カメラ レンズ

スイス発の超広角単焦点 Irix 15mm F2.4 交換レンズデータベース

このページでは一眼カメラ用交換レンズ「Irix 15mm F2.4」の情報を収集しています。

更新情報

  • 2020-02-21:KPIが「Irix」レンズシリーズの国内取り扱い開始を告知
  • 2018-10-03:The PhoblographerがソニーEマウントでレンズをレビューしています。
  • 2018-06-12:PENTAX FORUMSがレビューを掲載しています。
  • 2017.11.10:The Phoblographerをレビューに追加しました。

データベース

購入早見表

レンズデータ

レンズ仕様

イメージサークル 35mmフルサイズ
焦点距離 15 mm
画角 110? (対角)
最短撮影距離 0.28 m (0.92 ft)
フォーカシングタイプ マニュアル ロック機構付
絞り値 f/2.4 ? f/22
絞り制御 カメラボディから制御可
絞り羽根 9枚 円形絞り
レンズ構成 11群15枚
(高屈折率レンズ 3枚、EDレンズ 2枚、非球面レンズ 2枚)
フロントフィルター枠 Φ95 x 1.0 mm
リアゼラチンフィルター枠 30 x 30 mm
マウント Canon EF, Nikon F, Pentax K
サイズ 114 x 100 mm (4.49” x 3.94”)
質量
(FIREFLY) CANON
608 g (1.34 lbs)
質量
(BLACKSTONE) CANON
685 g (1.51 lbs)

MTFチャート

レンズ構成図

 

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海外の評価

Focus Numerique:歪曲がとても小さく建築写真に最適

  • マニュアルフォーカスレンズだが、フォーカスロック・無限遠クリック・過焦点距離指標など面白い機能を持っている。
  • 600g程度である本レンズはEOS 5Ds Rとの組み合わせでバランスが取れている。
  • リアフォーカス式のため、前玉は伸縮しない。
  • フォーカスリングのデザインは大成功だ。とても広くて使いやすい。回転角は非常に大きく、最短撮影距離から無限遠まで2回ほど操作する必要がある。
  • このレンズの解像力は優れているが、特別秀でている訳では無い。F4~F11に絞った時の性能は5000万画素のEOS 5Ds Rにも対応できるものだが、絞り開放における解像性能は芳しくない。
  • 14mm F1.8 DG HSM」は同じく絞り開放付近の周辺画質で苦しんでいる。しかし、中欧解像力はより良好だ。
  • XP14mm F2.4」は絞り開放付近でより均質的な画質だ。
  • 周辺減光は非常に大きい。絞っても影響が残るものの、F8以降は四隅の端のみ目立つ。
  • 歪曲は非常に小さい。超広角レンズとしてはとても良好だ。
長所
  • 大口径 F2.4
  • 電子制御の絞り羽根
  • デザイン・グリップ・レンズの造り・防塵防滴
  • 重量
  • 一般的な操作性
  • 中央画質
  • 非常に低歪曲
短所
  • 絞りリング無
  • 絞り値全域で中央と周辺部の画質均一性の欠如
  • 周辺減光が絞っても目立つ

このレンズはメリットとデメリットが混ざっている。画質の均一性は私たちが期待するレベルに達していないが、非常に補正されている歪曲収差は建築写真に特化しているものだ。

絞り開放時の周辺減光が強烈であるため、相殺するつもりなら露出を一段上げてオーバーで撮るべきだろう。

Digitalrev:ニコン1428Gと比較しても良好な性能

比較にNikon 14-24mm F2.8G・使用機材はNikon D610です

  • このレンズは韓国製だが設計はスイスだ。
  • 「Blackstone」と「Firefly」の2種類がある。廉価版のFireflyは高品質なプラスチック鏡筒で、より高価なBlackstoneはマグネシウム合金とアルミニウム合金を使った鏡筒だ。どちらもきちんとした造りで、フォーカスリングは適度な張力と回転量を持っている。
  • このレンズには着脱式の花形フードと95mmのフロントフィルター、そしてマウント側にゼラチンフィルターを装着可能だ。
  • 両方ともこの価格帯としては予想以上の優れた品質の造りと言えるだろう。
  • シャープネス・コントラストは全ての絞り値で優れており、四隅でも非常に良好だ。
  • AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED」と比較すると、2つのレンズにおける差はとても小さい。Irixは全ての絞り値でニコンより僅かに良好なシャープネスとコントラストを持ち、F22まで絞ってもなお良好なシャープネスを維持している。解像力の低下はどちらのレンズも四隅の極僅かな部分でのみ確認できる。両方とも素晴らしい広角レンズと言える性能だ。
  • Irixの歪曲収差に対する補正は本当に良好だ。
  • 周辺減光はF2.8でほぼ解消する
  • 私の撮影した写真からは色収差を確認することが出来ない。(訳注:レビューサイトでは高コントラストな作例で色収差が無い事を示しています。)
  • ゴーストとフレアは強烈な照明環境でのみ問題となるが、良く抑えられている。光源が前面に配置されると赤みがかったリングが発生するがコントラストやシャープネスには影響していない。

