイヤルの操作がやや難しい(迷ったときはAELを押してみると選択肢が増える)ことを乗り越えれば、fp Lにはよく考えられた小さな工夫がたくさんある。例えば、動画モードでは小さな波形モニターだけでなく、シャッター角で露出を指定することができる。同様に、ISOオート機能も充実しており、焦点距離を考慮した「オート」シャッタースピードの閾値を設定し、焦点距離の倍数で調整することが可能だ。ライブビューを一時停止して、トーンカーブのハイライトとシャドウを調整できる。
しかし、これらのオプションへのアクセス方法については、もう少し考えた方が良い。例えば、ISOオートのシャッタースピード閾値をボタンに割り当てることができないため、6回から11回のボタン操作が必要となる。
第一印象
Sigma fp Lは、カテゴライズし辛いカメラだ。風景写真用でもなければfpのようなハイブリッドモデルでもない。
6100万画素CMOSセンサーはセンサー読み出しが非常に遅く(静止画モードでは約1/10秒)、その結果、ローリングシャッターが非常に発生しやすくなっている。これは、多くに影響を与えることになり、結果的にfp Lの使用方法を制限することになるだろう(どんな人工光の下でも、高速シャッタースピードでは多くのバンディングが見られる)。
ファインダーモジュールはfp Lの実用性を大幅に向上させ、特に背面モニタと比べて明るい場所でより使いやすくなる。また、ヘッドフォンソケットが追加されたことでさらに使いやすくなっている。さらにUSBパススルーポートが搭載されているので、CinemaDNG動画を外付けSSDに記録できるようになったのも嬉しい。
しかし、このEVFのUSBパススルーは、充電や給電としては機能しない。カメラのバッテリー駆動時間が限られていることを考えると、これは問題かもしれない。また、EVF-11はHDMIポートを占有しているため、ProRes RAWやBlackmagic RAWを出力したくても外部レコーダーを使用することができない。また、EVF-11のヘッドフォンソケットで音声をモニターしたい場合にも不満が残る。
ファインダーを覗いているときに、カメラ背面モニタがタッチパッドとして機能するのは嬉しいことだが、アイセンサーでは無く手動でモニターとファインダーの表示切替が必要だ。fp Lでの撮影では、時間の半分をEVFとLCDの切り替えに費やしているような気がした。メニューシステムと同様、この点についてもカメラとの付き合いが長くなれば慣れてくると期待している。
全体的に、Sigma fp Lは巧妙なアイデアに満ちた魅力的なカメラだが、誰のためのカメラなのか、何のためのカメラなのか、正直なところ、まだわからない。使っていくうちにそれが明らかになっていくことを期待しているが、今のところ、このカメラにこれほど遅いセンサーを搭載する意味があるのかどうか分からない。
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