このレンズの品質にはとても驚かされた。「優秀なレンズである」と率直に述べることができるものだ。シャープネスは素晴らしく、歪曲や周辺減光は良好に補正されている。色収差に問題は無く、ゴーストやフレアも良く抑えられている。今後もスイスからこのようなレンズが登場することを期待したい。

Foto24:Samyang 14mmよりも優れている。

Irix 15mm F2.4とSamyang 14mm F2.8の比較レビューです

  • 一見して分かる違いは大きさだ。IrixはSamyangよりも大きい。ただし、レンズフードを外すことが出来るIrixはフード無しの場合、Samyangとほぼ変わらない大きさだ。
  • 我が家のキッチン重量計で測ると重量はIrixが693g、Samyangが575gだ。違いは100gであり問題にはならないだろう。どちらも軽いレンズでは無い。
  • Samyangがほとんどプラスチック出来ている一方でIrix Blackstoneはフォーカスリングを含めてマグネシウム合金で構成されている。実際、Irixは破壊することが難しく、壁に穴を開けることが出来そうだ。
  • プラスチック鏡筒であるIrix FireflyはSamyangの鏡筒に似ている。
  • Irixのフィルタースレッドは95mmと大きく、高価なフィルターを使う必要がある。しかし、それ以上にSamyangのようにフィルタースレッドが無いレンズではより高価なアダプタホルダーを使わなければならない。
  • 限りあるカメラバッグの収納力の中で脱着式のフードはレンズをコンパクトに保つために良い働きをする。フードは逆付け可能だ。フードが破損した場合に新品と交換できる点も良い。
  • レンズの外装で言えばSamyangよりも間違いなくIrix Blackstoneの方が良い選択肢だ。
  • 焦点距離は14mmと15mmであり1mm違う。この1mmは非常に大きな違いを意味している。ただし、屋外での撮影ならばそれほど違いを感じるこは少ないだろう。
  • 中央解像力はどちらも高解像だ。Samayangは絞り開放でさえとても良好だ。しかし、Irixはさらに明るいレンズであるにも関わらずフレームの隅までよりシャープだ。
  • フレーム四隅に注目すると、Samayangはややぼやけた像となる。一方でIrixは中央と似たような解像力を発揮している。絞り開放における比較は特にIrixが良好だ。
  • Samyangは他社ブランドよりも良好なレンズでありこれを打ちのめしたくはない。しかし、IrixはSamyang以上だ。一言で表すと「素晴らしい」と形容することができる。
  • 色収差の補正はどちらも優秀だ。Samyangはほとんど発生せず、Irixは全くと言っていいほど発生しない。
  • 広角レンズにとってフレアとゴーストは避けられない問題だ。Irix・Samyangどちらもこの問題を回避するのは難しい。フレアはどちらも良好にに補正されている。
  • 周辺減光はどちらも発生しているが、この問題はLightroomで簡単に修正出来る。
  • 歪曲収差は2つのレンズで大きく差が出るポイントだ。Samyangは大きな樽型歪曲であり、さらに悪いことに波打っている。一般的な歪曲は修正が簡単だが、この手の歪曲は難しい。一方でIrixは無修正でも歪曲収差は目立たない。Samyangを使う場合は多くの時間を歪曲修正作業に要するが、Irixを使えばこの作業時間を割り当てる必要が無い。
  • 2つのレンズにはさらに大きな違いがある。両方ともマニュアルフォーカスレンズだが、Samyangは夜間撮影時に無限遠への設定が難しく、多くのミスショットを生み出した。一方でIrixは無限遠にクリックストップがあるためフォーカシングに気を取られることなく撮影に臨むことができるのだ。さらに、Irixの過焦点距離表示には絞り値の表示が刻まれているため、これを使った撮影がとても簡単だ。
  • 最後の大きな違いは、Irixの絞り羽根動作が電子接点を介して自動化されていることだ。Samyangの絞り羽根は完全なマニュアル式だが、Irixはカメラ側の制御を使って動作する。これはAEを使用可能であることを意味している。さらに写真のEXIFに撮影データとして絞り値が記録される。
  • 夜景撮影ではIrixの蛍光塗料を使ったレンズ表示が役に立つ。カメラ仲間からも注目の的だ。

どちらのレンズも価格に対してのパフォーマンスは高い。しかし、Irixの驚くべき光学性能(歪曲・色収差の補正など)やマニュアルフォーカスを簡単で素早くするためのシステムを備えている。このため、Samyang 14mmよりも優れたレンズと言う事ができる。

Lenstip:周辺減光は大きいが他は驚異的

Blackstone版のレビューです

  • 絞りの制御はカメラ側から行う。このレンズとキヤノンの組み合わせではF2.4の設定値を使う事が出来ない。絞り開放の表示はF2.5となる。
  • レンズマウント部周囲に「スイス設計・韓国製造」と表記されている。
  • 鏡筒には被写界深度指標が印字されている。これは指標を持たないSamyang「14mm F2.8 IF ED UMC Aspherical」と比べて大きな改善点だ。しかし、より幅広い指標を持つMilvusと比べると平凡だ。AF対応のキヤノンレンズでもF5.6までは指標がある。
  • 幅32mm、回転角145°のマニュアルフォーカスリングは良好に減衰され、滑らかに動作する。さらにフォーカスリングをロックする機構が別で設けられている。さらにこのフォーカスリングには無限遠でクリックストップする機構まで有する。
  • このレンズの回転角はSamyang「14mm F2.8 IF ED UMC Aspherical」の250°と比べると狭い。
  • このレンズの前玉は出目金で47mm径だ。これは15mm F2.4というスペックを考慮すると大きなものでは無い。
  • 鏡筒はアルミとマグネシウムの複合材料で構成されている。4か所のゴムガスケットによる防塵防滴仕様だ。
  • 刻まれたマーキングは蛍光塗料が塗ってあるため、暗所での視認性が高まっている。
  • レンズは細部まで作りこまれており、抜群の仕上がり具合だ。質感・操作性は全く問題無く、最高級機材という印象を持つことだろう。
  • 豊富な付属品は本当に見事なものだ。フロントキャップ・2つのリアキャップ・操作窓付の花形フード・金属製のハードケースが入っている。
  • 中央解像力はとても良好だ。絞り開放から良像の基準値を超えており、絞ると急速に向上する。ピークはF5.6で45lpmmという本当に高い数値に達する。
  • ここではライバルのSamyang「14mm F2.8 IF ED UMC Aspherical」は絞り開放から44lpmmと素晴らしい性能を発揮し、絞ることで46lpmmまで向上する。
  • 面白いことにAPS-Cフレームにおける解像力は四隅まで中央と似た性能となっている。これは優れたレンズだ。ピークのパフォーマンスはSamyangよりも良好だ。
  • 大幅な解像力の低下はフルフレームにおける隅だけだ。絞り開放でシャープさを期待することは出来ないが、F4~F5.6まで絞ると許容できる数値となる。絞り開放における隅の解像力はSamyangが良好だが、絞り込むとIrixが上回る。
  • 一般的なレンズは解像力テストをここで終了する。近距離のチャートテストと遠距離のテストの違いが10?15%以上にはならないためだ。しかし、このレンズでは状況が異なる。このレンズは明らかに無限遠側で良好となるように設計されている。近距離の被写体では解像力が低下するだろう。
  • このレンズの小さな前玉から解像力には期待していなかったが、この結果には驚かされた。
  • 軸上色収差は全く問題が無い。完璧だ。
  • 倍率色収差の大部分の結果は0.03?0.06%と非常に低数値をキープしている。色収差の値が最も大きいところで0.13%のSamyangよりも良好だ。
  • 球面収差に関する問題は特に発生していない。
  • Samyangの歪曲収差は災害レベルだったが、Irixの歪曲収差はとても素晴らしいまでに補正されている。この結果は非常に高価なキヤノンよりも良好だ。
  • コマ収差はAPS-Cフレームでは全く確認できない。フルフレームの場合には目に見える形となっており、この結果はSamyangよりも少し悪い。
  • 非点収差は3.1%と問題にならない程度だ。Samyangがより良好だが、2つのレンズにおける差は誤差の範囲でしかない。
  • ボケはこのカテゴリのレンズとしてはかなり良好だ。
  • APS-Cフレームにおける周辺減光は絞り開放のみ目立つ。F4~F5.6まで絞るとほとんど解消する。
  • フルフレームにおける周辺減光は小さな前玉と絞り値から想像できるようにとても目立つ。この数値はこれまでテストしてきた中でも最高と言えるものだ。F4まで絞っても高い数値を示すが、F5.6?F8まで絞ると問題にする必要が無くなる。
  • このレンズの複雑なレンズ構成から想像できるように、逆光耐性は良くは無い。しかしながら絞り開放における結果はそこまで悪くない。

長所:防塵防滴で見事なデザインのしっかりとした鏡筒・センセーショナルな中央画質、良好なAPS-Cフレームの画質、目に見えないほどの軸上色収差、低倍率色収差、球面収差の問題が無い、ライバルと比べてとても良好な歪曲収差、とても低い非点収差、この画角のレンズとしては良好なボケ、とても豊富な付属品

短所:フルフレームにおける恐ろしい量の周辺減光、逆光耐性

Samyang「14mm F2.8 IF ED UMC Aspherical」のレンズ設計者は歪曲収差やフィルタースレッドなどの点で妥協している。比べてこのレンズは良好な歪曲収差やより大きなレンズ口径を実現し、さらにフィルタースレッドを設けるのは難しい設計だっただろう。周辺減光が大きくなる犠牲を伴ったが、それでも価値のある取捨選択だ。

さらに全体的にとてもシャープな画質で、色収差やコマ収差は低いレベルに抑えられている。このような難しいパラメーターのレンズとしては称賛に値する結果だ。

KenRockwell:これまでテストした中で最も優れた広角単レンズ

  • このレンズはより高価で大きいCarl Zeiss「Milvus 2.8/15」と同等以上の性能を持っている。
  • 素晴らしい光学性能だが、出荷時のフォーカスリングの校正が控えめだ。自分で無限遠の調整が可能だが、ネジを紛失するのが恐ろしいので自分では実施していない。ツアイスとの価格を考慮すると許容範囲の事であり、無限遠でピント合う場所に別途ポイントを付けている。
  • ピント距離の移動による画角の変化はほとんどない。
  • ボケは驚くほど良好で柔らかくざわつかない。しかし、このようなレンズでボケの優先順位はかなり低い。
  • 歪曲は他のどの広角レンズよりも小さい軽度から中度だ。
  • Blackstoneは金属製で重いレンズだ。長く使っていける造りをしている。
  • 周辺減光はF2.4で中程度だが、F4~F5.6でほぼ解消している。
  • フレアはほとんど発生しない。
  • 5Ds Rのような高画素機で使った場合でも倍率色収差はほとんど発生しない。これはレンズプロファイル要らずの素晴らしい性能だ。
  • このレンズのシャープネスはこれまでテストしてきた中では最もシャープな単焦点の広角レンズかもしれない。F2.4でさえフレーム全域で球面収差と倍率色収差の問題が無い。唯一、フレームの四隅における極端な端の部分が僅かにソフトなことだ。それも絞れが解消するが…。
  • このレンズはシャープすぎて5Ds Rの5000万画素でもモアレが発生する。
  • 円形絞りだが、絞り込むことで18本の光芒を発生させることが可能だ。

このレンズは他の広角レンズよりも優れた光学性能を備えつつ、一般的なフィルターが使用可能、さらに最も安価だ。唯一の欠点はオートフォーカスが非対応と言う程度だ。

PhotographyBlog:中央は絞り値全域で優れた性能

このレンズは優れた画質を持つ超広角単焦点レンズだ。

フレーム中央の解像力はF2.4から絞り値全域で優れている。F4~F11で最良の結果を得ることができるだろう。フレームの隅はあまりシャープでは無いが、それでも非常に良好だ。

さらに優れた製造品質、滑らかなフォーカスリング、過焦点距離表示のおかげで使用するのが楽しいレンズに仕上がっている。接写性能が高いため近くの被写体を撮ることも可能だ。

しかし、このレンズにはいくつかの小さな欠点がある。周辺減光はF2.4で広域に影響し、F5.6まで絞ってもまだ目立つ。そして95mmのフィルター径はとても高価だ(ただし、フィルターホルダーを使うよりは安価)。

小売価格を考慮すると、このカテゴリとしてはしっかりとしたレンズの造りと光学品質を持っている。

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